ヤエス HFトランシーバー FT−102 (S、100Wモデル) 

 ヤエスのHF固定機、FT-102はヤエスの真空管ファイナル最後のリグですが、今でも充分実用になり、また最後を飾るに相応しい名機だと思います。(終段が真空管のリグを最後まで製造していたのはトリオのTS-830です。)
 
機械的な作りは、最高機種であったFT-901に一歩譲りますが、電気的な性能は大変優れており今でも十分通用する機能と性能を有していると思います。
 FT−102モデルは6146Bを贅沢に3パラで使用し、余裕の100Wオーバーを出しますがSモデルは終段1本で10Wです。また、大型のアナログメーターを2個実装し、ALCを見ながらプレート電流などを同時に監視できるというマニアックな仕様でした。
 当時のライバル機であるTS-830との比較で、Sモデルを除くと6146Bを3パラ、2メーター方式、APF(オーディオフィレター)の実装などで勝っていたのではないでしょうか。
 いずれにしても、当時考えられる機能が全て実装されており、今でも十分実践使用できるリグであると思います。特にオーディオフィルター機能はCWフィルターが装着されていなくともCW運用が楽しめると思います。CWフィルターと組み合わせれば快適なCW運用ができます。
 今まで数台入手しましたが、いずれもRF部リレーに問題があり交換しました。ある程度の修理経験があれば誰でもリレー交換ができるように交換手順や注意事項を中心に掲載してみました。参考になれば幸いです。
合わせて、ケースの傷みが目立ったのは再塗装し見た目も大変綺麗に修復しております。

FT−102レストア項目

項目をクリックすると該当する説明項目にジャンプし、「戻る」をクリックするかブラウザ印でこの項目に戻ります。

FT−102レストア項目

クリックすると該当項目の説明にスキップします。
・入手時の状態

・ロータリー、プッシュ、スナップ、VRなどの接触不良・ガリの修復

・リレーの交換

・ファイナル同調が取れないファイナルバンドスイッチのズレ

バンド切り替えスイッチのシャフトカップリング問題

・アンテナリレー交換(修復)

・100W改造

・局発などの発信周波数調整

・CWモードで NARを押すと著しく感度が低下しかも選択度もよくならない現象の修理

・周波数カウンター(特定バンドが表示しない)&その他のの不具合修理

・VFOの不具合(発振不良)修復

・メーターランプ交換

・28Mバンドを100W出力に改造

・バンド切替スイッチの若干の不具合

・思いかけないトラブル(ショートによる炭化跡)

・WARCバンドの解放

・送信不能修復

ツマミ洗浄&調整など

・リレー交換後も受信感度が上がらない

・プリアンプをオンにすると逆に感度が下がる(RFスイッチオン時のトラブル)

・クーリングファンのノイズ対策

・ケース塗装

写真をクリックすると大きくなります。

入手時の状態

入手時の状態

@外観は比較的状態が良いものが多いようです。
A
終段は6146B3本構成で軽く動作させても100Wは出ています。
 正面パ終段6146が写真のように変形しています。熱で溶解したと思われますが、このような状態の真空管は初めてです。 
B当初は受信感度が極端に悪く、かろうじて受信できるもののSがほとんど振らない状況でした。
 
スタンバイスイッチをオンオフすると正常に受信するようになることがあり、またRL04、RL05を軽く叩くと正常に受信することから、このリレー不良の可能性が高いと思います。
 RF AMPをオフにすると受信不可能になります。RF AMPオンオフでRL01、RL03が動作することからこれもまたリレー不良の可能性が高いと思います。
 このようにFT−102にはRF部リレーが原因で送受信に問題が出ているケースがほとんどです。
CCWモードでNAR ON(CWフィルター動作モード)にするとS9の信号がSゼロに、しかも選択度は変わりません。CWフィルター動作のオンオフはダイオードスイッチで行っていることからここに使用されているダイオード不良の可能性が高いと当初思っていましたが違いました。こんなこともあるのですね!
Dロータリースイッチに接触不良とガリあります。バンド切替スイッチです。また、スナップ、プッシュスイッチ、ボリュームなども同様です。
E周波数表示カウンターの動作が不安定になることがあります。
Fトリオにはない機能ですが
AMが受信できます。
GDC 300Vラインに不具合がありました。
 DC 300Vはドライバー管12BY7にプレート電圧を供給します。
 電源部DC 300V整流回路R1、R2が焼き切れていました。
H12BY7プレートに配線されている10Ω抵抗が時々断線状態になります。
 12BY7プレートに接続されている10Ω抵抗が空中配線されているのですが(ヤエス仕様)振動で時々断線状態になります。これは中々分かりませんでした。
 空中配線は抵抗部にチューブでカバーされてます。ヤエスさんともあろうものがこのような設計は手抜きですね。この10Ω抵抗は回路図には載っていません。寄生発振などのを防止するために追加で付けたのでこうなったのかもしれません。
I12BY7に配線されている0.047μFが割れていました。
JWARCバンドは未改造のモデルが多いようです。

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ロータリー、プッシュ、スナップ、VRなどの接触不良・ガリの修復
(記載例はTS−520での修復方法を事例として掲載しています)

