ねこたび日記

2023年5月13日(土) 曇りのち雨 
昨夜。
「明日は雨で光気にしないでいいから、朝ゆっくりでもいいでしょ。竹原ならそんなに時間も取らないだろうし。8時半出発でいいよね?」
ということに。
ひとつには昨日一日中坂道を上り下りしたからけっこう足に来てる。(^^;
だから少し朝寝坊した方がいいだろうね、と。
ところがなぜか5時半前に目が覚めて。(^^;
二度寝するか、と思ったんだけど、なんかいったん目覚めてしまうとそれももったいないような。家だったら躊躇なく二度寝してるんだろうけど旅先にいるとなぜか…。
何の気なしに窓の外を見ると道路は濡れてない。まだ雨は降ってきていないようですね。
ちょっと歩いてくるかな。8:30出発なら7:30前に戻ってきて朝食とれば余裕で間に合うし。
身支度をしてカメラ1台だけ持って外へ。念のため腰ポケットに折り畳み傘を突っ込んで。(^^;
昨日歩いた猫の細道にまた行ってみました。

さすがにこの時間はしんとしてますね。

こんな福石猫あったんだ。駅員さんみたいですが。(^^;

福石猫もいろんな表情のものがあって…。

この小道、じっくり歩くといろんな趣向が凝らしてある。猫絵や手作りのモニュメント。こういうのを見て歩くのも楽しいですよね。
天寧寺下の坂道を上から見ると…。

この時、5分ばかり小雨が。すぐに止みましたけど。
濡れた路面は情緒ありますが、歩くの怖いんですよね。いかにも滑りそうなのが見ていてもわかると思いますが。(^^;
猫の細道には猫さんいませんでしたが、宝土寺まで来たら一匹顔を出しました。

昨日は見なかった子だな~。

もう一匹。この子は昨日の夕方会った子。よく見るといい体格してます。(^^;

宝土寺は吉備津彦神社と隣接しているんですけど、その吉備津彦神社の社務所の戸が開いていて…。

この子はここで飼われているそうです。
こうやって見ると、鳥居の向こうに梵鐘があるのがわかりますよね。手前は吉備津彦神社、向こうが宝土寺です。

この子はすごく愛想がよくてずっとモデルしてくれました。

だからモデル料をちょっとはずんで♪
さて7:00を回ったし、ホテルに帰って朝食にしましょうか。
8:30ちょっと前、F君のクルマで出発、再び竹原へ。小一時間で到着。
道の駅にクルマを停めて、そこから5分ほど歩くと竹原の町並み保存地区。一昨日も撮影したこの地区が今日のメイン撮影場所。
とはいうものの、かなり雨が本降りになってきました。片手に傘を持っての撮影。
竹原は「安芸の小京都」とも言われる美しい古い家並みが残る町。
町並み保存地区に指定された一角には昔ながらの屋敷や土蔵、酒蔵などが並んでいます。意外に穴場な観光地なんですよね。

そう、昨日「雨の写真も欲しい」と言われたのは…。
多くの方は「なんで雨の写真がいいの?」と思うことでしょうね。晴れた日の方がきれいなのでは?と。
確かにそうですが、町風景の場合は必ずしもそうばかりとは言えない時があります。特に5月から9月上旬にかけての晴れた日の日中は太陽の光が強すぎて影がきつくなりやすい。多少つぶれるのは自然なんですが、周囲が明るすぎるとそれがどぎつく見えてしまう。現に一昨日ここで撮影したF君はかなりそれで苦労したみたいだし。
全体的に硬い感じの絵になってしまうことが多いんですよ。

その点、曇りや雨の日だと明暗差はさほどきつくない。しかも全体としてしっとりとした感じの絵になります。特に濡れた路面の情緒というのは雨の日ならではのもので、そこに傘を差した人が遠景に入るとそれだけで旅情を誘う絵になります。

