股関節・骨頭を再生するための運動やストレッチ、栄養等の情報
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2 日常生活のコツ(井上和彦) | ||||
2 股関節痛を防ぐ日常生活の意外なコツ
既に股関節痛に悩んでいる人は、普段から痛みを軽減する工夫をして症状を悪
化させないことが大切です。股関節痛を防ぐ日常生活の工夫としてまずお勧めした いのが家庭内に洋風の暮らしをうまく取り入れることです。いまや日本人の生活様 式は、かなり洋風化していますが、昔ながらの畳の和室で暮らしている人も非常に 多いものです。畳の和室はくつろげる半面、正座やあぐらを組んで座ったときに股 関節に大きな負担がかかります。女性の場合は、横座りをすることで、股関節や骨 盤に異常招きやすくなります。その点洋風の暮らしでは椅子に座って過ごすことが 多いので股関節にかかる負担は軽くて済みます。他にもトイレを様式にする階段に 手すりをつける、ベッドで寝るといったことによって股関節の負担を減らせます。 3 股関節の血流を促すことが肝心
次にお勧めしたいのが日常生活に温熱療法を取り入れ股関節を温めることで
す。温熱療法とは、ホットパック、赤外線、超音波などで患部を温めて血行を促す 物理療法(リハビリ)です。股関節を温めると次のような効果が期待できます。@筋 肉や靭帯など、股関節周囲のこわばりが取れる。A股関節の動きがよくなる。B 股関節周囲の血行がよくなり痛みも和らぐ。いずれにも股関節痛の予防や改善に 最適といえるでしょう。 では、自宅で股関節を温めるには、どうすればいいのでしょうか。一番簡単なの
は「半身浴」でゆっくり湯に浸かり下半身を十分に温めることです。また、市販され ている温シップを足の付け根に貼ったり、使い捨てカイロをズボンのポケットに入 れておいたりしても股関節に十分な温熱効果を与えられます。特に冬の寒い時期 は積極的に股関節を温めて下さい。なお夏にクーラーの効いた部屋で過ごすとき は膝掛けを利用して股関節を冷やさないことが重要です。 |
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3 可動域を広げることが重要(井上和彦) | ||||
4 股関節痛には可動域を広げることが最も重要
股関節痛を招く変形性股関節症は、股関節のかみ合わせの悪さや軟骨の磨り
減ることによって進行します。そして一旦発症すると時間の経過と共に症状は悪化 していきます。そのため股関節痛が軽くなることはあっても一生つきあっていくもの と考えなければなりません。一般に股関節痛の治療法は手術をせずに痛みをコン トロールする保存療法か人工関節に取り替える手術療法のどちらかが行われま す。もっとも手術療法が行われるのは杖を使っても歩けないほど症状が悪化してい る場合だけです。また人工関節は耐久性などの問題から手術を受けられるのは原 則50代半ば以降とされています。実際に手術が必要になるケースは10人に1人 程度で大半は保存療法で経過をみることになります。 股関節痛の進行は主に4つの段階(前期・初期・進行期・末期)を経て進みます。
このうち、痛みが最も強くなるのが進行期で末期まで症状が進むとかえって痛みが 軽くなる場合もあり、たいていは進行期で手術を受けることが多いようです。保存 療法では、いかに前期・初期の状態を維持し進行期に移行するのを食い止めるか が重要になります。そこで保存療法の中心となるのが股関節周囲の筋肉を鍛える ことと股関節の可動域を十分に保つことです。どちらも年齢と共に衰えがちです が、適度な運動をすることで健全な状態を維持できます。特にお勧めの運動は水 泳です。水中では股関節にかかる負担が小さいので自由に体を動かせます。