トリオ HFトランシーバー TS−830(V、S)
TS−830はそれまでのTS-5××と比べるとより完成度の高いトランシーバーと言えます。内部ノイズの少なさは当時として驚嘆に値しました。混信除去機能も今時のトランシーバーにも決して負けていません。Xバーター端子が備わっていて、私はこれを利用し清水電子の50MHz144MHzのトランスバーターキットを入手し運用していました。このトランスバーターも内部ノイズが極端に少なく電源を入れてもボリュームを上げないとスピーカーからはノイズが感じられないくらいでした。
一般には最後の真空管機というとFT−102を指すようですが、最後までカタログ落ちしなかったという意味では,TS−830が最後の機種になります。
TS−830は最後の真空管機であるだけでなく、いろいろな意味で最後の真空管リグです。デジタルディスプレイがカウンタ式なのもこの機種までですし、受信がハムバンドだけというのもこのリグが最後です。アナログVFOを使用しているのもこのリグまでですので、当然外付けVFOが存在するのもこのリグまでです。
局発は従来の機種ではバンドごとに水晶発振を採用していましたがTS−830はPLL回路でそれぞれのバンドの周波数を作り出しています。このようなことから「TS-830は極めるだけ極め、行き着くところまで行った」トランシーバーと言っても良いと思います。
これ以後の機種は方向そのものを変えて、トランジスターフアイナル、ゼネカバ受信機、デジタルVFOという方向に進んでいます。TS−930、TS−430がこのリグの後継機種に当たりますが、TS−830との共通点はあまりありません。最後というと時代遅れの感じがしますが、繰り返しになりますが、アナログ方式を極めたトランシーバーと言えると思います。各種混信除去をはじめ充分な付属回路を搭載しており、マーカーも標準装備していることも維持調整には大変有益です。 現在でもCWフィルター無しでもCWQSOが快適に行えます。
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TS−830レストア項目
項目をクリックすると該当する説明項目にジャンプし、「戻る」をクリックするかブラウザ←印でこの項目に戻ります。
写真をクリックすると大きくなります。
入手時の状態
入手時によく見られる現象 |
@電源ケーブルが付いていない。
Aバンドスイッチが空回りし、他のバンドは受信できない。(シャフトカプリングが破損。)
B冷却ファンの回転異常、異音や回転が悪いなど。(油が固着していることが多い)
Cスタンバイスイッチを操作しても送信可能にならない。(マイクのPTTスイッチでは送信に切り替わる。)
DLSB、USB共に受信はできるが受信音がIFをシフトした時のような音質になる。
Eバンドスイッチほか各スイッチに接触不良がある。
スタンバイスイッチでは送信状態にならない。
AGCの切り替えができない。(AGCがオフにならない。)
RF ATTが動作しない。
METER切り替えが上手くいかない。(Sメーターが時々振れなくなる。RFは振れるもののその他は振れない)
RITが動作しない。XITは動作する。
バンドによって全く出力がでない。
F各ボリューム類にガリや接触不良が見られる。
GVFOの安定度が極端に悪い、軽く無線機を叩くと数Khz周波数が飛ぶ。
H初めてのケースでしたがダイヤル表示が逆になっている。(アナログダイヤルが逆ヘテロダインのような感じです。)
例えば7MHzバンドでアナログダイヤルをゼロに合わせるとカウンターは7500.0Khz表示です。
メインダイヤルを回していくとアナログダイヤルが500Khzのところでカウンターは7000.0Khzを表示する。
IWARCバンドは送信状態にならない。(未改造)
Jフロントパネル、ツマミは汚れがひどく、また、金属ツマミ部分は腐食が見られる。
Kこれも初めてのケースで時々周波数表示がおかしくなる。
7MHz受信の時→6.500.0 14MHz受信の時→13.500.0 21MHzの時→20.500.0・・・とバンド−500Khzが表示される。
L外観はタバコのヤニで大変汚れている。
タバコのヤニによる汚れは内部にも及んで、ドライブコイル廻りは動作にも影響が及んでいた。このタバコのヤニ臭は長くレストア作業に熱中していると頭痛をもよおすほど強烈。hi!hi!
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ロータリー、プッシュ、スナップ、VRなどの接触不良・ガリの修復
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受信ができないなどは各スイッチ等の接触不良のケースが多く見られる。ロータリースイッチの接触不良を修復しただけで正常に動作するようになることもまれではありません。
無線機等は長期間動作させないと、ロータリースイッチ、スナップスイッチ、プッシュスイッチなどのスイッチ関係の接点やボリュームの接触面が酸化皮膜等で接触不良になり、正常に動作しないことが多く見られます。接触不良が原因で全く送受信ができないこともあります。
・全く受信ができない、
・各ボリューム類にガリや接触不良が見られる、
・AGCの切り替えができない、AGCをオフにしてもSメーターが振る、
・METER切り替えが上手くいかない、
・RIT調整ができない、
・RF ATTが動作しない、
・スタンバイスイッチを動作させても送信状態にならない
・バンドによって受信出来ない、
などは接点の接触不良が原因の場合が多いようです。
接点の修復は多くの場合接点洗浄剤で修復することができます。接点復活剤はNGです。
接点復活剤はべとべとする溶剤がそのまま接点周りに残りショートしたり、容量や抵抗値を示したりする危険が大です。
接点洗浄剤は溶液が蒸発するのでこのような心配はありません。ただし接点洗浄剤の溶液も蒸発するまで多少時間が必要です。電源を入れるのは30分以上経ってからが無難です。
接点復活剤を使用する場合はスプレー式はさけて、ハケや綿棒で接点に直接塗布する方法であればトラブル防止につながると思います。
実際にこれまで数多くのTS−520、TS−530、TS−820、TS−830をレストアしてきましたが多くを復活させることができました。勿論、これだけで復活するわけではありませんが、修理の第一歩です。
接点修復でも受信できなかった事例は下記に掲載しています。
さらにVFOの特定の箇所で受信ができなくなる現象も長く動作させなかったために起こったローター部の接触不良が原因です。接点洗浄剤で修復できないときは、2000番紙ヤスリを接触面に差し込んで接触面を磨き、接点洗浄剤を塗布し何度か回転させて接触不良を解消することができます。
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ボリューム、ロータリースイッチ、リレーの接点不良の修復。
繰り返しますが接点修復には接点復活剤はNGです。溶液が残り修復不可能なトラブルを引き起こす可能性が大です。
@使用されているボリュームは写真のように隙間が空いている安価なボリュームが使用されています。これが幸いし隙間から接点洗浄剤を噴霧しガリなどが解消することができます。
Aバンド切り替え、モード切替、ファンクションの各ロータリースイッチも接点洗浄剤を振りかけスイッチを回転させて多くの場合修復できました。
Bリレー接点が黒く変色している場合は2000番の紙やすりをリレー接点に挟み込んで丁寧に落とし接点洗浄剤を振りかけます。なお、リレーは形は同じですが使用箇所が違うので注意が必要です。300Ωがアンテナ切り替え用です。
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接点復活剤を使用したバンドスイッチの修復(電波が出ない不具合)
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修復方法 |
入手した無線機に接点復活剤が塗布されているのを目の当たりにするとレストアの意欲がなくなってしまいますね!
