アンクルKの他愛もない話

人形劇・影絵劇の台本 BGMを操作しながらナレーター気分になってお楽しみ下さい。

販売は誰でもできる、しかし

ある戦闘的なセールスマネージャーが、その部下を販売会議に招集した。部下達はいつもの会議と高をくくっていたが、マネージャーは今度は不意打ちで一つ面食らわそうと用意していた。

『今日以降は』と彼は切り出した。

『販売に対しては一切の報酬を払わないことにする。諸君が新規の客筋を開拓したことに対してのみ報酬を払うこととする。諸君は誰でもお得意の製造者である。お得意を製造することが多ければ多いほど、諸君の収入が多いことになる。』

『販売は誰でもできる。しかし、新規のお客を作り出し、それを維持していくことが本当のセールスマンなのである。』と一同に言いわたした。

この会社は新しい報酬制度を考え出し、新規のお得意を獲得し、これを続けさせていくセールスマンには、大々的にボーナスを贈与することもその条項に加えた。

客はセールスマンに何物かを求めている。客は彼が頼りになることを求めている。信頼に足るサービスを希望している。また、世間や業界の情報を得て、これを利用して、利益の増進や、仕入れの物品に対して一層の満足感を得ようと希(こいねが)っている。

今、ほんの少し考え方を変え、お客のことやお客を喜ばすことを考え出すと、セールスマンは何物にも優り処世上に堅固な位置を得られ、その上、巨額の金融の道が開けてくるようになる。

▲一番上に

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