また 自ら程よい抵抗も受けるのでお尻や太ももの筋肉を鍛えるのに効果的です。泳ぎ 方はクロールや背泳ぎがいいでしょう。泳ぎの苦手な人はビート板を使ってもかま いませんし水中を歩くだけでも効果が得られます。一方普通のウォーキングも気分 転換になるのでお勧めです。ただし長時間のウォーキングは股関節に負担がかか ってしまいかえって逆効果です。30分以内の軽めのウォーキングを心がけましょ う。なおジョギングのように股関節に大きな負荷のかかる運動は症状を悪化させや すいのでさけて下さい。もし股関節に痛みのあるときは無理せず安静にして体を休 めて下さい。体調に合わせながら程よい運動を習慣づけることが大切です。 |
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4 股関節ストレッチ | ||||
筑波大学准教授 白木 仁
5 股関節の可動域を広げるストレッチ
@股関節の筋肉と神経伝達回路の発達を促す
股関節の衰えは股関節痛の原因になるだけでなく他の関節や内臓の働きも悪く
させ体型の若々しささえ損なう元凶であるといえます。そうした股関節の衰えを改 善するには、日頃からストレッチなどの運動を行って鍛えその可動域を広げること が何より大切です。しかし股関節を鍛えるというと筋骨隆々の体になることを想像 する人もいますがそうではありません。具体的にいうとトレーニングによって股関節 の周囲にある腸腰筋・中殿筋・大殿筋などの筋肉に備わった神経伝達回路を活性 化させるのです。私たちの体は上半身と下半身に大きく分かれており股関節はそ の両方をつなぐ土台としてそれぞれの動きを伝達する役割を果たしています。そし て股関節の働きを十分に発揮させるには股関節周囲の筋肉に情報を伝えてその 動きを連動させる神経伝達回路が発達していなければなりません。そのためには 過酷なトレーニングを行わなくとも股関節を中心とした軽いストレッチを行い股関節 の筋肉を柔軟にするだけでいいのです。 Aプロスポーツ選手もトレーニングに活用
私は大学でスポーツ医学を研究するかたわら数多くのプロスポーツ選手のトレー
ナーも務め股関節ストレッチをトレーニングに取り入れています。そしてそのような プロスポーツ選手と接していると股関節を鍛えることがいかに重要であるかを実感 させられます。私が指導しているプロスポーツ選手に横浜ベイスターズの投手、工 藤公康選手がいます。工藤選手は今年44歳、プロ入り25年目を迎えますが第一 線の選手としてマウンドに立ち続け今でも現役最年長投手として活躍しています。 そんな工藤選手が股関節ストレッチを始めたのは今から十数年のことでした。野 球の投手は投球時に下半身で踏ん張りその力を上半身に伝えることによって早い 球を投げることが出来ます。工藤選手は上半身と下半身の結合部分である股関 節を意識的に鍛えたことで飛躍的に選手寿命を延ばし、現役最年長記録を次々に 打ち立てることが出来たのです。他にも股関節ストレッチを取り入れている選手に プロゴルファーの片山晋呉選手、シンクロの銀メダリスト立花美哉選手・武田美保 選手などがいます。スポーツ選手は実際には多種類の股関節ストレッチを取り入 れていますが、この記事では運動不足の中高年でも簡単に出来、股関節を若返ら せる効果の大きいストレッチ運動を紹介します。 B股関節痛やヒザ痛、腰痛も数週間で改善
股関節ストレッチのやり方は、椅子に座ったまま、足を上げ下げしたり、足を内
側・外側に反らしたり、ヒザを回転させるだけの簡単な運動ですから誰でも無理なく 行えます。股関節ストレッチは最初のうちは5分ほどかかると思いますが慣れて手 順を覚えてしまえば3分ほどで出来るようになります。これを1日1回、風呂上りな ど筋肉が柔軟になっているときに行うと効果的です。股股関節ストレッチは血流を 促進し体のコリをほぐす効果もあります。起床時に行えば血行が促されて体が活 動的になり就寝前に行えば体のコリがほぐれてリラックスします。 私は以前、茨城県の健康教室で50人ほどの高齢者を対象に股関節ストレッチ