バンドスイッチと言うより無線機には接点復活剤の塗布は間違いなくトラブルにつながるので使用しては絶対NGです。
スイッチ接点周りにベト付く溶液が残り修復不可能なトラブルを引き起こす可能性が大です。
高圧電圧が加わるとショートしベーク板が炭化し使用できなくなったり、付着した溶液が容量を持ち同調ができないなどのトラブルに繋がります。
写真の無線機は接点復活剤塗布で全バンド送信出力が全くでない不具合があったのですが、ラッキーにも修復できた事例です。
送信できない不具合原因は色々ありますが、今回は全バンド12BY7入力まで信号が確認でき全バンドプレート側に出力がないことからコンデンサーやコイルの不具合ではなく接点復活剤塗布の可能性が大きいと考えました。
以下に
修復前と接点復活剤除去後の状況を対比した画像を掲載しました。
修復は油汚れ除去に強いスプレータイプのシンプルグリーンを使用しました。
洗浄後よく水洗いし、その後十分乾燥させました。
このRF基板には高圧電圧DC300Vが加わつので乾燥が不十分の場合ショートする可能性があり注意が必要です。
@RF基板を取り外した直後の状態です。撮影の関係で溶液付着の状態が少なく見えますが、ベト付く状態です。
A B以下の修復処理を行った後にローターリー基板などを取り付けた後のRF基板です。
BRF基板からドライブ部ロータリー基板を取り外した状態。
CRF基板に付着したベト付く接点復活剤の溶液除去後の画像です。
Dバンドスイッチドライブ同調部の溶液が付着した基板。裏面の画像は省略しましたが特に回転部の付着が多くありました。
E洗浄後の基板は光沢がなく溶液が除去されているのが分ると思います。
Fコイル内部に付着した溶液は無水アルコールをしみこませた綿棒で取り除きました。
修復後の動作確認で送信出力が通常通り出ていることを確認しました。
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受信感度調整
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第2局発調整
USBは8828.5Khz、LSBは8831.5Khzに調整しても、SSB受信時にFズレのような受信音になり、IFシフトボリュームを回すとFズレ音が解消されることがあります。
@これは、第2局発8,375Khz発信周波数がずれているケースの場合が多いようです。
A写真のように調整することにより解消することができます。
BSSB信号を実際に受信し復調音声を聞きながら調整用トリーマーを回しても8,375Khz近くに調整できると思います。
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Sメーターの振れ調整
@アンテナを接続しない状態でVR2を調整しSメーター指針が触れ出しギリギリに調整します。
A14.175MHzでSGから40μVdbの信号をアンテナコネクターから抽入しSが9示すようにVR3を調整します。
BTS−830の受信感度は0.25μV S/N 10db以上となっていますが、このTS−830Vは0.05μVでも十分なで受信できているので感度は大変良いと思います。
極限までテストしたかったのですが、手持ちSGは0.05μV以下の信号は作り出せません。 |
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受信感度が時々極端に時々下がる
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急に受信感度が極端に低下する不具合が発生しました。
S9の信号がS0〜1に下がってしまいます。
当初IF基板ではないかと考え基板交換してみましたが交換しても状況は変わりませんでした。
次に怪しいのがRF基板です。これも交換しようと接続コネクターを外そうとしたところ写真のようにコネクターが基板から取れてしまいました。
ハンダの劣化で接触不良を起こしていたものと見られます。ハンダ付けし直し解決です。 |
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RF基板FET(2SK125)3個交換
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RF基板FET3個の劣化で受信感度低下が見られたので交換した。2SK125は入手が難しかったので互換FET J310を使用。
@調査の結果感度低下の原因はRF基板高周波増幅&ミクサーに使用されているFET 2sk125に劣化の可能性が大きいことが分かりました。
AこのFET交換にはRF基板を取り外す必要があります。
Bバンドスイッチの軸を取り外しその上でシャーシより取り外しました。
C赤丸印が交換したFETです。
D交換用FETは互換のあるJ310を使用しました。
J310はオークションで比較的安価に入手できます。
今回は送料込み5個280円で入手できました。
EJ310と2SK125は足の位置が違います。
F写真のように足の位置を調整し取り付けました。
これで感度は大変良くなりました。
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IF基板455KhzL3同調ズレによる感度低下修復
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マーカー信号は全バンド 受信でき、Sメーターも6〜8程度振っており、一見受信に問題が無いように見られます。
しかし、実際に7MHz信仰を受診してみるとSSB交信などSは9以上振るにもかかわらず感度不足が感じられます。ノイズレベルが極端に低すぎすぎる状態です。別のTS−830と比べてもからノイズレベル状態から感度不足は明らかです。
感度不足の原因はさまざまですが、どこに問題があるのかの見極めが修復の第一歩です。
感度不足でもそれなりに受信ができているので可能性が高い基板としてはRF基板、IF基板、PLL基板のいずれかです。AF基板はまずこの場合は大丈夫だと思われます。(基板以外の原因例えばリレー接点不良やスイッチの接触不良などの場合もあります。)
@特定の一番簡単な方法は、基板交換です。今回は基板交換でIF基板に原因があることが分かりました。
RIF端子に8,830KhzSG信号を入れIFの受信状態を見ても分かると思います。
TS—830の場合RF・IFコイルの同調が極端にずれていることはあまり見られないようです。
AIF基板と特定できたのでIF基板の不具合箇所の特定を進めます。第1中間周波数8,830Khzか第2中間周波数455Khzかを調べます。
IF OUT1、IF OUT2の波形のオシロ測定でも判断できると思います。
BまずSGで455Khz信号を第2ミクサーの後に入れて455中間周波増幅に問題が無いか調べました。
感度が極端に落ちているので第2中間周波増幅回路に問題がありそうです。考えられるのは増幅に使用されているFET、TRなど半導体の不良劣化です。
CIF基板を取り外し調べても異常個所は見られませんでした。FET、TR、ダイオード、CR値など全て正常値です。
D念のためIF基板上のコイル類を再調整してみることにしました。(TS−830ではほとんど同調ズレはないはずです。)
再調整するコイルはL7、L3、L11、L12です。
E455Khz IFアンプ3SK73の同調コイルL3を回し切ってもピークが見つかりません。このL3に問題がありそうです。
FこのL3は455Khzに同調しているはずですが、同調周波数は1MHzより高い状態です。これが感度低下の原因と思われます。
古い5球スーパーのIFT内蔵コンデンサーの断線や容量抜けでコアー調整しても調整しきれない状態と同じ現象です。
Gコイル交換で解決できますがこのコイルの入手は難しそうです。TRラジオの455Khzトランスと交換する手もありそうです。
H5球スーパーの場合はコイル端子に100〜200PFのコンデンサーを追加し同調するようにしていました。
Iこれと同じように220PFセラミックコンデンサーを取り付けました。
Jこれで455Khzに同調させることができ、受信感度は他のTS−830と同じ状態になりました。
K修理前、Sメーターは目一杯振れる状態に調整されていたので正常な状態に調整し直しました。
オークションで「Sメーターも元気で振れています。」とのうたい文句もこんな状態のこともあるのですね! |
受信時のトラブル
リレー接点接触不良の修復
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リレー接点接触不良の修復
・送信状態から受信状態に戻すと一時受信できなくなる。
・時々RITが動作しなくなる。
・バンドによって全く出力がでなくなる。
などの現象は調査の結果AF基板上のリレーの接触不良と判明しました。
@リレーケースを慎重に外します。ケースを外すには基板を取り外す必要があります。
Aリレー用接点洗浄剤をスプレーしリレーを手動で何度か動作させ接触不良を修復しました。
リレーも長期間動作させないと接点が酸化し接触不良の原因になります。
TS−520のリレーはソケットに差し込む構造になっていますが、TS−830ではプリント基板直付けになっているので修理などは大変です。
