アンクルKの他愛もない話

人形劇・影絵劇の台本 BGMを操作しながらナレーター気分になってお楽しみ下さい。

風采の最高点と販売

カエルの面を見ただけでどれだけ跳べるか、あるいはセールスマンの顔を見ただけで、どれだけ販売できるか、はっきり判るものではない。

しかし、一方風采と販売実績との間には密接な関係があるというのも、疑いのない本当のことである。

ニューヨークにある大会社で販売部長をしている友人がこんな話をしてくれた。

彼がまだ、ほんの駆け出しの頃、ある日、販売会議で人物評価考査をやってみた。

彼は社員を一人ずつ呼び出し質問し、もう一人の試験員は、めいめいの風采を検査した。

例えば、セールスマンの靴が磨いてないと五点引かせた。もし、ネクタイが曲がっていると、また減点させた。もし、手をポケットに入れていたらこれもまた減点の対象にした。このようにして得点一覧表を作ってみて、驚くべきことが発見された。

風采や態度で最高点をとった者が、販売上でも最高点をとっていた。

彼が言うには、『こんな些細なことに気をつかうことが、大切だということにその時気づいたのです。もし、風采と販売とが両両(ふたつとも)相持つものであるとすれば、これを大切な味方としておかねばならない。これには私をはじめ、社員たちも同意した。』

これは実際その通りだった。それが社員をして立派なセールスマンとならしめた。これは、皆が風采に少しばかり気を配ったがためであった。

 

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