のやり方を指導したことがあります。そのとき参加者の多くから「楽に立てるように なった」「股関節が滑らかに動くようになった」「腰痛と股関節痛が和らいだ」などと いう感想が寄せられました。股関節ストレッチを2〜3週間も続ければ股関節痛を はじめヒザ痛や腰痛も次第に解消していくはずです。また上半身がしっかりと支え られ股関節の可動域も広がるため高齢の人などは転びにくくなります。なお股関節 ストレッチを行っているときは、少なからず下半身に負担がかかります。重度の腰 痛や股関節症に著しい変形のある人、股関節の手術を受けたことのある人などは 医師に相談してから行って下さい。 |
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5 バランスボールによる股関節ストレッチ | ||||
スポーツインストラクター 扇谷 公貴
股関節に負担をかけずに可動域が広がる弾力ボール活用法
1 股関節の強化とダイエットに有効
変形性股関節症を主とする股関節痛の保存療法では、その一環として患者さん
に運動療法が勧められています。しかし重度の股関節痛に悩む患者さんの場合 は、激痛で股関節を動かすこともままならないうえに、それを押して過度な筋トレや 歩行訓練に取り組むとかえって股関節を傷めることになりかねません。そのため 各病院において患者の体の負担を減らし安全性も確保できる運動療法としてプー ルでの水中歩行や最新機器によるトレーニングを取り入れて股関節痛のリハビリ に役立てています。しかし実際にそういった設備を導入できる病院は限られている のが現状です。そこで近年、安全性と運動効果が実証され、しかも低コストで実施 できると弾力ボールを使った運動療法が全国の病院で普及しはじめました。 この弾力ボールはバランスボールとかエクササイズボールとも呼ばれるPVC(ポ
リ塩化ビニール)製のボールでもともとは体に障害を持った人のリハビリ用に196 0年代にイタリアで開発されました。そして、今では整形外科などの病院で股関節 周囲にある筋肉の強化とダイエットを主な目的として弾力ボールが活用されている のです。 2 骨盤のゆがみが取れ股関節のズレも正す
弾力ボールは腰掛けるときは、バランスをうまく取って滑り落ちないようにしなけ
ればいけません。このときに背骨や骨盤を支える深部筋肉(腸腰筋など)や股関節 の周囲にある筋肉(中殿筋・大殿筋など)がよく伸縮してほぐれます。これらの筋肉 が柔軟になれば股関節の可動域が広がると共に関節を保護するサポーターとして の働きも取り戻されるので股関節痛の予防・改善に大きな効果が期待できるので す。 弾力ボールは股関節にほとんど負担がかかりません。しかも運動能力の衰えた高
齢者でも柔らかな弾力によって体の動作が助けられるので簡単に行えます。さらに 弾力ボールの使い方を少し工夫すると骨盤の歪みによって生じる左右の股関節の ズレも矯正出来ます。この場合まず仰向けになって足先を弾力ボールの上に乗せ ます。そして弾力ボールの上で足を前後に揺らしたり、ヒザを開閉したりといった動 作によって骨盤のゆがみと股関節のズレを調整していくのです。 この運動も基本運動と同じく深部筋肉と股関節の周囲にある筋肉がほぐれて柔軟
になります。特に深部筋肉が鍛えられると全身の血流が促され、基礎代謝も活発 になります。その結果、太りにくく痩せやすい体質になって股関節にかかる体重の 負担も減らすことが出来るのです。なお、弾力ボールを行う回数や時間帯に決まり はありませんが、どちらの運動も毎日続けることが肝心です。少なくとも半月から一 ヶ月ほど継続してやれば股関節の動きが滑らかになっていることを実感できるは ずです。 |