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リレー修復
@アンテナ切り替えリレーに接触不良が見られたので解体し修復しました。
A接点が黒く参加しております。
B2000番のサンドペーパーで接点を磨きました。
Cその後接点洗浄剤を接点に振りかけ、接触不良は修復できました。
D直接関係はないと思うのですが、アンテナリレーを修復したところIPメータが正常に振れるようになりました。不思議です。
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IPメーターが振れない
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送信時ALC、RF、HVは触れるのにIPだけ触れない
IPが振れない原因にはメーター切り替えスイッチ接触不良のほかにPLL基板のリレー接点不良が多く見られます。
@メーター切り替えスイッチの場合は接点洗浄剤で修復可能です。
APLL基板リレーの場合はリレー交換かリレーを取り外し接点を2000番紙やすりで磨いた上で接点洗浄剤で洗浄すれば修復可能です。
ここに使用されているリレーはまだ入手は可能だと思います。
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VFO修復
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VFO修理
@TS-×××のVFOには不動や不安定発振は良く見られます。
Aその多くはバリコンの接触不良が原因です。
BそこでVFOを解体し1000〜2000番の紙やすりで接点を慎重に数度磨き、その後接点復活剤を麺棒などで慎重に染み込ませるとほとんどのケースで正常発振します。
C接点復活剤は決して振りかけてはいけません。トラブルの元になります。
DVFOユニットは正面パネル面の4箇所のネジを6角レンチで緩めると容易に取り出せます。 |
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VFO不安定を修復
@VFOが不安定になる原因は電源電圧の変動や使用されている部品(コンデンサー、高周波チョーク、TRなど)の劣化考えられます。
A電圧はテースターやオシロ波形で、部品不良は該当する部品を叩くなど刺激を与えることで不良部品を特定できる可能性があります。
BこのVFOの不良個所はバリコンローターが指でグラグラ動く状態になっていました。
C本来であればVFOかバリコンを交換すべきなのですが、入手はまずできないと思われます。
D今回はバリコンローターを接着剤で固定し簡単に動かないようにしました。
その後のテストで周波数安定度に問題が出ておりません。
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何故かVFOが逆ヘテロダイン
@周測カウンター付オシロでVFOの動作状態を調べたところVFOの動作、発振周波数には問題ありませんでした。
Aギヤーの回転にも問題はありません。
B手元に有った整備済みの、もう一台のTS−830VFOと交換してみると正常に動作します。
C取り付けてあるVFOに問題があることが分かりました。
D2つのVFOを比べてみると!左が問題のVFOで右が正常に動作したVFOです。
バリコンのローターが逆向きになっているのが分かると思います。これが原因です。
修理した形跡がありません。何故このバリコンが取り付けられているのかは不明です。
Eアナログダイヤル表示を加工して使用することで解決を図りました。
デジタル表示は問題ないので使用に際し不便を感じることはありません。 逆転の原因?
色々考えた結果逆転の原因は
@VFOダイヤルを無理に回したためにストッパーを飛び越えてローター(回転する羽部分)に無理に回転の力が加わりローターが外れてしまった。
A外れてしまったのに気付き方向を確認しないで向きを確認しないまま(向きが分からなかったのでは?)溝にローターを差し込んだためこのような現象が起こったのでないかと推測しております。
Bローターを差し込んだものの差し込みが不十分でローターが振動で揺れ周波数が飛んだりする現象につながったものと思われます。 |
ドライブ同調バリコンのクモの巣で時々「パッチン」とショートする不具合
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100W改造後TUNEモードで送信状態にしたところ一瞬「パッチン」シュートしすぐ通常の状態に戻ります。再度電源を投入し直し再度同じ動作をするとまた「パッチン」と一瞬ショートします。
RF基板ドライブバリコン付近(C40)付近のバリコンの側面にススが付いています。
RF基板を取り外し当初色々調べましたが中々原因は分りませんでした。
ドライブバリコン ローターとバリコン筐体部分の隙間にクモの巣(昆虫の巣)がありました。
巣を取り外し基板を取り付けた後はこの症状が出ていないので原因はこれだったようです。
古い無線機に昆虫(蚊などが紛れ込んでいることは多いのですがこのようなトラブルは初めてでした。
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VFOが不安定(不安定原因がPLL基板IC不良が原因ほか)
AF基板Q27、Q28交換
AF基板VR4交換
PLL基板Q40交換
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VFO周波数が時々(数秒〜数分感覚で)200〜500Hz動くトラブル
VFOが動く原因として考えられる原因のしては
@VFOユニットに原因がある場合(コンデンサーや抵抗、RFC、トリーマーなどに原因)
AVFOには9V電圧が供給されています。この電圧が変がする場合→AF基板安定化回路の不具合(特にVR4不良が多い)、RITスイッチ不良、RITVR不良など
B整流基板の元になるDC電圧の変化
などが考えられます。
原因の調査
@手持ち予備VFOユニットと交換しましたが状況は変わらないのでVFOユニットの可能性ではありません。
AAF基板9V電圧を測定してみました。
周波数が動く度に電圧がわずかに動きます。
安定化回路に問題がある可能性が出てきました。
補修用に保管していたAF基板後と交換してみましたが状況は変わりませんでした。
AF基板以外に原因がありそうです。
B電圧が動く可能性のあるRIT周りを調べましたが異常はみられません。
C思い切ってIF基板、PLL基板を交換してみました。
IF基板を交換した時は状況は変わりませんでしたが、PLL基板を交換するとQRHはピタッと止まります。
考えてもいなかったPLL基板のどこかに異常があるようです。
PLL基板調査
原因はQ40(SN16913P)周波数変換用ICの不良が原因でした。(調査中に周波数カウンターが付いたり消えたりの現象が発生)
周波数カウンターが付いたり消えたり、あるいは消えたままの原因として画VCO出力がない場合に多く見られます。
VCO出力が出ない原因としてはMIX IC不良や局発発振不良、VFO発振不良などです。
今回はMIX ICの不良だったので、原因となるICを交換したところQRHはぴたりと収まりました。
IC内部の接触不良が原因と思われますが、安定化電源9Vが供給されているのに何故このIC不良で電圧が変化するのかは分りません。
結果オーライで修復完了としました。 |
バンドスイッチカップリングの交換・スタンバイスイッチ修復など
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バンドスイッチカップリングの交換
@カプリングが写真のように割れていました。
Aこの種のカプリングは今でも容易に入手できます。
Bカプリングを交換しバンドスイッチを回そうとしましたが回りません。長年回転させなかったために固着しているようです。
C終段側のベアリング部分にオイルを若干抽入し、別の金属製カプリング(パイプ型)を直結し回転できるようになってから、入手したカプリングをセットし直しました。
Dカプリングの交換にあたっては、ロータリースイッチの位置がずれないようにあらかじめマーカーなどで位置が確認できるようにしておきます。
ロータリースイッチの位置がずれてしまうと、受信周波数と送信周波数位置がずれてしまい正しくセットするのに苦労します。
Eカプリングの交換によりバンド切替は「カッチカッチ」と快適に切り替えられるようになりました。
Fロードバリコンのシャフトカプリングもイモネジ部分にひび割れが見られたので手持ちのカプリングと交換しました。
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スタンバイスイッチ修復
スタンバイスイッチをオンにしても送信状態になりません。スイッチの導通を測ってみるとオン状態で導通なしです。長年動作させなかったためか接触不良となったようです。もっともスタンバイスイッチは実際の運用ではあまり使うことはないようです。
@このスイッチはオン・オフ・オン構造で片方のオンは未接続です。
A現在接続されている配線を未使用のオンに接続し直すことにしました。
