新六段同士の対戦&名寄支部8月の行事

名寄地方も毎日暑い日が続いていましたが、ここにきて少し落ち着いてきたように感じます。
    7月23日に 東京・将棋会館で 第10期叡王戦段位別予選五段戦、佐藤 慎一六段対石田 直裕六段の対局がありました。
   石田六段は、7月18日に昇段を決め、一方の佐藤六段は、この日の午前10時から行われた星野 良生五段戦に勝利して、昇段を果たしたばかりで、本局は新六段同士の対戦になりました。
   共に居飛車党の将棋は、相掛かり戦になり、95手までで先手の佐藤六段が勝利しました。(ハイライト図)


   ☆☆名寄支部8月の行事☆☆

  • 8月 3日(土)   第15回子ども将棋教室
  • 8月 3日(土)   有段者会
  • 8月10日(土)   第16回子ども将棋教室
  • 8月11日(日)   月例会
  • 8月18日(日)   夏季大会
   〇子ども将棋教室は、10時から正午迄、有段者会等は、午後1時から行います。いずれも会場は、駅前交流プラザ「よろーな」(東1南7 ℡01654-9-4607)です。


☆☆叡王戦段位別予選 対佐 藤慎一六段戦ハイライト図☆☆

   ハイライト図は、先手の佐藤六段が79手目に▲3三飛成りと金を取って飛車を成り込んだ局面です。
   ここで石田六段は、△4九飛成りと指しましたが、▲4四角の強手がありました。△5一玉とかわしますが、▲4一金△同玉に▲5三桂と打たれ、以下長手数の詰みとなりました。
   △4九飛成りでは、△4五飛と桂馬を取る手が指摘されていました。(以下、▲3八竜△4八銀▲4七歩△4九銀不成▲同竜に△4八金)
   序・中盤から戦いを優位に進めていた石田六段には惜しまれる一局でした。



 本市出身の石田 直裕五段が六段に昇段されました。

7月12日の朝日杯将棋オープン戦一次予選1回戦で岡崎 洋七段を破って、六段昇段に王手をかけていた 本市出身の石田 直裕五段は、第83期順位戦C級2組2回戦(7/18)で梶浦 宏孝七段に勝ち、六段に昇段されました。
   昇段日は、2024年7月18日、昇段理由は、五段昇段後公式戦120勝の規定によるものです。
   石田新六段は、10月12日(土)の当子ども将棋教室での指導対局と11月2日に開催予定の第31回児童将棋大会に審判長として地元・名寄市に見えられます。


===朝日杯将棋オープン戦 対岡崎 洋七段戦(7/12)===

対局は、東京・将棋会館「高雄の間」で14時から行われました。持ち時間は、各40分で使い切ると一手60秒の秒読みです。
   岡崎洋(おかざき ひろし)七段は、千葉県出身で故・平野広吉七段門下。年に数回は振り飛車も指されるが主戦は居飛車党です。
   これまでの両者の対戦成績は、石田五段の1勝0敗。本局は、岡崎七段の先手で始まり、相掛かり戦になりました。

第1図は、後手の石田五段が60手目、△4五歩と突っかけた局面。対して▲2九飛が予想されましたが、先手が▲4五同桂と応じて激しい展開になり、後手が指し易い局面に進みました。(第2図)

第2図の△3三桂打から、▲4六角△同馬▲同銀△6六角▲4七玉△2五香と後手は挟撃態勢を取り、先手も反撃しますが、88手目後手の△4五桂打を見て先手の投了となりました。(投了図)

投了図、後手玉は詰まず、先手玉は詰めろで受けても一手一手です。終局は、15時50分、勝った石田五段は、次回 伊藤 真吾六段と対戦します。

 社告 「第44期北都王位戦」

   地元の北都新聞社が主催する北都王位戦が、7月28日(日)に駅前交流プラザよろーなで開催されます。
   大会の社告が7月11付けの紙面で掲載されましたのでお知らせします。
   昨年の大会には、地元の名寄はもとより、旭川中央支部からの参加もあって盛会となりました。
   今年も広く参加を呼びかけていますので、盤上での熱戦が期待されます。
   参加には、事前の申込が必要です、7月24日までにお申し込みください。

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 第83期順位戦C級2組一回戦 対△佐藤 紳哉七段戦

第83期順位戦が6月に開幕し、本市出身の石田 直裕五段は、東京・将棋会館で佐藤 紳哉七段と対戦しました。(6/20)
   前期の順位戦で石田五段は、8勝2敗の好成績を挙げて順位を6位の好位置につけました。一方の佐藤七段も7勝3敗でフィニッシュして、順位を13位にまで押し上げています。。
   佐藤七段は、神奈川県相模原市の出身で安恵 照剛八段門下。将棋は、居飛車党で攻めの棋風。NHK将棋フォーカスでは、将棋講座「佐藤紳哉のエンジョイ将棋」(2018年4~9月)の講師を務めています。
   両者の対戦成績は、佐藤七段4勝、石田五段の1勝です。
   「佐藤は朝から気合の入った様子だった。座布団の上に両拳を突いてぐっと下を向く。まだは駒が並んでいなかったが、難解な局面を前にしているようでもあった。今年も順位戦が始まる。」(応援掲示板から)
   互いに居飛車党の本局は、相掛かりになり、総手数128手、終局が23時52分の大熱戦となりました。
   駒がぶつかり合ってからの中終盤は、目が離せない将棋でした。

第1図は、後手の△5五銀打ちに先手が85手目、▲6七香と打った局面です。後手からの△6六桂を消して手堅い一手で、6筋の空間を補強したことで、先手玉もしっかりとした印象との中継室の評。
   以下、△4五桂▲1二角△5七桂成▲同銀△7九角▲5六歩に92手目△4六桂打の歩頭桂が出ました。(第2図)

第2図、4六の地点をこじ開ける△4六桂打にこの日の将棋立会人の川上 猛七段は「良さそうな桂打ですね」。▲4六同歩に△同銀右とドリブル。以下、▲6八銀に△8八角成とすれば5五銀が助かる仕組み。秒読みの中でも佐藤七段の強さが光る」
   実戦も△8八角成まで進み、以下、▲6六桂△4四飛▲4五歩△9四飛▲9五歩△1一歩に▲5四桂打と進みました。(第3図)

