石炭の現況
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現在の科学では、時間が巻き戻ることはありません。 したがって、進化の過程を戻すこともできません。 ある地層に石炭が豊富にあるのは、 @ある時期に、森林が形成され始めたから / Aある時期までは、白色腐朽菌が存在しなかったから です。 現在でも、森林は形成され続けていますが、 白色腐朽菌が絶滅しない限り、もう地球上に石炭層ができることはないので、 限りある石炭(あと約100年)の利用を、どのようにコントロールしていくか、考えねばなりません。 ![]() 学ぶ項目を、ステップを細かく分けて一覧にしました。 「この項目は大丈夫だな。」と思うものは飛ばしてもらって結構です。 自分に必要な項目だけを学べば良いでしょう。 【石炭化】 (01)石炭・・・太古の植物が石炭化したことにより生成した物質です。 (02)石炭化・・・埋没した植物が(泥炭)→(褐炭)→(瀝青炭)→(無煙炭)と変化していくことです。 (03)泥炭・・・古生代は、分解者が少なかったので、大量の植物群が分解される前に埋没していきました。 (04)褐炭・・・脂肪族炭化水素の脱水反応により、泥炭から褐炭になります。 (05)瀝青炭・・・脱炭酸反応により、褐炭から瀝青炭になります。 (06)無煙炭・・・脱メタン反応により、瀝青炭から無煙炭になります。 (07)セルロース・・・植物細胞の細胞壁の主成分。 自然界に最も大量に存在する多糖です。 (08)リグニン・・・“セルロースの接着剤”です。 (09)古生代シルル紀・・・リグニンを有する植物が陸上に進出し始めました。 石炭化のきっかけです。 (10)古生代デボン紀・・・最古の森林が確認されています。 陸上植物の進出が活発でした。 (11)古生代石炭紀・・・白色腐朽菌(リグニン分解能を有する)の登場により、石炭化の終焉。 【石炭の現況】 (12)石炭化の速さ・・・日本のように地殻変動が活発なところは、石炭化が速いです。 (13)古生代の地層・・・どのエリアも無煙炭です。 (14)中世代の地層・・・海外は瀝青炭で、日本は無煙炭です。 (15)新生代の地層・・・海外は褐炭で、日本は瀝青炭です。 (16)日本の自給率・・・1960年では86.0%ありましたが、2020年では0.4%となっています。 (17)国内の生産地・・・100%北海道です。 (18)石炭の輸入先・・・1位オーストラリア、2位インドネシア、3位ロシア、4位アメリカ、5位カナダ。 (19)オーストラリア・・・東部のグレートディバイディング山脈(古期造山帯)です。 (20)インドネシア・・・1980年代から開発が始まったばかりの新しいエリア。 新期造山帯です。 (21)ロシア・・・西シベリアのグツネツク炭田(古期造山帯)です。 (22)アメリカ・・・アパラチア炭田や中央炭田は古期造山帯、ペンシルベニア炭田は安定陸塊です。 (23)カナダ・・・アメリカから続くロッキー山脈は新期造山帯です。 (※)「石炭」が登場したところで、ついでに、炭素の同素体についても見ておきましょう! → こちら 「鉱産資源の探求」に戻る |
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