Bただ、このままの状態だとスイッチが下向きの時に送信状態になってしまうので、スイッチを取り外し180度変えて設置し直す必要があります。
スイッチの向きを変えるにはVFOユニットを引き出し、フロントパネルを取り外す必要があります。
CVFOユニット&フロントパネルを取り外し、スタンバイスイッチを付け直しました。 |
AGC切り替え修復 |
AGC切り替えはSLOW、FAST、OFFと切り替えができるようになっていますが、何処に切り替えてもFAST動作のみです。
恐らく長年FAST位置で使用し切り替えたことが無かったので接点の接触不良が生じたものと思われます。
このままでも何ら支障はないのですが、折角ある機能なので修復することにしました。
切り替えスイッチを取り外し接点を磨いたところ正常に切り替えできるようになりました。 |
バンドスイッチショート箇所の修復
シャフトなどを取り外す
RF基板取り外す
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ドライブ部分取り外す
ゴミがショートの原因
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シュートし炭化した部分
シヨート個所修復
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入手時は問題なく各バンド受信できておりましたが、ケースから取り出し電源を入れたところバンドスイッチ付近から火花が飛びショート現象が起こるようになりました。
バンドスイッチには12BY7プレート電圧300Vが接続されています。
塗布した接点洗浄剤がまだ蒸発しないうちに電源を入れたり、接点復活剤を振りかけたりしたときによく見られるトラブルですが、今回はそのいずれでもありません。
@ショート箇所は特定しているので解体して修理することにしました。
AそのためにはRF基板をシャーシから取り外す必要があります。
BRF基板を取りは取り外すために、各シャフト&カウンター基板、コネクター、3箇所のハンダ箇所を取り外します。
Cさらに今回はドライブ部分のスイッチ基板のみを取り外しました。
Dその結果、写真で分かるようにピンが炭化している部分があります。この箇所がショートしていました。
E何故ショートしたかは、写真に写っている綿ゴミが焦げているのでこれがスイッチと取り付け金具(アース)の間に挟まりそのためにショートしたものと思われます。
F炭化しているショート箇所を丁寧に削り取り再組立てし修理完了です。
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AF基板不具合の修復
RITボリューム交換
RIT LED基板修復
ファイナル真空管6146Bセンターピン破損
100W改造
10W基板
100W改造後 |
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100W改造整流ユニット部分の改造
●改造前の10W基板〇印が付いた部品などを取り外します。
@整流ダイオードD1、D4を取り外します。
AR4につている680KΩ抵抗を取り外します。
B2か所のジャンパー線を取り外します。
C800Xの緑色配線を取り外します。
D400Xに付いている赤色配線、半透明配線を外します。 ●100W改造のため100W改造後写真のように〇印のように部品などを配線します。
@整流ダイオードD1、D4の極性を間違わないように取り付けます。
AR5に680KΩ抵抗を取り付けます。
BJ1、J2にジャンパー線を配線します。
C470KΩ抵抗をR1〜R4に取り付けます。
D400Xから取り外した赤色配線、半透明配線を800Xに接続します。
ER16に56KΩ抵抗を取り付けます。
FR15は本来交換は必要ないのですが、抵抗値を測ったところ80KΩほどに変化していたので本来の56KΩ抵抗と交換ししました。
GPD1とPD2をショートします。ここを繋がないとSG電圧が165Xしか供給されず、パワーは50Wしか出ないことになります。
Hヒューズを6Aのものと交換します。
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ファイナル部の改造(基板部分)
●改造前の10W基板〇印が付いた部品などを取り外します。
@プリント基板部のR11 56KΩ2W抵抗を取り外します。
AC13を取り外します。
BJ3〜J3Bに配線されているジャンパー線を取り外します。
CR17のセメント抵抗を取り外します。
●100W改造のため100W改造後写真のように〇印のように部品などを配線します。
@J3〜J3A、J2〜J2にジャンパー線を取り付けます。
AX2グリッド用PS2(47オームに0.7mm鈴メッキ線を巻き付けたもの)を取り付けます。
BX2スクリングリッド抵抗R8を取り付けます。
CセラミックコンデンサーC4、C8、C9、C10(0.047)を取り付けます。
DセラミックコンデンサーC12(0.01)を取り付けます。
Eピン位置に気を付けてソケットを取り付けます。
H改造のために一時外していた配線をもとのように接続します。 |
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6146Bのプレートキャップ追加
@100Ω抵抗に1mm鈴メッキ線を巻いたパラ止めを写真のように取り付ければ完了です。
A丁度TS−520のものがあったのでそのまま流用しました。
BFT−101のパラ止めもそのまま取り付け可能です
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ブロックコンデンサーの追加
@ブロックコンデンサーのバラランスを考えC22も4同時に交換することにしました。
Aブロックコンデンサーは500X100μFを2個用意しました。
B以前ついていたブロックコンデンサーは取り外しました。
Cブロックコンデンサーは500X100μFを2個取り付けます。
DC22+に整流基板800Xから接続されている赤色配線を接続します。
EC22−とC24+を接続します。
FC24+にトランス0Xから出ている緑色線を接続します。
GそれぞれのコンデンサーにC21、C23の0.01μFとR25、R26の470KΩ抵抗を接続します。
以上で100W改造は完了です。
送信調整
@DRIVEコイルは送信状態(TUNEモード)にし出力最大に該当DRIVEコイルを調整します。
AIFユニットのL28、29 RFユニットのT4を調整します。
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電解コンデンサーの交換
@ブロックコンデンサーに劣化が見られたので交換することにしました。
A電解コンデンサーは450X47μFを4個用意しました。
B2個づつ並列に接続し450X94μFのコンデンサーを2個作りました。
Cこのコンデンサーをラグ板に取り付けました。
Dこのコンデンサーの一方+に整流基板800Xから接続されている赤色配線を接続します。
Eそれぞれのコンデンサー −と+を接続します。
F接続部分にトランス0Xから出ている緑色線(改造前に800V端子に接続されていた)を接続します。
Gそれぞれのコンデンサーに470KΩ抵抗を接続します。
以上で改造は完了です。
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50W改造例 |
@TS−830電源トランスは10Wの場合AC300V(橙配線)を全波整流で無負荷状態でDC400Vを得ています。送信状態でDC350Vです。
A100Wの場合はAC330V(赤配線)を倍電圧整流で無負荷状態でDC900Vをえています。送信状態でDC800Vです。
Bそれぞれのは配線は橙配線は整流ユニットのAC400V端子に赤配線はAC800V端子に絡め配線で取り付けてあります。
C今回は先にも記載したようにAC300V(橙配線)をAC800V端子に接続しAC300Vを倍電圧整流で無負荷状態で800Vを得ています。
Dこの状態で送信テストするとCWモードでロードバリコンを左に回し切った状態で約60Wの出力が出ています。
Eロードバリコンが左に回し切った状態の電波は一番スプリヤスが少ないく、真空管が軽く動作している状態です。
Fロードバリコンを調整すると出力は100Wになります。
G本来の100W改造は橙配線を取り外し、取り外していた赤配線をAC800V端子絡め接続するだけです。半田ごても必要ありません。
H本来の100W改造した場合はベース電流が若干大目に流れるようになるので再調整が必要になります。中和はそのままでOKです。
なお、今回の改造は移動運用を考え、ロード調整なし(ロードバリコンは絞った状態)で50W以上パワーが出ないようにしたもので、スクリーングリッド電圧を160V端子に接続使用とも思いましたが、固定運用も考え210V端子に接続しています。
注)6146B規格ではプレート電圧まマックス750Vまでです。TS−830プレート電圧を実測すると無負荷時900Vで送信時800V以上となっています。
TS−830では規格オーバーの状態で運用していることになり、真空管の寿命に影響がありそうです。
今回の改造では実測プレート電圧は無負荷時800V送信時700Vで規格内に収まっていますので、結果的にスプリアス、真空管の寿命の面でもやさしい使い方かもしれません。