第3図の石田五段が残り6分まで考えて放った▲5四桂は、後手からの△3四飛を消す歩頭桂。第2図の△4六桂に対するお返しのような一着です。
   以下、△5四同歩▲2一角成△2六桂▲4八金△3六歩と後手は、先手の▲9四歩を間に合わせる前に猛追します。

第4図は、後手が116手目、△4八金と金を取って先手玉に必至をかけた局面です。あとは後手玉が詰むかどうかです。
   既に持ち時間を使い切った石田五段ですが、ここから▲3二成香△同歩に119手目▲3四桂の王手、△5二玉▲4二飛△5三玉▲6二飛成△同玉▲5四桂△7一玉▲6二金と迫りますが△8一玉と逃げられ僅かに詰まず、この局面で石田五段の投了となりました。(投了図)

   投了図以下は、▲8二金△同玉▲9三歩成△8一玉で、王手は続きますが詰みまではないようです。
    「8三銀が最後の最後で輝くことになるとは。将棋は恐ろしい。佐藤が底力を見せた。」(中継室)
    119手目の▲3四桂に代えて、▲5四桂△5三玉▲3一馬△5四玉▲5五玉△同銀▲同歩として、7六飛の横利きを使う順で詰む筋があったと言われています。




【写真協力:日本将棋連盟】終局直後の様子



  全道将棋選手権名寄地区予選の結果と7月の行事

第81回全道将棋選手権大会の名寄地区予選が6月16日に駅前交流プラザ「よろーな」で行われ、豊岡 正起六段が7月14、15日に札幌市で開かれる全道大会への出場権を獲得しました。
   北海道新聞社と日本将棋連盟名寄支部主催の大会には、市内から40~80代の6人が出場して、持ち時間各25分、4回戦の勝ち数・勝点方式で行われました。
   4戦全勝で出場権を獲得した豊岡六段は、昨年に続いての代表です。


   ☆☆名寄支部7月の行事☆☆
  • 7月 6日(土)   第13回子ども将棋教室
  • 7月 6日(土)   有段者会
  • 7月13日(土)   第14回子ども将棋教室
  • 7月14日(日)   月例会
  • 7月28日(日)   第44期北都王位戦
   〇子ども将棋教室は、10時から正午迄、有段者会等は、午後1時から行います。いずれも会場は、駅前交流プラザ「よろーな」(東1南7 ℡01654-9-4607)です。

===全道将棋選手権名寄地区予選の成績(6/16)===

名  前 一 回 戦二 回 戦三 回 戦 四 回 戦 勝 敗  勝 点  順 位 
 勝 敗  相 手   勝 敗  相 手  勝 敗  相 手  勝 敗  相 手 
 ①豊岡 六段  26534-0341
 ②芳岡 四段  ×1×4×361-310
 ③千々石五段  ×4×52×11-39
 ④香川 五段  326×53-1243
 ⑤吉光 四段  63×143-1252
 ⑥吉川 四段  ×5×1×4×2/td>


===6月例会の成績(6/2)===
名  前 一 回 戦二 回 戦三 回 戦 四 回 戦 勝 敗  勝 点  順 位 
 勝 敗  相 手   勝 敗  相 手  勝 敗  相 手  勝 敗  相 手 
 ①村山 6級  ×2×9×381-310
 ②香川 五段  13×493-1251
 ③緒方 初段  ×4×2152-219
 ④吉光 四段  352×63-1242
 ⑤芳岡 四段  6×47×32-216
 ⑥江良 二段  ×57×842-218
 ⑦吉田 4級  ×8×6×591-310
 ⑧千々石五段  ×796×13-1242
 ⑨吉川 四段  1×8×7×21-37

※当支部では成績を「勝数」「勝点の合計」の順で決めています。
なお、勝点は1回戦に勝つと7点、2回戦8点、3回戦9点、4回戦が10点で全勝は合計34点になります。

 石田 直裕五段の【実戦次の一手 №32】


   石田 直裕五段の「実戦次の一手」は、ゴキゲン中飛車の開発者として知られる、近藤 正和七段との第80期順位戦からの出題です。
   戦型は、先手の近藤七段のゴキゲン中飛車に、後手石田五段は、右銀を6四まで進出、先手も歩調を合わせて銀対抗の形になりました。
   問題図は、先手が▲5五銀とぶつけた局面です。これを△同銀では▲同飛が桂取りで悪くなります。
   ここから、後手は3手一組の手順で、先手の飛車を捕獲します、その手順とは?
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   △8六飛の飛角交換から▲同歩に△5四銀と引くのがうまい手順でした、これで飛車が捕まっています。(解答図)
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   解答図からは、▲5三飛成△同金に▲6二飛と飛車を打たれますが、△5二金引▲7二飛成に△7一歩▲8二竜に△8一歩と歩を駆使して▲9一竜(参考図)と竜が使いにくい形にして、後手が反撃に転じました。
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 新棋戦「北海道ジュニア竜王戦」のお知らせ

読売新聞北海道支社と北海道支部連合会が主催する小中学生将棋大会「北海道ジュニア竜王戦」のお知らせです。
   すでにホームページで予選の案内がされている地区もありますが、上川地区は、6月29日に旭川市で予選が行われます。
   参加方法等、詳しくは、旭川中央支部のホームページをご覧ください

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 名寄支部6月の行事です

5月12日、札幌市で開催された北海道支部連合会総会の終了後、北海道神宮の直心亭で開かれている北海道研修会の見学会がありました。
   この研修会は、将棋を通して礼節を尊び心身の向上を目指す少年少女の養成を目的に日本将棋連盟が管轄して全国6地域で開催されています。
   例会は、毎月第2・第4日曜日に行われ、この日はA2~F2クラスの小学低学年から高校生まで約18人ほどが、広い和室で対局していました。
   対局は、一例会4局戦われます、会員同士の対戦のほかに他地域の研修会員とのオンライン対局や担当幹事(プロ棋士)との対戦も組まれています。
   この日の担当幹事は、広瀬 章人九段と前日に名寄の子ども将棋教室で指導対局をしていただいた石田 直裕五段でした。
   その二人を補佐するのが、副幹事で地元在住の久津知子女流三段、対局中とあって、写真撮影は出来ませんでしたが、聞けば、道央圏の子どもが多いようで、「遠来の子どもさんは、前泊したり、中には、朝、車で4時間かけて研修会場入りしています」と話されていました。

