トリオ HFトランシーバー TS−820(X、D、V、S) 

 TS−820はトリオ(現ケンウッド)の名機と言えると思います。真空管時代からアマチュア無線をしている人なら、この無線機を知らない人はいないと思いますがTS−520やTS−830よりはなじみが薄いかもしれません。発売は1976年ですから、約40年前になります。当時、定価は約20万円位でした。大卒の初任給が10万円の時代ですから、とても手にすることができないあこがれの無線機だったように思います。最新型の無線機には50万円、100万円するものがありますが、今の価格に直すとTS−820がとびきり高価だったというほどでもないかもしれません。以前から一度は手にしたいと思っていてところオークションでゲットできました。10W機でなんとか発売当時の状態に近づけたいと100W改造と合わせレストアに取り組んでみました。
 マーカーは付いていないものの、デジタルディスプレーが付いているので特に不便は感じておりません。マーカーがあるとバンドコイルの調整には便利です。TS−820にはXモデル、Xモデル、Sモデルがありました。X、Xモデルは10W機でXモデルはデジタルディスプレーはオプションとなっていました。そのため、アナログダイヤルで1Khz直読できるようになっていました。ダイヤルカウンターが100Khz上がるごとに、加算表示される珍しい構造です。また、マーカーはオプションでした。
 このTS−820の一番の特徴は、今ではほとんど使われなくなった真空管を使用していることです。また、シングルスーパー構成なので内部ノイズが驚くほど少ないのも大きな特徴です。この40年間で、半導体の技術はとても進化し、高出力のトランジスタが開発され、アマチュア無線用の無線機はほとんど半導体で構成されるようになりました。しかし、昔は、高出力の回路には、真空管はなくてはならない存在でした。ところが、懐かしさからか真空管無線機は、寿命が短い重い効率が悪いなどの短所があるにもかかわらず、トランジスタにはない良さもあると、デザインの良さも加わって今でも結構人気があります。

TS−820レストア項目

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TS−820レストア項目
クリックすると該当項目の説明にスキップします。
・入手時の状態

・ロータリー、プッシュ、スナップ、VRなどの接触不良・ガリの修復

・9Vラインに9Vが供給されない状態の修復

・AF基板9ピンプラグハンダクラックの修復

・周波数カウンターの不具合修復

・VFO周波数がある位置から変わらなくなる。(PLLのロックズレ)

・BIAS電圧不具合修復

・キャリアユニット不具合修復

・100W改造

・CWモードでは定格通りの出力が出ていてもTUNEモードでは出力が出ない

・スピーカーから音声が出ない

・冷却ファン修復

・Sメーターパイロットランプ交換

・Sメーター振れ方の不具合(全く触れない、振り切れ、振れが少ない)

・終段基板に付いている6.2Ω抵抗からの発煙

・メインダイヤルの回転に合わせ100Khz単位の数値が正しく表示さない状態の修復

受信感度調整・送信調整

・受信感度のさらなるアップ改造

・コイルパック基板の交換

・コイルパック基板ショート痕跡修復

・コイルパック基板ショートに起因する不具合例

・特定バンド(28.0MHz帯)が送受信できない不具合

・回路図にない配線のために送受信ができない現象

中和の取り方

・自作カウンターの組み込み

ケース塗装・その他整備

写真をクリックすると大きくなります。

入手時の状態

入手時の状態

入手時の状態
@ケースは塗装の剥がれ、錆などが目立つ。(ゆがみ、へこみ、塗装の剥がれ、錆など)
A電源が入りSSBが受信できるものの受信感度が総じて悪い。
Bボリューム、トーグルスイッチ、バンド切り替えなどのロータリースイッチにガリ&接触不良が見られる。
C9ピンソケットプラグ、ACコードが付いていない物が多い。
E何故かVOXが動作しないように改造されている。
F取っ手の糸がほどけがばらばらの状態のものが多い。
Gダイヤル表示部に不具合(小窓の同機が合わない)が発生していたものがありました。
等で致命的なトラブルは少ないように思います。

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ロータリー、プッシュ、スナップ、VRなどの接触不良・ガリの修復



 受信ができないなどのは各スイッチ等の接触不良が原因だったケースが多く見られます。ロータリースイッチなどの接触不良を修復しただけで正常に動作するようになることもまれではありません。
 