 後段に掲載したリレーの問題は別にして受信ができないなどの不具合は各スイッチ等の接触不良が原因だったケースが多く見られます。ロータリースイッチなどの接触不良を修復しただけで正常に動作するようになることもまれではありません。
 そこで、接触不良やボリュームのガリの修復方法を一部 TS−520事例 を交え掲載しました。

 
無線機等は長期間動作させないと、ロータリースイッチ、スナップスイッチ、プッシュスイッチなどのスイッチ関係接点やボリューム接触面が酸化皮膜等で接触不良になり、正常に動作しないことが見られます。接触不良が原因で全く送受信ができないこともあります。
 接触不良を解消しただけで元のように正常に動作する例は結構多いです。
・全く受信ができない、
・各ボリューム類にガリや接触不良が見られる、
・AGCの切り替えができない、AGCをオフにしてもSメーターが振る、
・METER切り替えが上手くいかない、
・RIT調整ができない、
・RF ATTが動作しない、
・スタンバイスイッチを動作させても送信状態にならない
・バンドによって受信出来ない、
などは接点接触不良が原因の場合が多く見られます。
 接点修復は多くの場合接点洗浄剤で修復することができます。接点復活剤はNGです。
接点復活剤はべとべとする溶剤がそのまま接点周りに残りショートしたり、容量や抵抗値を示したりする危険が大です。
 接点洗浄剤は溶液が蒸発するのでこのような心配はありません。ただし接点洗浄剤の溶液も蒸発するまで多少時間が必要です。電源を入れるのは30分以上経ってからが無難です。
 特にFT−102などの真空管トランシーバーではバンド切り替えロータリースイッチに300V近い高圧が加わっているので、乾燥前に電源を入れるとショートの危険性があり注意が必要です。
 接点復活剤を使用する場合はスプレー式はさけて、ハケや綿棒で接点に直接塗布する方法であればトラブル防止につながると思います。
 実際、これまで何十台ものトランシーバーをレストアしてきましたが9割以上復活させることができました。勿論、これだけで復活するわけではありませんが、修理の第一歩です。
 
 さらに
VFO発振不良(特定の箇所で受信ができなくなる現象など)も長く動作させなかったために起こったローター部接触不良が原因の場合が多いです。接点洗浄剤で修復できないときは、2000番紙ヤスリを接触面に差し込んで接触面を磨き、接点洗浄剤を塗布し何度か回転させて接触不良を解消することができます。

ロータリースイッチ
ボリューム類の修復

 ロータリースイッチに接触不良とガリあります。バンド切替スイッチです。また、音量ボリュームなどのボリューム関係に接触不良とガリがあります。
@長年未使用状態ですと、スイッチの接点が酸化するなどして接触不良を起こします。何度かガチャガチャ回すと接触不良が解消することが多いようです。
A今回は接点洗浄剤を振りかけ何度かスイッチを切り替えたところ接触不良は解消できました。
B接点洗浄剤は揮発性で溶剤は蒸発しますが、スプレー後暫くは溶剤が残っています。溶剤が蒸発していない状態で電源を入れるとショートの危険性があります。電源投入は1時間程度経過してからの方が無難です。
C高圧を扱う真空管トランシーバーに接点復活剤はNGです。溶剤が接点周りに残りショートの原因になります。ショートでスイッチが使用不能になること大です。
Eボリュームのガリも接点洗浄剤を振りかけ解消しました。

 ボリューム、ロータリースイッチ、リレーの接点不良の修復。
繰り返しますが接点修復には接点復活剤はNGです。溶液が残り修復不可能なトラブルを引き起こす可能性が大です。
@使用されているボリュームは写真のように隙間が空いている安価なボリュームが使用されています。これが幸いし隙間から接点洗浄剤を噴霧しガリなどが解消することができます。
Aバンド切り替え、モード切替、ファンクションの各ロータリースイッチも接点洗浄剤を振りかけスイッチを回転させて多くの場合修復できました。
Bリレー接点が黒く変色している場合は2000番の紙やすりをリレー接点に挟み込んで丁寧に落とし接点洗浄剤を振りかけます。なお、リレーは形は同じですが使用箇所が違うので注意が必要です。300Ωがアンテナ切り替え用です。

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リレーの交換









リレーの交換(ピン間隔が同じでそのまま取り付けられるリレーの例)
 
FT-102に使用されているリレーは富士通製の211A D024 SX1とD012 SX1です。RF部についているこのリレーはいずれも数年〜10数年立つと接触不良が顕在化します。そもそも使用してはいけない特性のリレーをRF部に使用したため起きてしまう現象です。(RF廻り以外はトラブルが発生しないようです。)リレーを交換するとこの問題は解消できます。
@リレーを交換するためにはRF基板を取り外す必要があります。
 まず、周波数表示カウンターを取り外し、接続シャフト類を取り外します。バンド切替スイッチ廻りを取り外す際は再組み立て時にバンド周波数を間違わないように印などを付けておいたほうが良いと思います。バンド切替スイッチはストッパーが無く360°回転します。
A
交換可能リレーはRL01、RL03(オムロンG2E−184P−M−US DC12V)
            RL04,RL05(オムロンG2E−184P−M−US DC24V)です
Bこのリレーは取り付けてあるリレーよりも1〜2mmほど背が高くなっています。
 RL05はそのままではバンド切替スイッチが邪魔になり取り付けられません。リレーのピンを少しカットし取り付ける必要がります。ピンが基板から出ない状態となりますので、ハンダ付けではピンホールに0.3ミリ鈴メッキ線を差し込みハンダを流し込むようにしてハンダ付けします。この方法ならハンダ付け不良にならないとおもいます。
C最近はこのタイプのリレーは製造中止で入手は難しくなっています。入手できるリレーは同じオムロンG5Xタイプですが、ピンの間隔は一回り小さくなっているので工夫が必要です。(足駄基板を作るとか、ピンを広げるとかして取り付けます。)
Dプレート同調シャフトを取り付ける際、カップリングにひび割れがあったので手持のカップリングと交換しました。
E取り外した4個のリレーです。接点洗浄剤で洗浄すればまた何かに使えるかもしれません。





