レッグ・エクステンションの注意点
現在、トニーが通う整形外科の病院でも、足の3点セット(ウォーミングアップ)後に最初にやる
エクササイズは、大腿四頭筋の強化を目指したレッグ・エクステンションである。
やり方は、椅子に座った状態で膝から先を水平に持ちあげて一旦、停止、ゆっくりと戻す。
骨頭に負担をかけずに、大腿四頭筋を強化できる理想的な種目。
●注意点
大腿骨頭壊死症の人の壊死部の位置は、大半が骨頭前上部に集中している。
理由は、人間の骨格上、骨頭の前上部が一番、血液の届きずらい場所だかららしい。
この骨頭前上部に一番負荷がかかるのは、
@ 直立なら少し前傾の姿勢
A 直立から膝を少し曲げて、腰を落とした状態
となる。
結果、立ち座り、階段の昇降などは骨頭に負荷がかかり、痛みの原因となる。
●理想論
大腿四頭筋の強化で、一番効果の高いものは
スクワット
である。スクワットは、大腿四頭筋(ふともも前部)の他、大殿筋(おしりの筋肉)、
中殿筋(骨盤脇と大腿骨をつなぐ筋肉)と骨頭周辺全ての諸筋肉に効果的である。
但し、それは健康な健常者がやればの話しで、骨が壊死しているION患者には不向きである。
しかし、日常の骨頭に掛かる荷重を減らすために大腿四頭筋の強化は、必須であり、骨頭に
負荷をかけずにこの筋肉を強化するために残っている種目は
レッグ・エクステンション
しかないのである。
●通常のレッグ・エクステンション
レッグ・エクステンションは、足首におもりを巻くか、マシンで負荷をかけて足首を水平に伸ばす
動作である。
通常は、足首にウェイトを巻くか、マシーンを使って負荷をかける。大腿四頭筋はかなり強い
筋肉なので腕などと違い相当の重量を直ぐに扱えるようになる。
●ION患者のレッグ・エクステンション
この種目は図のように足首にウエイトを掛けると膝を支点として股関節に逆方向の力が働く
ため、足首にオモリをつけるのはあまり勧められない。
割り箸の先端におもりをつけて、先をテーブルから半分くらい出せば、割り箸が床に落ちる
原理と同じである。
トニーはこれを知らずにレッグ・エクステンションマシーンを使い、骨頭の痛みが再発した経
験がある。
やり方によっては、おもりを使用しなくとも、加圧なら充分に大腿四頭筋に効かせることが出来る。
スローテンションでゆっくりした動作でレッグエクステンションをすると、たとえウェイトを巻かなくとも、
大腿四頭筋にかなり効くのである。
数をこなそうとせず、ゆっくりと1レップ1レップ確実に足の筋肉を収縮させれば、たとえウェイトを使用しなくとも、30回×3セットが相当きついはずである。
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