プロ野球-巨人列伝 ('90-'99)

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    '90年 (平成2年) の巨人

    清原和博 (22歳) 西武入団 5年目成績 / 巨人クリーンナップ & エース

    巨人 優勝 (藤田元司監督)  / 130試合 (勝)88 (敗)42 (分)0 (勝率).677

    開幕からトップを独走。原動力は20勝を挙げて連続最多勝&防御率1位の斉藤を筆頭に宮本、桑田、木田、香田と5人が2ケタ勝利。
    前年故障の尾を引く槙原を登板間隔をあけてつぎ込めるほどの充実した投手陣。さらに、打撃陣は盗塁王の緒方、犠打のリーグ新記録の川相、
    大怪我から復帰した吉村も持ち前の打撃力を取り戻した。しかし、2位広島に22ゲーム差、リーグ史上最速優勝がアダになり、
    圧倒的強さで独走Vも、日本シリーズで自慢の投手陣がデストラーデに粉砕され、西武に4連敗とあっけなく終戦。



    (3番 中堅) クロマティ 試合 117 本塁打 14 打点 55 安打 132 打率 .293

    (4番 左翼) 原辰徳 (31歳) 試合 103 本塁打 20 打点 68 安打 111 打率 .303

    (5番 右翼) 吉村禎章 (27歳) 試合 84 本塁打 14 打点 45 安打 68 打率 .327

    (9番 投手) 斎藤雅樹 (25歳) 試合 27 (勝敗S)20-5-0 (防)2.17


    (西武 / 4番 一塁) 清原和博 (22歳 / 推定年俸 6,800万円) 試合 129 本塁打 37 打点 94 安打 134 打率 .307


    '91年 (平成3年) の巨人

    清原和博 (23歳) 西武入団 6年目成績 / 巨人クリーンナップ & エース

    巨人 4位 (藤田元司監督)  / 130試合 (勝)66 (敗)64 (分)0 (勝率).508

    開幕の中日戦で、槙原、斉藤で連敗し暗雲が漂うと、その後も先発陣の不安定なピッチングが続き、自慢の投手陣が壊滅状態に。
    投手陣崩壊はチーム全体に陰りを落とし、クロマティの退団により、"リーダー不在"となった打線は、本塁打、打点ともにリーグ上位に入りながら、
    ここぞの場面での凡退が目立った主砲・原に批判が集中。終始低迷したチームの中で、最多16勝を挙げた桑田、2年連続2ケタ勝利を挙げた宮本、
    三番に定着し打率.314の駒田、攻守に光る活躍を見せた川相が数少ない明るい話題。



    (3番 一塁) 駒田徳広 (28歳) 試合 130 本塁打 19 打点 66 安打 160 打率 .314

    (4番 左翼) 原辰徳 (32歳) 試合 127 本塁打 29 打点 86 安打 122 打率 .268

    (5番 中堅) ブラッドリー 試合 121 本塁打 21 打点 70 安打 124 打率 .282

    (9番 投手) 桑田真澄 (23歳) 試合 28 (勝敗S)16-8-1 (防)3.16


    (西武 / 4番 一塁) 清原和博 (23歳 / 推定年俸 1億円) 試合 126 本塁打 23 打点 79 安打 121 打率 .270


    '92年 (平成4年) の巨人

    清原和博 (24歳) 西武入団 7年目成績 / 巨人クリーンナップ & エース

    巨人 2位 (藤田元司監督)  / 130試合 (勝)67 (敗)63 (分)0 (勝率).515

    開幕から槙原、桑田の連続完投勝ちで波に乗るかと思いきや、4月中盤から黒星が先行し、ほぼ6位が定位置に。
    大不振の原因は、前年の勝ち頭、桑田の大誤算。大型連敗のほとんどが桑田の乱調・黒星から始まっている。
    この沈滞ムードを払拭したのが西武から移籍してきた大久保。正捕手として抜擢されると同時に、チームも連勝がスタート。
    "大久保が打てば負けない"という神話まで出来た。しかし、前半戦大活躍の大久保も失速。
    監督が全幅の信頼を置いてきた桑田の背信が、この苦難のシーズンを象徴。



    (3番 中堅) モスビー 試合 96 本塁打 25 打点 71 安打 103 打率 .306

    (4番 一塁) 原辰徳 (33歳) 試合 117 本塁打 28 打点 77 安打 119 打率 .272

    (5番 右翼) 駒田徳広 (29歳) 試合 130 本塁打 27 打点 64 安打 155 打率 .307

    (9番 投手) 斎藤雅樹 (27歳) 試合 25 (勝敗S)17-6-0 (防)2.59


    (西武 / 4番 一塁) 清原和博 (24歳 / 推定年俸 1億円) 試合 129 本塁打 36 打点 96 安打 134 打率 .289

    '93年 (平成5年) の巨人

    清原和博 (25歳) 西武入団 8年目成績 / 巨人クリーンナップ & エース

    巨人 3位 (長嶋茂雄監督 / 57歳)  / 131試合 (勝)64 (敗)66 (分)1 (勝率).492

    13年ぶりの監督復帰も、連勝、連敗の繰り返しで全く波に乗れず、長嶋監督にとっては誤算だらけのシーズン。3年ぶりV奪回を逃した最大の要因は打撃陣。
    チーム打率.238は両リーグ通じてもワースト。四番・原が不振に陥り、さらに故障の連続。明るい話題は、松井がセ・リーグの高卒ルーキー新記録の11本塁打を放ったことくらい。
    打線の大不振で、シーズンを通じて常に"勝率5割前後の戦い"に終始。シーズンオフ、首脳陣との確執もあり駒田がFA宣言して横浜に移籍。



