ヒロ資源管理研究所は地域の水産振興に寄与します。

 ヒロ資源管理研究所は、磯根資源量を調査し、資源量に見合った漁獲を推進することで、漁業者の所得の向上と水産業への貢献を目的とした研究所です。
 以下の内容は、今まで調査した結果と最近の様子です。ご参考にして下さい。
 順次更新していきます。

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  • New!令和6年10月2日
     本日の波は2.0m、明日は2.0m。風は西13m、明日は北13mです。
     水温は21.6℃。昨年22.6℃ 干潮09:03 -36cm。7/20頃から20℃を超え7/26以後は21℃を超え、8/4から22℃超、8/6からは23℃超、9/12は24℃超、9/22から21℃台となっています。例年なら21℃位が最高水温なのに昨年の夏から秋は超高水温(最高26.0℃)で殆んどの昆布が流出しました。メカブも枯れて大量に岸に打ちあがり終わりました。これで、ウニ・アワビの餌は殆んど無くなったことになります。
     以下の説明のように、毎年昆布が繁茂する条件を人為的に作ってやらないとウニ、アワビの餌不足、しいては魚類の稚仔育成場不足から資源減少が懸念されます。
     例年秋に漁獲されるマダコ・ミズダコが春から漁獲されています。アワビの捕食を防ぐため、岸寄りの漁獲も必要と思われます。
     10/1現在、太平洋側の大型クラゲは福島県まで確認されていますが、岩手県では久慈市で確認の他多くなることもなく 推移しています。しかし、大型化しており、注意が必要です。
  • 令和6年5月25日
     干出岩盤上に昆布を生やすため、雑海藻(ピリヒバ他)を立鎌で削り取ってみました。雑海藻の根元に砂泥が溜まっているので、これを除去しなければ昆布の胞子が付くことが出来ません。下記12/25の沖合の「オオシコロ」も削り取ってみたいです。平成28年以降は令和4年春に親潮冷水接岸で昆布が大量に繁茂しただけで磯焼けが続いています。今後は人為的に天然漁場に昆布を生やす努力が必要です。〔facebook〕
     
  • 令和5年12月25日潜水撮影
     昆布の繁茂を阻害している石灰藻類の「オオシコロ」(下写真)「フサカニノテ」「ヘリトリカニノテ」「アミジグサ」が群生していました。多年草のため冬でも枯れることが無いので生息範囲を拡大しています。駆除するには削り取る必要があります。平坦な所はチェーン振りでもいいですが、起伏のある所は無理です。背が10cm程度なので砂が溜まり、昆布の胞子が岩盤に付けない状況となっています。大規模な対策が必要です。
  • 令和5年10月18日  〔令和6年3月15日更新〕
     秋は昆布から胞子(陸上植物だと種)が出ます。写真は昆布の子嚢斑(胞子を出す所)です。胞子を作る細胞は1平方センチメートル当り30〜40万で、1細胞当り30個の胞子が作られるので、子嚢斑全体では1平方センチメートル当り約1,000万という膨大な数の胞子が作られます。約24時間遊泳できますが、10/15現在殆んどが枯れて流出してしまっているので時期的に終わりの時期と言えます。
     胞子は翌年1月頃から幼葉となり、3月中旬頃に急成長します。この間にウニ等の藻食動物に食べられると磯焼けになってしまいます。ですが、ウニも6℃未満の冷水では摂餌しなくなるので春に1カ月程度冷水が接岸すると昆布が大量繁茂します。平成28年から令和3年まで冷水接岸が無く磯焼けが続き、ウニ・アワビの成長が鈍りました。令和4年春にやっと冷水接岸があり昆布が大量に繁茂しました。令和5年春には冷水接岸が無かったですが、昆布は寿命が2年なので2年目の昆布が大量に残っていました。でも、令和5年の秋に流出しました。
     令和6年春に冷水が接岸しなかったので磯焼けが心配されます。当所ではウニを排除して幼葉を守ろうと様々な研究をしましたがウニの管足の力はすさまじく、ある程度排除は出来るものの1個体でも侵入すれば幼葉を食い荒らしてしまうので成功に至っていません。毎年継続して天然漁場に昆布を繁茂させる技術の確立が必須です。
  • 令和5年6月26日
     洋野町のある漁場の年齢査定結果です。A漁場は数年前に捕獲し、その後沖からの移殖がないため、過密しておらず地場種苗が成長し若令でも成長が良いです。B漁場は沖合からの移植資源が主で若令から中年令まで大型個体が多いです。C漁場は高齢で大型、Z漁場は沖合の餌が無い漁場で小型でしかも高齢。秋に沖から餌のある岸へ移殖するこの漁場の沖合は本来「理想」のように、大型で年齢層の幅が広いと資源量が豊かであると判断できます。
     この漁場では、10才以上の高齢が少なく、良く言えば回転率がいいですが、沖から移殖する資源は餌が豊富だったH27年以前より少ない状況です。原因はH28からR3年まで継続した磯焼けで餌不足。R4、R5年は岸側は昆布・若布が豊富ですが、沖合は磯焼け状態で資源回復したとは言い切れません。
     若布は9月初旬にはメカブも流出してしまうため、あとは昆布に頼らざるを得ません。冬に殻径が成長するウニは冬も餌が必要です。加えてアワビの肥満度も考慮するといかにして昆布を繁茂させるかが課題です。
     このように年令査定をしてみると資源をどう活用していくべきか判断できます。小さいものはやがて殻径制限以上に大きくなって漁獲されるだろうという判断は餌不足漁場には通用しません。寿命(約15年)がくるまで無駄に餌を食べ続ける結果となってしまいます。