2C接点リレーの修復
 FT-102にはリレーが多く使われていて、受信感度で問題となるのはRFユニットのリレー接点不良です。
このユニットには3種類5個のリレーが使われており、1C接点の4個は入手可能(オムロンG5Vタイプ、寸法も含め互換性があるリレーの入手は難しくなっています。)ですが、2C接点(RL2)は代替え無しの状態です。
 これはピン配列が特殊なためです(左記図参照、この図はJJ2PNX OMのHPに掲載されていたものをそのまま掲載しています)。
 代替が入手できないと接点を掃除するか、アダプター基板を作って下駄を履かせるかになってきます。
今回は接点修復を試みました。
 このリレー(R2)のカバーを外します。カッターの刃を隙間に差し込むと容易に外せます。
@このリレー(RL2)を基板から取り外し動作確認したところリレーオン時、接点が写真のように数Ω程度の抵抗値を示します。
A当初、接点洗浄剤で修復を試みましたが改善しませんでした。
B写真のように2000番の紙ヤスリで接点を磨きました。
Cその結果抵抗値はゼロになりました。
R1、R3、R4、R5はG5Vタイプにすべて交換します。


@

@

A

A

B

B

C

C

DE

F〜I

J

K

LMN

O


O

Q

R
S

リレー(G5V)の交換(電気特性互換があるもののピン間隔が違うリレーの例)
@RF部プレート同調、ロード、プリセレクターのシャフトを取り外します。
A終段部にケース貫通コンデンサーに接続されている線2か所(赤まる)の配線を外します。
Bロータリスイッチ側(赤まる)配線を外します。
C終段基板赤まる)配線を外します。
D配線を外し、取り付けネジを取り外すと基盤を外すことができるようになります。

E次にRF基盤からシャーシにハンダ付けされているアースせんを取り外します。
FこれでRF基盤取り外し準備ができました。取り外し作業が容易になるようカウンター基板も取り外すと作業が楽になります。
GRF基盤コネクター、アース線(シャーシにネジ止め)を取り外します。
HRF基盤のネジ止めを取り外します。
IRF基盤はシャフトカプリングの方向に沿って垂直方向に引き抜きます。無理に力を入れて取り外すと再組立てした際にロータリースイッチが各バンドの所定の位置からずれるトラブルに見舞われることになります。
 スムースに基板取り外すにはフロントパネル側のカプリング(黒いプラスチック)を取り外し、次に終段ボックス側のバリコンに付いているカプリング金具(イモネジが付いている金具)のネジを緩め、金具ごと基板と一緒にバリコンシャフロから引き抜くようにすると簡単に外れます。
 終段ボックス側の黒いカプリングだけを取り外そうとしても中々取り外すのが難しいと思います。
 基板を組み込むときは全く逆の手順で行います。

JFT-102に使用されているリレーは富士通製の211A D024 SX1とD012 SX1です。互換のあるリレーはRL01、RL03はオムロンG2E−184P−M−US DC12VとRL04,RL05はオムロンG2E−184P−M−US DC24Vなのですが、入手が難しくなっています。
今回、実際に取り付けたリレーはオムロンG5Vタイプです。
K互換リレーが入手できない場合はRL01、RL03(オムロンG5V DC12V)、RL04,RL05(オムロンG5V DC24V)を使用しますが、リレーが一回りり小さいので取り付けにあたってはピンの加工が必要となります。写真
Sのようにピン幅を広げ、配線用0.3mm鈴メッキ線を取り付けます。鈴メッキ線はある程度細い方が加工しやすいと思います。
L互換リレーはJ写真のように1mmほど高くなっています。このままではRL05部には取り付けられません。(G5Vタイプは問題なく取り付けられます。)
Mこの場合リレーピンを1mmほどカットして取り付けます。
NMの場合、基盤にピンが飛び出さずハンダ付けができない状態になり接触不良の原因になります。そこで写真のように細い鈴メッキ線をリレーピンに差し込みハンダ付けすればハンダは確実にピンに届くようになります。
O基板アース線を写真のように交換します。これはシャーシにハンダ付けしやすくするためです。もともと付いていたアース線を終段基板部に差し込むのはかなり難しいと思います。
PRF基盤を元の通り仮設置します。まだネジ止めなどはしません。
Qアース線などを終段シャーシ部に通しアース線はハンダ付け後、不要部分をカットします。
R終段基板を元のように取り付け、外した配線をも元通りに戻します。(I太文字部参照)
RF基盤をネジ止めし、外した配線をハンダ付け、外したコネクターを接続、カウンターを元に戻せば作業は全て完了です。