    (3番 二塁) 篠塚利夫 (35歳) 試合 66 本塁打 4 打点 23 安打 70 打率 .337

    (4番 三塁) 原辰徳 (34歳) 試合 98 本塁打 11 打点 44 安打 77 打率 .229

    (5番 左翼) 吉村禎章 (30歳) 試合 94 本塁打 8 打点 43 安打 84 打率 .270

    (9番 投手) 槙原寛己 (29歳) 試合 28 (勝敗S)13-5-0 (防)2.28


    (西武 / 4番 一塁) 清原和博 (25歳 / 推定年俸 1億2,800万円) 試合 128 本塁打 25 打点 75 安打 120 打率 .268


    '94年 (平成6年) の巨人

    清原和博 (26歳) 西武入団 9年目成績 / 巨人クリーンナップ & エース

    巨人 優勝 (長嶋茂雄監督 / 58歳)  / 130試合 (勝)70 (敗)60 (分)0 (勝率).538

    打線テコ入れのため、'93年オフから導入されたFA制度により落合 (中日)を獲得。迎えた開幕戦、三番・松井と四番・落合の"MO砲"アベックアーチが飛び出し、
    投げても斉藤が完封勝利。4月を13勝6敗で終え、開幕ダッシュに成功。8月に入ると、連勝、連敗の繰り返しで不安定な戦いが続き、楽勝ムードから一転、中日に追いつかれる。
    ついに中日と史上初の両チーム同率の最終決定戦"10・8"に持ち込まれる。しかし、この土壇場の試合を槙原ー斉藤ー桑田の三本柱の豪華リレーで中日打線を抑え、
    打線は落合、松井らの4発で援護と総力戦で劇的V。ケガ人続出の死力を尽くした戦いで、長嶋監督は17年ぶりに胴上げ監督に。



    (3番 右翼) 松井秀喜 (20歳) 試合 130 本塁打 20 打点 66 安打 148 打率 .294

    (4番 一塁) 落合博満 (40歳) 試合 129 本塁打 15 打点 68 安打 125 打率 .280

    (5番 中堅) コトー 試合 107 本塁打 18 打点 52 安打 96 打率 .251

    (9番 投手) 桑田真澄 (26歳) 試合 28 (勝敗S)14-11-1 (防)2.52


    (西武 / 4番 一塁) 清原和博 (26歳 / 推定年俸 1億6,600万円) 試合 129 本塁打 26 打点 93 安打 127 打率 .279


    '95年 (平成7年) の巨人

    清原和博 (27歳) 西武入団 10年目成績 / 巨人クリーンナップ & エース

    巨人 3位 (長嶋茂雄監督 / 59歳)  / 130試合 (勝)72 (敗)58 (分)1 (勝率).554

    開幕2試合目のヤクルト戦に先発した前年MVPの桑田が、完封目前で飯田に頭部死球を与えて危険球退場。急遽登板の橋本らが痛打され、逆転負け。
    開幕戦で斉藤に完封されていたヤクルトは息を吹き返し、結局これが独走を許すきっかけに。さらに追い打ちをかけるように桑田が右ひじ痛でリタイア。
    投手陣は斉藤が最多勝 (18勝)に最多奪三振 (187)の投手2冠と孤軍奮闘したが、他の投手はそろって不調で、最後まで桑田の穴を埋めることはできず。



    (3番 右翼) 松井秀喜 (21歳) 試合 131 本塁打 22 打点 80 安打 142 打率 .283

    (4番 一塁) 落合博満 (41歳) 試合 117 本塁打 17 打点 65 安打 124 打率 .311

    (5番 左翼) 広沢克己 試合 131 本塁打 20 打点 72 安打 107 打率 .240

    (9番 投手) 斎藤雅樹 (30歳) 試合 28 (勝敗S)18-10-0 (防)2.70


    (西武 / 4番 一塁) 清原和博 (27歳 / 推定年俸 2億5,000万円) 試合 118 本塁打 25 打点 64 安打 99 打率 .245


    '96年 (平成8年) の巨人

    清原和博 (28歳) 西武入団 11年目成績 / 巨人クリーンナップ & エース

    巨人 優勝 (長嶋茂雄監督 / 60歳)  / 130試合 (勝)77 (敗)53 (分)0 (勝率).592

    7、8月は連続月間MVPと夏場から本領発揮した松井が完全開花し、11.5ゲーム差からの大逆転劇の原動力に。
    また、3度目の最優秀防御率&最高勝率の斉藤は16勝で5度目の最多勝も獲得。ガルベスも16勝で同時受賞。
    広島、中日と三つ巴のまま9月を戦い、粘る中日には最後まで苦しめられたが、10月6日に直接引導を渡して優勝し、"メークドラマ"完結。