  • 令和5年6月26日
     殻付きウニを週に2回取って、業者は東京の居酒屋チェーンに卸し、ツボ抜きした殻付き生ウニとして販売しています。洋野町の大規模増殖溝(S59造成)に昨年沖から移殖したウニの身入りの状態を確認しながら取っています。増殖溝及び周辺には大量の若布と昆布が繁茂し、身入りは上々といった所です。
     また、鉄筋に昆布や若布を括り付けて投入し、人為的にもより身入りのいいウニを作っています。
  • 令和5年4月22日
     来年(漁は冬)にフノリ・マツモを繁茂させるため、胞子の出る今の時期に礁を削る作業を実施しました。半円柱のコンクリートはマツモ礁です。
  • 令和5年4月18日
     洋野町の岩手県栽培漁業協会から稚ウニの供給が始まりました。H28年から継続した磯焼けは昨年の親潮冷水接岸で昆布が繁茂しましたが、今年は7℃以上と高めで磯焼けになるかと思いきや、ワカメが多く、加えて細布も繁茂していて8月いっぱいまでは餌があります。
     ですが、毎年継続して昆布を繁茂させる研究が必須です。
  • 令和5年4月9日
     4/8の干出岩盤です。フノリ採りでしたが、終盤のため品質が良くなく選んで採取しました。
     岩盤には昆布・若布が繁茂し、小型海藻も繁茂していました。大型海藻が無いとウニに捕食されるため小型海藻も繁茂しません。毎年継続して大型海藻を繁茂させることで稚魚の育成場ともなり海全体を潤してくれます。
  • 令和5年2月5日
     ウニを排除して昆布を繁茂させたい… タコ篭の廃物を利用して作成。小規模ながらこの内側だけに昆布が生えるか実験をしています。【動画はfacebook】 芽が生長しているとすると篭を除去し、写真右のウニフェンス(2/5作成)と交換します。まずは、明日状態を確認してまたご報告いたします。
     昨年は春の冷水接岸によってウニの行動が制限されて昆布が繁茂しました。ならば、全くウニを寄せ付けず、昆布の幼葉が光合成出来れば繁茂するはず。昆布の幼葉が急成長する3月中旬まで試験します。
  • 令和4年12月19日
     12/19の岩手日報に掲載されていますが、久慈地区の冬の生ウニ殻出荷が3,380円/殻kgと超高値で取り引きされました。当研究所が事業当所から関わってきており、以下はむき身調査時の写真です。
     餌は生昆布と冷凍メカブ。昆布は今年は養殖し綱ごと設置しました。
     むき身歩留りの推移は 9/4⇒19.4%、10/2⇒14.3%、11/6⇒9.2%、12/4⇒15.1%、12/18⇒13.9%
    生殖細胞から放卵放精が終了し、栄養細胞が増加した結果です。
  • 令和4年7月20日
     潜水ウニ獲りの依頼を受け、漁場の動画を撮影させてもらいました。春の冷水によりコンブ、ワカメが繁茂したため、ウニはワカメを抱き、周辺には切れ端が多数流れていました。餌が豊富な年です。 【facebook動画】
     餌が豊富でも殻径制限未満のウニが多い場所は、むき身の色の回復が遅くなっていました。秋に移殖を実施する場所は殻径制限以上のものを移殖して全部採捕できるサイクルを作ると漁場を有効に活用できます。
  • 令和4年7月15日
     ウニ漁の最盛期となり、今年は親潮冷水の影響で昆布が繁茂して生殖腺指数(むき身)が高く、色も良く、高値となっています。多少時化ると昆布が寄りあがっています。県央は冷水の影響でウニを漁獲できない位にコンブが繁茂したようで、平成28以後続いた磯焼けが解消しました。【facebook動画】
     