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   ☆☆名寄支部6月の行事☆☆
  • 6月 1日(土)   第11回子ども将棋教室
  • 6月 2日(日)   月例会     
  • 6月 8日(土)   第12回子ども将棋教室     
  • 6月 8日(土)   有段者会
  • 6月16日(日)   アマ名人戦地区予選
   〇子ども将棋教室は、10時から正午迄、有段者会等は、午後1時から行います。会場は、駅前交流プラザ「よろーな」(東1南7 ℡01654-9-4607)です。

 石田五段の指導対局(子ども将棋教室)

5月11日の第9回子ども将棋教室では名寄市出身の棋士、石田 直裕五段が講師を務められました。
   教室には、名寄市と士別市・美深町から年中から中1までの9名が参加してくれました。
   はじめに、大盤を使って上手△石田五段に下手の▲生徒全員が一手ずつ指す「連将棋(れんしょうぎ)」が行われました。
   手合いは六枚落ち、下手陣は、上手の玉を左右から挟み撃ちにして、最後は、上手の中段玉を村山君が▲6三馬と指して見事に詰ましました。(投了図)
   連将棋の後は、それぞれの棋力に応じた八面指しでの指導対局です、どの子も真剣な面持ちで将棋盤に向かっていました。
   終局後には、全局、石田五段からのポイント解説と感想戦も行われ、子どもたちには充実した教室になったようです。

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【節句まつり将棋大会の成績 5/5 ハンディ戦】

名 前 一 回 戦二 回 戦三 回 戦 四 回 戦勝  敗勝  点順  位
勝  敗相 手勝  敗相 手勝  敗相 手勝  敗相 手
 ①千々石五段  265×33-124
 ②吉川 四段  ×1×4×361-310
 ③緒方 2級  4×5213-1261
 ④澤田 1級  ×352×12-217
 ⑤香川 五段  63×143-125
 ⑥小川 1級  ×5×1×4×2


 第21回詰将棋解答選手権・初級戦クラス

詰将棋を”速く正確”に解く能力を競う「詰将棋解答選手権」が今春行われました。(主催:詰将棋解答選手権実行委員会)
   最高難度の問題が出題される「チャンピオン戦」が東京・大阪(3/31)で開催され、総数112名(うち棋士17名、女流棋士5名)が参加して、詰将棋解答力日本一を目指しました。
   また、4月13日には、初級戦と一般戦のクラスが全国19の会場で一斉に開催され、札幌会場には、初級戦に23名、一般戦に17名が参加されました。
   ルールは、初級戦は、1手詰から5手詰、6題(下図)を制限時間30分。一般戦は、5手詰から15手詰、6題を制限時間50分で解くというものです。
   出題は、2008年の第5回大会からは全て公募作品です。

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                  答えは▲3四竜です

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                  答えは▲2三竜△同桂▲1一金です

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                  答えは▲3三角△同玉▲1三飛成です

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                  答えは▲1三飛△同玉▲1四香△同玉▲2四金です

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                  答えは▲2三飛△同飛▲4二銀△同銀▲4四金です

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                  答えは▲4二飛△2三玉▲3三馬△同玉▲2二飛成です

   日本将棋連盟によると、初級戦の参加総数は625名で、全問正解は286名(札幌会場は、10名)、一般戦の参加総数は475名で、全問正解は49名でした。(札幌会場は、ゼロ)

 道北支部対抗将棋大会と5月の行事

第53回道北支部対抗将棋大会(4/21)が、稚内市東地区活動拠点センターで開かれました。
   この大会は、道北の各支部が毎年持ち回りで開催しているもので、今年は、稚内支部が主催、地元・稚内市出身の中井 広恵女流六段が来賓として駆けつけてくれました。
   大会には、地元の稚内をはじめ、旭川・名寄・北見支部などから38人が参加、A、Bの2クラス(Aクラスは1チーム5人編成で3回戦、Bクラスは3人編成で4回戦)に分かれて対局し、勝ち点を争いました。
   成績は、Aクラスでは、稚内支部チームが11勝4敗(勝点3)の成績で、昨年の北見大会に続いての優勝を果たし、旭川支部チームが10勝5敗(勝点2)で準優勝となりました。
   また、Bクラスは、稚内支部B3チームが10勝2敗(勝点4)の好成績で優勝、名寄支部チームは、5勝7敗(勝点2)で4位となりました。
   運営に当たられた稚内支部の皆さん、お世話になりました。ありがとうございます。
明日からは、大型連休に入りますね、5月の子ども将棋教室は、次のとおり第2・3土曜日に変更しますのでよろしくお願いします。
   なお、11日(土)の子ども将棋教室は、地元出身棋士・石田 直裕五段による指導対局が行われます。


   ☆☆名寄支部5月の行事☆☆

  • 5月 5日(日)   節句まつり将棋大会
  • 5月11日(土)   第9回子ども将棋教室(石田五段指導対局)     
  • 5月11日(土)   有段者会
  • 5月18日(土)   第10回子ども将棋教室
  • 5月19日(日)   月例会
   〇子ども将棋教室は、10時から正午迄、有段者会等は、午後1時から行います。会場は、駅前交流プラザ「よろーな」(東1南7 ℡01654-9-4607)です。

 石田 直裕五段の【実戦次の一手 №31】

4月13日の第8回子ども将棋教室の参加者は6名でした。
   中でも、4年ぶりくらいになるでしょうか、佐竹春香・柾軌姉弟が元気な顔を見せてくれました。
   二人とも旭川の高校に通う3年生と1年生になっていました。姉の春香さんは、当教室では5級を認定され、高校のクラブは、囲碁・将棋・オセロ等のボードゲーム部に入っているとのこと。
   弟の柾軌君は、小2から小5までの児童大会で4連覇を果たした実績の持ち主、小6の時には、コロナ禍で大会が開かれず、5連覇を目指せなかったことが今でも惜しまれます。
   今春、進学した高校では将棋部に入部したそうで、「また、一から将棋に取り組みたい」と話していました。 二人には、この後のリーグ戦に参加してもらいました。
   石田 直裕五段の「実戦次の一手」は、第80期順位戦C2組第2回戦の対▲堀口一史座七戦からの出題です。
   戦型は、先手四間飛車に後手居飛車穴熊の戦い、問題図は、後手の76手目△1四香打に先手が▲1五歩と受けた局面です。控室でも好着想と言われた後手の次の一手は?