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パワーが出ない原因
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各電圧に異常が見られない場合でパワーが出ない原因は色々あります。
@最初に思いつくのはファイナルスン真空管の劣化です。
プレート電流は普通に流れるがパワーが出ない場合はこの可能でがあります。
ARF、IFコイルの同調がズレている場合。
CWモードでキャリアを目一杯注入してIPはあまり流れないことが多い。コイルの調整やドライブ調整でパワーが出るようになります。
Bドライブ真空管12BY7の劣化
12BY7の劣化はあまり見られないのですが、真空管チェッカーでチェックするとメーターがほとんど触れないBADのケースもたまに見られます。
CIF基板送信回路バラモジ(455KHz)〜TIF間(バラモジ⇒MIXer⇒Xtal
FILTER⇒TX
IF)のTRや同調コイルに原因がある売位も見られます。
まず、IF基板に原因があるのかRF基板にあるのか切り分けると対応が容易になります。
CW、SSBモードでもIPメーターが振れない場合は12BY7の不良も疑ったほうが良いと思います。
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受信は全く問題がないのに送信パワーが全く出ないケース
IF基板Q28 3SK73が不良でパワーが全く出ない例です。交換により正常に動作するようになりました。
現在3SK73の入手は大変難しくなっています。他の基板より取り外し交換しました。
原因の特定はIF基板TXoutから順次出力の有無をオシロでチェックしていくとオシロに波形が出なくなった個所に不良の可能性があります。
この例ではQ28以降に出力が見られませんでした。
このように回路をさかのぼって調べていくと比較的ようにに原因を特定することができます。
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SGスイッチ不良で各バンドとも100W機にも拘らず10W程度しかパワーが出ず原因の特定までに難儀したケースです。
SGスイッチ不良と分るまでの経緯を記載します。
@ガリや接触不良はあるものの受信は全バンド受信できています。
ACWモードで7MHz送信パワーは10W程度で14、21MHzも同様です。
BCW送信モードでTS−830表示IP電流は150mA程度の振れです。
Cプレート電圧、スクリーングリッド電圧は規定通りです。
DTS―830終段真空管カソード抵抗は5〜6ΩでTS−830IP電流に大きいズレは見られません。
Eファイナル真空管を交換でも状況は同じで真空管劣化ありません。
F)各コイル同調ズレ、キャリア不足はありません。(送信時のオシロ測定で12BY7入力は正常範囲の出力波形です。)
G今までF)の状況でパワーが出ない現象ではバンドスイッチに使用していけない接点復活剤が塗布されドライブ出力同調が取れないケースがありましたが今回はこのような形跡がありませんでした。
また、12BY7ドライブ出力は正常動作で問題はファイナルボックス内と考えて良いと思います。
そこで
@ファイナルボックス内バンドスイッチにズレや接触不良が見られないか調べてました。異常はありません。
RF基板ロータリスイッチとファイナルボックス内ロータリースイッチはプラスチックカプリングで接続されています。
このカプリングが経年劣化で割れて空回り状態になることがあります。
今回はこのような現象がなく正常です。
念のため
Aプレートキャップ交換しました。
Bプレート同調をずらすと12BY7出力レベルが下がるので中和トリーマーを取り外し洗浄しました。
色々試行錯誤を繰り返してもパワー出ません。
たまたまリアパネルのSGスイッチオンオフ後に3.5、7MHzで100W近いパワーが出るようになりました。
これはと思い他のバンドに切り替えたところパワーは出ません。?です。
再度7MHzに戻してもパワーが出ない状況に戻っておりました。
回路図を見るとSGスイッチは高圧基板のDC14Vを同基板上のリレーに供給するオンオフスイッチとして動作します。
SGスイッチをオフにするとリレーが働きファイナルSGにマイナス電圧が加わりファイナル真空管が動作しないようなります。
このことから
スイッチそのものよりもリレー接点不良を最初疑いました。
リレーを取り外し接点を洗浄しました。
期待に反し改善は全く見られません。
このような経過を経て漸くSGスイッチを疑い接点を洗浄しました。
一時的にパワーがでるようになりますが、バンドを切り替えると元の状態に戻ります。
これで改善しないときは諦めようと思いTS−520から取り外したスイッチと交換しました。
ピンポーンです。
全バンドパワーが出るようになりました。
やはりSGスイッチ不良が原因でした。
スイッチ不良が何故この状態になるか回路を見ても不明です。結果オーライで修復完了としました。
同じような症状が出た時はSGスイッチの不良も考えることも必要だと思います。
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IF基板コイルL16コンデンサーの容量抜けによる同調周波数ズレ
第二局発8375KHz用同調コイル同調ずれが見られSSB信号ではパワーある程度出るもののCWモードではほとんどパワーが出ない不具合。SSBでもPROCオンにしないとパワーは極端に少なくなります。
原因はIF基板コイルL16コンデンサーの容量抜けで同調が取れていない状態でした。
写真のように30Pコンデンサーを追加することにより解消してました。
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IF基板コネクターDハンダクラックによる接触不良が原因で全くパワーがでなかった
正常に受信できるものの送信状態ではパワーが全くでず、メーターをALCに切り替えるとメーターが振り切れが見られました。
基板に供給される各電圧に異常は見られません。
IF基板を調べるべくコネクターを取り外す過程でコネクターDが基板から簡単に抜けてしまいました。
ハンダ劣化により接触不良に起因する不具合のようです。
基板にコネクターをハンダ付けし直したところパワーが正常にでるようになりました。
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12BY7 9ピンソケットハンダ劣化でパワーが全く出ない現象(ハンダクラック発生)
滅多に見られない現象ですが、稀にRF基板ドライブ用12BY7用真空管9ピンソケットのハンダ個所クラックで出力が全く出ない現象です。
真空管12BY7を何度か揺らしながら取り外したりすると経年変化で劣化しているソケットピンのハンダ付け個所にクラック生じ接触不良などの不具合が発生することがあります。
クラックがどのピンで発生するかによって症状は違ってきますがハンダし直すことにより症状は解消されます。
12BY7 インプットが正常で、ファイナルに入力がない場合は12BY7の不良も含めチックする必要があります。
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SSBモードで
パワーがでない |
CWモードではパワーが出るのにSSBモードではパワーがでない、パワーが少ない
SSBモードのパワーを測定するためにはピークメーターが必要になります。SWRを兼ねたパワー計ではピークで100W出ていてもSWRパワー計では約半分程度振れていれば正常なパワーが出ている見てよいと思います。
パワーが全く出ない場合は
@マイクゲインが絞られている。
Aマイク自体が故障している。
Bマイクアンプに不具合がある。
Cその他
が考えられます。
@〜BはVOX機能を利用してマイクに音を入れ、送信状態になれば動作しているか否かある程度判断できます。
送信状態にならないときは可能性を一つひとつ潰していくことになります。なお、VOX機能自体の故障もあり得ます。
Cその他で多く見られのはPROCスイッチの接触不良です。
このスイッチでPROC機能を使用する場合マイク入力を切り替えています。
接触不良があるとマイクアンプ出力がゼロの状態になります。
このスイッチの接触不良を解消するにはスイッチ交換がベストですが接点洗浄剤で接点を洗浄するだけで多くの場合解消できます。
長年このスイッチを使用していないとスイッチ接点が酸化し接触不良になることが多いようです。
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CWモードで
パワーがでない |
SSBモードではパワーが出るのにCWモードではパワーがでない、」パワーが少ない
上記とは逆にSSBではパワー計でそれなりのパワーが出ているのですがCWモードではパワーが全く出ないあるいは極端に少ない。
パワーが全く出ない場合は
@キャリア注入不足
Aサイドトーンの不具合
Bバンドスイッチ不具合
Cその他
が考えられます。
今回の不具合は@〜Bではありませんでした。
PLL基板、およびIF基板局発の大幅なずれが原因でした。
