ねこたび日記

第三部「佐柳島」

2023年5月17日(水) 快晴 
丸亀を朝8時前の電車で二駅乗って多度津へ。
そこから20分ブラブラ歩いて行きつくのは…

もうおなじみの多度津の港。
今日は一日晴れるようです。ちょっと暑くなるという予報も出ているけど。
今回の旅で一番楽しみにしている佐柳島。いや今回だけじゃないな、瀬戸内に来ると一番楽しみなのはやはりこの島。だからいつもこの島には三日間の日取りを割いています。

高見・佐柳航路の「新なぎさ2」。
ついこの間まで新鋭船だと思っていたけど、もう進水してから7年経つんですよね。昔の「新なぎさ」を知っているだけに私の瀬戸内通いも年季が入って来たな~、と。(^^;
9:05,定刻に多度津出航。
高見島を経由して佐柳島へ。
今日も静かな備讃瀬戸。佐柳までの50分間、船内の席に座って過ごすのはもったいない。後甲板に出て海を眺めながら。海風を頬に受けながら。
漁船、貨物船、ときに旅客船。いろんな船と出会います。それを見るのも楽しいもの。

この船はLPG(液化天然ガス)運搬船ですね。
そう、瀬戸内海は日本領海ではあるけれど旅客貨物含めて国際航路が何本も通ってます。ちなみにLPGの輸入先はその80%までが中東から。カタール・UAE・サウジアラビア…インド洋を抜け、マラッカ海峡を通り日向灘からこの瀬戸内海に入る。入港先は大阪かな。
佐柳島が見えてきました。

9:55、定刻に佐柳本浦港に到着。
緑の島が大きくのしかかってくる。

船を下りると、お出迎え♪

いいお天気だけど…なるほど朝からそこそこ気温は高い。(^^;
まあ、空気がカラッとしてるから体感的にはさほど感じないけど。予想最高気温27℃。
同じ気温でもたとえば太平洋側の高知あたりだともうちょっと湿気があるから暑く感じるでしょうね。

猫たちはどう感じているんだろう?
でもやっぱりちょっと暑そうな顔してるのもいたりして。(^^;

猫は人間に比べて体温が高いから暑さに鈍感だとはいうけれど、それはやはり人間がそうであるように個体差が大きいような。平気な顔をしてるのもいれば暑がりさんもいる。
まあ、海風に当たってれば暑さも忘れるんだろうけど。

この時期、ゆるい南東風が吹くことが多いんだけど山の東側に集落があるこの島ではこの風がありがたい。
冬は冬で西側にある山が北西風をある程度防いでくれるから寒さもさほどでもありません。

この子はアクビばかりしてましたね。(^^;
さて、港を離れて歩きだします。

着いたばかりなのでカメラバッグの他に着替えを入れた荷物を持っています。とりあえず片方の荷物を下ろして身軽にならなきゃ…。今回も宿泊はネコノシマホステルなので、昼食ついでに荷物を預けることにしているんですが、ちょっと八幡神社に寄り道。
一匹の猫がダラ~ンと。(^^;

何ダレてるの?

ちょうど鳥居が作る日陰のところに横になって。この子は暑がりさんみたいで。

ハイハイ、わかりました。
てか、キミなんで北海道弁なのよ?
境内を見回すと、あちこちに猫が。みんな暑い時でも身の処し方上手ですね。その時その時で居場所を変えてる。

本殿まで行ってお賽銭を上げて二礼二拍手一礼。
神様、今日明日明後日とこの島でお世話になりますから、よろしくお願いいたします♪
神社をあとに北へ。途中で何匹もの子に逢います。

「あら、いらっしゃ~い」とでも言っているような、おだやかな歓迎の笑顔。
ネコノシマホステル。今日明日の宿です。

もう説明は不要ですよね。かつての佐柳小中学校の校舎をリノベーションした宿泊施設。
日中はカフェとして営業してます(ただし月曜火曜は休み)。

昼食を予約してあるのでまずは腹ごしらえ。チェックインは17:00なので、それまでの間荷物を預かってもらいます。
カレーライスをいただき、いちじくアイスクリーム(これ、お薦めです♪)を食べて小一時間ゆっくり骨休めしてからカメラバッグだけを持って再び外へ。
島時間。
心地良い海風と一緒にゆったりと時間が流れて行く。人も猫も、そのゆるやかな時の流れに身を任せて。

いつもそうだけど瀬戸内に来ると、特にこの佐柳に来ると普段時計の針に追い回されている自分とは別の自分がそこにいるような気がします。「写真を撮ろう」なんて肩肘も張らない。気が向いた時だけカメラを構えてシャッターを押す。この感覚ばかりは島猫撮影の時ならではですね。タンチョウ撮影も大上段に振りかぶった撮影姿勢は取らないけど相手が相手なだけにどうしてもファインダーを覗く時間が長くなります。でもここではカメラを構えない時間のほうが圧倒的に長い…。

昼下がりの浜。
一匹の猫がなにやら物思いにふけってる??