無線機等は長期間動作させないと、ロータリースイッチ、スナップスイッチ、プッシュスイッチなどのスイッチ関係の接点やボリュームの接触面が酸化皮膜等で接触不良になり、正常に動作しないことが多く見られます。接触不良が原因で全く送受信ができないこともあります。
 接触不良を解消しただけで元のように正常に動作する例は多くあります。
・全く受信ができない、
・各ボリューム類にガリや接触不良が見られる、
・AGCの切り替えができない、AGCをオフにしてもSメーターが振る、
・METER切り替えが上手くいかない、
・RIT調整ができない、
・RF ATTが動作しない、
・スタンバイスイッチを動作させても送信状態にならない
・バンドによって受信出来ない、
などは接点の接触不良が原因の場合が多く見られます。
 接点の修復は多くの場合接点洗浄剤で修復することができます。接点復活剤はNGです。
接点復活剤はべとべとする溶剤がそのまま接点周りに残りショートしたり、容量や抵抗値を示したりする危険が大です。
 接点洗浄剤は溶液が蒸発するのでこのような心配はありません。ただし接点洗浄剤の溶液も蒸発するまで多少時間が必要です。電源を入れるのは30分以上経ってからが無難です。
 特にTS−820などの真空管トランシーバーではバンド切り替えロータリースイッチに300V近い高圧が加わっているので、乾燥前に電源を入れるとショートの危険性があるので注意が必要です。
 接点復活剤を使用する場合はスプレー式はさけて、ハケや綿棒で接点に直接塗布する方法であればトラブル防止につながると思います。
 実際にこれまで30台弱のTS−520をレストアしてきましたが9割以上のTS−520が復活させることができました。勿論、これだけで復活するわけではありませんが、修理の第一歩です。
 
 さらに
VFOの特定の箇所で受信ができなくなる現象も長く動作させなかったために起こったローター部の接触不良が原因です。接点洗浄剤で修復できないときは、2000番紙ヤスリを接触面に差し込んで接触面を磨き、接点洗浄剤を塗布し何度か回転させて接触不良を解消することができます。

 ボリューム、ロータリースイッチ、リレーの接点不良の修復。
繰り返しますが接点修復には接点復活剤はNGです。溶液が残り修復不可能なトラブルを引き起こす可能性が大です。
@使用されているボリュームは写真のように隙間が空いている安価なボリュームが使用されています。これが幸いし隙間から接点洗浄剤を噴霧しガリなどが解消することができます。
Aバンド切り替え、モード切替、ファンクションの各ロータリースイッチも接点洗浄剤を振りかけスイッチを回転させて多くの場合修復できました。
Bリレー接点が黒く変色している場合は2000番の紙やすりをリレー接点に挟み込んで丁寧に落とし接点洗浄剤を振りかけます。なお、リレーは形は同じですが使用箇所が違うので注意が必要です。300Ωがアンテナ切り替え用です。

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9Vラインに9Vが供給されない状態の修復

9Vラインの復旧
 9ピンプラグを差し込んでも全く受信できません。9Vラインをテスターでチェックすると0Vで、9Vが供給されていません。
@9VはAF基板の安定化電源回路から供給されています。DC14Vをこの回路で9Vに変換しています。
AAF基板上では9Vが出力されていますが、コネクターからは9Vが確認できません。
Bコネクターを引き抜き再度差し込んだところ9Vが確認でき受信できるようになりました。原因がコネクターの接触不良だったようです。
Cこのような接触不良はTS−830やTS−530などでも時々見られる現象です。ピンとソケットの表面が酸化し接触不良が起こるようです。
 何度かコネクターの差し込みを繰り返したり、接点を磨いたり、接点洗浄剤を振りかけたりすると解消できます。

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AF基板9ピンプラグハンダクラックの修復

AF基板9ピンプラグハンダクラックの修復
 上記と別のTS−820で同じ個所にハンダクラックが原因でカウンターが9.000MHz表示され受信できないトラブルが発生しました。
コネクターを動かすと復旧することから、当初はソケットとピンの接触不良を疑ったのですが、ハンダ面を調べて見ると、ピン部分のハンダにクラックが走っていました。
ソケットを抜き差ししているうちに発生したものと思われます。
ハンダ付けし直しして解消しました。

