影絵劇 竹取物語 第三幕
推奨BGM【カッチーニのアヴェマリア
田部京子】このアレンジは彼女のために書かれたもの。楽譜の見た目よりむちゃ難しい曲。
御所にお帰りになった後も、帝はかぐや姫のことが思い出され、美しいご婦人方の所へもお通いにならず、お一人で過ごされて おられました。
そして、かぐや姫のもとへお歌を詠んでお送りになるのでした。
姫からのお返事もさすがに細やかに情愛をこめられておりました。
こうして三年ほどが過ぎた春の始め、かぐや姫が月を眺めて物思いに沈んでいる姿が見られるようになりました。
八月十五日が近づくにつれ、月を見て酷くお泣きになるのを見て翁が尋ねました。
(翁)姫、どうして、そのように悲しんでおられるのですか。
(姫)私はこの世の者ではありません、月の人間です。
故あってこの世に来ましたが、とうとう帰る時が来てしまいました。今月の十五日に、迎えの人々がやって来ることでしょう。
直ぐにBGM 開始 推奨BGM【Sad Traveler 旅愁】
イントロが始まってから
このことが帝のお耳に届き、驚いた帝は、すぐに役所にお命じになりました。
メロディが始まってから
(帝)すぐさま兵を集めよ。二千の兵で囲むのじゃ。何人たりとも入れてはならぬ。
1 もしできれば、時間をかけて、兵が続々集まる様子が欲しい
2 背景:沢山の兵に囲まれた屋敷 3,翁、かぐや姫
1 2 3 と場面が変わる
(翁)やれやれ、沢山の兵に守られ、これで一安心じゃ。
(姫)このような準備をしても、彼の国の人を相手に戦うことはできません。みな、戦おうという気持ちを失ってしまうからです。
私はどうしても月の都へ帰らねばならぬ定めなのでございます。
BGM、フェイドアウト
推奨BGM【 天空の城 ラピュータ】王林琳
時間はたっぷりあるので、ゆったり演じること
そうこうしているうちに夜も更けたころ、あたりがまばゆく光り始めました。
そして大空から沢山の人が雲に乗って降りてきました。
上から雲が降りてきて下に消える。少し時間をおいて天人現れる
(天人)姫、お久しぶりでございます。 お迎えに参りました。
こう言って、アマの羽衣と不死の薬の入った壺を姫に渡そうとしました。
(姫)しばし待て。
羽衣を着れば、心がこの世界の人とは違ってしまう。
一言、言っておかねばならないことがあった。
姫は天人を押しとどめ、ミカドへ差し上げるお手紙を書き始めました。
(姫)このように大勢の人をお遣わし下さって引き留めて下さいましたが、帰らなければならないことが残念でございます。
私はこのような面倒な身でございます故、お側にお仕えできなかったことを無礼な者とお思いになってしまわれることが気がかりでございます。
今は、もうこれまでと思って帝をしみじみと思い出しております。
かぐや姫は頭中将を呼び出し、和歌に不死の薬壺を添えて帝へ託します。
また、嘆き悲しむ老夫婦には着物と手紙を渡しました。
そして月の使者にアマの羽衣を着せられたかぐや姫は、今までのことを全て忘れて月に帰って行きました。
ゆっくり、ゆっくり 天に昇ってゆく。
少しずつ小さなサイズで上昇してゆく。
BGM ゆっくり フェイドアウト。