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6 パワー足上げ | ||||
パワー足上げ
健康体力研究所顧問:野沢秀雄
1 中殿筋などが衰えると股関節痛はより悪化
股関節痛の主な原因である変形性股関節症の初期では寛骨臼や大腿骨頭に骨
が硬くなり軟骨も減少するという異常が現れます。これは体のバランスが崩れた結 果、一方の股関節に体重の圧力が集中することで起こります。すると関節の隙間 も狭くなるため骨同士が接触して股関節の周辺に痛みが出るのです。 そして股関節に異常があるとお尻周りの筋肉が落ちてふくらみが小さくなっていく
のです。これは、股関節周囲にある筋肉が衰えて「こう縮」(こわばって縮むこと)す るためです。お尻の中でも最も衰えが激しいのは股関節を支える中殿筋です。そ のほか、お知りのふっくらした部分にある大殿筋や背骨から太ももよつながってい る腸腰筋の働きも低下してきます。 2 病院でもリハビリに活用しているパワー足上げ
変形性股関節症を改善するには適度な運動をして筋力を強化することが肝心で
す。運動によって股関節を支える中殿筋などの筋肉が柔軟になると股関節が安定 してきます。その結果、変形性股関節症の進行が抑えられ痛みも改善していくので す。 しかし、股関節に過度の負担がかかる運動をすると痛みは増し、逆効果になりか
ねません。無理なく、しかも確実に筋肉を強化できる運動が理想的でその条件に 合うのが「パワー足上げ」なのです。パワー足上げは横になって片足ずつ上げ下 げするという簡単な体操です。これは病医院でも保存療法や手術後のリハビリで 活用されているように股関節に無理な負担がかからないという利点があります。 パワー足上げのやり方は二通りあり、一つめは横向きに寝た姿勢で行う方法、
二つめは仰向けに寝た姿勢で行う方法です。横向き寝で行う体操は中殿筋を強化 する効果があり、仰向けで行う体操は中殿筋の他に大殿筋や腸腰筋などより広範 囲に股関節周囲の筋肉を鍛えることが出来ます。ただしパワー足上げを行うとき は無理をせず、出来る範囲で足を上げるようにして下さい。またパワー足上げは 痛みの出ている足を上げるのが基本ですが変形性股関節症の進行を防ぐために 反対側の足も上げるといいでしょう。 また、股関節痛がある程度和らいできたら、重さが1キロ前後のオモリ(アンクル
ウェイト)を足首につけて行うと筋力アップ効果はさらに高まります。アンクルウェイ トを使う場合も回数をやり過ぎると筋肉に負担がかかるので無理のない範囲で行う ようにして下さい。 |
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7 片ヒザ倒し | ||||
中度の変形性股関節症に効く片ヒザ倒し
黄海接骨院院長:黄海匡士(おうみただし)
1 股関節の骨に孔が空き、トゲも出来る
股関節に強い痛みを訴えて私の治療院を訪れる患者さんのほとんどは、変形性股
関節症です。この変形性股関節症は、四つの段階で進行していきます。そのうち、 股関節痛が日常の動作で頻繁に起こる「進行期」に入ると、股関節のズレや変形 が大きくなっているため、股関節は本来の滑らかな動きが出来なくなり、動かせる 範囲(可動域)も狭くなっています。 このとき、股関節の内部は、具体的にどのような状態になっているのでしょうか。
まず、股関節を構成する寛骨臼(寛骨の外側にあるくぼみの部分)と大腿骨頭(大 腿骨の上部にある骨)が硬くなり、内部に小さな孔(あな)がいくつか空き始めるの で(骨嚢胞形成という)骨折し易くなります。 次に、寛骨臼と大腿骨頭の硬化に伴って軟骨も減ってくるため、関節の隙間が狭
