アンクルKの他愛もない話

人形劇・影絵劇の台本 BGMを操作しながらナレーター気分になってお楽しみ下さい。

何かおろそかにしていないか

昨晩、五百人の従業員をかかえるある会社の高級セールスマンが、最も有効で最高の販売をした手段方法について、極めて手短に話をしてくれた。

それは、毎晩、『私はいったい、誰を、何を恐れているのか』と自問自答することだった。

続けて彼はこう言った。

『というのは、私達は一番よいところだけを抄いあげる。それが習慣になり易いものです。あらゆる部門の品を販売しているとなると、えてして、その部門の一部の商品しか売らないような、きまり型になり易いものです。』

『また、もし、広い担当広域で仕事をするときには、買いそうな客先ばかりを漁りだして、商売の資源をおろそかにしがちになるものです。あるいは、売り場にたっているときは、特に、商品を見せて著しく売上を増加させることなどをおろそかにするものです。』

私はいったい、誰を、何を疎かにしているのか。』私は、この問いを何度も自問自答してみた。

『そうすると、私は、当然なすべきことをしていないということ、当然訪問すべき人を訪ねていないということがわかってきました。』と言って話を打ち切った。

このように、自分で自分に課したこの種の法則を実行するには、勇気を要するものである。わたしたちは、当然なさなければならないことを、心の中ではわかっていても、いざとなると、自分を欺いたり、申訳をいったりして時間を浪費するものである。

もしも、セールスマンがこの勇気を身につけたならば、ひとかどの立派なセールスマンになるであろう。

▲一番上に

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