トリオ HF&50・144Mhz オールモード 受信機 TR−599 


 日本製のセパレートタイプにはスターのSR−600や八重洲の400ラインだけだった時期1969年秋にTRIOが発売したのが599ライン、JR−599、TX−599、SP−599です。八重洲FR‐DX400がHF&50、144Mhzまで受信できたのに対抗しJR−599カスタムでも同様にHF(160m含む)&50、144Mhzまで受信できます。
  周波数構成は、TS−510と同じ回路構成はダブルスーパで当時最新の半導体回路に置き換えたものIC+FET表記が時代を感じます。
TS−510と異なる点は、半導体化以外に、 6m/2mのクリコン
実装(カスタムタイプ SSBのほかAM、FM受信可能で 受信モードフィルターの自由な選択のほかモードにあわせ自動的に帯域幅が選択できるAutoモードが備わっていました。
 トリオらしい斬新なデザインで比較的小型です。基本性能は感度と安定度の良さ以外は、初期の半導体なので内部雑音が多く混変調/感度抑圧に弱いなど性能的には今時の無線機に比べ受信機の性能が少々劣る感じです。
 特に50Mhzではスプリアスが多く不満が残ります。50、144Mhzは28Mhzに変換するクリコン方式だったので止むを得ないかも知れません。

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入手時の状態
@受信はHF&50、144Mhzとも問題なく受信できます。
Aボリュームガリもほとんどありません。
Bその他スイッチ類も良い状態です。
C電源コードは所々ネズミにかじられた跡があります。
Dケースのサビはかなり酷い状態です。

各ユニット
@シャーシ上部にはクリスタル、フィルター、固定チャネル、VFO、RF、AFの各ユニットのほか50、144Hhzクリコンの基板が配置されています。
Aシャーシ内側にはRFユニットコイル、IF、マーカー、AVRの各ユニットが配置されています。
酷いケース錆の状態にもかかわらずラッキーなことにシャーシ上部、内部共に錆もなく大変綺麗です。
R−599には固定5チャンネルOSCユニットが備わっていますが、操作が上部蓋を開けて操作しなければならないので、あまり実用的ではないと思います。

各ユニット内部
左から@クリスタルフィルター SSB・CW・AM全てが備わっています。 AVFOユニット内部です。 B50Mhz、144Mhzクリコン。 CRFユニットを上部から。 DRFユニット側面。 ERFユニットシャーシ内部。 Fキャリアユニットの水晶。 GIFユニット。
各ユニットは金属筐体に格納されていて大変綺麗です。
各コイル類のコアーもほとんどずれていませんでした。
 但し、RFユニット7Mhz水晶発振周波数が少し高い方に発振しています。RFユニット水晶は発振周波数の微調整ができません。経年変化で発振周波数が高く発振するようになったものと思われます。実用上は問題にならないのでこのままにしました。
 コリンズの様にエスカッション内のセンタースケールが移動できるようにすると便利だったと思います。

ケースのサビ除去&パネルキズ修復等
@ケース廻りのサビはヤスリとサビ落とし剤で落としました。完全には落としきれませんでしたが塗装の障害にならない程度までには落ちたと思います。
Aケースは蓋裏側も含めツヤなし黒塗装を施しました。若干錆跡による塗装ムラが残ってしまいました。
B正面パネルに数箇所にわたって大小付いているキズは、紙やすりで目立たなく削り取った後、コンパウンドで磨きかなり目立たなく修復しました。
Cツマミは汚れていたので洗浄しました。
D正面パネルもヤニ、手垢などの汚れを落としました。

スピーカー内臓
@スピーカーは外付けとなっていては、何かと不便なので小型スピーカーを内蔵させました。これで持ち運びは大変楽になりました。
A塗装が剥がれていたところを部分塗装しました。
B全く性能には影響ないのですが、裏面パネルの各取り付けビスが錆ていたので全て取り替えました。

完成
@1.8〜144まで問題なく受信しています。特にHF帯の受信感度は今時の無線機と比べても遜色はないと思います。
A内臓スピーカーは中々グーです。物足りない場合はより大型の外部スピーカーを付ければ音響のトリオらしい音がすると思います。
B外観は大変綺麗に仕上がりました。ケースもあれだけ錆が酷かったものもまずまずの状態になったと思います。

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