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   先手の歩切れを見込んで、△1五角と角で取るのが好手でした。
   以下、▲同銀△同香と進んで、△1九銀以下の詰めろになっています。先手は▲2五桂と跳ねて攻めつつ、3七に逃げ道を用意しましたが、△2四銀と自然に上がった手が(参考図)、またしても△1九銀▲3七玉△2八銀打▲2六玉△1七銀不成▲3七玉△2八銀引不成の詰めろになっています。
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   後手の△2四銀に対して先手は、▲4四角打△3三桂▲1四香と迫りますたが、及びませんでした。



【第8回子ども将棋教室】

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 竜王戦地区予選と4有段者会の結果

4月6日に行われた将棋教室は、最初に詰将棋を出し題、後半は、生徒さんと講師3人による二枚落ちでの対局を行いました。
   詰将棋は、1・3・5手詰ですが、短い詰将棋が確実に解けるようになると勝率が確実にアップします。日頃から簡単な詰将棋を数多く解いて駒に慣れてもらいたいですね。
   二枚落ちでの対局、吉田 一経五級(小5)との対局では、どの講師も苦戦の様子でした。吉田君は2月の将棋教室で二枚落ちを指し始めたばかり、指すほどに棋力がアップしているようで楽しみです。
   札幌で開催されるアマ竜王戦北海道大会(4/28)の名寄地区予選が4月23日に行われました。参加者は5名、4回リーグ戦の結果、千々石好弘五段が全勝で、昨年に続いて地区代表になりました。
   また、4月6日には有段者会が行われました。結果は次のとおりです。

【竜王戦地区予選の成績 3/23】

名 前 一 回 戦二 回 戦三 回 戦 四 回 戦勝 敗勝 点順 位
勝 敗相手勝 敗相手勝 敗相手勝 敗相手
 ①吉光 四段  ×25×3×41-38
 ②吉川 四段  1×3×452-2173
 ③千々石五段  42154-0341
 ④豊岡 六段  ×35213-1272
 ⑤芳岡 四段  ×1×4×3×29

【4月有段者会の成績 4/6】

名 前 一 回 戦二 回 戦三 回 戦 四 回 戦勝 敗勝 点順 位
勝 敗相手勝 敗相手勝 敗相手勝 敗相手
 ①江良 二段  ×2×65×31-39
 ②千々石五段  14364-0341
 ③香川 五段  45×213-1252
 ④芳岡 四段  ×3×26×51-39
 ⑤佐々木二段  ×6×3×141-310
 ⑥吉川 四段  51×4×22-2153

※当支部では成績を「勝数」「勝点の合計」の順で決めています。
勝点は1回戦に勝つと7点、2回戦8点、3回戦9点、4回戦が10点で全勝は合計34点になります。

 4月の行事&竜王戦4組ランキング戦

明後日からは新年度の4月ですね。名寄地方は、ここ数日は天気にも恵まれて、雪解けが随分と進みました。
   昨日(29日)、本市出身の石田 直裕五段は、第37期竜王戦4組ランキング戦で、高野 智史六段と対戦しました。勝った方が準々決勝進出となりますが、残念ですが惜敗、昇級者決定戦に回ることになりました。
   これで石田五段の今期の対局は、すべて終了しました。
   この時点で今期の対局数ランキングは、40局で第20位、29勝11敗で勝利数ランキングは12位、勝率ランキングは0.725で第6位と素晴らしい成績でした。引き続き来期の活躍が期待されます。
   石田五段には、5月11日の将棋教室で「指導対局」をしていただけることになりました。昨年は、四枚落ちで教えていただいた子どもたちもレベルアップしたので、次回、二枚落ちでの挑戦が楽しみです。

   ☆☆名寄支部4月の行事☆☆

  • 4月 6日(土)   第7回子ども将棋教室
  • 4月 6日(土)   4月有段者会
  • 4月13日(土)   第8回子ども将棋教室
  • 4月24日(日)   道北支部対抗将棋大会(稚内市:受付け終了)
  • 4月28日(日)   月例会

  •    〇子ども将棋教室は、10時から正午迄、有段者会等は、午後1時から行います。会場は、駅前交流プラザ「よろーな」(東1南7 ℡01654-9-4607)です。



    【第37期竜王戦4組ランキング戦 対▲高野智史六段戦】

    振り駒で高野六段の先手で始まった将棋は、角換わりになりました。
       第1図は、後手の石田五段が△3五歩と突き、先手が20分の考慮で▲1七角と打った局面です。
       この角打ちに対して、後手は、1時間27分の考慮で△2七角と打ちましたが、▲3五歩△5四歩▲7五歩△同歩▲7四歩△同銀▲3四歩△同銀に▲5四飛と進みました。(第2図)

    第2図からは、△4四歩▲同角△同金▲6四飛△6三銀▲4四飛△4三銀▲7四歩に△6四歩と打って、後手は、辛抱しますが、▲7三歩成△同玉▲4三飛成と先手は、桂馬と銀を手駒に加えて攻めを繋ぎました。
       局後の感想では、第1図の局面がポイントだったようで「△3五歩は▲1七角で悪化しましたか。きつかったです」(石田)と話されています。