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周波数カウンターの不具合修復

 TS−820のカウンターは今どきのカスタムICカウンターと違って、表示1文字にドライバーICが1対1で対応するタイプです。ICの数が多いだけに古くなるとIC不良、劣化により表示の不具合はよく発生します。ICが入手できれば修復が可能ですがICの入手は難しくなっているようです。
 しかし表示の不具合はIC不良ばかりではなく基板のハンド劣化によって発生することも結構多くあります。諦める前に試してみる価値があります。
@ハンダ劣化が原因の表示不具合修復
 何処にハンダ付け劣化があるか見極めるのは大変難しいので、コネクター部分やスルーホール部分を中心にハンダごてを万遍なくあてます。
 これで結構修復できる場合が多いです。
Aコネクターとソケットの接触不良修復
 14MHzとJJYバンドでカウウンター表示が9MHzを示しダイヤルを回しても表示が変わらない現象が起きました。
カウンターにはバンド切り替えで該当するTRに9V電圧が接続されます。14MHzの場合はコネクター11ピン(G2)です。この部分のソケットとピン間が接触不良になっていました。
 TS−820はこの種のコネクターの接触不良による不具合は大変多いようですね!

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VFO周波数がある位置から変わらなくなる。(PLLのロックズレ)

@写真のように7MHzでダイヤル指針を500khzにしてもデジタル表示は7340.3khzのままです。
 他のバンド(3.5、14MHz)でも 同じような表示不具合があります。
A当初VFOの不具合を疑いましたが、VFOは正常に発信しており問題はありません。
BこのことからPLLの不具合の可能性が大きいようです。
CPLL発信周波数はバンドごとにコイル調整可能となっています。
Dこのコイルを調整し正常に動作するように調整することができました。

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BIAS電圧不具合修復

BIAS電圧不具合修復
 
問題なく電波が出ていたのが突然全く電波がでなくなる現象に見舞われました。
電源を一旦オフに再度電源をオンにすると正常に送信ができます。
しかし、またしばらくすると電波がでなくなります。
プレート電圧、スクリーングリッド電圧、ヒ―ターに異常は見られませんでしたが、グリッドBIAS電圧が送信時でもー100Vです。
BIAS電圧は通常受信時ー100V、送信時はー60V前後です。
 
電波が出ない原因はBIAS電圧の不具合と考えられます。
@まず考えられるのは、BIAS回路のダイオードやトランジスターの不良で念のため交換しても改善しません。
Aそれではと基板毎交換してみましたが改善しません。
Bとなるとこの基板以外に原因がありそうです。基板とソケットの接触不良が無いことは確認済みです。
C調査の結果リレーユニット6ピンソケットにあるピン番号5「RLK」部分の接触不良です。
Dこのピン番号5「RLK」はスタンバイスイッチをオンにするとリレーが働き接地状態になります。
Eこのピン番号5「RLK」はRFユニットのソケットRF2 ピン番号2「RLK」に接続されています。
Fここが接触不良になるとスタンバイスイッチをオンにしてもRFユニットのソケットRF2 ピン番号2「RLK」が接地状態になりません。
G「RLK」が接地されないとRF基板にあるBIAS回路は動作せずに受信状態と同じくファイナルグリッドに−100Vが供給されたままになります。
Hー100Vではファイナルは動作しないのでプレート電流は全く流れないことになります。
I電波がでたりでなかったりした現象はリレーユニット6ピンソケットにある「RLK」の接触の状態によっておこったものと思われます。

パワーが定格通り出たり少なくなったりする現象の修復
 送信テスト中にパワーが定格通り出たり、パワーが少なくなったりふらついたりする減少に見舞われました。
パワー現象時に各電圧を測定したところプレート、スクリーングリッドは正常なのに対し、
@パワーが落ちたときのBIAS電圧はフルパワーの時よりも電圧が高くなっています。
AまたSSBモードでマイク入力無しでのIPメーターがふらつくことが判明しました。
BBIAS電圧の不具合が原因と特定しました。
CBIAS電圧の不具合の原因はいろいろ考えられますが、この不具合はリレーユニット6ピンソケットにあるピン番号5「RLK」部分の接触不良です。
Dソケットピンは写真のように折れていました。
E部品取り用のソケットからピンを流用するのが一番なのですが、手持ちがなかったので写真のように5番ピンにリード線を直接配線しコネクター側の線に配線しました。
この種のコネクターとソケットの接触不良はよく見られる不具合です。

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キャリアユニット不具合修復

 

