短波帯オートダイン(1−X−2)受信機

 短波帯オートダイン(1−X−2)受信機を製作しました。CW、SSBも受信可能にしております。回路図は高周波1段の再生受信機です。再生検波部に定電圧放電管を使用し電圧変動を抑え安定してCW、SSBを受信可能にしております。また、誘導ハムを極力抑えるためにヒータのDC化や縦型電源トランスの使用など若干の工夫を施しました。信号強度は検波部のプレート電流の変化を電流計で読み簡易のSメータとしました。


(写真をクリックすると大きくなります。)


配線図

回路図
 NPO法人ラジオ少年の0−X−2の回路図を参考に高周波1段を追加した回路図になっております。先に製作したオールGT管の1−X−2の経験をから、回路図に若干の改良を加えました。
@電源トランスに縦型トランスを使用し、シャーシ上部に配置。チョークコイルはシャーシ下部に配置し誘導ハム対策としました。
Aさらに格段のシールドを厳重にし誘導ハムや回り込み対策としました。
Bヒータからの回り込みを防止するためにヒータ電源をDC化しました。
CSSB等を安定して受信するために定電圧放電管を再生管のスクリーングリッド側に入れました。
D電波の強弱を見るために再生管のプレートに50μの電流計を入れプレート電流の変化を見ることで簡易Sメータとしております。

       
      
主な部品

@シャーシ リードS3(35×25×6) Aスプレッドバリコン 3連FM用を流用(調整用トリマー付き) B2連バリコン(380PF) Cアウトプットトランス Dブロックコンデンサー(350X47μ×2) Dバーニアダイヤル(70mm、50mm) ESメータ(再生管のプレートに50μの電流計を入れプレート電流の変化を見ることで簡易Sメータとした。) Fプラグインボビン Gボルーム(ゲイン調整、音量調整、再生調整) Hソケット(MT管用シールド付き他) I電源トランス(縦型)Jパイロットランプ他 Kチョークコイル(200H) Lシールドケース(リード18×12×7) N真空管はMT管を仕様 O定電圧放電管はVR150

シャーシの加工
 
シャーシはリードS3(35×25×6p)の大き目のシャーシを使用(オークションで多量に入手した。)@シャーシにキズを付けいないように、また穴あけなどが楽なように(ドリルのセンター位置がずれない)幅の広いビニールテープを張ります。 A加工位置をマジックなどで書き込みます。 Bドリル、シャーシパンチ、リーマー、ヤスリを使用し加工します。 C穴あけが終わったならばビニールテープを取り外して完了です。
シャーシは擦り傷も無く綺麗に仕上がっております。(この後の作業で付いてしまいますが)
シールドケースの加工
 高周波部分の回りこみを防止するために、コイルをシルドケースの中に入れることにしました。 @シールドケース(リード18×12×7)内に高周波コイルと検波コイルを仕切るためのシールド板を立てました。 Aコイルの装着が簡単にできるように天井部分のアルミ板をカットしネジ止めするように加工しました。 Bシャーシ内部にもシールド板を立て回り込み防止を施します。

フロントパネルの加工
 @フロントパネルを写真のように加工しました。スピーカー部分には穴あきアルミパンチ板を貼り付け見栄え良くしました。(ここにスピーカーを取り付けるとハウリングの原因になります。音量を上げなければさほど問題にはならないと思いますが)
Aパネルを補強するために三角の補強材を加工しました。(補強材なのでアルミ板の厚さは0.5mmのものを使用しました。)

コイルの製作
 短波帯のオートダイン受信機の性能を左右するのがこのコイルです。今回はプラグインボビンを使用しました。(中古を入手、ソケット入手難のためソケットはGT管用のソケットを接着剤で接着)
@検波コイル グリッド側 0.8mm鈴メッキ線18回スペース巻き カソードタップはアースから2回の所、プレート側 0.8mmエナメル線12回密巻き
A高周波コイル グリッド側 0.8mm鈴メッキ線18回スペース巻き アンテナ側 0.8mmエナメル線5回密巻き

 

使用バリコン
@メインバリコンは380Pの2連バリコンを使用しました。これで3.5〜10MHZまでカバーできます。シールドケースの横に取り付けました。 
Aスプレッドバリコンは20PFM用3連バリコンを使用しました。このバリコンにはトラッキング調整用のトリーマー(10P程度)が付いておりトラッキング調整が容易です。バリコンそのものは大変小さくアルミ板を立てて取り付けました。

主要部品の取り付け
@シャーシ上部 高周波増幅部のシールドケース、バリコン、電源トランス、アウトプットトランス、ブロックコンデンサー、真空管ソケット当を取り付けます。
Aシャーシ内部 ボリューム類、チョークコイル、ヒューズホルダーなどを取り付けます。
Bパネル面 スピーカ取り付け部には見栄えを考え100円ショップで販売しているアルミのパンチングシートを使用しました。バーニアダイヤルは70mmと50mmです。 

 

ヒーター電源のDC化
@以前製作したGT管タイプのオートダイン受信機で誘導ハム等に悩まされたので、ハム防止対策に1つとしてヒーター電源をDC化しました。 
ADC化にはブリッジダイオートと10,000Fの大容量コンデンサーを使用しております。
B他の誘導ハム対策と合わせて効果は大いにあったと考えております。

配線の様子
@誘導ハム対策としてチョークコイルは電源トランス(シャーシ上部)から離して設置しております。また、同リード線を網線でシールドしました。
A2番目の写真が再生検波周りの配線の様子です。 それぞれの部品を最短で配線し、部品もそれぞれ直角に配置し干渉を防いでおります。
B右端が高周波コイル、検波コイル周りの配線です。特に高周波増幅部は真ん中にシールド板を立てた他、全体をシールド板で囲みました。

シャーシ上部の様子
@シールドケース内の高周波コイル、検波コイルの様子 
Aシャーシ上部の様子
B真空管にシールドケースを被せた状態の様子

オートダインの性能を決める大事な調整  
@再生コイルの再生のかかり具合をみてカソードタップの位置を調整します。調整のポイントは、50kΩのボリュームを回して再生がかかりはじめるところで6BA6のスクーリングリットG2の電圧を測ってみます。1V〜3V位で再生がかかりはじめるなら再生コイルの巻き数が多すぎますのでタップ位置をアース側に寄りづらします。これでG2の電圧が10V〜15V位で再生がかかりはじめます。設計上はタップ位置がアースから2回の位置でしたが、写真のタップノ取り方でも分かるようにタップ線も巻数に入ってしまう関係で、タップノ位置はアースから2分の1の位置でした。6BA6の場合最も検波出力が大きくなるのは、つまり感度の良くなるのはG2の電圧が20V前後です。この最高感度になるG2の電圧の電圧は、同じ6BA6でも微妙に違い、他の真空管では大きく異なることがありますので、再生をかけない状態、カソードを直接アースして放送を受信して、最も検波出力が大きくなるG2電圧を調べておく必要があります。今回は25X付近で感度最大でした。
Aバリコンのトリーマーを回してトラキング調整をします。 

完成&結果
@このオートダイン受信機は3M〜10MHZ付近まで受信できます。
AアマチュアバンドのCWやSSBのラグチュウも快適に受信できております。
B問題の誘導ハムもほとんど気になりません。
CSメータは50μの電流計の不具合が有り、UVメーター利用しAF出力を表示するように変更しました。
D先の大震災の影響でメインダイヤルバーニアは黒に変更しました。またケース左側が変形したのを修復しています。

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