中波帯4球スーパーヘテロダイン受信機

 アマチュア無線をはじめるにあたって作成した、短波帯真空管式4球スーパーヘテロダイン受信機を再現したいと以前から考えていました。今回、中波帯の真空管式スーパーヘテロダイン受信機作成の機会がありましたので紹介します。

(写真をクリックすると大きくなります。)

中波帯(AM)のスーパーヘテロダイラジオを作りました。
当地仙台ではNHK第一放送、NHK第二放送、東北放送が30cmのビニール線でガンガン受信できます。この真空管式4球スーパーヘテロダイラジオの特徴は次の2点です。これで感度と周波数安定度が増しました。
@局発はトロイダルコアーにコイルを巻いて自作
A電源部はシリコンダイオードで整流

主な使用部品
@シャーシ、真空管(6BE6局発混合、6BA6中間周波増幅、6AV6低周波増幅、6AK6電力増幅)
A電源トランス、出力トランス、中間周波トランス
Bアンテナコイル、局発用トロイダルコアー
C親子バリコン、出力調整用ボリューム、スピーカー

部品配置
写真の通りです。電源トランスは70mAの容量の大きい物を使用しました。
スピーカーはアルミ板をカットしたものに適当に穴を開け、全ての部品取り付け、配線が終わってから、最後に取り付けます。
完成したスーパーヘテロダインラジオ
 
スピーカーはL金具でシャーシ上に取り付けました。
参考回路図

ケースの作成
 電源トランスがシャーシ上にあり、不注意で触って感電するのも嫌なので、見てくれも考え収納ケースを作成しました。DIYから合板を購入し接着剤とネジ止めを施しました。表面はカラーシートを貼り付けました。シャーシに取り付けていたアルミ板は取り外し、スピーカーは100円ショップで手に入れた真鍮金網をアルミパネルにネジ止めし取り付けました。ダイアルメモリーなどは、透明シールにパソコンで印刷したものをカットし貼り付けました。正面のパネルは1mmのアルミ板で透明ラッカーを塗っております。

結果

@写真で分かるように部品の配線は部品がお互い直角になるように配置しました。
A局発コイルはトロイダルコアーにエナメル線を21回巻いて、アース側から3回の所にタップを取りました。局発にトロイダルコアーを使用したため、コアーが温まるまで若干のドリフトがあります。
B電源部のコンデンサーはブロックコンデンサーではなくプリント基板用で500X耐圧のものを使用しました。
CNHK第一放送、NHK第二放送、東北放送が30cmのビニール線でガンガン受信できます。他局の混信もありません。
D実用上問題は有りませんが誘導ハムが若干感じられます。
E当初、局発のトロイダルコアーの温度特性の関係でしょうか、安定度が良いとは言えない状況でした。
 色々、調べた結果、ヒータ電圧が6.9Xと高い状態にありました(何故か電源トランスが110X仕様のため)。ヒータ部に2〜4Ωの抵抗を入れ、電圧を6.3Xに下げることにより、周波数安定度もまずまずの状態になりました。1時間ほど受信していても同調をと取り直すことはありません。あまり関係はないと思っていたんですが、真空管の温度が上がり、局発のトロイダルコアーの温度特性に影響を与えたのかもしれませんね。
FAGC回路が備わっているので安定して受信できております。
Gボデイーエフェクトがあります。バリコンにタイトのカップリングを付けて操作するようにすると影響は少なくなると思います。
今後、今回の経験を生かし、通信機型の短波帯真空管式オートダイン受信機(3.5、7MhzCW、SSBが受信可、Sメータ付き)と短波帯の真空管式スーパーヘテロダイン受信機を作成してみたいと思います。

周波数安定度改善のため「局発を変更」
 結果Aに記載したとおり当初局発コイルはトロイダルコアーを使用していたため、若干のドリフトがありました。ドリフトを解決のために写真に示した局発部品が発売されたので、早速入手し取り替えてみました。周波数安定度は抜群で、電源ON以降再度同調を取り直すことはなくなりました。


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