キャリア発振はUSBは8831.5Khz、LSB 8828.5Khzとなっていますが、周測カウンターで見てみると1〜2Khzほどずれています。
このずれはキャリアユニットのトリーマーで調整できるようになっていますがトリーマーを回しても調整できませんでした。
このままですとSSB電波はでても受信側で復調できない可能性が有ります。
@キャリアユニットを取り外し基板をチェックしました。CRメーターでトリーマー容量を測定するとトリーマーを回しても容量は全く変化しません。
Aトリーマーを取り外しチェックしてみると回転する羽部分(ローター)がなくなっていました。
恐らく、調整の時、回転ネジ山に調整ドライバーを挿入せずにドライバーを回転させたために破損したのでないかと思われます。
Bこのトリーマー(20P)は特殊な形状をしており入手は難しそうです。
 回転部分とハンダ付け面が同一方向です。
CTS−520基板から20Pトリーマーを取り外し写真のように基板ハンダ面側に直付けしました。
D再組立てしトリーマー調整でUSB 8831.5Khz、LSB 8828.5Khzに調整し直しました。

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100W改造

電源回路改造(400→800X)
@基板を取り外しやすいように400X、800X、AC800X各ピンの配線を取り外します。
A整流用シリコンダイオードD1、D4を取り外します。
BD1からD4に接続されていたジャンパー線を取り外し、D1からアースにジャンパーし直します。
C取り外したD1、D4を写真のように極性の向きを変え、またR1〜R4(470KΩ)をハンダ付けし完了です。




電解コンデンサー追加
@500X100μFの電解コンデサーを追加します。黒色を使用したかったのですが入手できずグレーを使用しました。
A電解コンデンサーにはあらかじめ470KΩ抵抗&0.01μFのコンデンサーを配線しておきます。
B電源トランスAC 0Xを電解コンデンサー中間(直列接続の)に接続、AC800Xを整流基板AC800Xピンに接続します。
C整流基板800Xピンを電解コンデンサ&プレートピン端子に接続します。
終段の真空管ソケット追加
@6.2Ωセメント抵抗&15Pコンデンサー(終段グリッドに入っている)を取り外します。
A8Pソケットを取り付けます。
B写真のようにPS2(グリッドパラ止め)、パスコンを取り付けます。
C写真のようにジャンパー配線をします。
D追加した真空管スクリングリッドの100Ω抵抗をハンダ付けします。
Eプレートキャップを取り付けて改造は完了です。
なお、プレートパラ止めは100Ω抵抗に鈴メッキ線を巻きつけて自作しました。
F入手した冷却ファンは一旦分解しよりスムースに回転するように整備しました。
G改造後の出力は全バンドで定格の80Wでています。(ロード調整で100W以上)

オールバンド100W出力にするには
@電源部の改造だけでは出力が100Wになりません。今までの改造のままでは終段スクリングリッドに150Xしか供給されずせいぜい60Wです。
AHVユニットのFSBと210端子を接続します。これで、スクリングリッドに210Xが供給されて全バンド100W以上の出力となります。
B後方パネルに補修した冷却ファンを取り付けます。

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CWモードでは定格通りの出力が出ていてもTUNEモードでは出力が出ない

 CWモードでは定格通りの出力が出ていてもTUNEモードで出力が全くでないことがままあります。
モードスイッチの接触不良が原因のこともありますが、多くの場合電源高圧基板抵抗の劣化(抵抗値の変化)や抵抗の断線が見られます。

@電源高圧基板TUNE端子の電圧を計ってみるとほぼゼロです。
AR7が断線していました。
BR5、R6(ともに56KΩ)は60KΩ前後で抵抗値で若干増加しております。
CR7を交換したところTUNEモードでも出力が正常に出るようになりました。
 TUNEモードが動作しなくとも運用上問題は起こりませんが、ファイナル真空管の劣化を防止するためにもCWモードでの出力調整は避けた方が良いと思います。

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スピーカーから音声が出ない

 イヤホーンは正常に動作するのですが、スピーカーからまったく音が出ないトラブルが発生しました。
イヤホーンが動作するので低周波回路でないことは確かです。スピーカーそのものの破損、スピーカー周りの配線不良が考えられます。
TS−520では外部スピーカーが使用できるように背面パネルに外部スピーカー用ジャックが備わっています。
これに外部スピーカーを差し込むと内蔵スピーカーは動作しなくなります。
このスピーカー用ジャックの接触不良が原因でした。
このジャックの接触不良を修復したところ問題なく動作するようになりました。

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冷却ファン修復

@冷却ファンが付いていない場合は新たに入手します。
Aオークション出品のファン状態の良く無いものが普通です。
B一旦解体し、汚れや錆を落とし注油した上で塗装を施しました。
C電源ソケットが付いていなかったので手持ちのVFOについていたソケットを取り外し付けました。