  • 令和4年6月26日
     ウニの年齢査定によって漁場の診断が出来ます。必要なものは殻径測定可能な殻と口(むき身後の殻でOK)
     素潜り漁の地区は小さいものを沖合に放流して大きくなった段階で前年の秋に漁獲漁場に移殖し、春先からの昆布等の餌は漁をするウニだけに食べさせます。しかし、平成28年から令和3年まで磯焼けが続き、沖合のウニは成長が鈍くなっているので、移殖個数が過度になり資源減少の傾向(潜水Bの漁場)が懸念されています。一方、潜水Aの漁場は殻径が大きく年齢も高齢なものがあり、資源に余裕があると判断できます。
     タモ獲りAの漁場は、磯焼けによりウニ資源が過剰になり、小型化、高年齢化し、「痩せ・殻径制限未満が多い・身入りが悪い=漁獲しない・更に小型ウニ増加」と悪循環に陥っています。
     資源解析は年齢査定をしないと判断できません。ウニ漁の時期、当研究所にむき身後の殻と口を提供して年齢査定をしませんか。
  • 令和4年6月26日
     ウニの年齢査定は、ウニの口の裏側(アリストテレスと呼ぶ)にある中間骨を砥いで焼いて顕微鏡で見ると右の写真のように輪紋(年齢)が出てきますので、これをカウントします。

