戦え!
数年前のことであるが、ある雑誌記者が忘れることのできない一つの論説を書いた。今ここで取り上げたと同じ題目で『戦え!』というものであった。嘗てのナショナル金銭登録機王、ジョン・H・パターソンが未だ若い頃、特許権侵害だとか、労働問題だとか、競争者との経緯だとか、その他いろいろ厄介な問題で苦境に陥ったことがあった。
パターソンは最良の弁護を依頼しようと使いをマサチュセッツに送った。そして南北戦争の豪傑であって、不愛想な態度と率直な忠告で有名な弁護士に依頼することができた。弁護士はデートンに到着した。彼はパターソンと共に事件を徹底的に調査した。彼はパターソンに『戦え!』とただ一語の忠告を与えた。彼はパターソンに忠告料一万弗の請求書を送った。
彼は戦った。彼は強烈に戦った。彼に刃向かうすべての人に対し、すべての事柄に対して戦った。しかも、立派な戦士のように最後の勝利を占めた。
販売に打ちのめされたセールスマンが、私のところによくやってきて、何か忠告を求める際には、私はよくこの話をしてやる。─― 『戦え!』と。 その結果はいつも決まっている。ちょうど太陽が明日の朝、東方に昇るように間違いのない結果が得られた。
戦え ―─ 万事思うにまかせず不利であるときに。
戦え ── 競争者が得意先を強奪したときに。
戦え ── あなたが一瞬時も耐えられないときに。── 戦え!
戦う者には一種独特の心理が働く。戦う気概のある者には、ある種の運命が前途を約束する観がある。
病気や失敗でがっかりしている人が、絶対的な敢闘と、盲目滅法の格闘で出世した多くの例を私は見ている。もし人が何ものかを激しく追及して、それに向かって十分力闘すると、何ものかが助けてくれるものだという真理を誰も論駁することは出来まい。
だから … 戦え!