ファイナル
バンドスイッチのズレ

ファイナルバンドスイッチのズレ
 FT−102のバンド切り替えはファイナル同調部分が特殊なジョイントで接続されています。
取り付け位置を正しく合わせ取り付けネジをしっかりと固定しないとわずかにズレたりし同調が取れなくなるトラブルに見舞われま弟妹ます。
また、スイッチの位置は一つズレても全バンドで同調(ディップ点が見つからない)が取れなくなります。
リレー交換後同調が取れない場合はスイッチのずれが原因です。
 スイッチを正しい位置に合わせれば正常に動作するようになります。ディップメータなど調べてみることも有効です。

同調が取れないトラブルは他にもいろいろあります。
 ・コンデンサーのショート
 ・バリコンの不具合
 ・バンドスイッチ接触不良
 ・ファイナル真空不良(内部ショートなど)
 ・同調コイルのショート
などです。

リレーについて一言

 FT−102ではSNや受信感度を上げるため、切り替えにダイオードスイッチではなくリレーを多用しています。しかも使用リレーは富士通製の微弱電流回路には比較的信頼性が低いものでした。したがって年数が経てばリレーの接触不良が顕在化しすることが多いようです。 コストの問題だったのかもしれませんが、はじめからオムロン製を使用すべきだったと思うのですが!
@この手のリレーは空気にさらされているので未使用であっても、と言うより未使用状態が長く続き年数がたつとリレー接点が酸化し接触不良の原因になります。
A従って長期保存していた未使用品を使用する場合であっても、基板に取り付ける前に動作チェックするなど十分注意する必要があります。
B未使用のリレーを付けたはずなのに・・・・・はしばしばみられる現象です。
Cリレー接点を守る良い方法は完全密閉ガス入りリレーを使用すことですが、価格などで現実的ではありません。
D一番良い方法は時々リレーを動作せせることではないかと思います。

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バンド切替スイッチの若干の不具合


@滅多には起こらないと思いますが、電波が出ない現象がおこりました。
A色々調べてみたところ送信部バンド切替スイッチの接触不良です。
 これはバンド切替スイッチにっ入っているカップリングの緩みが原因です。中々解消は難しい現象ですが、スイッチ切り替えで確実に戻るので操作でカバーすることにしました。
C近いうちに遊びの無いカプリングを捜し交換したいと思います。

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バンド切り替えスイッチのシャフトカップリング問題





バンド切り替えスイッチのシャフトカップリング問題
 FT−102Sのバンド切り替えスイッチのシャフト2か所に写真のようなシャフトカプリングが使用されています。
その構造上長年使用しているとどうしてもゆがみなどが生じてしまいます。
このFT−102Sも写真のようにバンド切り替え操作のタイミングなどによりずれが生じておりました。
 多少のズレはシャフト側の取り付け金具微調整で修復の可能性があるので、リスクはあるもののリレー交換作業に入ることにしました。
作業に入る前に注意すべき事項
交換するリレーは赤まるで示した位置にあります。
@バンド切り替えスイッチはストーパーが付いていないので360回転します。
ARF基盤を本体から取り外すとロータリースイッチは簡単に回ってしまします。
B従って取り外す前のロータリースイッチの位置状態を確認しておく必要があります。
CRF部側のロータリースイッチの位置と終段側のロータリースイッチの位置にズレが生じると、送信時に同調が取れなくなります。
D今回はバンドスイッチが1.8MHzの位置で取り外したのでその時のロータリースイッチの状態を写真に撮り、またロータリースイッチにサインペンで印を付け再組立て時にずれることのないようにしました。
E無線機のカップリングの取り付け状態によってバンドの位置は違ってきます。
Fカプリングにストレスをかけないように基盤は縦方向に引き上げるようにすると比較的容易に取り外せます。

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アンテナリレー交換(修復)

 送信から受信状態に切り替えたときに感度が低下する現象はRF基板リレー不良のほかにアンテナリレー不良(接点接触不良)の場合も同様に感度低下が見られます。RF基板リレーを交換しても修復しない場合はアンテナリレー不良です。
@アンテナリレーはファイナルボックス内部にあります。
Aアンテナリレーを取り外すにはまず配線を取り外します。基板から外すのではなく接続先から取り外す方が作業は楽です。
Bアンテナコネクター、取り付けネジ(リアパネル面1か所)を取り外します。
Cこのままではアンテナコイルが邪魔になりファイナルボックス内から外すことができません。
Dリアパネルをシャーシに固定いしてあるネジをすべて取り外しリアパネルを少しずらすと取り外すことができます。
 ずらさないとアンテナコネクターがリアパネルから抜くことができません。
Eアンテナリレーを基板から取り外します。
F交換用リレーはオムロン製G5LE-1 12V DCです。そのまま取り付けられます。
G交換リレーが入手できない場合は取り外したリレー修復を試みてみるのも一つです。
・取り付けてあるリレーは密閉されていますが、底部をカッターで切れ目を入れるとケースから抜くことができます。
・接点を2000番紙やすりで磨き接点洗浄剤を振りかければ修復可能になると思います。
・修復後ケースに収納し再度接着します。
リレーはDC電圧などであれば問題のない接点抵抗数Ωであってもアンテナ入力信号にとっては大きな抵抗になりますので感度低下の原因になります。

