ヤエス オール真空管 送信機 FL−100B・受信機 FR−100B 


 ヤエスFL−100B・FR−100Bはその後のトランシーバーFT−400シリーズの基礎になった真空管式送受信機です。発売は1964年でトランシバーのように操作性を良くするために、受信機のVFO出力を送信機に入力し、あたかもトランシーバーのように操作することができるトランシーブ機能が備わっていました。送信機のVFOを使用すればたすき掛け交信も容易に可能で送信機のパネル面スイッチでワンタッチ切替が可能となっております。送受信周波数は3.5〜28MhzでモードはSSB、AM、CWです。
 デザインは、FR-50Bなどと同様に見えるますが、パネルの文字はエングレーブされています。FR-50Bは、印刷でした。FR-50BはQRHが酷かったと記憶しています。このリグは、動作しています。感度はお世辞にも良いとは言えませんがが、FR-50BのあのとんでもないQRHに比べたら、最高級機といえるほどのものです。FL・FR-100Bは、まだ充分実用としては使っていけるリグだと思います。

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FR−100B入手時の状態
@手元の電源スイッチは全く効かない状態で、コンセントを差し込むと電源は入ったり入らなかったり不安定な状態です。
A内部は埃とヤニで変色している状態です。
Bケースには擦り傷や変色箇所が多々あり、金属部分にはヤニとサビが浮き出ている状態です。
CSメーターは全然動きません。
Dボリュームのガリかなりあります。
E受信音がかなり歪んでおります。
F受信周波数とダイヤルメモリーにずれが有ります。
Gペーパーコンデンサーに劣化が見られ一部で蝋が溶け出しています。
H全バンド受信はできるものの感度は今一の状態です。





FR−100Bの修理・調整
@電源の不安定な状態は電源コンセントのAC線が断線しかかっていました。ACは新しいものに交換しております。
A電源スイッチが効かなかったのは、配線ミスのようで本来の配線に戻しました。何故そのようにしたのかは分かりませんがFL−100Bの電源スイッチが不良だったのでリグのスイッチではなくACライン側に付けたスイッチでFR−100B、FL−100Bに同時に電源が入るように改造したと推定しております。
B内部の埃とヤニは麺棒などで念入りに取り除きました。
C音量ボリュームの修理を試みましたが修理不可で新しいものに取り替えました。
DSメーターは断線していたので500μのインジケーターと交換しております。
Eメカフィル回りのコアー調整により本来の感度に戻りったと思います。
Fケースは独特のチジミ塗装が施されていたのでこの特徴を生かすため下の塗装波剥がさずにつや消し再塗装をしました。
G正面パネルもクレンザーで磨きヤニを綺麗に落としました。
H受信音のひずみなどの原因になった不良コンデンサーは交換しました。

FR−100Bの修理・調整完了
 
写真はFL−100Bと並べたところです。修理前のFR−100Bの外観は隣のFL−100Bのようでした。外観はの新品とあまり変わりはありません。
性能も満足できる状態でないかと思いますが、何せオール真空管受信機、周波数が安定するまで30分位は掛かるのはしかたないことです。
7MhzのSSBを受信してみたところ、アンテナ線として1m程度のビニール線でも国内QSOがFBに受信できております。

FL−100B入手時の状態
@XYLからは自宅への持込を禁止されるほど全体的に錆やヤニが付着し大変汚れています。
A電源スイッチがオフの状態でも、コンセントを差し込むと電源オンの状態になる。電源スイッチが機能していません。
B改造の後が見られ、改造に伴うハンダ付けは綺麗とは言えません。
Cプレート電流計に受信用Sメーターが使用されています。
DAC線引き込み保護のゴムが劣化しています。

FL−100Bの修理・調整完了
@マイクボリュームは絞りきったところがゲイン最大になっていました。これはボリュームにガリが出たので逆に配線しなおしたためと思われます。
AマイクボリュームはS付きで、スイッチが不良となったためコンセントを差し込むと電源が入る状態に配線されていました。
B@Aを解消するために新しいS付ボリュームに交換しました。
Cシーメンスキースイッチに不具合(送信の切替などができない)が有ったために交換しました。
Dバランスドミキサーを調整してもでキャリアが最小になりません。調整回路に100Pトリーマーと390Pコンデンサーを追加しキャリアを最小にしました。
ESSB、AM、CWとも正常に送信できるようになりました。
パネルの汚れを落とし、ケースを再塗装し、FR−100Bと並べてみました。50年近く経ったリグとは思えないほど綺麗になったと思います。

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