面積とベクトル積

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【連載 面積】の目標は「球の表面積の公式」を理解することです。

球を“微小平面の集まり”と考え、今、微小平面の面積を求めようと頑張っています。

2次元平面なら、高校数学までの知識を使えば、何とかなるのですが、

3次元空間になった途端、一気に難しくなります。・・・というか、面倒くさくなります。



連載 面積(#06)】において、

ベクトルの外積(ベクトル積)を使って面積を考えよう!・・・という作戦を立てました。

外積を学ぶ前に、ベクトルの起原になった「四元数」について知っておいた方が良いでしょう。

・・・ということで、【連載 面積(#06)(#07)(#08)(#09)】において、

四元数を学び、ベクトル積の準備をしてきました。

今回は、いよいよ、ベクトル積を用いて面積を表す方法です。



【三角形の面積】


三角形の面積について初めて学ぶのは、小学生のときです。

九九(1けたの掛け算)を2年生で学び、3年生では、さらに桁数を増やします。

掛け算を学び終えた4年生になると、いよいよ図形の面積計算に入ります。

まずは長方形の面積。(たて)×(横)ですね。

5年生になると平行四辺形を切り貼りすると長方形にできることを知り、

(底辺)×(高さ)で平行四辺形の面積が求まることを学びます。

平行四辺形に続くのが三角形であり、平行四辺形の半分ということで、

「(三角形の面積)=(底辺)×(高さ)÷2」を理解します。



【三角比とベクトルの成分】


高校生になるとグレードアップ。

それまで、(底辺)と(高さ)という、直交する2本の線分が不明だと求めることができなかった場合においても

三角形の面積を求めることが可能となります。「三角比」の登場です。



図の△OAB において、高さ h が分からなければ、小中学生はお手上げです。

しかし、高校生だと、h = b sinθ であることを知っているので、

(△OAB の面積)= ah/2 = a(b sinθ)/2 = ab sinθ/2 と求めることができます。



では、∠θ が与えられていないときは、どうしましょうか?

ベクトルの内積を用いて、cosθを求めると良いですね。



この cosθから sinθに変換すれば、三角形の面積を求めることができます。



ベクトルが成分で与えられているときは、どうでしょうか?



に対して、



ですから、



したがって、△OAB の面積は



となります。



【2次元平面から3次元空間へ拡張】


連載 面積(#09)】において、3次元空間内にある2つのベクトル



の積が次のように表されることを見てきました。



ここで、a3 = 0、b3 = 0 にすると、2次元平面上にある2つのベクトルの積になります。



第1項が「内積」で、第2項が「外積」です。・・・さて、何か気付きませんか?

先ほどの三角形の面積ですが、絶対値の中身が外積になっているのです。

つまり、2つのベクトルの成分が与えられているとき、それらの外積の大きさが面積計算に直結しているのです。

これは、2次元の平面ベクトルだけでなく、3次元の空間ベクトルに対しても当てはまります。



これで、

連載 面積(#05)】以来、しばらく離れていた“曲面の面積計算”の話に、ようやく戻ることができます。

・・・次回に続く。


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