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Sメーターパイロットランプ交換

 Sメーターのパイロットランプが切れていたので交換しました。
パイロットランプは12Vのものが付いてす。
オークションでも入手できるのですが、今回は地元のショップから12Vムギ球を入手し取り付けました。
付いていたパイロットランプの
 リード線をランプの根元でカットし配線を繋げる形で取り付けました。

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Sメーター振れ方の不具合(全く触れない、振り切れ、振れが少ない)

 Sメーター振れの不具合で考えられ多くは次の3つですが、IF基板R23〜25不良の場合も稀にあります。
@IF基板Sメーター振れ調整用ボリュームVR1、VR2の不良→抵抗値測定や回転すると分かります。
ADC12Vラインに不良→電圧測定で判明します。
BIF基板Q4(2SK19)、Q5(2SA495)の不良→可能性が大きいのはいずれかの(両方)TR不良です。 
 この場合は交換することにより正常に動作するようになります。
 一つずつ交換し動作確認するよりも2つ同時に交換したほうが効率的ですが、多くの場合Q5(2SA495)不良のケースが多いようです。

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終段基板に付いている6.2Ω抵抗からの発煙

 各電圧をチェックし、ヒーターをオンにしたところ終段真空管ボックス付近から薄っすらと煙が立ち上ります。
調査の結果発煙は終段真空管に直列に接続されている6.2Ω抵抗からと判明しました。
手持ちのセメント抵抗と交換した処その後、発煙は現象はなくなりました。
テスターで取り外した抵抗を測定したところ5Ω弱の抵抗値です。
普通抵抗は古くなると抵抗値が上がるのですが今回は逆の現象で、真空管ヒーター+取り付け抵抗の合計抵抗値が下がり、その結果多くの電流が流れて発煙に繋がったものです。

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ダイヤルの修復

@配送時の衝撃かどうかわかりませんが、ダイヤルが上手く回りません。
Aダイヤルを外し、ダイヤル取付け部のネジを調整し修復しました。
 やはり配送時の衝撃によって力が加わったためでないかと思います。ダイヤルを保護するクッション材ぐらいは入れてほしいものです。

@アナログダイヤルの位置がずれています。、また1台目、2台目のTS−820にも見られた現象ですが、ダイヤルの回転がスムースでありません。。
Aこのダイヤルは周波数カウンターが無いモデルでも周波数が読めるようにメインダイヤルの回転に合わせ100Khz単位の数値がメインダイヤルの回転」に合わせ200、300・・と表示される構造になっていますが、多少ズレが見られます。
Bダイヤルを外し、ダイヤル取付け部のネジを調整し修復しました。

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受信感度調整・送信調整

 接点洗浄により感度は飛躍的に良くなりました。
@受信感度など調整
・DRIVEツマミを12時の状態にし、受信感度はANT、MIXコイルを調整します。
・調整にはSGまたはマーカー信号を受信しながら行いました。このTS−820にはマーカーが内蔵されていなかったので別の無線機のマーカー信号を直接アンテナ端子に接続し調整しました。
・1.9、3.75、7.15、14.175、21.225、29MHzで該当するANT、MIXのコアーを調整しSメーターの振れが最大になるように調整棒を使用し調整します。
 その後RF基板T2とIF基板の所定のコイルをSメーター最大値になるように調整しました。
ADRIVEコイルは送信状態(TUNEモード)で出力最大に該当するDRIVEコイルを調整します。
SG電圧をオフにしてALCメータが最大になるように調整してもOKです。
Bこれらの調整の結果
・受信感度は見違えるようによくなりました。また、シングルコンバージョンの成果でしょうか内部ノイズ(ミクサーノイズ)は極端に少ないように思います。今どきの無線機と比べても全く遜色がありません。CWフィルターの動作も問題はありません。
・100Hz表示が不安定になることがあります。(1つ上がったり下がったりします。)周波数安定度は問題がないので、おそらくカウンター表示上の問題でないかと思います。実用上は全く問題がないのでしばらく様子を見たいと思います。

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受信感度のさらなるアップ改造

 TS−820は古くなるにしたがって、7MHZ以上のバンドでは、マニュアル通りに調整しても感度が低下が見られる場合があります。これを何とかしたいと思っていました。
 TS−820のフロントには3SK35が使用されています。
以前TS−520でこの3SK35を3SK74に差し替えて良い結果が出たことを思い出し早速交換してみることにしました。
 3SK74はそのままでは差し替えができないのでプリント基板に写真のように加工して取り付けました。

