ヤエス コミニケーション受信機 FRG−7

 ヤエスコミニケーション受信機FRG−7は500Khz〜30MhzをカバーしAM、CW、SSBモードで受信できます。外観やカラーなどは当時のリグであるFT−101シリーズと同じデザインとなっています。
 バンド周波数は500Khz〜1.6Mhz、1.6〜4Mhz、4〜11Mhz、11〜30Mhzの4区分で同調回路が分かれていた、1MhzカバーのVFOで1Mhz単位で受信します。つまり30分割で受信しますが取りをR−1000やコリンズR390のようにバンド切り替え方式ではなくMHz台の周波数変更は左上のMHzツマミで切り替えます。
 普通はAF、RFゲインは連動ボリューム構成でありますが、RF調整ツマミはなくアッテネータで減衰するようになっています。隣接周波数からの混信による影響を避けるため、TTONE切り替えで低周波帯域を変え改善を図っています。

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入手時の状態

@外観、内部とも大変良い状態を保っています。
 配線やハンダ付けも大変綺麗です。
A感度は低下しているものの全バンド受信ができます。調整で何とかなるようです。
Bダイヤルが少し重い感じがします。(潤滑油を塗布することにより修復できました。)
Cバンドスイッチ、ボリューム類に接触不良、ガリは全くありません。
このようなことから電気的状態は大変良く、調整によりフルに性能発揮が期待できそうです。

ブロックダイヤグラム
 FRG−7の特徴は、第一中間周波数が50Mhz台でアップコンバージョンのトリプルスーパーです。この周波数構成はドレークのSSR−1が採用しています。それまではコンバージョンが進むたびに周波数が下がっていく方式(8Mhz→455Khz→50Khzなど)でした。
 ブロックダイヤグラムのように入力信号に第一局発55.5〜84.5Mhzを第一ミキサで54.5〜55.5Mhzの信号を得ます。
 一方、第一局発と1MHzの整数倍信号をプレミックスし、50Mhz台のみ増幅した上で、これを第二ミキサーで、第二中間周波数2〜3Mhzの信号を得ています。
 さらに、2.455〜3.455MhzHzのVFO信号をミックスして455Khz信号を得ています。

内部の状況
 ガラガラのケース内です。これで受信ができるのかと思うほどです。まさに中国製かと見間違ってしまいます。送信部が無いので、電源も非常にシンプルで、単一電池8本でも動作するように電池ボックスがあります。これを取り外せばケンウッドQR−666のオプションFMチューナーが組み込めそうです。
 回路は、RF UNITとIF・AF UNITの大きな基板とバリコン上の基板OSC UNIT、裏面のHG UNITに大きく分かれています。OSC UNITは第一局発のユニットで、高い周波数にもかかわらずシールドなしの構成となっています。
VFO&同調部
 中央下に2.455〜3.455MhzのVFOがあります。1MHz幅の周波数表示はバリコンに直結した直径80mmのドラムに表示させており、目盛を読みやすくしています。
 1目盛10Khzで1Khz直読は無理でも2〜5Khz程度は読めそうです。
 Mhzツマミ・PRESELECTツマミも回転ドラムを採用していますが、他リグで見慣れたギヤダイヤル機構や昔懐かしい糸掛けダイヤルとも異なったユニークな構造です。
 この特殊な回転機構は経年変化でダイヤルが重くなる弊害が出るみたいです。
このFRG−7ではダイヤル回転をたいへん軽く回るように修復しました。

LOCK機能
 フロントパネルにLOCKというLEDがあります。1Mhz単位の周波数切替は、MhzツマミでVFO周波数を変えますが、第二ミキサに加える52Mhz信号が出てミキサが動作すれば消灯し受信可能になります。
 逆に信号が無ければ点灯します。消灯時に1Mhzの範囲で受信可能となり、周波数を切り替えるスイッチと同じ動作をします。
 LOCK LEDが点灯した場合周波数が同調していると言った方が分かりやすいのではないかと思います。
はじめて操作した人は恐らくLED点灯で周波数が同調したと思うと思います。つまりFRG−7の点灯表示は逆のほうが良いと思いますが如何なもんでしょうか?

内部の状況
 ガラガラのケース内です。これで受信ができるのかと思うほどです。まさに中国製かと見間違ってしまいます。
送信部が無いので、電源も非常にシンプルで、単一電池8本でも動作するように電池ボックスがあります。これを取り外せばケンウッドQR−666のオプションFMチューナーが組み込めそうです。
 回路は、RF UNITとIF・AF UNITの大きな基板とバリコン上の基板OSC UNIT、裏面のHG UNITに大きく分かれています。OSC UNITは第一局発のユニットで、高い周波数にもかかわらずシールドなしの構成となっています。

高周波回路の調整
 第一中間周波数の54.5〜55.5Mhzの1Mhzをフラットなゲインを得る為にはスイープジェネレータが必要になりますがこのような高価な測定機は手元のありません。
 シグナルジェネレータとオシロを利用してコイル4個を調整しましたが、アマチュア調整なので変動は許容範囲ですね。プリミックス後のアンプの帯域も同様ですが、こちらは帯域が100〜150Khzなので、そんなに神経質になる必要はないようです。
 その後、入力回路のコイル・トリマを調整します。
中間周波・低周波ユニット(IF・AF UNIT)の調整
 ユニットのコンデンサ、マイラコンデンサの劣化はみられません。
電解コンデンサも劣化するパーツですが音声出力の音質にひずみ等も感じられないので良しとしました。
 第二・第三中間周波数のコイルを調整しました。このコイルのズレがあり、感度アップに有効でした。
 また、AGCが少しスローすぎるのでコンデンサーC426を少し容量の小さなものに交換しました。
455Khzフィルターの切れが少し甘くなっているようですが他社品を含め入手困難なので今回はこのままにしました。代替品としてはムラタなどのセラミックフィルターが使えると思いますが自信が無かったので交換しませんでした。

組み立て&完成
 
大変用状態に調整できたと思います。
500Khz〜30MhzまでAM、CW、SSBも問題なく受信できております。
 トリオR−1000と違って受信は少しマニアックで受信テクニックを満足させる受信機です。

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