  • 令和4年6月6日
     ページの右下にある「研究所パンフレット」を更新しました。
     当研究所を起業した原点は、サケ・イカ等の不漁に伴う減少を資源管理が出来る磯根資源(ウニ・アワビ)を100%活用することで、個人所得を500万円超にして水産業に貢献することです。FaceboookとこのHPで様々な最新情報を発信してきましたが、見てくれていない漁業関係者が多いことから、訪問して理解していただくことにします。水産界は超危機に向かっています。克服の一歩を当研究所がお手伝いします。
  • 令和4年5月7日  【殻径と年齢を更新】
     4/24に洋野町内の大規模増殖場(干出岩盤を掘削)のウニの歩留り調査に立ち会い、年齢査定をした結果、令和2年と各110個について比較すると 令和2年4月は殻径62.6mm6.0才、令和4年4月は63.8mm6.7才でした。平成28年からの磯焼けにより成長が遅れ、高齢化していました。今年度は例年よりはコンブが繁茂していますが、毎年昆布が繁茂できる環境づくりが何よりも大事です。
     沖からの移殖も小型化すると移殖する個数が数段多くなりますので資源の減少となってしまいます。移殖数量は万丈篭数ではなく、個体数に換算して管理する必要があります。当研究所は調査できますのでご依頼いただければ持続的資源管理手法のお手伝いをいたします。
  • 令和4年4月12日
     令和2年夏に大量にツブが死んだ(下記の通り)と投稿していましたが、(独)青森県産業技術センターのHP「水と漁第38号」に「青森県内で発生しているクボガイ科巻貝の消失」という報告があり、下北半島から太平洋側で消失し、陸奥湾から西側では生息していると水産総合研究所の報告がありました。原因は不明ということですが、生命力の強いクボガイ科が消滅することに危機感を感じざるを得ません。
    水と漁第39号を発行しました | 地方独立行政法人 青森県産業技術センター (aomori-itc.or.jp)
     (
    令和2年10月19日の投稿記事)洋野町の一部沿岸で死んだツブ(クボガイ・コシダカガンガラ)の殻は大量に波打ち際に打ち上げられていました。死んだと言われる場所の漁港の中にはツブの数が少なく、ツブと思って取ってみるとヤドカリでした。殻が大量に出たのでヤドカリが増えているようです。
  • 令和4年2月20日
     先に2/13の調査結果(下の写真)を報告していましたが、2/20にむき身歩留り調査を実施しました。結果は、昨年2/28調査同様6〜9%と今の時期は殻の成長時期なのでむき身歩留りは最低になるようです。
     写真は1/27投稿の順に対応しています。いずれも順調に伸びていました。Facebookに動画をUPしていましたのでこちらもご覧ください。
  • 令和4年1月27日
     1/26にウニの歩留り調査を実施しました。昨年1/24に調査では1カ月給餌しても5%以下まで落ちましたが、今年は7.7〜17.4%と9/12から給餌した結果が出ました。
     ウニを全排除した場所には珪藻と昆布の芽が見えていました。(写真左端)
     昨年昆布を養殖したロープをそのままにしていたら、ロープ全体に昆布の芽が出ていました。(左から2番目)
     今年の昆布養殖ロープでは2m程生長していました。(左から3番目)
     小職特許のコンブ礁の試験でも多くの昆布の芽が確認出来ました。(右端)
     以上の内容は、1/28(金)13:00から、岩手大学釜石キャンパスで「三陸地域の水産業と海洋研究集会」があり、岩手県北部の磯根漁場再生の取組みと題して講演をしてきます。
  • 令和3年12月22日
     11/22にウニの餌として漁港内に昆布養殖ロープを設置。12/19に撮影しましたが、種糸を巻いた所は20cmほど成長していました。施設は船の操船に影響しないこと、時化でも耐えること、昆布が成長すると沈んでウニの餌となることが条件です。昆布は根元から成長するので、先のほうを食べられても枯れることはありません。
  • 令和3年12月20日
     9/12にむき身歩留り21.5%(盛んに放卵放精中)の沖ウニを漁港内に移殖し、週1回冷凍メカブ、生昆布を給餌して来た結果、10/13には10.0%、10/31は9.2%まで減少、11/21には11.6〜17.4%平均13.5%まで再上昇、12/19には10.8〜15.2%平均12.9%とほぼ同じデータとなりました。年末頃は15%が限度なのかも知れませんが、秋にも餌が十分あれば正月前出荷が可能であることが判りました。
     例年1月に最低となり、その後7月まで増加し、盆過ぎから翌年1月まで下がり続ける、これがキタムラサキウニの生態になります。しかし、秋に餌があれば正月出荷でき、沖から移殖すれば翌年の夏にはまた漁獲できます。