 プリント基板に組み込んだ3SK74をRF基板のQ2(3SK35)に直付けしても良いのですが、3SK35と3SK74を何時でも差し替え手その効果を十巻できるようにようにソケットを準備しました。
 このソケットはTS−520のRF基板に付いていたものです。TS−520では主なFETはこのソケットに差し込んで使用するようになっていました。

 TS−820ではTS−520と違い3SK35は直接RF基板にハンダ付けされています。
効果を確かめるためには3SK35と3SK74を何時でも差し替えて確認したいところです。
そこで写真のようにソケットを取り付けることにました。
差し替えが可能なので感度アップの状態を何時でも確認できます。
 3SK35と3SK74ではS9の信号が9+10DB程度の多く振れるようになり、その効果が実感できましたました。

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  コイルパック基板の交換

コイルパック基板交換
 コイルパック基板の不具合は滅多に起こることではないのですが、無理にコアーを回したりすると稀にコイルの破損につながる場合があります。
 他のバンドは問題なく受信できるのに。21MHzのみ受信できない現象に遭遇したことがあります。これは21MHzコイルの断線が原因でした。
 コイルのみを交換する方法もありますが、このケースではコイルパック基板が入手できたので基板ごと交換し問題を解決いたしました。
 交換前にバンドスイッチとロタリースイッチの位置を確かめて、RF基板、コイルパック基板を取り外し交換します。

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コイルパック基板ショート痕跡修復





コイルパック基板ショート痕跡修復
 電源を入れるとローターリースイッチから火花が飛ぶことがあります。
12BY7プレートコイルのバンド切り替えはロータリースイッチを使用して切り替えています。ここにはDC300Vの高圧が掛かっています。ローターリースイッチに接点復活剤などを塗布するとショートしベーク板が炭化する現象はよく見られます。
 ショートの原因を調べるためにコイルパック基板を本体から取り外しました。
取外しに当たっては切り替えスイッチ位置を確認し、再組立て時にズレが生じないように注意するひつようがあります。
 このローターリースイッチには接点復活剤などは塗布されていなかったのですが、湿気を含んだ埃が原因でショートしたものと思われます。
 埃を取り除きショートはしなくなったのですが、ショートの痕跡がロータリースイッチに見られたので再発防止を図るため取り付け金具とスイッチ端子にあった痕跡を削り取りました。
 これでこれからもショートが再発することは防げると思います。

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コイルパック基板ショートに起因する不具合例





@送信テストに先立ち真空管廻りの各電圧を測定したところ、12BY7のプレートにDC300Vが供給されていないことが分かりました。
A電源基板300A端子はゼロVですが300Bは所定の電圧が測定されています。
B300A端子と300B端子間に入っている平滑用抵抗470Ωの断線で早速交換することにしました。
C断線抵抗を取り外したところ取り付け基板に焦げた痕跡が見られます。かなり長時間の熱によって炭化したものと思われこのような痕跡は滅多に見られません。
D470Ω抵抗は取り敢えず交換しましたが、このようなことが起こる原因を確かめる必要があります。
E300A端子とアース間の抵抗を測定したところ50Ω程度です。
Fこれでは電源オンで瞬時て取り付けた470Ω抵抗は焼き切れていまいます。
G色々原因を調べて見た結果、コイルパック基板に問題がありそうなことが分かりました。
Hコイルパック基板をシャーシから取り外す必要があります。中々厄介な作業ですが仕方ありません。
Iコイルパック基板を取り外したところロータリスイッチドライブ側の基板が焼け焦げていました。
J焦げ方は長い時間(30〜60分程度でしょうか)かかって、ショートによって炭化したものと思われます。
K焦げた部分は基板の反対側にも及んでいて、修復は不可能です。
L今回は以前入手していた部品取り用のロータリースイッチの基板と交換しました。

 ロータリースイッチの取り付けネジ2か所とスイッチ端子の間隔は僅か1mm程度です。
この間に埃がたまったりするとショートして今回のような現象が誘発されてしまいます。100Vコンセントのトラッキング現象と同じだと思います。

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中和の取り方

中和の取り方
@終段の中和調整のため50Ωのダーミロードを準備します。
Aダーミロードへの出力を最低に調整することにより中和をとります。
Bまず28.8MHzCWモードで出力調整をします。
CSGスイッチをオフにします。
Dダーミロードへの出力をIN60などで整流し出力電圧を測定します。
E電圧(電流)が最小になるように中和調整バリコン(終段ケースの裏側にある)を調整します。
今回はほぼ0Xになるように調整できました。