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100W改造

100W改造
 FT−102Sの100W改造記事はインターネット上でも見つけることができないので、あまり例がないのではないかと思います。FT−102とFT−102Sの違いについては取扱説明書にも記載はありますが、実際の配線とは一致しないところが何か所もあります。
@RECT AのR26(18KΩ)の位置 配線図ではR09に並列に接続→実際はR10と並列
A終段スクリーングリッドが210Xと160X切り替え→実際は160Xのみ供給
Bファン用電源の接続図、28MHzパワーダウンなどはマニアルと全く違います。など
 ヤエスのFT−101Z、901、102に使用されている終段ソケットは普通のGT管ソケットと若干違います。写真のようにソケットが外側に広がっていて、普通のGT管ソケットが取り付けられません。そのため専用のソケットを入手する必要があります。
CオークションでFT―901用の終段基板を入手しました。
Dまた、ラッキーにもたまたま出品されていた102用ファンも入手することができました。102用のファンはあまり出品されていないようです。
E入手基板から取り外したソケット、コンデンサー、抵抗を102用終段基板に取りつけました。
F終段基板から取り外した配線をもとのように(10W仕様)ハンダ付けして真空管3パラ改造は一先ず完了です。
G次にファンを取り付けました。ファン用電源はトランス側の基板端子です。
プレート、スクリーングリッド電圧は10W仕様の状態で動作確認をしたところ約40Wのパワーが確認できたので、3パラ改造は正常に動作しています。
H100W改造のためのスクリーングリッド電圧は160Vに接続された配線をカットし210V端子に付け替えるだけです。
Iまたプレート電圧は電源トランス110V端子から320V端子に付け替えるだけです。
Jこのままだと28MHzは50W出力となるので写真のように配線を付け替えることにより100W仕様になります。
K電源ヒューズを6Aのものに交換し改造は完了です。

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局発などの発信周波数調整





局発などの発信周波数調整
調整の手引きに従って基準発振周波数、SSBキャリア発振周波数を調整しました。
@基準発振周波はジャスト6MHzです。
ALSBは10.5434MHz、USBは10.5466MHzです。
 使用しているオシロスコープは周波数カウンター(100MHzまで測定が可能)付きで、波形と周波数が同時に測定でき大変重宝しております。
 さらにもう一つLSB 19.2134、USB 19.2166MHzに調整します。
 ここれらの周波数の差がIF周波数となります。したがって、これらの周波数がズレていると、Fズレ状態の電波が送信される可能性があります。
Bまた使用している周波数カウンターは10Khz〜2.5Ghzまで測定できるものです。
カウンターは新品で入手しました。価格は何と6K程度です。
 ただ、表示に若干の揺らぎがあるようで、暫く凝視していると眩暈がします。
このカウンターはVICTOR VC2000中国製です。基準周波数の調整などはできません。問題は精度ですが、6MHz表示で100HZ程度のズレがあります。
 今回の測定ではオシロのカウンターとほぼ同じ表示で、アマチュア無線機の調整では結構使えるのではないかと思っています。

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CWモードで NARを押すと著しく感度が低下しかも選択度もよくならない現象の修理

CWフィルターの不具合





CWモードで NARを押すと著しく感度が低下しかも選択度もよくならない現象の修理
 
CWモードでS9の信号がNARを押し込むと音量ボリュームを目一杯上げないと分からないほど感度が落ちてしまいます。
FT−102ではIFフィルターの切替はダイオードスイッチで行っており、各モードに対応しDC12XをIFユニットに供給しています。
@まず、各モードに添ってDC12Xが切り替わり正常にDC12Xが供給されているかチェックしました。異常は見られません。
A念のためモード切替スイッチ廻りのダイオードに異常はないかチェックしました。スイッチのダイオードをチェックするためには写真のように周波数カウンター、メーター、VR、押しボタンの各ユニットを取り外し始めて到達できます。(ロータリースイッチを取り外すにはフロントパネルを取り外さないとないと難しいようです。)なお、製造ユニットによってダイオードがスイッチ廻りに取り付けてある場合と押ボタンスイッチ基盤についているものとがありますので注意が必要です。(配線図参照)
B今までのところ、いずれも異常は認められません。あとは可能性としてフィルターのダイオードスイッチの不良が考えられます。
CIF基板を取り外し可能性のあるダイオードをチェックしてみました。これもまた異常は見られません。
D基板のハンダ付け面を良く見てみるとプリント部にカットされた跡が見られます。しかし、フィルターとは無関係の部分です。何故、このようにカットしてあるのかは分かりませんでした。(プリント基板の設計ミスでメーカー配線時にカットか?)
Eフィルター自体の不良も考えられないことは無いのですが滅多にないことです。後は、フィルターを取り外し他のリグで動作確認するしかないと思っておりました。
FCWフィルターのインアウトにテスターを宛ててみるとゼロΩ「あれ!ショートか?アースされてるの?」「ん?ん?ん?な!な!な!」んと、CWフィルターの取り付け向きが違っているではありませんか。これはオプションのCWフィルターを取り付けたときからこの状態なのでしょうか????
G逆向きに取り付けるとフィルターのインアウトがアースされた状態になり入力信号が出力されません。
Hいくら中古とはいえまさかフィルターが間違って取り付けられてるとは思いませんでした。それにしてもCWフィルターを取り付けたOMさんはCWの運用はどうしていたのでしょうか。余談ですがCWフィルターは大変綺麗にハンダ付けされて取り付けられていました。
Iそんな訳でCWフィルターを取り外し正しく取り付けたところ正常に受信できるようになりました。

