クリエート KT−7N(15mh)タワー解体撤去とナガラTV−416jを新たに設置

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クリエート KT−7N(15mh)タワー解体

 断捨離ではありませんがタワー建設から30年以上経過しているので耐久性や近隣の不安解消などを考え解体することにしました。
サイレントキーしたOM宅で上下の向きがズレた八木アンテナやエレメントの曲がったタワーがニョキニョキと林立している風景があちこちで見られるようになってきました。
残された家族や近隣の方はきっと困惑していると思います。
 当局はパワーを入れてDXをバンバンやる状況でもなくなってきたこと、またXYLに強い風が吹くたびに「早く何とかして〜」とのプレシャーも、さらにコンデションも最低の時期に入ってきたタイミングを考えて解体決めました。運転免許返納の気分と同じです。
 自宅のタワーはクリエート15mのKT−7Nです。多くの場合アンテナタワーは住宅地の片隅に建設されることが多いと思いますが、我が家でもご多分に漏れずクレーンの入らない住宅の片隅に建っています。タワー建設後、そばに物置などを立てたので空きスペースはそれほどありません。
解体はどうしても手作業にならざるを得ません。

 当地ではハムショップの紹介で15mのタワーの場合、ショップでアンテナも含め再利用前提であれば比較的安価に解体が可能です。(再利用できない場合タワーの処分は個人となります。)
 降ろしたアンテナやタワーは中古を求めているアマチュア局に販売しています。
解体を請け負っている方は専門業者でなくアマチュア無線局が何局か余暇を利用し解体しています。
再利用前提の場合安く解体できるメリットの半面(それでも10万円前後)、万一事故などの場合大きなトラブルになる恐れがありますが、XYLの勧めもあり専門業者さんにお願いすることにしました。

 今回お願いした業者さんは北海道のパイオニアラボさんです。
解体希望の日は指定できませんがパイオニアラボさんが予定した日程に合わせる形になります。
パイオニアラボさんは毎年キャラバンを組んで全国各地を順番に回り解体作業を行っているので別途個別の出張費用はさほど考えずに済みます。
タワーに設置されているアンテナの数や形状によって解体費用は変わってくる価格設定とのことです。
私と同時に解体した知り合いのOMの場合アンテナが設置されていない同じ15mタワーで解体費用は10万円かかりませんでした。
 
 解体方法はユニット接続ネジを取り外す方法ではなくユニット接合部分上部を切断する方法です。したがってタワーの再利用はできません。
事前にお願いすれば再利用可能に取り外しにも対応するそうですが、ネジが外れないケースもあるとのことです。
 アンテナやケーブル類も同様です。
できるだけ低価格で解体するにはやむを得ないことでないと思います。詳しい解体方法はパイオニアラボさんのホームページ(クリエートタワーの場合)に掲載されています。

 ハムショップでの再利用前提でない場合は地元のハムショップ経由でお願いするよりもむしろ割安で、地元建築解体業者よりはずっと割安でないかと思います。
解体タワーの処分手配なども含めと大変リーズナブルな価格設定だと思います。(解体工事終了後の感想をご覧ください。)
ちなみに小生の2人のセカンドは建築関係の仕事をしているので解体を依頼すのは比較的容易ですが高所作業専門と言うことでお願いすることにしました。

タワー解体作業

解体直前 ダイポール取り外し 6エレ八木取り外し 6エレ八木地上へ 作業台解体
最上部切断中 最上部地上へ 最上部地上へ 2番目切断中 2番目切断中
2番目地上へ 3番目地上へ 1段目を残すのみ 解体後の地面 解体したタワー
解体タワー搬出後 解体後の自宅

解体工事終了後の感想など
@安全対策は解体作業も含め完璧でした。
 タワー昇降や作業中も不安に思うことは全くありません。
 解体作業も大変スムースです。タワーの周りにあまりスペースがなかったのですが不安は感じませんでした。

Aタワーに上り解体作業に携わったM.Aさんは建築士の資格のほかベテランのロッククライマーとのことです。
 ロッククライミングのノウハウがあちこちに生かされていました。
 装備の全てが解体を請け負う地元有志とは全く違います。
  特にユニットを下す際使用した滑車付きポールは脱着が容易な構造になっている優れものですよ!
 作業する上での安全装置は2重3重に確保されているように思いました。
 私も若い時分仲間とともにタワー建設やアンテナ設置を数多く経験しました。
 その時の安全対策は2点支持の安全ベルト装着のみで今思うとうすら寒い感じですね!