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特定バンド(28.0MHz帯)が送受信できない不具合

水晶発振子(33.5MHz水晶)の不発振
 28MHzバンドの送受信ができない原因の一つに局発水晶不良があります。
TRやダイオードに不具合が無い場合は水晶不良の可能性が大です。
TRやダイオード不良は、動作確認している28.0MHzバンド以外のTR・ダイオードの状態と比較することによって、容易に分かります。
 テスターチェックでTR・ダイオードに異常が見られなかったので、水晶の不具合と判断し交換しました。

VCOユニット28.0MHzバンドバファーTR不良
 28。0MHzバンド送受信ができ無いので、VCO信号を測定したところに28.0MHzバンド信号が測定できません。
原因には局発水晶の不良も考えられますが、該当バンドのTR(2SK19)の不良が判明しました。
2SK19の手持ちがなかったので。VCOユニットに組み込まれているAUXバンド(オプションの任意の周波数帯を組み込み用)の2SK19を取り外しこれと交換しました。
 AUXバンドは普通は使用されることはありませんね!
TRの不良の有無は他のバンドのTRとテスターで導通状態を比較すれば容易に分かります。

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回路図にない配線のために送受信ができない現象

 送受信が全くできない原因は色々ですが、改造によるものか出荷時からなのか分かりませんが回路図にない配線のために送受信ができない現象に遭遇しました。
@各電圧の測定でキャリアユニットのLSB、USB端子にDC9Xが供給されていないことが分かりました。
 その他の回路にはDC9Xは正常に供給されています。
Aこの端子に電源が供給されないとキャリア発振部が動作しません。
Bこの端子にはモードスイッチを経由して供給されています。LSBの時はLSB端子に、USBの時はUSB端子にDC9Xが供給されるようになっています。
Cモードスイッチの9X端子をテスターで測ってみると0Vで9Xラインが接続されていません。
Dその代わりに紫色リード線が接続されています。
Eこの紫色リード線は裏面VFO9ピンプラグの7番に接続されています。
F配線図の通り本来の配線の状況は右側写真の通りです。(他の無線機と企画してみました。)
・ロータリースイッチには赤色9Xラインが配線されています。
・9ピンプラグ7番ピンは何も接続されていません。
・配線状況から見て後で追加配線したようには見えないのですが!
Gこのままでは送受信ができないので、取り敢えず9ピンプラグ7番ピンも8、9ピンと短絡しモードスイッチに9X電源が供給されるようにしました。
 これで送受信は問題なくできるようになりましたが、この改造?の意図は今でも不明です。

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自作カウンターの組み込み

 TS−820オリジナルカウンターは写真のように表示されます。
表示文字はヤエス101Z、901は最新の無線機と同じ程度の大きさですがTS−820は小さな表示となっています。
TS−820のカウンターは数字1文字ごとに専用ドライバーICが1対1で表示する構成になっています。
ICが多い分故障のリスクは大きくなります。
古くなったTS−820に表示不具合が多く発生するのはこのためです。

入手したカウンター&LED表示部
@カウンター本体はオークションで入手しました。
 写真には載っていませんが、電源ケーブルと入力ケーブルが付いています。
 電源を接続し100mV程度の信号を入力すると表示部に入力周波数が表示されます。
AこのままではTS−820には取り付けられないので小型のLED表示部を秋月から入手しました。

カウンターの初期設定
 入手のままの状態で動作させると入力信号の周波数を表示するので、TS−820に使用するにはIF周波数8.83MHzを減算する必要があります。
設定方法のの詳細は設定マニアルを参照してください。
@最初にIF周波数(8.83MHz)を設定します。
A次にIF減算か加算整かを設定します。減算の場合「[IF U」です。
B最後に照度を設定します。LED照度は1〜8まで8段階の設定が可能です。
この状態でTS−820に接続すると受信周波数を表示させることができます

入手したカウンターの動作確認
 
実際にTS−820に接続しカウンターを表示させてみました。
電源は手持ちの12.8V電源に接続しました。
カウンター入力はTS−820カウンターコネクターVCCに接続しました。
写真のようにVFOを回すと周波数が変わります。
カウンターの動作には問題がありません。

