アンクルKの他愛もない話

人形劇・影絵劇の台本 BGMを操作しながらナレーター気分になってお楽しみ下さい。

過ぎたるはなお…

私の友人がある小売店のマネージャーを引き受けた時、その店の大きな部門の一つがよい成績ではなかった。彼はその原因を見つけ出さねばならなかった。

この部門の部長は経験のある婦人でなかなかの手腕であった。彼女と顧客の関係は申し分ないものであった。が、彼はその部長には他の仕事を与え、その跡に経験のない若い男を据えた。まるで山積みの林檎の馬車をひっくり返すようなものだった。しかし、六か月の間に新部長の下で、前任者が二年でやった以上の成果を出したのであった。

『そもそもの初めから、私は前任の部長が顧客とあまりに友達付き合いが過ぎることが、悩みの種であると考えていた。』と友人は説明した。

『これはセールスマンが陥りやすい極ありふれた欠点です。セールスマンがあまりに友情的になりすぎると失敗するものです。』

『セールスマンがお客と親しい友人関係になると、万事互角に考えるようになる。そうなると、問題が起きた時に、いいじゃないか友達のよしみだ、我慢しておけ。ということになりがちです。のみならず、一向に販売に努力しようという気力がなくなる。彼は単なる注文取りになり下がる。』

『一方、お客の方では他の本気で仕事に従事して、一所懸命なセールスマンと取引を新にすることになります。だから、親しくも礼を失わない良い友人になることです。』と彼は説明してくれた。

過ぎたるは及ばざるにしかずである。

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