     第82期順位戦C級2組    最終戦    △近藤 正和七段戦

    第82期順位戦C級2組の最終戦が3月12日に行われ、本市出身の石田 直裕五段は、東京・将棋会館で近藤 正和七段と 対戦しました。
       今期の順位戦、石田五段は、ここまで7勝2敗の成績、昇級候補の八番手にいます。この最終戦の結果次第では来期の順位が3位(昇級)から16位までと変動します。
       C級2組は、在籍者が多いため、通常は、前半と後半に分けて対局を消化しますが、最終戦は、同日一斉(東京14局、大阪8局、名古屋5局)に行われました。
       近藤七段は、新潟県出身。(故)原田泰夫九段門下。特に中飛車を好んで指し、2001年度には、氏が開発した「ゴキゲン中飛車」で升田幸三賞を受賞されています。
       両者の対戦成績は、石田五段の3勝0敗。順位戦で当たるのは第80期以来2回目になります。
       午前10時に近藤七段の先手で始まった将棋は、64手で千日手になり、本局は、指し直し局です。 【写真協力:日本将棋連盟】

    指し直し局は、先後を入れ替えて、14時39分から始まり、戦型は、後手の三間飛車となりました。
    消費時間は、千日手局を引き継ぎ、▲石田五段が1時間42分、△近藤七段は1時間16分になります。
       第1図は、後手の飛車を3筋から5筋に誘導してから43手目に▲3六歩と突いた局面です。
       次は、▲3五歩△同歩▲3八飛の攻めが狙いです。
       後手は、△1三香と角筋から香を逃して手を渡し、先手は▲3五歩と突いて開戦、5筋を絡めた攻防で、飛車角総交換となりまし。

    第2図は、先手が角交換で生じたスペースに歩を垂らした局面で、次の▲4五桂が厳しい狙いです。
    対局立会人の佐藤義則九段は、この垂らしについて「指した手が次々とつながっていく感覚」と感想を述べています。
       以下実戦は、後手も△5六歩と突き、▲5三歩成△同金に▲5一飛と先手は、金桂両取りと先着しました。

    第3図は、先手の桂馬を取っての▲2一飛成に後手が72手目、△5六歩と垂らした局面です。
    ▲3二竜の攻め合いは、△7九角成▲同金△5七歩成▲5二竜△8八飛成▲同金△6七とは後手も勝負形に持ち込めます。
       先手は、21分の考慮で▲6八金と引いて受けに回り、△同飛成▲同銀△5七歩成にも▲同銀とあっさり清算して、△同角成には、▲5五飛打と馬金両取りの攻防手を放ちました。

    第4図は、先手が△8八成り銀からの詰めろを防いで、87手目▲2二角と敵陣から自陣に角を利かした局面。穴熊戦で指されることの多い手筋です。
       以下、△8九成銀▲同玉△7八金打▲9九玉に、後手は△6七桂と打って、8八の地点を構わず、△7九桂成からの寄せを目指しますが、先手は、▲4六角と角を投入、△7九桂成▲同銀△同金左には間髪を入れずに97手目▲8八金を決めました。
       この8八金の着手から33分後、近藤七段は、次の手を指さずに投了を告げられました。(投了図)

    消費時間は、▲石田五段5時間6分、△近藤七段5時間18分(持ち時間は各6時間)。石田五段は、8勝2敗で今期を終えましたが、上位陣に勝者が出たため、昇級には届きませんでした。来期のご活躍を期待しています。





     石田 直裕五段の【実戦次の一手 №30】

    石田 直裕五段の「実戦次の一手」は、2月5日に行われた第32期銀河戦本戦Eブロック ▲竹内 雄悟五段戦からの出題です。
       銀河戦は、囲碁・将棋チャンネル主催の早指しテレビ棋戦。全棋士と女流棋士2名、アマ(アマ王将と凖アマ王将)を8つのブロックに分け、各ブロックでパラマス式トーナメントを行い、ブロックの最終勝ち残り者と最多勝ち抜き者各2名の計16名で決勝トーナメントを行います。
       持ち時間は各15分で、切れたら1手30秒、ただし切れてからも1分単位で合計10回の考慮時間があります。
       戦型は、先手・竹内五段の四間飛車・穴熊対後手石田五段の左美濃となり、中盤以降激しい戦いが繰り広げられました。
       問題図は、最終盤の局面、先手が▲5五角と打って、後手の△2八銀打ちからの即詰みを防いだ局面です。 (85手目)
       この5五角に対して、後手の石田五段が指した決め手は?

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    石田 直裕五段の指し手は、△1八金でした。(解答図)
    じっと香車を取りながら詰めろをかける”挟撃の手筋”。この手を見て先手の投了となりました。
       解答図(投了図)以下、▲6七角と受けても△5八銀打▲同角△同銀成りで、後手玉は詰まず先手玉は受けがありません。(参考図)
       3回戦に進んだ石田五段、次戦は、佐藤 秀司八段と対局します。

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     3月の行事と2月例会の結果

    名寄は、例年に比べると降雪量も少なく、ここ数日間は、雪ハネの必要もなくて楽な毎日になっています。
       まもなく3月になりますが、先日、稚内支部(虻川 秀人支部長)から、第53回道北支部対抗将棋大会(4/21)の案内が届きました。
       この対抗戦は、道北の各支部が毎年、持ち回りで開催している伝統のある大会です。
        2020年からコロナ禍で3年間も中断されていましたが、昨年、ようやく北見市で再開されました。
       稚内支部の皆様には、第48回大会(2016年)以来、8年ぶりの開催となりますが、よろしくお願いします。


       ☆☆名寄支部3月の行事☆☆

    • 3月 2日(土)  第5回子ども将棋教室
    • 3月 2日(土)  有段者会
    • 3月 9日(土)  第6回子ども将棋教室
    • 3月10日(日)  名寄支部名人戦
    • 3月17日(日)  月例会
    • 3月24日(日)  竜王戦地区予選