  • 令和3年12月16日
     磯焼けの原因の一つにウニ摂食阻害物質を出すアミジグサ系の繁茂があると判りました。これは九戸地区で調査した全域に見れらました。元々昆布の繁茂区だった所が本海藻に覆われてしまっています。草の間には砂と泥が積み重なっているので昆布の胞子は岩に着底出来ません。
     潜水して立鎌(陸上の草を取るカマ)を使って除きました。周辺は濁って視界が悪くなります。 船上からだと大きいチェーンを引くことが考えられます。
  • 令和3年10月31日
      6/17〜8/8まで、台風による時化で流失するまでの53日間、寄り昆布の根本を紐で石に縛って、20cmまでカットしても生きていたことを証明しました。(8/2の記事参照)
     寄り昆布は光合成さえ出来ていれば流れ藻となっても生きています。そこで、過密にしても光合成が出来るか8/25(写真左)に試験開始。10/31には2本だけを残して根本から切れて流出していましたが、流れ藻をウニ・アワビの餌として充分活用できることを証明しました。
  • 令和3年10月16日
     10月初旬に北海道南で大量のエゾバフンウニと秋鮭が死んだニュースがあり、プランクトン「カレニア」が原因で今まで起きたことがない現象であるということでした。
     県北でも7月中旬に沖合で赤潮が出て、最近県北でウニ・アワビ・ツブの死んだ殻が打ち上げられ、プランクトンで濁った海水域が確認されています。
    サケ、イカ、サンマ等回遊魚の大不漁が続いていますし、H28年から磯焼けが続いています。
     ウニ・アワビなら地先の資源管理が出来ます。昆布繁茂条件として今が最良の時期であることから、ウニ・ツブを排除して昆布林造成試験を進めていきます。
  • 令和3年10月10日
     10/8の新聞では、ロシア極東で貝毒の原因となるプランクトン「アレキサンドリウム」による赤潮が発生したという記事がありました。令和2年9月にはカムチャッカ半島でプランクトン「カレニア」による赤潮が発生しています。
     北海道南もプランクトン「カレニア」による赤潮でエゾバフンウニやサケが大量死というニュースがありました。原因は地球温暖化に伴う高水温が原因のようです。岩手県北でも令和3年7月24〜26日に沖合で赤潮が確認されています。これが沿岸だったら同様の現象が起きたかも知れません。赤潮は凪が続き海水が攪拌されない所に雨など栄養塩が供給されると起こりますが、時化の日から13日しか経過していませんでした。
     令和2年8月に県内各地でツブ(クボガイやコシダカガンガラ)が大量死しました。ウニやアワビの死は確認されていないので大きな被害にはなりませんでした。(参照HP青森県産業技術センター)逆にワカメの種(胞子)が出る時期だったので例年になくワカメが繁茂し、ウニの身入りが良い年となりました。
     過去に経験したことがないような事が起こっています。
  • 令和3年9月7日    動画はFacebook
     9/3、8/31(3日後)に放流したアワビの稚貝の追跡調査を実施。放流時は転石地帯の岩と石の間で周辺にエサとなるコンブが繁茂している場所を選択して適当な量ずつ放流していたので、適当に分散して岩の間などの隙間にいるのを確認しました。船上からの放流だと、岩の上や砂地に落ちたりすると魚(アイナメが寄ってきた)・カニ・ヒトデ等に食べられてしまう恐れがあります。
     天然の稚アワビが生息している場所というのも一つのキーワードになります。
     漁場北はコンブが有りワカメ無し、南はワカメ有りでコンブ無しでした。
  • 令和3年8月2日
     R3.6.17流れ藻となった昆布を石に括り付けて枯れないか試験開始。
     
    R3.7.4昆布は根元の方から生長するので、下部を20cm残し上部をカットして試験継続。
     
    R3.8.2下部20cm残した昆布は、ウニに所々食べられていますが光合成出来ているのでまだ生きています。紐で縛った根元もスレが無く大丈夫。流れ藻の活用法として実証しました。
  • 令和3年7月17日
     7/15での釜石市での潜水調査はドローンで撮影した海藻が何かを調べるものでした。湾内の北側で例年でも海藻が繁茂しにくい場所ということで、繁茂している海藻はホンダワラが中心で僅かにワカメがありました。海底の石も黒ずんでいる所もあり、ドローンで海藻を判断するのは難しそうでした。
     ウニの数は多くないのに海藻が繁茂していないので、昆布を繁茂させるには人工的に種糸をつけたロープを石に括り付けるなどの試験をしてみたいと感じました。
  • 令和3年7月13日

    7/11()に久慈で試験区のキタムラサキウニの歩留りと年齢査定を実施。歩留りは3区調査平均は1622%。年齢は5.77.1才。すでにオスは白く放精するものも数個あり。昨年は歩留りが悪く、操業しなかった場所に昆布等を人為的に給餌してきたので、全部出荷でき成果が表れました。写真は16才、3才、8。キタムラサキウニの寿命は15才と言われているので16才は高齢。輪紋(年齢)数えるのも大変でした。漁場の回転を良くする必要があります。