基板上のトリーマーでは調整しきれないほどズレています。
これではフィルターを信号が出力できません。
コンデンサーをそれぞれのトリマーに並列に30〜50P接続し仕様通りに調整したところ正常にパワーが出るようになりました。
SSBでパワーが出ましたが受信側ではFズレで復調はNGだったと思います。
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RF基板のバンドスイッチとファイナルユニットバンドスイッチのズレが引き起こしたとみられるIF送信回路コイル(L24、L24、L28、L29)同調ずれでパワーが少ない。
受信は問題なしでパワーがでないTS−830Sです。
@7MHzCWモードでプレート電流が7〜80mA程度流れるのに同調が取れない(ディップ点がが見られない)状態です。
➁21MHzはプレート同調ツマミが抜け切ったところでかろうじてディップ点があり出力も5W程度確認できます。
この現象はRF基板バンドスイッチとファイナルユニットスイッチをズレて接続した場合に見られる現象です。
案の定シャフトカプリングが写真のカプリング(左のもの)に交換されていました。
このカプリングはイモネジを絞めつけてもモネジが若干飛び出しままでバンド切り替えにより中和トリマーと接触するので本来使用不可なものです。
この個所のカプリングには右の写真のものが最適です。オリジナルと互換があり今でも市販されています。
Bおそらく上記のような状態にあったのでIF基板送信回路同調コイルをむやみに回したために各コイルが大幅にずれてしまのだ思います。
分ってしまえば修復は簡単ですが原因特定作業は難儀します。
まずは、送信ミキサーを疑ったのでテスターで当たったところ問題無し。VCOからのローカル信号も正常範囲です。では、IF側からの入力が小さい場合を疑い、オシロスコープでRF基板TIF入力を見ると波形が表示されない(正常な場合は送信周波数の波形が表示される)ので、送信IF段からの信号が弱いと判断できました。
TS−830は、バラモジが455kHz、そしてMixして8.830MHzに持ち上げています。バラモジ⇒MIXer⇒Xtal
FILTER⇒TX IFのいづれかが原因です。デュアルゲートMOS-FETの不良でないかとか悩んだのですが、結論はL24、L25、L28、L29の同調ずれでした。特定するのにずいぶんと手こずりました。
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TUNEモードでパワーが殆んど出ない不具合
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TS−520や820では時々見られる現象です。
TS−830ではめったに見られないのですがTUNEモードで数ミリWしかパワーが出ません。
電源基板上のR15、R16抵抗の断線や抵抗値の変動によってみられる現象です。
R15抵抗値が大きく変化し、R16断線しており交換しました。
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SGスイッチオフにすると受信が全くできなくなる現象
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調整などでSGスイッチをオフにすると全く受信ができなくなる症状
症状はカウンターもつかず、スピーカーかのノイズも全く聞こえません。パイロットランプは点灯していますが受信回路が動作していない状態になります。
SGスイッチは12BY7と6146Bのスクリングリッドにマイナス電圧を供給し回路を動作させないようにするために設けられています。調整時とかトランスバーターを動作させるときに終段回路が動作しないようにするために使用されます。
@スイッチをオフにするとDC12Vが電源ユニットリレーに供給され、リレーが動作しマイナス電圧がスクリングリトに供給され、合わせてDC12Vが電源ユニット12V端子に供給される仕組みになっています。
SGスイッチオフ時このリレーが動作しないとDC12V電圧が12V端子に供給されず動作不良となります。
Aリレーが動作しない原因としては
・SGスイッチの不良
・リレーの不良(断線や接点不良など)
・リレー回路のコンデンサーやダイオードの不良(リレーに並列にコンデンサーとダイオードが接続されています。)
などがあげられます。
今回はダイオードがショートしていました。ダイオードがショートしているとリレーは動作しないので上記のような症状が発生します。
ダイオードは1S1555が使用されており手持ちのものと交換し正常に動作するようになりました。
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WRACバンドの解放・28MHz100W化
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WRACバンドの解放
WARCバンドはRF基板のR42をカットし、送信可能となりました。R42はカウンターの下に隠れているので一時カウンターをずらす必要があります。
バンド切り替えスイッチ側のダイオードをバンドごと(10MHz、18MHz、24MHz)にカットしても同じですが取り付けてあるダイオードはニッパなどが入りにくい位置にあるのでR42カットの方が楽です。
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その他の改造 |
28MHz100W化
・バンドスイッチS22-1に入っている2本の線をショートすれば100Wになります。
RECTFIER UNITのP01とP02のショートでも可能です。
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カウンターの不具合
マーカーの異常発振修復
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TS−830のマーカー発振はPLL基板に組み込まれています。
1MHz水晶発振子をICで10分の1に分周し100Khzを得て、マーカー回路(TRで構成)で4分周し25Khzを得ています。
マイクボリューム左に絞り切りスイッチを入れると、マーカー回路がアースに接続されて動作するようになります。
@このTS−830のマーカーはスイッチオンで2〜3Khz間隔で信号が出ております。
A分周回路の異常発振と見られます。
B異常発振はゲインオーバーやコンデンサーの容量抜け、過電圧などが考えられます。
C今回はマーカーオンスイッチに1KΩ抵抗を経由してアースに落ちるようにしました。(電圧を落とす形)
Dこれで正しく25Khz間隔で信号が確認できるようになりました。
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電流計表示異常の修復
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IP電流が異常に多く流れる(メーター表示上)現象に遭遇しました。
@ベース電流を一番搾っても0になりません。この状態のベース電圧は85Vでこの電流の流れ具合は可笑しいことになります。
ATUNEモードで150mA、CWモードでは振り切れです。パワーはそれぞれ10W、100Wです。
IP電流はカソード電圧を抵抗で分岐し測定する仕組みです。
カソード電圧が高くなると表示(メーターの振れ)が大きくなります。
カソード電圧が高くなるのは抵抗値が大きければ、また電流が多く流れれば高くなります。
B原因は終段カソード抵抗の不良でした。
・カソードには20Ω×4本の抵抗が使用されてカソード抵抗5Ωとなっています。
・カソード抵抗は7Ω近くになっていました。
・ファイナル基板の20Ω抵抗を取り外し調べたところこの2本の抵抗が25Ωありました。
・新しい20Ω抵抗0.5Wを4本取り付けたところほぼ正常な数値を表示するようになりました。
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冷却ファンの修復
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ファンの修復1
ファンが低回転です。冷却不足になる心配があるので調整してみることにしました。
@4か所のネジを取り外すと容易に取り外せます。
A内部配線が腐食で銅線が露出している所がありました。
Bモーターを解体し、軸受けなどを綿棒で清掃しその後ミシンオイルを抽入しました。
Cまた、回転する磁石部分に錆が見られたので可能な限り落としました。
Dスムースで高回転するようになりました。
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冷却ファンの修復2
@冷却ファンの回転が若干遅かったので解体し調整しました。
Aまず、解体し汚れを落としました。
Bその後ミシン油を回転軸部に抽入しました。
C回転数も上がり問題なく動作するようになっております。 |
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中和の取り方
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中和の取り方