それと雨の日は観光客の数も少なくて「絵待ち」をすることもあまりありません。
だから観光パンフや旅カレンダーなどで雨や曇りの日の写真がけっこう多いんですよ。もしお手持ちのカレンダーなどで全国の観光地をテーマにしたものがあったら見てください。必ず雨や曇りの日の写真があるはずです。
雨の日の撮影。嫌がる人も多いですが、私はさほど嫌いじゃないです。
確かに雨の日は傘も差さなきゃならないし機材が濡れるのを心配しながら撮らなきゃならない。露出ひとつ変えるにも傘片手だから手間取ったりする。
それでも、雨の日には雨の日ならではの情緒があります。いや雨の日でなければ出てこない「空気感」というものがある。木や花ひとつ取ってみても雨の日には溢れるような生命力を感じることがある。街の風景でも空気の乾いた晴れた日よりも曇りや雨の日の方が不思議と奥行きを感じるし、そこで暮らす人の生活感がより身近に感じられることが多い。

晴れた日を「いい天気」、雨の日が「天気が悪い」とは誰が言い始めたのでしょう?
果たしてそうでしょうかね。そもそも「いい天気」「悪い天気」って何?
晴れてれば「いい」?曇りや雨は「悪い」??
仮に「悪い天気」というのがあるとすれば、それは災害を及ぼすような天気のことなんじゃないですか?嵐のような。それだったら晴れっぱなしで「渇水」やら「日照り続き」の場合は?
たまにTVニュースで「ここ数週間いいお天気が続いているので川は干上がり、作物は枯れてしまっています」なんて言ってるアナウンサーがいますが、「ボーッと生きてんじゃねえよ!」と言いたくなりますね。それのどこが「いいお天気」だ、と。(^^;
私は嵐以外は何が「いい天気」で何が「悪い天気」というものはないと思っています。ただの雨を「悪い天気」と言ったら雨がかわいそう…というか、そういう発想しかできない人は決していい写真は撮れないですね。

西方寺。高台にあるこの浄土宗のお寺。まるで城郭のような高い石垣の上にあります。

猫もいるはずなんだけど…さすがにこの雨じゃ出てこないか。(^^;

山門からは竹原の町を見下ろすことができます。

このお寺には普明閣という舞台づくりの建物があり、そこに登ればそれこそ竹原の町を一望できるんですが、折から雨が強くなってきてちょっと行くのがシンドイ。(^^;
普明閣の写真は一昨日F君がいいのを撮っているのでパスでよかろうということで。下の通りに戻ります。
下の写真は竹鶴酒造。NHKの朝ドラ「マッサン」ゆかりのお店ですね。
あのドラマ放映以来訪問する観光客が急増したそうです。

竹原は「酒の町」としても有名ですね。三つの酒蔵がしのぎを削っています。左党の方はここにきて飲み比べをするという方も…あ、もちろんその場合はクルマで来てはいけませんよ。(^^;

ちょっと寄りたいお店があったので足を運んでみました。
陶工房「風土」。

小さな陶芸工房ですが、予約をしておけば本格的な陶芸体験ができます。
なんでこのお店が気になるかというと…岩合さんの「ネコ歩き」見た方はご存じでしょうが、ここは看板猫がいるんですよ。漱石君という。写真が貼ってあります♪

ふと見ると今日は手作りパンの販売日でもあるそうな♪
基本は予約制らしいけど、ちょうどお腹も空いてるしもしあれば欲しいなぁ。
中に入ります。決して広い部屋ではありませんが、こんな感じ。

漱石君は…?と聞くと、
「ごめんなさい。今日はパンの販売日なんで下に下ろせないんですよ。パンに毛がついちゃうから…」
看板犬のまつりちゃんと一緒に二階にいるそうです。残念!
中の陶芸作品をじっくり拝見して、パンを1個買ってお店を出ました。
「土曜以外だったら下にいますから。また漱石に会いにきてくださいね」
はい、ぜひ♪

