アンクルKの他愛もない話

人形劇・影絵劇の台本 BGMを操作しながらナレーター気分になってお楽しみ下さい。

三つの人間類型

世間にはちょっと風変わりなお客や、時には桁外れの人達もいる。セールスマンはその人たちのことを簡単に厄介なとか煩いと片づけてしまう。

心理学者はこのようなむずかし屋のことを三つに分類している。

一つはスキゾイド型、浮動性の人である。といっても精神的欠陥があるとかではなく、むしろかえってその反対の人である。

二つ目はサイクロイド型、この型の人は概して不機嫌な気分の人が多く、その気分が当にならない。ある時は温和しくて、馬鹿にあいそがよく好ましい人物である。かと思えば、次の瞬間はまるっきり逆の、怒りっぽく、にが虫屋に急変する。

最後のものは、つむじ曲がりである。これに属する人はざらにいて、右といえば左というように扱いにくい。彼らは非協力的である。反対する、それも反対せんがために反対するのである。

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この三種の難物をどう扱ったらよいか。彼らに反対してはいけない。喧嘩をしてはいけない。毛嫌いしてはいけない。只、彼らの性格を理解(のみこむ)ことである。

私の知人の頭抜けたセールスマンがこう言ったことがある。

『私はお客をすべて子供だと思って見ていますよ。幼い子供が何から何まで判ってくれようはありませんから、判ってくれないからといって我慢が出来ないことはありません。大目に見てやりますよ。同情の心を持ちます。万事を胸に畳み込んでいます。お互い苦労人じゃありませんか。少しは世の中を知った者ですから。これが今迄の生涯で私が厄介な連中を取り扱ってきたコツです。そりゃあ、全く骨折り甲斐のあることなんです。』

 

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