まります。すると、寛骨臼と大腿骨頭がぶつかり合うようになり、さらに軟骨の磨り 減りを早めてしまうのです。また、寛骨臼にトゲのような骨が出来ることもあり、これ が軟骨や骨を削って股関節を変形させます。こうなると動くたびに股関節が痛くな ったり、じっとしていても痛みが起こったりするので歩行時には痛む方の足に体重 をかけまいとして足を引きずるようになります。(跛行という) このずり足歩きがお尻周りの中殿筋や大殿筋、、背骨から太ももにつながる腸腰
筋といった筋肉に負担をかけてこう縮(こわばって縮むこと)させ、更に股関節の可 動域を狭くしてしまうのです。 2 股関節周囲の筋肉が一挙に強まる体操
中殿筋をはじめとする股関節周囲の筋肉は、股関節の動きを助けると共に、そ
こにかかる体重の負担を分散させて引き受ける役割も果たしています。つまり、変 形性股関節症を改善するには中殿筋などの股関節周囲の筋肉を柔軟にして、本 来の働きを取り戻すことが大切なのです。 とはいえ、進行期に入った変形性股関節症では、股関節痛で足の動作が限られ
るため、適当なトレーニングが見当たらないのも事実です。そこで、私の治療院で は、股関節痛に悩む患者さんたちに「片ヒザ倒し」という体操を勧めており、大変好 評を得ています。この片ヒザ倒しは仰向けに寝ながら片足を開閉するだけなので、 股関節に大きな負担がかからず、しかも中殿筋などの股関節周囲にある筋肉をほ ぐすことが出来ます。 3 朝・昼・晩に5回ずつ行う
変形性股関節症の進行期以降になると、ほとんどの人は病医院で出された鎮痛
薬を常用するようになります。しかし、薬に頼り過ぎるのはお勧め出来ません。な ぜなら、薬は痛みを一時的に抑える手段に過ぎず、股関節のズレや変形を根本的 に治すものではないからです。もともと、変形性股関節症の主な原因の一つに股関 節周囲の筋肉が衰えてこう縮(こわばって縮む)することが上げられます。つまり、 股関節痛を改善するためには、股関節の周囲にある筋肉をほぐして柔軟にするこ とが何よりも大切だといえるのです。その方法として私がお勧めしたいのが「片ヒザ 倒し」という体操です。この体操では、床に仰向けに寝て片ヒザを椅子、或いは台 の上に乗せヒザを体の外側に倒しては戻す動作を繰り返します。片ヒザ倒しのやり 方は次の通りです。 @ 床に仰向けに寝て両腕を体の脇に伸ばし、股関節痛がある側の足のかかとを
椅子に乗せる。このとき、ヒザ角度を90度、太ももと体の角度も90度に曲げて立 たせる。 A 足のかかとを椅子の上につけたまま、足全体の力を一気に抜いてヒザを体の
外側に向けて倒す。 B ヒザを倒せるところまで倒したら、@の姿勢に戻す。@〜Bの動作を合計で5回
繰り返す。 この片ヒザ倒しは、5回を1セットとして朝・昼・晩の1日3セットを行うのが基本で
す。 4 足の力を抜いて行うのがコツ
次に片ヒザ倒しを行うときのポイントを述べましょう。片ヒザ倒しをするときは足全
体の力を抜いたまま、ヒザを倒すことが大切です。動作はゆっくりでも構わないの で、ヒザを倒すときは一気に力を抜き、ヒザが外側にパタンと倒れるようにして下さ い。こうした一気に力を抜く動作によって股関節周囲の筋肉は弛緩(しかん)と収縮 を繰り返すので筋肉は次第にほぐれて緩んできます。この動作がうまく出来ないと 片ヒザ倒しの効果が小さくなるので何回か練習をしてコツをつかむようにして下さ い。 また、片ヒザ倒しは、基本的に痛みが出ている側の足だけを動かしますが、左右
両側とも痛む人や、変形性股関節症の予防が目的の人は、両足でそれぞれ行っ てもいいでしょう。 5 1週間も続ければ確かな効果を実感
以上のような容量で片ヒザ倒しを行えば股関節周囲の筋肉が一気にほぐれて柔