@終段の中和調整のため50Ωのダーミロードを準備します。
Aダーミロードへの出力を最低に調整することにより中和をとります。
Bまず21.3MHzCWモードで出力調整をします。
Cダーミロードへの出力をIN60などで整流し出力電圧を測定します。
D電圧が最小になるように中和調整バリコン(終段ケースの中にある)を調整します。
今回はほぼ0Xになるように調整できました。 |
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サブダイヤルの加工
ケース修復・塗装などの美化対策
PLATE表示指針の代替指針の取り付け
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表示指針が付いていないTS−830を入手したことがあります。
TS−830のプレート表示指針は同調しやすいようにバーニアダイヤルに使用されていると同じく回転の減速機能が付いています。この表示指針が付いてないとプレート同調がやりづらくなります。
この指針の入手はまず不可能だと思います。
やむを得ないので写真のように自作し取り付けました。全然違和感なく使用できていると思います。
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PLL基板の不具合(VCO発振不良)
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それまで問題なく動作していましたが、急にカウンターが付いたり消えたりし、消えているときは受信ができない不具合が発生しました。
具体的な発生状態はこちらのユーチューブ動画でご覧になれます。
各コネクター接続や供給電圧(DC12V、9Vラインなど)に異常はありません。また、スピーカーからノイズが出ていてAF部が動作状態、RFボリュームなども動作しています。AF基板、IF基板には正常と考えられます。これらを踏まえ、
ユーチューブの動画から推測するとVCOキャリアが停止したり戻ったり繰り返されている可能性が大きいと考えられるます。
VCO停止の原因としてはVFOやPLL回路に問題(ICなどの半導体、10MHz水晶発振子の不良など)が出てVCO停止するとカウンター表示はもとはり送受信だできなくなります。
VFO発振は正常なのでPLL基板不良の可能性が大です。
ポイントポイントの電圧や発振周波数を一つ一つチェックしていきます。基本発振子10MHzは正常ですが、10MHz水晶発振を分周して取り出す1MHz信号が出たりでなかったしました。
分周はICで行っています。 このICの不具合と考えられます。 同じICを入手し交換するかPLL基板を交換すれば問題は解決すると思います。
このICの入手は今となっては難しいと思われます。(古いICを取り扱ってくれる専門店で取り寄せ可能ですが結構高価です。)
また、PLL基板もここしばらくオークションでも見られません。 ジャンクのTS−530や830を入手し基板交換するのが良いのかもしれないと思っておりました。
この症状は電源オンして必ず出るのではなく時々と言った表現の方が良いのかもしれません。いろいろ試しているうちに問題のIC付近を強く押し込むと症状が出たりでなかったりすることがあることに気づきました。
以前TS−820のカウンターが不具合になったときに原因と考えられるICを取り外しピンを磨いてハンダ付けし直したところ、修復できたことを思い出しました。
ダメもとでとQ26のICNS74LS59ONを基板から取り外しピンを磨いてハンダ付けし直したところ症状は出なくなりました。
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カウンターは正常なのにUSBモードで受信できない(PLL基板の不具合(局発周波数のズレ)修復
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LSBでは正常に受信しますが、カウンター表示は正常なのにUSBモードに切り替えると全く受信しなくなります。
ホワイトノイズも全くしません。
周波数カウンターで局発周波数を見てみると本来8.8315MHzなのに9MHz台が表示されています。
トリマーを回しても周波数は変わりますが正常に調整することができません。
➀当初トリーマーを疑い取り外し容量を測定してみましたが正常範囲です。
念のためLSB用とUSB用トリマーを交換してみましたが改善は見られません。
➁トリーマーと並列に接続されている22pコンデンサーを取り外し容量を調べてみるても正常範囲内です。
これを取り付けると9MHz台です。
Bこの22pコンデンサーを取り外すと8.8MHz台を発信しますが8.8315MHzにはわずかに調整しきれません。
➃どうやら22pコンデンサー不良の可能性が出てきました。
➄TS−830ファイナル基板から取り外した15pコンデンサーを代わりに取り付けたところ8.8315MHzに調整することができ正常に受信できるようになりました。 |
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PLL基板動作不良(10、21、28MHz不動)の修復
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他のバンドは正常動作ですが10、21、28、29MHzのみ送受信できない状態です。28,29MHzはバンドをセットし電源スイッチを入れると動作状態になりますが、バンドを切り替え28、29MHzにすると動作しなくなります。10、21MHzはこのようなことはありません、
特定バンドが動作不良になる原因は様々ですが、動作機のPLL基板を差し替えたところ正常動作するのでPLL基板不良と判断しました。
PLL基板を入手し差し替えが一番ですがPLL基板のみの入手は大変難しい状況です。オークションにも滅多に出品されません。
いろいろ調べても不動バンド各電圧は正常です。スイッチングダイオードの不良も見られませんでした。
残る可能性はIC不良です。
サービスマニアル(英文)PLLブロックダイヤグラムを見ると各バンド周波数を作り出すのはQ15、16、17の3つのICで行っています。
Q16(74LS163)はDivider、Q17(MC4044P)Phase Comparateで直接周波数創成はしいません。
Q15(74LS00P)がBCD Signal Counterで、DCBAコード4ビットのビットの状態(1か0)によって目的の周波数を作り出します。
このQ15 ICの不良の可能性が大です。
幸いこのIC 74LS00Pはオークションに安価で出品されていましたので直ぐに入手しました。
早速交換したところ全バンド正常に動作するようになりました
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PLL基板動作不良(10、21、28MHz不動)の修復(局発コイルの不具合)
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現れた症状はほぼ上記と同じですが不具合の原因は全く違います。
不具合の状態は
@1.8、3.5、7、14、24MHzは正常に動作します。
A10MHz、21MHz、28・29MHzはカウンターが表示せず受信もできません。
時々正常に戻りますがバンドを切り替えたりすると症状が出ます。
B周波数カウンターで局発発振数は数を測定すると、USBは8828.5KHz、LSBは11MHz台の発振周波数です。
しかし1.8、3.5、7、14、24MHzは正常に受信できております。
LSBは高調波が周波数カウンターに表示されているようですが基本周波数8831.5KHz出力されているようです。
PLL基板局発コイルを調整すると全バンド動作するようになります。
しかし、10MHzはUSBでは正常に受信すのですが、LSBにするとカウンター不表示となり受信しなくなります。
はじめはモードスイッチの不良と考えましたがモードスイッチには不具合は見られません。
やはり、周波数カウンターでLSBが11MHz台の発振周波数が測定されるので局発発振回路に不具合がありそうです。
オシロで局発出力波形とレベルを見ると、波形が乱れ出力レベルも極端に少なくなっていました。
同調コイルのコアーを回しコアーを入れ切ってもピーク調整ができず同調が取れない状態です。
同調コイルに並列についているコンデンサーが断線したり容量抜けなどコンデンサー不良でよく見られる現象です。
50Pコンデンサーをコイル基板面に取り付け調整し直したところ全バンド正常に動作するようになりました。
Aのような現象だとどうしてもバンドスイッチ、各コネクターなどの接触不良を疑ってしまうので原因特定まで結構遠回りしてしまいますね。
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PLL基板動作不良の修復(カウンター不表示&送受信不能)
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症状は上記2つとは違い全てのバンドが送受信不可能になる現象です。
不具合の状態は
