アンクルKの他愛もない話

人形劇・影絵劇の台本 BGMを操作しながらナレーター気分になってお楽しみ下さい。

人は兎にも角にも

私の知っている最も欲のない人が述懐していうには、『私は、いつも大欲でなくてはならないと今でも思っている。私が商売の道に入ってから、買い物する客という客は残らず自分からだけ買い物をしてくれるとよいと思った。私は全部独占したいと思った』と話し出したのである。

このような打ち明け話は、興味深い、味のある話である。

『もし、私が独り占めで販売できるならば、何人かのセールスマンと分け合うよりも、客へのサービスも一層よくなると考えました。』

『手始めにどういうことをなさいましたか。』

『私という人間がどうしても無くてはならない大切なものと思わせました。これは最初に注文を受けた時から始めて来ました。お客がこれ迄に他から受けた親切以上に親切にしようと努めました。結局、それがよかったのですね。』

df多くの人はこんなことはしない。次にお出でになるまで忘れてしまっている。そのお客が再びお出でになる時まで打っちゃりっぱなしである。

『われわれが、ある人に重要だと思われている時には、その人を好きになっているものです。そして、人に対して、自分が重要となっているかを試す一番たやすい手段は、その人にちょっとした頼みごとをしてみることです。私は時々助言を求めてみました。どなたか紹介して下さる方はございませんかと頼んでみる。』

『そんなことは、勿論、あなたにとっては頭の悪い奴のする証拠だとお嗤いになるでしょうね。』

笑う、嗤う、哂う、听う、咲う

 

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