  • 令和3年6月26日   ウニ資源管理用パンフ作成
     近年の磯焼けの影響を受け、洋野町では移殖する沖合のウニの成長がにぶく、移殖できる個体数が減少している一方、久慈市では増え過ぎたウニが磯焼けを更に助長している箇所が増えているようです。
     洋野町では移殖する量を篭数でカウントせずに個体数に換算して管理しなければ年々漁獲できる数量が減る結果を招いてしまいます。
     久慈市では増え過ぎた箇所は、殻径制限以上は翌年漁獲する場所に移殖するか、小型ウニとともに操業しない沖合に移殖するか駆除する手法が望ましいです。
     ⇒「ウニ資源の有効利用」と題したパンフレットを作成しましたので参考にして下さい。(昭和63年、全国漁村青壮年婦人活動実績発表大会で農林水産大臣賞を受賞した発表題名と同じにしました。)
  • 令和3年5月30日
     久慈でウニむき身歩留り調査と小型ウニの移殖排除を潜水により行いました。
     餌の種類によって歩留りに差が出ましたが、順調に歩留りが増えていました。1/24まで45日も週2回ずつ給餌したのに歩留りが下がりました。この時期は殻が成長する時期のためと思われます。
     冬に平均5%以下になることから、漁獲漁場に小型のウニが生息していると無駄な餌を食べる結果となりますので、小型ウニを漁獲しない深みの漁場に移殖しました。効率の良い給餌手法となりました。
      
  • 令和3年4月26日 〜特許ブラシの新規格試験〜
     下の写真は、令和元年に久慈市の一沢コンクリート工業鰍ェ製作して下さった試験海藻礁。この初回試験の支柱はブラシではなくテグスを使用しましたが、ウニの登りを排除することが出来ませんでした。
     下の昆布礁は、中間にウニ・ツブが登らない支柱(上段の現在試験中のブラシ)があり、上には2枚のコンクリート板をボルト締めして、板表面にフジツボや石灰藻等が付着しても秋に反転或いは交換することで新しい基質となるので昆布の胞子が付着して繁茂するという仕組みです。
     
     下の2枚の写真は、令和元年11月に上記の試験海藻礁を投入し、翌年4月に撮影したもの。左は下が砂地でウニ・ツブがいないので昆布が繁茂しましたが、右はウニ・ツブに昆布の芽が食べられて繁茂しませんでた。
      