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周波数カウンター(特定バンドが表示しない)&その他のの不具合修理

周波数カウンター&その他のの不具合修理1
@カウンター部に刺激を与えると動作が不安定になることがあります。リレー交換のときコネクター類を取り外す際PT01ピンが外れてきました。どうもこのピンのハンダ付け不良だったようです。
A基板に再度しっかりとハンダ付けしました。
Bロータリスイッチの接触不良、ガリは接点洗浄剤で洗浄したところ正常に動作するようになりました。なお、接点復活剤は厳禁です。 接点復活剤の溶剤が接点周りに残りショートなどの原因となります。
Cマイク廻りのコンデンサーを一部交換しました。これでハム音が解消されました。

特定バンドの時周波数カウンターが表示しない具合修理2
 他のバンドは正常に周波数カウンターが表示されるのに特定のバンド(複数バンドにわたる場合もある)でカウンターが表示されない不具合発生時の対処方法です。
原因として考えられるのは
@バンドスイッチの接触不良
APLL基板コネクターの接触不良
BPLL基板T12、T13、T16の同調ずれ
CPLL基板L3、L6、L8、L10、L13、L16いずれかの同調ずれ
などの可能性があります。この他にTRやダイオードなどの部品の不良も考えられますが、多くの場合上記4点が原因のケースが多いようです。ここではBCについて触れております。

BPLL基板T12、T13、T16の同調ずれ
 AF基板TP16にミリバルかオシロを接続し最大出力になるよT12、T16を調整します。350mV以上あればOKです。
TP3にミリバルかオシロを接続し最大出力になるよT13を調整します。約100mVあればOKです。

CPLL基板L3、L6、L8、L10、L13、L16いずれかの同調ずれ
 TP9にVTVMを接続し下記の所定電圧になるようコイルを調整します。
VTVMがない場合はオシロスコープでP−P電圧を測定し実効値を求めるか、簡単なRFプローブ(ダイオード整流)を作成しテスターで測定すると良いと思います。直接テスターのDC10Vレンジでも測定できないことはありませんが・・・・です。
 2.0MHz  L3  6V
 7.5MHz  L6  2V
 14.5MHz L8  6V
 18.5MHz L10 2V
 21.5MHz L13 6V
 30.0MHz L16 2V
何れも+−0.1Vの範囲で調整します。
これらを調整しても表示されない場合は他に原因があると考えられます。

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VFOの不具合(発振不良)修復



 まず、VFOユニットを取り外す必要がありますが、取り付けネジ4か所を外しても本体からVFOユニットを取り出すことはできません。
 
フロントパネルを一旦取り外しすか、前方向に引き出さないとVFOユニットは取り外せないので一仕事になります。
 なお、メインダイヤルは芋ネジによってVFOシャフトに固定されています。芋ネジはダイヤルノブ表面からは見えません。ノブゴムを捲って緩めないと取り外せないので注意が必要です。
・不具合の状況

VFOの発振周波数は5〜5.5MHzです。
@このFT−102VFO発振周波数は5.2〜5.8MHz付近です。
Aまた、ダイヤルを回していると5.5MHzより低い周波数で発信が止まります。さらに一度発振が止まると発振していた5.5MHz以上の周波数も発振しなくなります。

・発振不良の原因として考えられる項目
発振不良原因は複数考えられます。
@コンデンサー不良(容量抜け、断線など)
ARFコイルの断線
B抵抗値の変化や断線
C発振半導体不良(FT−102では発振、バッファーはオリジナルICを使用しています。このIC不良場合は修復が難しくなります。)

・発振不良の原因
 今回の発振不良原因は赤色トリーマー接触不良でした。
長時間未使用状態であったためにアース接点が酸化したのでないかと思います。
何回かトリーマーを回転させて接触不良を回避しました。
 周測カウンターでVFOの発信周波数を実測したところ4.96〜5.54MHzでした。

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メーターランプ交換



左側のメーター(IP、センター)のランプが灯いたり消えたりします。
断線しかかっていると思われたので交換することにましたが、このランプの入手は大変難しくなっています。
そこで通常の12V麦球を付いていた青色ビニールに差し込んで使用してみることにしました。
右側のメーターランプと若干明るさが違いバランスが悪そうですがまあ良しとしました。
@まず正面パネルからメーターユニットを取り外します。
A照明の切れたメーターをユニットから取り外します。
Bメーターカバーを空けて切れかかっているランプを取り外します。
C麦球を青色ビニールに差し込みこれをランプがあった位置に取り付けます。
あとはメーターカバーを取り付け元通りに組み立てて完了です。
 裸麦球交換した例の写真も掲載しました。

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28Mバンドを100W出力に改造


@FT−102では28MHz出力を50Wに抑えるためにバンドを28MHzにすると終段ユニットのRL01が動作し終段スクリーングリッドに160Xが供給されます。28MHz以外のときはこのリレーが動作しないで210Xが供給されます。この回路は回路図には乗っていません。そこで、スクリングリッド電圧の変化を実測し回路構成を把握しました。
Aリレーを動作させなければ常時210Xが供給されます。
B今回は改造が最も簡単な160Xラインをカットしてそこに210Xラインを接続しました。これでリレーの動作如何に関わらず210Xが供給されます。(210X、160Xラインはプリント基板に印刷されていてすぐ分かります。)
C取り外した160Xラインはショートを防ぐためにチューブを被せ養生しました。