       〇子ども将棋教室は、10時から正午迄、有段者会等は、午後1時から行います。会場は、駅前交流プラザ「よろーな」(東1南7 ℡01654-9-4607)です。


    【第4回子ども将棋教室】






    【2月例会の成績】

    名 前 一 回 戦二 回 戦三 回 戦 四 回 戦勝 敗勝 点順 位
    勝 敗相手勝 敗相手勝 敗相手勝 敗相手
     ①吉光 四段  ×253×42-2173
     ②千々石五段  13454-0341
     ③吉川 四段  ×4×2×1×5
     ④香川 五段  35×213-1252
     ⑤芳岡 四段  ×1×43×21-39

    ※当支部では成績を「勝数」「勝点の合計」の順で決めています。
    勝点は1回戦に勝つと7点、2回戦8点、3回戦9点、4回戦が10点で全勝は合計34点になります。

     第82期順位戦C級2組10回戦 △徳田 拳士四段戦

    第82期順位戦C級2組10回戦が2月15日に行われ、本市出身の石田 直裕五段は、大阪の関西将棋会館で徳田 拳士四段(とくだ けんし)と対戦しました。
       今期順位戦、両者のここまでの成績は、石田五段の6勝2敗、徳田四段の5勝3敗です。
       徳田四段は、山口県周南市出身で小林 健二九段門下です。将棋の魅力について、「すべての責任が自分にあるというのがすごく好き、ミスも勝因も、全部自分が勝ち負けに直結する面白さの一つ」と語る若手棋士です。
       両者は、初手合い、石田五段にとっては、本局は、前局の山本戦と同様、総手数155手、終局が23時43分に及ぶ熱戦となりました。





    後手、徳田四段の一手損角換わりで始まった将棋。
       第1図は、先手の▲2二歩打に対して、後手が手抜きで84手目、△9八歩と打ち返した局面です。
       対局立会人の神崎 健二八段「△9八歩は渾身の勝負手ですね。▲2一歩成が王手になりますが、後手は歩が入ると9筋の香車をつり上げて、△8五桂からの詰み筋を狙うことができます。なので先手は▲2一歩成△同玉のあと▲8六歩とする方が安全かも知れません」との解説。
       実戦も▲2一歩成り△同玉に▲2二歩△3一玉を入れてから▲8六歩と突きました。

    進んで第2図は、飛車の侵入を目指す後手の△9一飛に対して、△先手が99手目、▲9六歩と中断に打った局面です。
       △9六同飛なら▲3三歩成△同金に▲5一角の筋があります。
       実戦は、△3四銀上ると攻守を織り交ぜながら粘る後手に対して、先手の▲4四角打は、6二の金取りをみせつつ、3三歩のくさびを打ち込む狙いもあります。以下、△4二桂▲6二角成△6四桂▲5三馬と進みました。

    第3図は、114手目、先手が▲5五馬と歩を払った局面です。
       難解な攻防が続いていますが、棋士室の検討陣からは「先手が厚そう」との声があります。
       後手は、△4四銀と打ち、先手の▲5六角にも△7六歩▲6七玉△5六銀▲同馬△5五桂▲5八玉△5七歩▲4八玉に攻防の△4五香が放ちましたが、先手も▲3四銀打の詰めろで迫ります。

    第4図は、白熱した終盤戦が続くなかで後手が136手目△3六歩と金取りに歩を打って、詰めろを掛けた局面ですが、先手は、▲5四桂から連続王手をかけ、153手目▲5五馬と桂を払い、以下△3七歩成に▲同馬と引いたところで後手が投了を告げました。(投了図)

    先手玉に詰みはなく、後手玉は▲4三香△3二玉▲5二飛成以下の詰めろになっています。
       勝った石田五段は、7勝2敗、徳田四段は、5勝4敗になりました。。
       3月12日に最終戦が行われます。対戦相手は、石田五段が近藤 正和七段、徳田四段は阿部 光瑠七段です。

     石田 直裕五段の【実戦次の一手 №29】

    石田 直裕五段の実戦次の一手は、1月18日に行われた第82期順位戦C級2組第9回戦、▲山本 博志五段との対局からの出題です。
       山本五段は、東京都江東区出身。小倉久史八段門下。得意戦法は三間飛車、先手番ではしばしば、初手7八飛戦法を採用していて、本局も初手に7八飛と振っています。

       午前10時から始まった本局は、総手数153手、終局が23時54分にもなる熱戦となりました。
       問題図は、先手が9筋からの端攻めを敢行、後手が△8四角と打って9五歩を支えたのに対して、先手も▲7七角と9五に数を足した局面です。(61手目)
       先手の数の攻めに対する、後手の石田五段が指した一手は?、参考になる手筋です。

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    石田 直裕五段の指し手は、△8六歩の突き捨てでした。(解答図)
    (1)▲8六同歩と取らせれば、▲9五香△同香▲同角の狙いを消すことができ(2)▲8六同角は△9六歩▲同香△9五歩▲同香△同香▲同角に△4八角成~△8七飛成で竜を作る筋が生じます。

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    実戦は、▲同角△9六歩▲同香△9五歩▲同香△同角▲9二歩(67分の長考)△同香▲5五歩△9四歩と進みました。(参考図)

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      2月の行事と月例会の成績

    写真は、将棋ジャーナル(注1)(1992年11月)特別付録の詰将棋作品集”ねむりねこ”です。
       著者は、釧路市出身の詰所将棋作家・(故)堀内 和雄氏
       現役時には、近代将棋編集部(注2)で活躍され『作意を探せ』や『詰将棋100選』『これだけできれば詰将棋初段』など多数の著書があります。
       趣味は、競馬、猫と遊ぶ、ビデオで同じ映画を飽きるほど見ることで、5000作も創った詰将棋について、あとがきで次のように述べられています。
          音楽と絵は美しい。猫は可愛い。詰将棋は?
          つき合いの長さから言えば、猫、音楽、詰将棋、絵の順になる。
          詰将棋は解くのも作るのも、多分、好きではないのだろうと思う。
          詰将棋創作のいいところは、没頭できること、時間を浪費できること。
          私にとって詰将棋とは、それくらいのものであるようだ。