軟性も高まります。それによって股関節を構成する寛骨臼と大腿骨頭が正常にか み合うようになり、可動域も広がって日常の動作を無理なく行えるようになりはずで す。とはいえ、こんな簡単な体操で変形性股関節症の改善に効果があるのかと疑 問を感じる人がいるでしょう。しかし、私の治療院を訪れた患者さんたちにこの片ヒ ザ倒しを勧めたところ、ほとんどの人の股関節痛が見事に改善しています。 具体的にいえば、早い人なら片ヒザ倒しを行って1週間〜10日後には股関節痛
が和らいでいるのです。ただし、中には変形性股関節症の進行期であっても股関 節痛がひどくてヒザを倒せない人もいるかもしれません。変形性股関節症の人はそ もそも股関節の可動域が狭くなっているからです。 このような状態の人がヒザの力を抜いて股関節の可動域を広げようとするわけで
すから、股関節に多少の痛みが出るのは当然ともいえます。そうした人は、ヒザを 無理に外側に倒そうとするのではなく、出来る範囲で少しずつ倒してみて下さい。 片ヒザ倒しを1〜2週間も続ければ次第にヒザが大きく開閉するようになるでしょ う。 |
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8 お尻落とし | ||||
重症の股関節症に効く「お尻落とし」
黄海接骨院院長:黄海匡士(おうみただし)
1 さまざまな関節痛や内臓の不調も招く
変形性股関節症がさらに重症化し「末期」の段階になると強い股関節痛によって
歩くのも不自由になります。 このとき、股関節の内部では、股関節を構成する寛骨臼と大腿骨頭を覆う軟骨
がなくなり、つなぎ目にあった隙間も消失しています。また寛骨臼にできたトゲのよ うな骨が成長してぶつかり、股関節の変形が股関節の変形が進んでいます。 股関節がこうした状態になると、その可動域は極端に狭くなるため、日常の動作
全般がスムーズに運ばず、つまずいたり転び易くなったりするのです。 そればかりか、下半身の血流も悪くなるので、股関節以外の関節や臓器にも不
調が現れ、ヒザ痛、腰痛から胃もたれ、便秘、生理痛、冷え性などを併発する人も 少なくありません。 2 股関節痛が消えて薬も不要と大反響
このように変形性股関節症が重症化した場合、「片ヒザ倒し」を行うことは難しい
かもしれません。片ヒザ倒しは、股関節の片側を大きく動かす運動です。そのた め、股関節の可動域がかなり狭くなった末期の状態では、激痛のために股関節が 思うように動かせないからです。 私の治療院でも、自力で歩けないほどの股関節痛に悩む患者さんが訪れます。
こうした患者さんたちは、股関節周囲の筋肉の強張り(こわばり)がひどく、ひとりで は片ヒザ倒しが出来ないのです。そんな患者さんたちに私は、股関節を大きく動か さずに股関節周囲の筋肉を解すのに効果的な体操を勧めています。 それが、「お尻落とし」です。お尻落としは、仰向けに寝て両膝を立てたら片方の
お尻を上げ、一気に力を抜くという動作をする体操です。片ヒザ倒しは、股関節を 大きく開いて股関節周囲の筋肉を緩める体操でしたが、それに対してお尻落としで は、股関節を開くというよりも、腰ごと上に突き出すようにして股関節周囲の筋肉を 緩める体操なのです。 私の治療院でも、お尻落としを毎日続けた結果、末期の変形性股関節症でも一
ヶ月ほどで痛みが和らぎ、杖を使わずに来院できるようになった人が大勢います。 3 上げた側の股関節の筋肉がほぐれる
お尻を上げると股関節周囲の筋肉に力が入っていますが、お知りを下ろすと、そ
れらの筋肉は緩みます。こうした脱力の動作がうまく出来ないとお尻落としの効果 が小さくなるので、何回か練習してコツをつかむようにして下さい。 お尻落としは左右でそれぞれ3回の動作を1セットとして、1日に3〜5セット行う
