鉱産資源の探求
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【先史時代】・・・文明以前の時代です。 「洞窟壁画」は、人類最古の絵画です。 このときに用いられていた色は、主に黒色・赤色・黄色ですが、 それぞれ、木炭、赤鉄鉱、針鉄鉱の顔料が利用されていたと考えられています。 この頃から、土を掘ったり、岩を削ったりしていたわけです。 【古代】・・・文明が成立してから、ゲルマン人の大移動が始まるまでです。 人類初の人工顔料は「エジプシャンブルー」です。 銅の二次鉱物である「孔雀石」から作っていました。 「銅」という字は“金に同じ”と書きます。 金を得ようとした結果、銅を発見するに至ったのかも知れません。 古代、金を得るために頑張ったのは、エジプト人だけでなく、ローマ人もでした。 古代ローマ人は「火力採掘」という方法で、金鉱を掘っていました。・・・どんな方法だろう? 【中世】・・・ゲルマン人の大移動から、十字軍までの「封建社会」だった頃です。 人類の歴史は、「石器時代」から「金属器時代」へと移行しています。 金属器時代を、さらに分割すると、「銅器時代」→「青銅器時代」→「鉄器時代」となるでしょう。 鉄の需要が増えたのは、諸侯・騎士が台頭していったからでしょうか。 鉄器時代は、現在も続いています。 【近世】・・・ルネサンス以降の「絶対王政期」です。 製鉄には、鉄鉱石を融かすための燃料が必要で、 例えば、イギリスでは、16世紀までは森林が豊かだったのですが、 燃料用木炭の需要が増えると、一気に森林が減少していきました。 ヘンリー8世のせいでしょうか? さらに、木炭だけでは足らず、石炭を使うようになりました。 現在の“石炭状況”は、どうなっているのでしょうか? → こちら 【近代】・・・産業革命が、帝国主義のきっかけになりました。 ヨーロッパ列強が進出し、“世界の土地の陣取り合戦”が始まります。 争いをするには武器が必要で、武器を作るには鉄が必要で、皆、良質な鉄を欲していました。 ヨーロッパで優秀な製鉄国だったのは、スウェーデンでした。 スウェーデンは、17世紀のグスタフ・アドルフ王の時代から、製鉄に力を入れていたこともあり、 非常に鉱業も発達していました。 18世紀半ばに「ガドリン石」が発見されて以降、立て続けに希土類元素が単離されていきますが、 その多くが、スウェーデン人の化学者によるものです。 → こちら 【地質学の登場!】・・・産業革命の副産物? 18世紀初めに発明された「蒸気機関」が、18世紀半ばに改良され、 蒸気機関を用いた発明が相次いでなされていくと、石炭の需要が膨らみ、 それまで、地面の表層を削る程度だったものが、やがて、地下深くへ掘り進めていくようになりました。 そして、あることに気付いたのです。 「この層状の模様は、一体、何なんだ?」・・・「地層」の発見です。 産業革命に伴う石炭の採掘・運搬をきっかけに、「地質学」が誕生しました。 初期の地質学の対象は、地球の表層を覆っている岩石(岩石学)や地層(層序学)、 そして、そこから見つかる化石(古生物学)でした。 → こちら 【現代】・・・“脱炭素時代”の到来です。 地球温暖化を食い止めるために、まず、すべきは、“食い止める方法を考えるだけの時間稼ぎ”です。 すなわち、少なくとも、温暖化のスピードを遅らせなければなりません。 そのためには、温室効果ガスを少しでも減らさねばなりません。 温室効果ガスとして有名な二酸化炭素の排出は、鉱業界でも問題になっており、 どのようにして減らせばよいか、日々、考え続けられています。 例えば、有機化学工業では、触媒を改良することで、今までよりも省エネで製造することが可能になりますが、 そのためには、より良い触媒を求めねばなりません。 その触媒効果が、今まで利用されていなかった金属にあるとすれば、その金属鉱物を採掘しなければなりません。 ところが、採掘自体に大量のエネルギーを使っていたのでは意味がない。 そこで、採掘にも省エネが求められます。 南アフリカの鉱山では、換気システムを改良することで、エネルギー消費を60%以上、削減しました。 オーストラリアの鉱山では、無人車両を使うことで、燃料消費を減らすとともに、 人件費などのコストも削減しました。 チリの鉱山では、鉱山の近くに太陽光発電パネルを設置して、太陽光エネルギーを利用し、 二酸化炭素の排出量を、1年あたり1万5000トン削減しました。 その他、各地の鉱山で、ディーゼルトラックから水素燃料トラックへの切り替えを始めているようです。 「塾での授業」に戻る |
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