B解体作業は天気の関係で急遽予定よりも1日早い午後からの作業となりその日のうちにすべてを終了できませんでしたが、3時間ほどでタワー3段を残す状態まで解体が進みました。残りは翌日の午前中に解体しました。
アンテナなどが取り付けられていないタワーのみの状態であれば3時間程度で解体ができるスピードです。

Cさらにおろしたアンテナの解体分解やケーブル処理方法も大変適切だと思いました。 
 ケーブル類は1m程度の円形に束ね、ボルトは一つの袋に、小物類は一か所に纏められていました。
 解体したタワーの回収はパイオニアラボさんが依頼した地元の鉄材回収業者さんが解体数日後指定された日に回収に来ました。

E解体が終了しルーフタワーを残すのみで強風が吹いてもこれで近所に不安を与えることはなくなりました。
  
 解体を依頼した側としては一緒にお願いしたOMともども大変満足の一言です!




ナガラ TV−416jをルーフタワー(2階の屋根に4m)に設置

 何故ナガラ TV−416jなのか!
 タワー解体でHFにQRVできないのはちょっと寂しいので2階の4m高アルインコルーフタワーを利用したアンテナを検討しました。
ワイヤーダイポールも検討してみたのですが、調整に上ったり下りたりしてカット&トライが必要です。
年齢を考えるとやはり「エイヤー」で一気に上げて無調整のV型ダイポールは魅力です。

 V型ダイポールはクリエート、ナガラ、サガ、ダイヤモンド、コメット、Radix などから販売されています。
RadixのVダイポールは重さが2.5K程度で軽く設置は楽ですがシングルバンドになっています。移動用に最適と思いますが!
ここはHF及び50MHzにQRVできるアンテナにしたいですね! 
 いろいろ検討しクリエートかナガラのVダイポールに絞り込みました。

 当地ではクリエートの730Vを上げているOMが多いようです。宣伝やハムショップの値引き率が他よりも大きいからでしょうか。
ハムショップのお勧めもやはりクリエートです。(利益率が高いのかもしれません。)

 クリエート330Vは3.5MHzにもQRVできるのが魅力ですが、3.5MHzは短縮率が大きいので飛びは今一つかもしれません。価格も10万円を超しそうです。
また、クリエート730VはSSBでKWの運用が可能ですが、TV−416jはCWで150W、SSBで300W入力です。
当局は移動50W免許なのでどちらでも問題なしです。選択のポイントはやはり耐久性でしょうか。

 当地は冬〜春先にかけて水分の多い積雪のほか30m近い強風の時期が多くあります。いわゆる北極低気圧の南下です。
クリエート730Vは給電部インシュレーターがプラスチックでエレメントを差し込む構造です。
エレメント固定はマストクランプに2個所固定する構造ですがこの間隔が10センチ程度と狭く風圧が加わると破損することがあります。
また、重い雪がハットに積もりそこに強風が吹くとハットが回ったり折れたり、またエレメントが破損するリスクがあります。
 以前からナガラのTA−33を30年近く使用していました。その間破損や故障は一度もありませんでした。

 ナガラTV−416jは取り付けインシュレーターの間隔が30センチ以上あり力が分散される構造です。
インシュレーターはプラスチックですがブロック状の塊にエレメントをボルトで固定する構造なので耐久性に優れていると思います。
TA−33も同じ構造で長期間使用にも耐えたものなので安心感がありました。
また、ナガラは電導グリス、テナコートが付いています。
このようなことからナガラTV−416jにすることにしました。ちなみに北海道のOMは圧倒的にナガラが多いのは上記の理由からでしょうか。