  • 令和3年4月16日  《東海大学出版会「ウニ学」で勉強しました》
     ウニの一粒一粒の袋には栄養細胞と生殖細胞があり、生殖細胞は放卵・放精する時期までにどんどん増加しますが、栄養細胞は(簡単に人間で言うと肥満状態のように)栄養を与えることで肥大するのだそうです。餌は与えればどんな餌でも食べるようですが、栄養蓄積には海藻よりも魚粉などの配合飼料や魚肉が効果的で短期間で生殖巣が大きくなるとのこと。ただし、配合飼料や魚肉では色や味が劣るため、その後海藻を2カ月程度給餌すれば改善出来る とありました。勉強になる本です。皆さんも1冊購入してみてはどうでしょう。
     ついでに更に追記。キタムラサキは寿命が14〜15年、殻径は10cmになる。殻径5cmに達するには昆布では2〜4才、無節サンゴモ(磯焼け状態)では7〜8才。昆布があると移動しないが、磯焼けだと生殖巣を発達させる時期は浅瀬の昆布群落へ移動し、晩秋には時化が多くなるため再び無節サンゴモ地帯へ移動するようです。
  • 令和3年4月4日 「昆布礁」特許第6845599号 特願2020-175462
     令和2年10月19日特許出願し、令和3年2月9日付けで特許査定謄本の通知があり、3月2日付けで登録され特許証が届きました。
     更に精度の高い昆布礁となるよう、試験を実施しております。日本中がこの手法で海藻を繁茂させることが目的です。海藻はウニ・アワビの餌としてだけではなく、魚類の稚仔が育つ場所として重要であり、魚類資源増加も期待されます。
  • 令和3年3月7日  "高齢のウニの歩留りが悪い"は間違い!!"
     2/28の久慈市、3/3の洋野町 でのウニ調査で年齢査定をした結果、よく浜で「高齢のウニや殻径の大きいウニのむき身歩留りが悪い」と聞きますが、むき身歩留りには大きな違いが無く、餌の有り無しに大きく左右されることが分かりました。今後調査を継続していくと身の色の比較も出来てきますが、歩留りだけだと違いがありません。
  • 令和3年2月21日 3月2日更新
     久慈で潜水し、現在実施中の生昆布区、干昆布区、塩蔵昆布区、冷凍メカブ区のウニむき身歩留りの増加試験に加えて、加工残渣等を使用したバイオマス餌料給餌試験も追加しました。今までは篭や陸上施設での給餌試験が実施されていましたが、実漁場での試験実施となります。時化ると荒れる漁場において、如何に給餌させるか、篭と独自に考案した給餌器で、1週間の動画撮影(タイムラプスカメラ)を実施した結果、篭の餌は残っていましたが、独自の給餌器は3日ですべて食べつくしました。
  • 令和3年1月20日
     令和2年12月に漁獲された九戸から気仙までの6漁場のアワビ の比較をしてみました。
     殻長と年齢組成、殻長、重量、筋肉重量、肥満率のグラフ 及び 放流貝・ポリドラ痕後・タコによる穴数のグラフを作成しPDFにしました。データは浜の中でもいい漁場なのか悪い漁場なのは漁獲場所が不明なので参考程度にして下さい。自浜もこんな比較をしてみたらどういう位置にあるのかを検証・分析を当研究所に依頼してみませんか。同じ浜でもいい漁場と悪い漁場をしっかり把握すれば資源管理が出来ます。
     1枚目のグラフからは、気仙浜は年齢が若い、宮古1浜は小型貝が多いが肥満率は高い、一方宮古2浜は肥満率が低い、久慈1浜と久慈2浜は大型貝が多く、大きくなるに従って肥満率が高い、種市浜は大型貝で重量・筋肉重量・肥満率ともに高いといったデータになっています。
     2枚目のグラフからは、放流割合・外虫ポリドラによる穿孔痕跡は北部ほど多く、タコによる穴の痕跡は久慈地区に多かったです。ポリドラは全県下にいて、ひどいものは殻に穴が開いています。その裏を見ると真珠層が盛り上がって修復の痕があります。ホタテなら成長に影響が出ますが、アワビでは分かりません。
  • 令和2年11月23日
     久慈地区の見本アワビ41個を個体ごとに詳細に調査する機会を得ました。
     殻長/重量/筋肉重量/生殖巣(トシル)/年齢/殻のみの重量/雑物を除去した乾燥の殻重量/肥満率をグラフ化して比較してみました。全体の重量と筋肉重量・生殖巣重量はほぼ同じ比率になりました。
     平成28年以降磯焼け現象が続いており、コンブを主とした餌料対策が大変重要です。特許申請した昆布礁の試験結果が来年3月下旬に出ます。良い結果となった時は既存設置のブロックにも応用できるので、浜に貢献できることを願っております。
  • 令和2年8月24日  “ワカメ、昆布は根から栄養を吸収するの?”
     ワカメも昆布も「根」らしきものがありますが、単に岩に『固定』させるもので「根」ではありません。葉で栄養分を吸収して成長します。
     「海草」と「海藻」の違い判りますか? 「海草」は種を作る種子植物でアマモ・スガモ等を言い、ほとんど食用としません。「海藻」は胞子によって繁殖するワカメ・昆布・ヒジキ等を指します。
     広義には海藻を含む海の植物を「海草」というらしいですが、「海草サラダ」ではなく「海藻サラダ」と表示するのが正しいですね。
  • 令和2年7月30日
     沖のやせたキタムラサキウニ を海藻のある浅瀬に移殖するとトゲが生え変わるようです!!
  • 令和2年5月31日更新
     今年の春は、凪が悪かった日が続いたことから例年に比較してウニの身入りが良くないようです。 右のリストの下にある「海気象結果(EXCEL)」で過去の波を見ると波高3m以上が、
      2月は5〜28日まで24日中に10日間
      3月は2〜11日まで10日間連続、その後4日間をおいて、16〜21日まで5日間、3月中は計15日間
      4月1〜3日連続、13〜21日まで9日間連続、4月中は計12日間
    と時化続きでした。高海水温の春でしたが、時化で藻食動物が餌を食べにくかったため昆布がある程度繁茂しているようです。
  • 令和2年4月24日(金) 寄り上がったエゾアワビの殻にポリドラの跡を再発見。資源に影響している可能性もあり。九戸館内計300個全部から穿孔虫「ポリドラ」を発見。
  • 令和2年3月26日(木) 資源管理手法について東京海洋大学の松井准教授がfacebookに投稿していました。川崎の視点でまとめてみました。
  • 令和2年3月24日(火)  海気象予報リンク枠は浜作業が出来るかどうかの目安にしていただけます。特に最上段の「海気象予報PDF」は週間天気図、波浪、風等の予報をまとめて数値化しました。更に干潮時間と潮位(八戸)を追加しました。これから干潮時に作業するワカメやウニ獲りのために役立ちます。
     毎日更新しますので、浜作業の目安にどうぞ。また、下段の「海気象結果(EXCEL)」では過去の浜がどうだったかも確認できます。
  • 令和2年1月15日 エゾアワビ調査個体300個全部から穿孔虫「ポリドラ」を発見。
  • 令和元年12月20日 エゾアワビの年齢査定を実施。穿孔虫を発見。
  • 令和元年8月1日 キタムラサキウニの年齢査定を実施。