@時々カウンターが点滅し送受信ができなくなります。カウンターが表示されたときは送受信が可能となります。
A数時間正常に動作するときもあります。症状が再現すると送受信NGとなります。
症状が現れたときはVCOの出力がなくなります。
B周波数カウンター不表示、送受信不可の現象はVFO発振不良やほかの原因もあります。
PLL基板を入れ替えると正常動作に戻るので原因はPLL基板と特定しました。
原因の特定
@各水晶の発振出力に異常がないことを確認しました。
A各半導体の入出力に問題がないか確認しました。
Aその結果
Q11(MIX SN16913)入力までは正常で出力はありません。このIC不良が原因が大です。
Q40(MIX SN16913)の場合もあるので両方チェックする必要があります。
ラッキーなことにSN16913をオークションで入手出来て交換したところ正常に動作するようになりました。
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その他の不具合の事例をまとめてみました
CWモードで電鍵操作していないのにサイドブトーン音がする
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AF基板コネクターB3番ピンの配線や基板が断線するとこのような症状が出てきます。
ピン数の少ないコネクターは接続コネクターを取り外す際に力が加わるとピンハンド部分にクラックが生じたりプリント基板が断線することがあります。
この状態でCWモードでBOXオンにすると、送信状態となりパワーが出てしまいます。
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PROCを押し込まないと変調が掛からない、極端にパワーが少ない
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PROCスイッチはスピーチプロセッサーが働き、平均トークパワーを増大させます。
このスイッチがオフの場合はスピーチプロセッサー回路から切り離されマイク回路だけに切り替わります。
この切り替えスイッチの接点が酸化しその被膜などで接触不良を起こすことがあります。
スイッチの接点を接点洗浄剤で洗浄することにより修復が可能です。
逆のケースもあります。PROCを押し込むとおアワーが出なくなる場合も同様に解消可能です。
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カウンター基板コネクターせっしょ不良で全く動作しない現象
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電源オンでカウンターも表示されず、全く動作しませんでした。
まずIF基板、PLL基板を交換しましたが動作状況は変わらずカウンターも表示されず動作はしません。
次にカウンター基板を交換したところ、カウンターが表示され受信できるようになりました。
カウンター基板に問題がありそうです。IF、PLL両基板を元に戻しても受信動作が正常のようです。
カウンター基板のどこに原因があるか調べるため元の基板に戻したところ、何故か正常にカウンターが表示され受信動作も正常です。
恐らく経年変化でカウンター基板のコネクター端子が酸化被膜などにより接触不良を起こしたのでないかと推測しています。
酸化被膜による接触不良はコネクターを揺らしても解消できません。
接点洗浄剤で洗浄するのが有効ですがコネクターを差し込んだり取り外したりを繰り返すと解消することも多いようです。
今回の不具合もこのようなことで解消したものと思われます。
各基板のコネクターも要チェックですね!
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3.5〜10MHzの出力が出ない。14〜28MHのパワーは正常に出力される現象
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受信は全バンド正常ですが、一部のバンド(3.5〜10MHz)のみパワーが全く出ず、他のバンドは正常に出ます。バンドスイッチの接点不良はありません。
この原因のほとんどがドライブスイッチ一段目の180度ズレです。
修理などでRF基板を取り外し、再組立ての際にズレた状態でシャフトを取り付けたため、3.5〜10MHzスイッチが解放状態でドライブ信号がカットされたためです。
ズレたバンドスイッチを正しい位置に合わせれば正常に動作するようになります。
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マーカー発振が弱く100KHzごとの信号は確認されるが、25KHz事には確認できない現象
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マーカーの発振は分周された1MHz信号をPLL基板Q30、Q31、Q32半導体で100KHzに分周し、さらに25KHzに分周しています。
このうちのどれかに不具合が発生したものと思われます。
一つずつ交換し動作確認するのも面倒なのでQ30、Q31、Q32を全て手取り外し新しいものと交換しました。
この結果25KHzたんいにマーカー信号の発振が確認できております。
取り外したQ30、Q31、Q32をチェッカーでチェックしましたが、新しいQ30、Q31、Q32と測定数値に大きな違いはありませんでした。
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配線が基板固定ネジに挟まりショートし整流回路抵抗が焼き切れたトラブる
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電源を投入すると部品が焦げるにおいと共に大量の煙が発生しました。
電源を落とし調べてみると整流基板バイアス用整流回路R14(1KΩ)抵抗が焼き切れました。
バイアス電源ーCとアース間の抵抗を測定してみるとゼロでどこかがショートしている状態です。
調べてみるとAF回路に配線されているリード線がAF基板固定ネジに挟まった状態でショートしていることが分かりました。
AF基板上のリレーを交換したさいに基板固定ネジを取り外し再組立ての時に挟んでしまったものと思われます。
当然交換後動作確認は行っていたのでその時は挟まった状態でもショートまでに至らなかったのですが、その後時間がたってショート状態になったものと思われます。
ショート状態を解消し、焼き切れた抵抗を交換しました。
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28MHzのみパワーが30W程度しか出ない(他のバンドは100W)
可能性があるのはRF基板バンドスイッチ接触およびファイナルボックス内、ドライブコイルの同調ずれなどが考えられます。
今回のトラブルは受信正常、RF基板ドライブ正常、ファイナルボックス同調にも異常が見られず、6146Bグリッド入力が極端に少ないことが判明したので、RF基板ドライブコイル付近の可能性があると判断しました。
バンド切り替え基板をよく見ると白い汚れが見られます。この汚れとの関係は分りませんが基板を取り外し汚れを取り除いたところ正常にパワーが出るようになりました。
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パワーは少し出るものの全バンドで同調が取れな現象い
プレート電流は規定通り流れているのに同調が殆ど取れない状態です。
この無線機はパラ止めと同調バリコンが接触状態で、ファイナルユニット高周波チョークL2が焼き切れヒューズが飛んでいました。
焼き切れたチョークコイルを交換し動作させたところこのような現象に気付きました。
良く見てみるとァイナルユニット高周波チョーク1にコイルを固定?させるためでしょうか透明なニスのようなもので固められていました。
コイル類を固めるには高周波ニスを使用する必要があります。通常のニスは高周波特性を悪化させ高周波チョークの役割が果たせなくなったものと思われます。
このチークコイル交換で正常に動作するようになりました。
画像は断線した高周波チョークL2とニスのようなものが塗られた高周波チョークL1です。(分かりやすいように一部ニスを削り取っています。)
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ファイナルユニットにシールドケースを取り付けると出力が落ちるトラブル
特に21MHzでL型シールドをネジ止めするとなぜか出力が40W程度まで落ちます。L型シールドを取り外すと100W程度です。
写真のようなパラ止めが使用されています。このパラ止めが怪しいと思い2番目写真のように自作パラ止めとプレートキャップに変更しました。
L型シールドをネジ止めしてもパワーの低下は見られません。付いていたパラ止めに何らかの原因があったようです。
パラ止めとファイナルケース上部間でパラ止めが容量を持ちハイバンドトラップとして動作したのでないかと推測しています。
グリッドににも同様の自作パラ止めが使用されていたので交換しました。 |
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