タンディ・ラジオシャック コミニケーション レシーバー DXー300

  タンデイ・ラジオシャックはアメリカで超有名な販売店で1970年代には東京新宿、調布、小金井にも出店していました。日本でいえば当時の「トリオ」と言ったところでしょうか。そのタンデイ・ラジオシャックから販売されたDX−300は通信機の概念から造られた高精 度コミュニケーションレシーバだと思います。販売当時はBCL機器グ ループの中で頭抜けた内容を誇り、本格的なDXer、 BCLにこそ活用できる最新のレシーバでした。
 DX−300は日本でもマニアを始め多くの人に衝激を与えたました。あのヒューズモデルSX−190を特性的にもはるかに越え、さらに厳 しくリファインされた最新技術の結晶でした。。
 そして、その内容が高度であればある程 使い勝手が優れて、コストパフォーマンスの 高さも魅力でした。アメリカにおいても、最も 優れた代表的なレシーバーと呼ばれていました。そもそも製造メーカーは日本のメカフィルで有名な国際無線と言われています。
 ヤエスFRG−7、FRGー7000、トリオR−100も以前使用したことがありますが当時の販売価格も優位で操作性もより優れているように思います。
@プリセレクター機能があり、受信性能向上に役立っています。
AFINE TUNE機能でSSBなどの受診時同調が大変スムースに復調ができます。
BAUDIO帯域をワイド、ノーマル、ナローの3段階切り替えが可能でワイドモードでのAM放送の音質は大変良いと思います。
CAC100X、DC12X、乾電池と3種類の電源が選択できます。
Dスタンバイ機能があるので送信機と組み合わせQSO用受信機としても使用ができます。
E20db、40dbの2種類のアッテネターを装備しています。(他社機は20dbひとつが一般的です。)
 唯一コスト削減のためでしょうか、電源スイッチが音量ボリュームについています。この点は5球スーパーラジオと同じです。5球スーパーでBCLを楽しんでいたマニアにはむしろ取り扱いやすかったかもしれませんね!

    

              写真をクリックすると大きくなります。

基板設置の状態
 RF部、IF部、AUDIO部、カウンター部、プリセレクター部がシャーシ上に配置されているのでメンテナンスが大変しやすい構造になっています。電池ボックスは電池アダプタ―が備わっています。

メーカー発表仕様

@クオーツコントロールシンセサイザーチューニング、トリプルコンバージョン
A受信周波数帯域:10KHZ〜30MHz/感度:(AM)50KHz・30μX、7.1MHz・0.5μX、28.1lMHz・0.5μX(SSB)50KHz・30μX、7.1Mhz・0.3μX
、28.1MHz・0,3μX
Bイメージ比:100KHz・80dB、300KHz・80dB、900KHz・80dB、3.1MHz・70dB、7.1MHz・70dB、15.1MHz・70dB、28.1MHz・70dB
C中間周波数:lst54.5−55.5MHz、2nd3−2MHz、3rd455KHz
D選択度:±10KHz・94dB、−6dB・5.5KHz
Eオーディオ出力(8Ω):l.5W
FSN比:40dB(7.1MHz・lmV)
Gアンテナインピータンス:50Ω
H重量:6kg、電源:AC100V、DC12V、乾電池 単2 8本
特徴1
広帯域!10KHz〜30MHzをカバー

 DX−300は欧米風の仕上りと精度を持つコミュニケーションレシーバーの位置づけです。まず何よりも、カバー帯域が10KHz 〜30Mhzと当時としては驚異的に広く、これを30バンドに分割していました。(軍用でコリンズR−390などはありましたが!)
 この広帯域受信で、海外放送はもち論、アマチュ ア無線、DX、AM、SSB、CB、船舶用通信を始め各種 業務放送のモニターが可能です。
 ヒギナーからOMに到 るまで幅広い要求と使いこなしに耐える、 いわば本格的なDXerBCLやマニアの高度な活用にの実力を発揮する高精度コミュニケーションレシーバでした。