    (注1) 将棋ジャーナル:1977年~1993年 日本アマチュア将棋連盟の機関誌として創刊される。
    (注2) 近代将棋:1950年~2008年 元・奨励会員でアマチュア強豪の永井英明が編集長として創刊。「近代将棋社」から刊行。

       ☆☆名寄支部2月の行事☆☆

    • 2月 3日(土)  有段者会
    • 2月17日(土)  第3回子ども将棋教室
    • 2月18日(日)  月例会
    • 2月24日(土)  第4回子ども将棋教室
    • 2月25日(日)  支部長杯将棋大会
       〇2月の子ども将棋教室は、第3,4土曜日の開催になります。お間違えないように。
       〇子ども将棋教室は、10時から正午迄、有段者会等は、午後1時から行います。会場は、駅前交流プラザ「よろーな」(東1南7 ℡01654-9-4607)です。

    1月21日に月例会が行われました。
    ハンディ戦による4回戦で、参加者は6名、隣町の美深町から澤田1級(美深中1年)と緒方2級(仁宇布小6年)の参加もありました。成績は次のとおりです。

    【月例会成績】

    名 前 一 回 戦二 回 戦三 回 戦 四 回 戦勝 敗勝 点順 位
    勝 敗相手勝 敗相手勝 敗相手勝 敗相手
     ①千々石五段  26534-0341
     ②香川 五段  ×14×362-2182
     ③緒方   2級  ×452×12-2173
     ④芳岡 四段  3×26×52-216
     ⑤吉川 四段  6×3×142-2173
     ⑥澤田   1級  ×5×1×4×2

    ※当支部では成績を「勝数」「勝点の合計」の順で決めています。
    勝点は1回戦に勝つと7点、2回戦8点、3回戦9点、4回戦が10点で全勝は合計34点になります。

     石田 直裕五段の【実戦次の一手 №28】

    石田 直裕五段の実戦次の一手は、第79期順位戦C級2組第10回戦、▲中田 功八段との対局からの出題です。
       中田八段は、(故)大山康晴十五世名人門下、福岡県福岡市の出身。振り飛車党で特に三間飛車を好んで指し、本局も先手三間飛車を採用、対する石田五段は、エルモ囲いで対抗しました。
       問題図は、先手が4七のと金を金で払った局面です。(121手目)
       先手の攻めを凌ぎ、手番を得た石田五段はここで、約4分の考慮で寄せの決め手を放ちました、持駒の飛車を使った強烈な次の一手は?

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    石田 直裕五段の指し手は、△5八飛打でした。(解答図)
    △5八飛は、5五香取りですが、詰めろにもなっています。
       先手は、▲5一香成と金を補充して詰めろをかけますが、△3九銀と打たれたところで先手の投了となりました。

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    △3九銀以下は、▲同玉△4九と▲同玉△4七竜△▲同角に△4八金までが一例です。(参考図)
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      有段者会で名寄支部の将棋が始まりました

    今年1回目の将棋教室が1月6日に行われました。
       ミニ講座は、初級者には、前回に続いて”悪手を咎める”2問を出題しました。
       また、上級者向けとして、歩の使用法を18種に分けて解説した「将棋は歩から」(加藤 治郎名誉九段著)の”交換の歩”を題材にしました。
       図は、先手後手ともほとんど同型で、僅かに先手だけが飛先の歩を交換している分、先手優勢と思われる局面。
       ここから、先手がどのように優位を拡大していくかと言うのが問題です。

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       解説では、①▲7五歩と桂頭を攻め、△同歩なら▲7四歩で桂得。また、△8四飛には、▲7四歩△同飛▲6一角△6二金▲8三角成と飛車を攻める手が映り、合格点ですが、ここでは、②▲1五歩△同歩▲1二歩△同香▲4一角△同玉に▲2三飛成がより厳しいとありました。

    6日の午後からは、1月の有段者会が行われました。
    参加者6名によるハンディ戦、年が明けての指し初めとあって、みなさん精一杯指されていました。
       新年早々切ないニュースが続きますが、今年も”HP日々是好局”をよろしくお願いします。

    【有段者会成績】

    名 前 一 回 戦二 回 戦三 回 戦 四 回 戦勝 敗勝 点順 位
    勝 敗相手勝 敗相手勝 敗相手勝 敗相手
     ①千々石五段  265×33-1241
     ②香川 五段  ×1×4362-2192
     ③吉光 四段 4×5×212-217
     ④芳岡 四段 ×32×652-2183
     ⑤緒方 2級 63×1×42-215
     ⑥吉川 四段 ×5×14×21-39



     第37回支部・市役所対抗戦の結果&1月の将棋

    名寄支部と名寄市役所将棋部(渡辺 博史部長)との対抗戦(12/16)が駅前交流プラザ「よろーな」で行われました。
       この対抗戦は、1983年から行われているもので、2020年からは、コロナ禍のために中断、今回、4年ぶりに復活したものです。
       今年の対抗戦には、小・中学生2名を含む18人が参加、終了後には、納会を兼ねて行われる楽しみなイベントで、1チーム9名、持ち時間15分で1人4試合のハンデ戦が繰り広げられました。た。
       結果は、毎試合、接戦になりましたが、名寄支部チームが勝点3(20勝16敗)をあげて、2019年に続いての優勝となりました。
       成績発表の後は、納め会が行われ、支部と市役所、みなさんが親睦と交流を深めあった一日となりました。

       この対抗戦を以て、日本将棋連盟苫小牧支部の令和5年の公式行事は全て終了です。
    皆様よいお年をお迎え下さい。
       なお、1月の行事につきましては、下記の日程で予定しています。

    【対抗戦の成績】(名寄支部チーム 20勝16敗)

    試 合支部チーム 試 合支部チーム
    1回戦5勝4敗 3回戦6勝3敗
    2回戦5勝4敗 4回戦4勝5敗

    【対抗戦の個人成績】
    成 績氏  名チーム勝 敗 成 績氏  名チーム勝 敗
    優 勝坂田1級市役所4戦全勝 6 位吉光四段支 部3勝1敗
    準優勝江良二段支 部3勝1敗 7 位豊岡六段支 部3勝1敗
    3 位内田1級市役所3勝1敗 8 位緒方2級支 部2勝2敗
    4 位吉川四段支 部3勝1敗 9 位澤田1級市役所2勝2敗
    5 位千々石五段支 部3勝1敗 10 位松永二段市役所2勝2敗