やおら歩きだす。

浜風にオトコの哀愁を漂わせながら。シブイねぇ。

なかなか絵になります。主演男優賞あげたいくらい♪

…ゴメンナサイ。(^^;
堤防の上は格好の散歩道。海風もよく当たるから気持ちいいんでしょうね。青い海と緑の草が印象的。

向こうに見えるのは広島。広島県の「広島」ではありません。(^^;
備讃瀬戸のこのあたりも比較的島が集まっていて、このあたりは「塩飽諸島」と呼ばれています。ただ、愛媛の島々に比べると島と島との距離は開いている。そのせいでしょうね、「しまなみ海道」の通る芸予諸島や松山沖の忽那諸島に比べるとより一層穏やかに見えるのは。狭い「瀬」がないので速い潮流があまりできないんですよね。

ここは港のすぐそばで、すぐ近くに船の待合所やトイレがあるんだけど、そこでできる日陰は彼らにとっても絶好の休憩場所。
私もちょっと腰を下ろして一休み…したら、次々と膝の上に乗って来る子が。(^^;

「バットマン」みたいな顔の子。

そうそう、子供のころTVでバットマン初めて見た時、コウモリでなく猫を連想してしまったのは私だけだろうか?(^^;
この子はシャム猫の血が混じってそう。

後に見える島は高見島。
この島は丸亀や多度津から見るときれいな富士山型に見えるのですが、実は南北に細長い島で隣にある佐柳島から見るとこんな感じになるんですよね。
この子は桟橋から海辺の岩場に下りて行って…。

さすが島猫。水を怖がらないですね。波打ち際をスイスイと。潮が引き始めてるから、「お宝さがし」かな?

ドヤ顔しなくていいから。(^^;
夕方の船の時間になりましたね。佐柳本浦14:50発。この船はいったん佐柳長崎に入って折り返し、再び本浦に寄港して多度津に向かいます。

ウン、今日明日は泊まりだよ。よろしくね♪
お約束の飛び猫。

これ、けっこう撮るのテクいるんですよ。というのもジャラシを使うんだけど、当然左手にジャラシ・右手にカメラということになります。ややしゃがんだ姿勢でやらなきゃならないからジャラシのコントロールが難しい。そして上の写真みたいに右から左に飛ぶ時はやりやすいんだけど、逆に左から右に飛ぶ場合は腕を交差させることになるから見上げで撮るのは難しくなります。ジャラシの長さを短く調節すればできないこともないんだけど、それだと猫の方があまり興味を示してくれないことが多くて…。
当然オートフォーカスではピンが中抜けする可能性がありますから、目見当で予めマニュアルでピン置きしておきます。シャッターポイントの位置と等距離にあるものでピンをとっておけばいいです。露出は絞り優先でも構いませんが、シャッタースピードが最低でも1/1000sec.以上になるようにISO感度を調整しておいたほうがいいでしょう。

で、この直後。
ジャラシのオモチャを咥えたまま、この白黒の子は下に飛び降りて…ジャラシの紐がプチン!!

あ~~~~!!!!
昨日松山の100均で買ったばかりのジャラシが見事オシャカに。(^^;
一応壊された時の予備にと思って買っておいたんだけど、一日もたなかった…。
残り一本…佐柳じゃジャラシの補充はきかないから、壊されないようにしないと。今回はもう飛び猫撮影はなしだね。

それにしても昨日今日と快晴。
天気予報では明日以降天気は徐々に下り坂で、明日から明後日にかけては雨が降るとか。

でも初日にこれだけ青い海・青い空が見られれば充分。あとはお天気に合わせて、ね。

本浦の山路商店さん。
おばあちゃんは船が着く時間には桟橋にお手伝いに出かけているのでお店を閉めます。

だから皆お留守番。

ちょっと退屈そうなので…。

ジャラシで遊んであげました。残り一本のこのジャラシ…振り方がちょっと慎重に。(^^;

17:00を過ぎると日陰が多くなります。この島は南北に長く、真ん中に高い山があるので太陽が山かげに入ってしまうんですよね。日没時間にはまだ2時間以上あるんだけど。

もうホステルのチェックイン可能な時間になってる。まだ明るいけど、少しずつ歩きながら宿の方へ。

今回の宿泊は図書室。
ちなみにここではシーツは自分で敷くんですよ。昔のユースホステルを思い出してください♪

すぐ隣は音楽室で、猫の部屋。(^^;
19:00。まだ外は明るいけど夕食の時間。
島で今朝獲れたばかりのタコのお刺身です♪

夜、部屋にはテレビはないけれど、廊下にいる猫たちと戯れているだけで退屈しません。

空気は澄んでいるので夜空がきれい。星の写真を撮りたいところではあるけれど、最近イノシシの出没が頻繁なので日没から日の出までの間は原則外出はしないでくださいとのこと。このすぐ裏にもいるらしい…。

向こうに見える灯りは洗面所&トイレのある棟。隣接してシャワー棟があります。

そ~なんだ。(^^;;;
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