特徴2
クォーツロックシンセサイザーチューニング

 最大のポイントは、心臓部というべき同調部 にクオーツロックシンセサイザーチューニングを採用し、当時としては高精度と抜群の周波数安定度を実現しておりました。
 加えて、フロントエンドに当時高価だったデュアルゲートMOS・FET の採用で高感度・高妨害排除特性を実現し通信機として の機能備わっていました。

特徴3
トリプルコンバージョン

 この価格帯のBCL機器としてはトリプルコン バージョンを採用しております。その結果、安定的に 感度を稼ぎ、しかも分離に優れイメージ混信にも強くBCL機器というより通信機とも言えるものでした。

特徴4
1Hz直読大型デジタルカウンター

 周波数読み取り精度の高いC−MOS・LSI 採用の1KHz直読(後発受信機では100Hz表示が多い)大型LEDデジタルカウンターを装備し、選局・同調は無線機並の精度を実現していました。

特徴5
プリセレクタ装備

 さらにこの価格帯では稀有といえる、 プリセレクタを装備して各バンドでの高感度を実現Lてい ました。このプリセレクタにより、アンテナのマッチ ングが改善され高感度受信が可能となり、結果として広いカバーレンジを実現していました。

特徴6
RFゲインコントロール

3ステップRFアッテネ一夕装備
受信地域における電波受信状態に応じて使い分けるため にRFゲインコントロールと3ステップRF アッテネ一夕を装備しています。これにより、例えば強電 界地域においても歪の極少な受信が可能となっています。

特徴7
オーディオチューニングなど…

 会話のモニター、ノ−マル、CW・SSB用 のナローという風に、最も良好な受信のために切換えるオ ーディオスイッチも装備しています。又、フロントパネル に大型のスピーカを内蔵しており、歪の極少な再生ができております。ヘッドフォーンの使用も可能で、さ らに付け加えると、電信の打鍵トレーニ ングに便利なキージャックも備えています。いかにもアメ リカで好評を博する、多機能レシーバとなっていました。

特徴8
優れた操作性とランクアップの品質

 大型ダブルチューニングノブによるスピーディな受信にスムーズな感触が一ランク上の品質を表わします。アメリカにおける通信機部門のトップブランドであるタンディの技術が活かされていました。電源はAC・DC・バッテリーによる3WAYタイプでコストパフォーマンスの高さも使い勝手の良さも当時はあったようです。

入手時の不具1 PRESELECTOR TUNE ツマミが空回りする現象
@ツマミが空回りして同調が取れない。もちろんアナログダイヤル表示も全く動きません。
A このツマミはバーニア方式の減速装置経由で同調バリコン&アナログダイヤル表示ギアーを回転させる仕組みです。
 バーニアが回転し同調用バリコンとダイヤル表示装置のギアーを回転させて表示させます。
Bアナログダイヤル表示装置部分を取り出しどこの問題があるかを調べることにしました。
Cそのためにはギヤーボックスを解体する必要があります。
D調査の結果、マミが空回りする原因はバリコンの回転を伝えるギアーの回転軸がかなり硬くなって回転しなくなっているためでした。
E原因となったギヤーを分解掃除し軸受けに注油すると共にスムースに回転するように修復しました。
Fこれで、バリコン、アナログダイヤル表示とも正常に動作するようになりました。
Gなお、これらを修復するためアナログダイヤル表示装置部分を取り出すにはフロントパネルを本体から取り外し、また一部配線を外す必要がありました。

入手時の不具合2 PRESELECTOR BANDスイッチ配線の断線
@写真のようにバリコンからの配線一か所がバンドスイッチの端子もろとも切断していました。
A辛うじて折れ残った端子が残っていたのでよくハンダが乗るように磨いた上、切れた端子に細めのビニール線をハンダ付けしました。
B切れた線に接続し修復作業は完了です。

外観などの見た目
 全体的に大変綺麗な状態です。
パネルフレームおよびケースは再塗装しております。
 ダイヤル表示は大型で大変見やすいと思います。

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