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思いかけないトラブル(ショートによる炭化跡)

リレー交換が完了し取り外したコネクターや配線を元に戻し、慎重にハンダ付け箇所などをチェックした上で電源を投入しましたがトラブル発生です。
@電源ユニット部?から煙が発生しました。(最終的には電源ユニットではなくファイナル基板にニットでした。)
A再度RF基盤、ファイナルユニット基板を取り外しチェックするも異常は見られません。
B再度組み立て直して電源を投入するとファイナルユニットからショートで見られる臭いとショートらしき火花が見えすぐに電源を落としました。
Cもう一度ファイナルユニットを取り外しテスターで導通をチェックしていると赤まる箇所に数KΩの抵抗値を示します。
D5また、赤まる箇所が黒く焦げたような状態です。良くロータリースイッチなどに見られるリーク現象です。
E何故リークが起こったのかは分かりませんが、白色の線を一外し、再度ハンダ付けしておりますので、その時の不具合だと思います。
F7写真のように炭化した部分を削り取りトラブルを解消しました。

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WARCバンドの解放

WARCバンドの解放
 FT−102発売当時はいわゆるWARC送信が標準状態では出来ないようになっています。102の第1ローカルはPLLになっており、VCOの出力がRFユニットの第1ミキサーに送られています。ローカルユニットはPLLがもしアンロック状態になった場合に送信禁止となるよう回路が組まれています。リレー切り替えで受信はできるようになっています。
 送信解除改造は簡単で、ローカルユニットからリレーにつながっているJ18を切り離すだけです。これより、10、18、24の送信時に、第1ローカルが送信時でもRFユニットに供給されます。この線はシャシに設置された4回路のリレー近くのローカルユニットから赤線が延びているので直ぐわかります。半田ゴテで赤線を外し、外した線の頭には白色絶縁チューブをかけておきました。
 なお、製造時期によってJ18の位置が若干違います。J18の位置が違っても赤い線で配線されているのは1か所のみなのでのですぐ分かります。

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送信不能修復





送信不能修復
@電源部DC 300Vラインがに取り付けられているR1 39Ω、R2 390Ωが焼き切れていました。
➁電源部に加工した抵抗を取り付けました。
B12BY7プレートに接続されている10Ω抵抗は時々接触不良をおこします。
 プレート電圧測定のため真空管を抜いて7ピン(プレート)電圧を測定すると300Vを示します。
また、真空管を指した状態で終段基板で12BY7プレートが接続されている端子を測定すると0Vです。
測定の度に空中配線されている10抵抗に刺激が加わり抵抗についている線に力が加わり接触不良を起こしていることが分かりました。
 空中配線は写真のように抵抗部にチューブでカバーされてます。ヤエスさんともあろうものがこのような設計は手抜きですね。この10Ω抵抗は回路図には載っていませんでした。
寄生発振などのを防止するために追加で付けたのでこうなったのかもしれません。
 このようなトラブルは初めてですが、300Vラインのトラブルがこの10Ω抵抗にストレスが加わっタためかもしれません。
300Vラインの抵抗が焼き切れたのは12BY7プレートのショート以外考えられないのではないでしょうか。
C12BY7周りの0.047μFコンデンサーが写真のように破損していたので交換しました。
これで送信が問題なくできるようになりました。

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ツマミ洗浄&調整など



ツマミ洗浄&調整など
@写真のように押釦スイッチやツマミに手垢などの汚れが見られたので取り外し洗浄しました。
A調整
・送信キャリアポイント
・VCV電圧調整
・ローカル回路調整
・トラップ回路調整
・RFユニット調整(ただしBPFは特別な測定器が必要なので未調整)
・プリセレクター調整
・ミクサー調整
・IFトラップ回路調整
・IFユニットはT1、2,3,4、5、7、8、9、10,18のコアーを調整
・そのたSメーター、ALCメーター、CWキャリア、送信キャリアバランスなどを調整
 一般に調整にはミリバル、スイープジェネレータ、正確なSG、オシロ、周測器などが必要です。測定器が無い場合はコアーなどには触れない方が無難です。最悪の場合送受信ができなくなる恐れがあります。

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リレー交換後も受信感度が上がらない

リレー交換後も受信感度が上がらない1
 RF基板上のリレー(RL1、RL2、RL3、RL4、RL5)の交換・修復を行ったにもかかわらず受信感度が悪い状況が全く改善しません。RL1〜RL5のリレーか他に原因があるのかRF基盤を中心調べてみました。
@RF基盤アンテナ入力端子にアンテナ線を繋ぐと大変良い感度で受信できます。RF基盤の問題ではないようです。
ARF基盤アンテナ入力端子とアンテナコネクターの接続状況を調べる(テスターで)と導通がありません。
Bと言うことはアンテナコネクターとRF基盤端子間に問題が発生しているようです。
C一番可能性があるのはアンテナ切り替えリレーの接点不良です。
Dこのリレーの交換は大変難し状況です。(アンテナリレー交換記事参照してください。)