いただいたレシートには漱石君の顔がデザインされてました。(^^;
ほぼ撮りたいアングルは押さえたかな…とF君と頷き合いちょっと茶房に入って休憩。
その後クルマに戻ってF君のPCからセレクトした写真を転送。可否の連絡を待ちます。しかしこれ…F君持参のセキュリティがガッチガチの転送システムでなかったら私はコワくてできないなぁ。まあ、彼はその気になればハッカーもできるくらいのその道のプロでもあるから任せておけば安心なんだけど。彼は間違ってもフリーWifiなんか使わないしね。
クルマの中で先程買ったパンを出して、

二つに割ってF君と半分ずつ食べます。巨大なパンなんで半分で充分お腹いっぱいになります。(^^;
モッチモチの食感で美味でしたよ。
パンを食べてる最中にクライアントから電話が入り「OKです」とのこと。
これにてお仕事無事終了~~~。やれやれ。
これで晴れて自由の身。
場合によってはもう一日拘束される可能性もあったので今日の宿は白紙にしてあります。今朝確認したら尾道のホテル、今日も空室余裕ありということだったので「もう一日」となったら戻るつもりでいたんですが、もうその必要もない。現在13:30ちょっと過ぎ。この後竹原を13:52に出る呉線の電車に乗れば、呉港15:55発の松山行きフェリーに乗れる。今日松山に入ってしまおう。
松山のホテルは明日からの二連泊で予約していたんだけど、電話をして一日前倒しの三連泊に予約変更。
と、F君が「呉まで送りますよ」と申し出てくれたのでお言葉に甘えることに♪
時折左手に瀬戸内海を見ながらのドライブで呉へ。雨なのが残念だけど…。
呉には15:00前に到着。船まで時間の余裕があったのでF君と一緒に「大和ミュージアム」に入ってきました。
右前の方に見えるのは「鉄のくじら館」。本物の潜水艦がそのまま博物館になってます。

30分ばかり見学した後、私は桟橋へ。
「いろいろありがとうね。気を付けて」
「これから猫三昧でしょ?楽しんできてくださいね!」
F君はこれからちょっと山越えをして西条ICまで行き、そこから山陽自動車道を使って大阪に戻るそうな。私を呉まで送ったりしなければそんな大回りしなくて帰れたのに…ホントに申し訳ない。彼には感謝!感謝!ですよ。
松山行きのフェリーは大和ミュージアムすぐ隣の桟橋から。
この船は広島港が始発でここに寄港します。

土曜の割には空いていましたね。お天気が悪いせいもあるのかな。
15:55出航。
しばらく遊歩甲板から左舷に見える呉の海上自衛隊基地を眺めます。
第四護衛隊群旗艦「かが」がいますね。DDH-184。「いずも」級護衛艦の二番艦です。ただいま空母に改装中。今でも立派な「ヘリ空母」ですけど、改装後はF-35B戦闘機を搭載する本格的な空母となります。

日本政府は「あれは空母じゃないです。あくまで多目的護衛艦です」な~んて言ってますけど、諸外国は「どう見ても空母だ!」って言ってますね。
そもそも改装前からジェーン年鑑にはしっかり「空母」として分類されてますから。
基準排水量19,500トン、満載排水量26,000トン。第二次大戦中の旧日本海軍が持っていた主力空母「飛龍」型よりデカいんだから、これじゃいくら「空母じゃないもん!」って言ったって誰も信じないよ。(^^;
DD-106「さみだれ」。第四護衛隊群第四護衛隊の汎用護衛艦。「かが」が改装された後は他の僚艦二隻とともに空母タスクフォースを組むことになるんでしょうね。

雨が強くなってきました。客室に引き返します。
やっぱり疲れていたのかな。この後、客席で眠ってしまいました。
目が覚めた時には松山観光港入港の案内放送が流れていて…。
17:50。松山観光港着。
バスと伊予鉄を乗り継いで松山市へ。そこから10分ちょっと歩いてホテルに着いたのは18:40過ぎ。

さすがに道後温泉に行く元気はなく、ホテルの大浴場で汗を流してレストランで夕食をとって早目に就寝。
明日は晴れそう。一日松山で休養日の予定。
Back Home Next