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2020年7月30日
今年令和2年は沖合にキタムラサキウニが多くいるようです。
沖合の餌が無い漁場から海藻の豊富な漁場にウニを移殖すると、自分で長いトゲを抜いて、短いトゲに生え変わるようです。

2020年5月31日
餌条件のいい場所でのキタムラサキウニのむき身重量と年齢をグラフにしてみました。
概算ですので、漁場を調査して餌条件の良し悪しを分類することが必要です。成長の悪い漁場だと10年を経過しても50mmに達しないこともあります。
50mmは4年で8g、翌年60mmになり18gとなり、2倍強のむき身量となります。餌条件がいい場所では4月 下旬にむき身歩留りが20%になることもありますので、昆布を中心とした餌づくりが重要です。

2020年5月3日
天然コンブを生やす努力は必須。条件をまとめてみました。
画像をクリックすると、天然コンブが生える条件のシートにジャンプします。
2020年4月24日(月)
浜に打ち上げられたエゾアワビの殻、放流貝が多く、小さな怪物「ポリドラ(体長1〜3cm幅1mm程度)」によって死んだと思われる殻もあり。
2019年12月21日(土)
エゾアワビの年齢査定を実施。
野田から種市まで各30〜40個の調査の結果、以外なことが判明しました。合計300個の年齢査定を実施した結果、全ての個体にポリドラの穿孔跡があり、中には身にまで穴を開けたものもありました。
アワビの単年度の成長と年齢の比較表を浜別に作成しました。
パワーポイントで作成した内容をです。 [アワビ年齢査定結果より]
2019年7月28日(日)
キタムラサキウニの年齢査定を実施。       更新!

年令査定の手法や年令査定の結果からウニの資源管理に関する情報をパワーポイントで作成した一部をPDFにしました。
画像をクリックすると、ウニの口の裏側にある「中間骨」(長さ7mm幅4mm程度)で年令査定したシートにジャンプします。
2020年2月2日
キタムラサキウニは冬でもむき身が増えるものがあります。


 洋野町が生ウニ買受人と北大に試験をしてもらった結果、冬場でも給餌することにより、出荷可能なむき身重量まで増加する個体があることが判明しました。
 近年は、各地でキャベツや白菜など陸上の野菜を餌としてむき身重量を増やして出荷できるようにしようと試験をしている所もあります。
 ウニの身は生殖巣であることから、夏場に産卵するために身の量を増やします。冬場に7%程度のむき身歩留りが夏場には25%超にもなることから、当研究所は天然コンブを人工的に生やす努力をし、天然給餌による効率のいい資源利用を目指します。
 人工的に天然コンプを生やす試験を実施中です。試験結果は後にご報告する予定です。

ヒロ資源管理研究所

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