実際の組み立て手順

事前作業

➀アンテナの部材がすべてそろっているかチックします。稀にネジなどが不足していることがあるので面倒がらずに確認しておきます。
 以下は取扱説明書に従って行いました。
➁マストに取り付けるマウントサポーターの組み立て
➂エレメント組み立て(エレメント組み立ての際は接続部に電導グリスを必ず付ける)
➃テナコートの塗布
 アンテナの角度はルーフタワー高さが4mなので120度にしました。
水平設置の場合は地上で全て組み立て一気にルーフタワーに設置することも可能ですが角度があると引き上げ時逆向きになり一人作業の場合一気に上げることは難しくなります。
➄そこで物干し台などを利用してルーフタワーと同じ条件を作ってTV−416jを設置するシュミレーションを行いました。
・マウントサポータ部に50MHzエレメントを取り付けマストに見立てたポールに設置しました。
・次にHFエレメントの設置です。この場合エレメントインシュレーターの給電部から遠い方のボルトは抜けない程度にねじ込んでおきます。
 まずエレメントを垂直に立てエレメントを給電部にボルトでネジ止めします。(取説では後から取り付になっているバラン接続線も一緒に取り付けます。)
・取り付けたエレメントをゆっくりと倒していきます。遠方のインシュレーターにねじ込んであるボルトがストパーとなり止まります。
・給電部のボルトをさらにドライバーでねじ込みます。
・遠方のインシュレーターのボルトを外しエレメントをこのインシュレーターに取り付けます。
・給電部ボルトをしっかりとねじ込めばエレメントの取り付けは完了です。
このようにすれば一人でも安全に設置が可能であることを確認しました。
なを、取り付ける際ボルトに電導グリスを塗布しておくとねじ込みが大変スムース行うことができます。

1日目 マウントサポーターを取り付けました。(この写真はタワー解体前に撮ったので解体前のタワーが写っています。
ルーフタワーはアルインコの4mタワーです。ステーは中間と最上部に2段に張っています。
このルーフタワーはアルミパイプ式で既に40年超く使用していますが外見上は腐食などは見られませんでした。
マスト上部、ローテーター部台は鉄製ですが塗装を施していたので錆もほとんど見られません。また、自作の作業台が取り付けれあるのでアンテナ取り付け作業は比較的容易で安全にできたと思います。

2日目

片方のエレメントを取り付けました。

3日目

もう片方のエレメントを取り付けました。

4日目

バランと同軸ケーブルを取り付けました。

同軸ケーブルは12m程度なのでロスはそれほどではなく5D2Vで充分です。
現在FBケーブルは銅線部分がアルミ素材に銅メッキとなり名称もFBライトで販売されているようです。
価格も以前の2〜3倍でしょうか。
耐久性も考え今回は5D2Vにしました。

使用感ほか

 タワーに設置する前日、2階屋根にマウントサポーター、HFエレメントを上げておきました。
一気に設置するには一人作業の場合何度(最低4回)かルーフタワーの上り下りを繰り返す必要があります。
この場合でも取り付け作業は2〜3時間程度で完了すると思います。
ルーフタワーの上り下りを繰り返すと筋肉痛になりそうです。作業後筋肉痛になってもしょうがないので少しずつ組み立てることにしました。
分割作業時の実際の取り付けは毎日30分程度だったでしょうか。

@エレメント長はSSBに合わせた長さにしました。
A144、430、1200MHz3段GPが設置されているマスト中間に設置したことで7、14MHzではCWバンド付近でSWRが最小値になっています。
 取説では中間設置の場合SWRが下がらないことがあると記載されています。
B21、28MHzはSWRは少し高めです。
C50MHzは50.200MHzに合わせたのですが51MHzでSWRが最小となりました。
➄7MHzは以前15mタワー設置した逆V型のダイポールを使用していました。
 以前使用の逆Vと比べ空ノイズは2〜3程度下がっています。
E逆に14、21MHは2〜3程度増ています。
 設置環境の違いだと思います。また、アンテナ自体帯域幅が大変狭いのでSWRはあまり気にせずアンアテチューナを活用するのが良いと思います。アンテナチューナ使用で各バンド帯SWRは1.1以下に調整ができました。
7MHz以外のバンドはコンデションの関係でQSOはできていませんが、7MHzSSB50W送信でも国内QSOは十分楽しめそうです。
なお、アンテナチューナはダイワCNW−419を使用しています。これで50MHzもバンドスイッチHでSWR調整が可能です。
50MHzはアンテアンテナチューナを利用しなくとも50〜51MHzまでSWRが1.5の範囲に収まっています。
CNW−419は1.9〜28MHz以外にA〜Hのハムバンド以外のタップが選択できるようになっています。


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