小型LED表示部の取り付け
@カウンター基板から大型LED表示部を半田吸取器で取り外しますす。
A小型LEDをユニバーサル基板に取り付けます。これが表示部になります。
B表示部とカウンター基板をケーブルで接続します。この場合カウンター基板は両面基板となっているので基板上下両方をハンダ付けします。
取り付けた2個の表示部の配線ができれば完成です。

取り付け金具の加工
@ユニバーサル基板に取り付けたLEDは問題なく表示しており、TS−820への固定金具を作成しました。カウンター基板から大型LED表示部を半田吸取器を用いて取りが図します。
Aカウンター基板はオリジナルカウンターユニットの設置個所に取り付けることにしました。
B表示部は写真のようにアルミ板を加工し取り付けました。

ケーブルの加工
@カウンター入力コネクターは写真のようにユニバーサル基板を加工し取り付けました。ピンを3本にしたのは差し込んだコネクターの安定度をよくするためです。
A電源コネクターはTS−820カウンター用の電源ケーブル14V端子に接続しました。
BTS−820製作時期によってアース線(黒色)が接地されていないTS−820が時々見られます。テスターチェックで分かりますが、このような場合はこの線を加工しアース接地します。

TS−820への組み込み
@カウンター入力はTS−820カウンターユニッ接続コネクターVCCぶに接続します。
A電源コネクターはTS−820カウンター用の電源ケーブル14V端子に接続しましす。
B表示部最は写真のように接続します。

TS−820への組み込み(オリジナルカウンター電源ユニットが付いている場合)
オリジナルカウンターはカウンター電源14Vをレギュレーターユニットで5Vに変換しカウンターソケット16番ピンに接続しています。5Xでも取り付けたカウンターは動作するのでこの5Xを利用します。
@写真1の左側にあるユニットがレギュレーターユニットです。
A写真2取り付ソケット左端がVCC入力(カウンター入力信号)です。
B表右端が5X電源です。

表示周波数
@受信周波数が7,170Khzだとします。
AIF周波数は8,830Khzに設定されています。
ACVC信号を周波数カウンターで測定すると丁度16,000Khzです。
B16,000Khz−8,830Khz=7,170Khzで表示周波数とドンピシャで一致します。
実際にはLSB IF周波数は8828.5Khz、USBIF周波数は8831.5Khzなので、主に7MHz以下で運用する場合は8828.5Khzに14MHz以上の場合は8831.5Khzにオフセット周波数を設定すると良いと思います。

カウンター表示周波数調整

 カウンターはほぼ正しく表示していると思いますが、ズレがある場いいは以下により調整できます。
調整には正確なSGまたはJJY信号を利用すると良いと思います。
@ズレが大きくない場合はカウンター基板上のトリーマーで微調整ができます。
Aトリーマー調整を超える周波数調整はオフセット周波数を変更し調整します。
・現在のオフセット周波数は8830Khzです。
・ずれている周波数をこの周波数に加算するか減算した周波数を再度オフセット周波数として再設定することにより調整することができます。

完成
 送受信時とも問題なく表示しています。
カウンター表示周波数の調整はカウンター基板で調整できます。
組み込み後の調整が楽にできるようにカウンターを取り付けています。
また、TS−820には手を加えていないので、今回取り付けたものを取り外せば、オリジナルのカウンターユニットを取り付けることができます。

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ケース塗装・その他整備

取っ手金具の錆落とし&塗装
@金具の錆をコンパウンドで磨き落としました。
A取っ手は修復が難しかったのでTS−520についていたものを取り付けました。
Bケースを再塗装しました。塗装はTS−520〜830に使用されている塗装に近い配色のものを使用しています。
C取っ手も手持ちのものと交換しました。

ファンの取り付け&取っ手の修復
@入手したファンに若干振動音が出ていたので分解し修復した結果、大変静かに回るようになりました。
A取っ手は劣化していた糸を取り外し新たに縫い合わせました。

電源コネクター代替方法
@電源コネクター&代替コネクターはオークションでも結構高価です。
AシャーシにACコードの穴を空け内部でハンダ付けする方法もありますが、コネクターがむき出しでは感電の危険もあります。
Bそこで、写真のような接続端子で接続し安全のためカバーを被せました。
電源コネクターが入手できたときはカバーと端子を取りはぜば全くのオリジナルに戻すことができます。

完了
@受信感度はTS−2000と比べても遜色ありません。
A送信出力は各バンドCWモードで100W近くは出ております。
Bケースはクリーム色に近いグレーで再塗装しており、外観は大変綺麗になっております。
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