       ☆☆名寄支部1月の行事☆☆
    • 1月 6日(土)  第1回子ども将棋教室
    • 1月 6日(土)  有段者会
    • 1月13日(土)  第2回子ども将棋教室
    • 1月14日(日)  新春将棋大会
    • 1月21日(日)  月例会
       〇子ども将棋教室は、10時から、有段者会等は、午後1時から行います。会場は、いずれも駅前交流プラザ「よろーな」(東1南7 ℡01654-9-4607)です。
       〇年間行事は、サブウインドー「大会予定」をご覧ください。

     石田 直裕五段の【実戦次の一手 №27】

    12月9日の子ども将棋教室で、今年度の教室が終了しました。
    今年度は、23回開催して、参加者数は129人、1教室当たりの平均が5.6人でした。 昨年と比較すると、6~8月の参加者が極端に少なく、講師の方が多いこともありました。(笑)
       来年に向けては、3連休や学校行事等を避けるなど、子どもさんが参加しやすい方向で検討します。
       最後の教室には、前回に続いて、年長さんの参加がありました。 この日は、駒の動きを数字で表す”棋譜”と1手詰め「頭金」「腹金」「尻金」を習いました。
       記録を見てみると、年長さんの参加は8年前に教室を開いてから3人目になります。焦らずにゆっくり将棋を覚えましょう。



    石田 直裕五段の実戦次の一手は、第79期順位戦C級2組第9回戦、対△服部 慎一郎四段戦からの出題です。
       問題図は、相掛かりの中盤戦で後手が△3七の銀を△4六銀成と指した局面(68手目)
    ここで石田五段は、後手玉と飛車のラインに着目した攻めに出て戦いを有利に進めました。
       持駒の桂馬を使った次の一手は?

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    石田 直裕五段の指し手は、▲6四桂打でした。(解答図)
    以下、△同歩▲同飛△6三歩に▲7四角(参考図)と進んで、局面をリードしました。

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    相手に桂を渡した代償は、後手玉のコビン攻めにありました。参考図の▲7四角は8五飛当てて調子がよく、▲6三飛成以下の詰めろになっています。

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     第82期順位戦C級2組7回戦 △平藤 眞吾七段戦

    第82期順位戦C級2組7回戦(11/16)で、本市出身の石田 直裕五段は、東京・将棋会館で平藤 眞吾七段(ひらふじ しんご)と対戦しました。
       平藤七段は、大阪府豊中市の出身、故・賀集 正三七段門下です。
       棋風は、居飛車の戦法も振り飛車の戦法もなんでも指す、オールラウンドプレーヤーです。
       両者は、初手合い、石田五段の先手で午前十時から始まりました。
       戦型は、後手向かい飛車(先手持久戦調)になりました。




    第1図は、先手の石田五段が27手目▲1六歩と端歩を突いた局面です。
    ここから、△4五銀には、▲2六飛△5六銀▲3五歩△4五銀▲3七桂△5四銀▲3四歩があります。
       後手が1歩得できても、先手の切り返しが用意されています。

    第2図、中盤戦、後手が66手目△2六歩と打った局面です。 先手は、▲2六同銀と取りました、△2八桂成には▲3七飛で耐えているという読みでしょうか。
       ▲2六同銀以下、後手は△2八桂成を利かさずに、△2四飛と走り、▲2五歩△2一飛▲5七角と進みました。

    第3図は、先手が8筋に続いて▲6四歩と6筋も突き捨てた局面です。
    これを△同角では▲8四歩が厳しいので、△同歩と取りましたが、先手は▲3三角成と銀取りで馬を作りました。
       先手が優勢に進めています。

    第4図は、先手が4三馬の利きを自陣に通しながら、95手目▲7五角と歩を突いた局面です。
    後手は、△3四歩と打ち先手の飛車の態度を利きますが、先手は、▲7四歩と踏み込みました。
       以下、△8四角▲4五飛△7六歩▲同馬△9六歩▲7五桂△同角▲同馬と進んだところで後手の投了となりました。(投了図)

    投了図から△9七歩成としても▲同銀△同香成▲同香で後手を引き、先手からは▲8四歩から厳しい攻めが続きます。
       終局時刻は、20時5分。消費時間は、▲石田五段4時間54分△平藤七段3時間50分。





      12月の将棋は支部・市役所対抗戦です

    まもなく12月、今年の行事も子ども将棋教室と支部・市役所対抗戦を残すだけになりました。
       コロナ禍の影響で中断をしていた、年末恒例の支部と名寄市役所将棋部(渡辺 博史部長)の対抗戦が、12月16日(土)に復活することになりました。
       この対抗戦は、名寄市役所に将棋部が出来たのを契機に1983年から行われて、今年で37回目なります。
       当初は、名寄支部が主催して、市役所・機関区・郵便局・魚菜市場の5チーム(9人編成で45人)が参加して「職域親善将棋大会」として行われました。
    この職域戦は、数年で断ち切れになりましたが、親善と交流を目的に「支部・市役所対抗戦」が年末に行われています。
       ☆☆名寄支部12月の行事☆☆

    • 12月 2日(土)  第22回子ども将棋教室
    • 12月 9日(土)  第23回子ども将棋教室
    • 12月16日(土)  第37回支部・市役所対抗戦
       ※会場は、駅前交流プラザ「よろーな」(東1南7 ℡01654-9-4607)です。

    将棋サイト「詰将棋専門学校」を覗くと、一度は解くべき古典詰将棋の名作。実戦形から妙手連発!とありました。
       棋聖と言われた江戸時代の棋士・天野宗歩の弟子 松本董仙著・「董仙詰め物集」の短編7手詰で、いかにもありそうな実戦形から華麗な手筋連発で詰みます。。



       詰手順は、▲1二飛△同香▲3三銀△同玉▲1一角▽3二玉▲4三金打ちまで。(詰上がり図)
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