のが基本です。股関節痛がかなりひどい人は回数を増やしても結構ですが、1日 に何十セットも行う必要はありません。横になったとき、お尻落としを1〜2セット行 うように心がければいいでしょう。 また、お尻落としでは、上げたお尻をストンと床に落としますが、その振動でごくま
れに股関節が痛む場合もあるので布団やマット、ジュウタンなどを敷き、軟らかい 床の上で行うようにして下さい。 なお、手術で股関節を固定したばかりの人や、人工股関節を埋め込んで間もな
い人がお尻落としを行うのは厳禁です。 これまでにお尻落としを実行した人たちの例を見ると、その効果が実感できるの
は、おおよそ1週間から半月です。中にはやったその場から股関節痛が和らいだ という人もいますが反対に2〜3ヶ月経ったころから徐々に股関節の可動域が広が ってきたという人もいます。 このように効果が現れる期間も改善の程度も人によってまちまちですが、長く続
ければ、ほぼ全員に何らの改善効果が現れるので焦らず、希望を持ってお尻落と しに取り組んでみて下さい。 |
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9 ポール・ウォーキング | ||||
ボールウォーキングで期待出来る効果
1 健康維持でウォーキングを楽しむ人には・・・・
●上半身も使った全身運動なので、通常ウォーキングと比較して20〜30%増の
運動効果。 ●メタボリックシンドロームの予防と改善。ダイエットにも有効。
●正しい姿勢を保持して歩幅も広がり、左右のバランスがとれ効果倍増。
●首や肩周りの血行を促して肩こりも改善。
●歩幅が広がり越の上下運動が大きくなり、エネルギー消費量アップ。
●上半身と下半身がねじれあう回旋運動で体幹筋群が強化され、シェイプアップ。
●ポール体操で手軽に安全にウォーミングアップ。
●筋力・筋持久力・柔軟性の向上
2 リハビリ中の方や足腰がよわまっている方には・・・・
●骨粗鬆症の予防と改善
●足腰への負担を軽減
●転倒予防と身体バランス、筋バランスの改善
●起立&歩行の安定性の獲得。
効果は通常ウォークの1.5倍
▼正しい姿勢が保持でき歩幅も広がるのでウォーキング効果も倍増!
ウォーキングは、特にメタボリックシンドローム(内臓脂肪症候群)の改善に期待
出来ます。しかし、それは正しいフォームによるウォーキングが実践された場合に 限ります。正しい姿勢を保持できるポール・ウォーキングと通常ウォーキングの比 較に関する実験(米クーパーエアロビクス研究所)では、ポール・ウォーキングでは 通常のウォーキングに比べエネルギー消費量が20%以上(最大で46%)も高まる ことが明らかになりました。また、心拍数も1分当たり約46%)も高まることが明ら かになりました。また、心拍数も1拍当たり約5拍も上昇し、ストライド長(歩幅)は広 がり、ピッチ(歩数)は少なくなることから、片歩脚宙で移動する遊脚時間が長くな り、足腰のバランスと骨・筋群に刺激を与える効率的な運動になります。 つまり、転倒防止や骨粗鬆症の予防にもつながるアンチエイジングエクササイズ
が可能になるのです。 ▼まずは朝夕15分のポール・ウォーキングから始めましょう!
通常ウォーキングを1時間行った際のエネルギー消費量は約280キロカロリー
なのに対し、ポールを持ったウォーキングは400キロカロリーまで脂肪燃焼効率を アップしてくれるのです。 せっかくの運動、どうせだったら、最大×1.5倍の効率を期待出来る「ポール・ウ
ォーキング」で時間もセーブしたいものです。内臓脂肪を減らすためには、30分以 上の有酸素運動が必要と思われている方、15分を2回に分けて行っても運動効 果は同じです。まずは朝夕15分ポールを手に家の周りを歩く習慣から始めましょ う。 |
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