 アンテナコネクターにアンテナを接続しても感度低下のままで、RFユニットアンテナインに直接アンテナ入力すると正常に受信します。アンテナリレーの不良と考え上記記載アンテナリレーを交換して見ましたが感度低下のままです。調べた結果、ヒューズランプFH01の断線と分かりました。
FH01の入手は難しい状態です。ヤエスの無線機ではFT−101Eにもパイロットランプ形状のヒューズランプがアンテナリレー回路に使用されています。これを流用しました。
ヒューズランプは送受信切り替え時のRF基板初段TR保護用で、これで正常受信ができるようになりました。

リレー交換後も受信感度が上がらない2
 
色々調べて見るとアンテナ切り替えリレーには問題ないことが分かりました。
@調べたところ終段基板の黄色配線が外れていました。
A黄色線は赤白配線の陰に隠れ表面からは見えませんでした。
Bハンダ付けして動作確認したところ正常な感度で受信できるようになりました。
 前オーナーが100W改造時に断線に気付かず、感度不良の原因がRF部リレーと考え、リレーの蓋を開け接点復活剤などを塗布しても復旧しないのでそのままにていしたのでないかと思っています。
 アンテナリレー基盤取り外しのためファイナル基板ネジを緩めようとして偶然気付きました。

リレー交換後も受信感度が上がらない3
 
RFリレー4個G5Vタイプに交換しましたが受信感度は上がりません。色々調べて見るとアンテナ切り替えリレー、RFリレーには問題ないことが分かりました。
RFリレー4個の内接点抵抗が2〜4オーム程度あるものが2個ありましたが、この程度であれば多少の感度低下はありますが実際の受信に影響は少ないと思います。普通はゼロなので使用しない方がベターです。
@RF基板を外しRFリレー、Q1、Q2を取り外しました。
Aチェッカーで調べてみるとFET(2SK125)の内1個に不具合があることが分かりました。
BFET(2SK125互換があると思われるJ310)のピンを交差させて取り付けました。赤いピンがそれです。
その結果プリアンプオンでも正常に受信できるようになりました。

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プリアンプをオンにすると逆に感度が下がる
(RFスイッチオン時のトラブル)

プリアンプをオンにすると逆に感度が下がる
(RFスイッチオン時のトラブル)

 RF基板上のリレー(RL1、RL2、RL3、RL4、RL5)の交換・修復を行ったにもかかわらずRFスイッチを押し込むと逆に感度は落ちてしまいます。RL1〜RL5のリレーか他に原因があるのかRF基盤を中心調べてみました。
@RL1〜RL5のリレーを軽くたたくと感度が上がります。リレーを交換したのにこれはおかしい現象です。
A真ん中に立っているシールド版を動かしても感度が上がったり落ちたりします。 これは交換したリレーではなく基板の問題かもしれません。
BFT−102の各基板はコネクターを差し込んで配線接続しています。コネクター接続するときは下向きに結構大きな力をかけて押し込みます。
Cこれが原因で基板が歪みコネクター周りの回線に接触不良が発生したことが考えられます。
D基板のハンダ付け面を拡大鏡でチェックしましたが亀裂などは発見できませんでした。
Eこのような場合は全体的に半田ごてでハンダ箇所をなぞるのが一番です。
F再度RF基板組み込み後、正常に動作するようになりました。基板のどこかに接触不良があったようです。 

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クーリングファンのノイズ対策

FT−102用ファンの入手は難しくなっています。DC12Vファンを取り付けました。
FT−102ではクーリングファン電源をDC12Vから供給するようになっています。DC12VラインはRX、TXの電源ともなっています。クーリングファンノイズがこのDC12Vライン経由で受信時にノイズとして受信してしてしまいます。
@FT−102はファイナル6146Bが3本です。そのため発熱量も大きく風量の大きいクーリングファンが必要になります。
A風量の大きいクーリングファン=回転数が多いファンです。
B回転数が上がるとDCファンではパルス系ノイズが必ず発生します。
Cノイズを避けるために回転数を落とすと十分な冷却ができません。
D今回取り付けたクーリングファンでも通常受信の場合は問題が無いのですがRFアンプを動作させると「パリパリ」と甲高いノイズが受信されてしまいます。
Eノイズ対策を色々試したのですがDC12Vと「クーリングファン+ライン」の間に80mHのチョークコイルを入れ、さらにクーリングファン+−ラインに1000μFコンデンサーの挿入が大きな効果的を発揮しました。
FRFアンプオン状態でも全くノイズは入りません。
トリニダルコアーを利用したノイズフルターなどがインターネット上に紹介されていますが今回は効果がありませんでした。
なお、今回使用したチョークコイルはトランス式でTS−520からの取り外し品です。インダクタンスが80mH前後のトランス式であれば同様の効果が得られると思います。
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ケース塗装

ケース塗装
@一見綺麗に見えますが錆が塗装下を筋状に走っていて、塗装部分が少し盛り上がり稲妻のように見えます。 
A上部を少し削ると錆浮き出てきました。
B錆部分を錆取り剤などで落としオリジナルに近い色調塗料で塗装しました。
C最後に艶消し透明スプレー塗装を上塗りし大変綺麗に仕上がったと思います。

 一連の修理により全バンド問題なく動作するようになりました。流石、ヤエス最後の真空管リグに相応しく、最新の無線機と比べて全く遜色の無い運用ができると思っております。私の一方的な感想ですがトリオTS−830と比べ遥かに優れているのではないでしょうか。パワーはTUNEモードで7、14、21MHzは100W出ておりました。

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