    (3番 右翼) 松井秀喜 (22歳) 試合 130 本塁打 38 打点 99 安打 153 打率 .314

    (4番 一塁) 落合博満 (42歳) 試合 117 本塁打 17 打点 65 安打 124 打率 .311

    (5番 中堅) マック 試合 127 本塁打 22 打点 75 安打 142 打率 .293

    (9番 投手) 斎藤雅樹 (31歳) 試合 25 (勝敗S)16-4-0 (防)2.36


    (西武 / 4番 一塁) 清原和博 (28歳 / 推定年俸 2億4,000万円) 試合 130 本塁打 31 打点 84 安打 125 打率 .257


    '97年 (平成9年) の巨人

    清原和博 (29歳) 巨人入団 1年目 クリーンナップ & エース

    巨人 4位 (長嶋茂雄監督 / 61歳)  / 135試合 (勝)63 (敗)72 (分)0 (勝率).467

    開幕戦で3年連続完封勝利を飾っていた斉藤がヤクルト相手に登板するも、広島を自由契約になった小早川に3連弾を浴び、敗戦。
    前年にヤクルトを6勝無敗とカモにしていた斉藤だけに、チームにとっても衝撃は大きかった。劇的な試合もあった。
    4月6日のヤクルト戦で右ひじの手術から復活した桑田が"KKコンビ"、清原の移籍初ホームランとなる援護弾もあって683日ぶりの勝ち投手に。
    33億円補強で西武から清原、ロッテからヒルマンを獲得したが、接戦にとにかく弱く、まさかのBクラス転落。



    (3番 中堅) 松井秀喜 (23歳) 試合 135 本塁打 37 打点 103 安打 144 打率 .298

    (4番 一塁) 清原和博 (29歳 / 推定年俸 3億6,000万円) 試合 130 本塁打 32 打点 95 安打 115 打率 .249

    (5番 右翼) 広沢克 試合 126 本塁打 22 打点 67 安打 120 打率 .280

    (9番 投手) 槙原寛己 (33歳) 試合 25 (勝敗S)12-9-0 (防)3.46


    '98年 (平成10年) の巨人

    清原和博 (30歳) 巨人入団 2年目 クリーンナップ & エース

    巨人 3位 (長嶋茂雄監督 / 62歳)  / 135試合 (勝)73 (敗)62 (分)0 (勝率).541

    投手陣は先発に斉藤、桑田、ガルベス、槙原の4人と豪華な布陣だったが、7月に入って大きくつまずく。打線は好調ながら先発投手が振るわず、
    抑えに槙原を回したが大味な試合が多く、なかなか有効な起用ができない。
    さらに、7月31日の阪神戦で、そこまで5連勝のガルベスが判定へのイライラから審判団にボールを投げつける暴挙で、無期限の出場停止。
    8月に入って、桑田が復調し5勝を挙げて月間MVP、打線も松井が34本塁打、100打点で初の打撃タイトル2冠獲得も、時すでに遅く、3位に終わった。



    (3番 中堅) 松井秀喜 (24歳) 試合 135 本塁打 34 打点 100 安打 142 打率 .292

    (4番 一塁) 清原和博 (30歳 / 推定年俸 3億3,000万円) 試合 116 本塁打 23 打点 80 安打 103 打率 .268

    (5番 右翼) 高橋由伸 (23歳) 試合 126 本塁打 19 打点 75 安打 140 打率 .300

    (9番 投手) 桑田真澄 (30歳) 試合 27 (勝敗S)16-5-0 (防)4.08


    '99年 (平成11年) の巨人

    清原和博 (31歳) 巨人入団 3年目 クリーンナップ & エース

    巨人 2位 (長嶋茂雄監督 / 63歳)  / 135試合 (勝)75 (敗)60 (分)0 (勝率).556

    打線では松井、高橋は好調を維持していたが、清原がさっぱり。5月5日の阪神戦で左手甲に死球を受け、戦線離脱。
    6月には右ヒザじん帯損傷で、最終的には自己ワーストのシーズン。投手陣は新人・上原が20勝で沢村賞をはじめ投手タイトルを総ナメ。
    抑えの槙原は、ここ一番で痛打を浴びる試合が多く、途中から桑田にチェンジ。しかし、桑田も思うような結果を残せず。
    松井が'89年の中日・落合以来となる日本人選手の40本塁打(42本)を記録したが、ヤクルトのペタジーニの44本には届かなかった。



    (3番 中堅) 松井秀喜 (25歳) 試合 135 本塁打 42 打点 94 安打 143 打率 .304

    (4番 一塁) 清原和博 (31歳 / 推定年俸 3億3,000万円) 試合 86 本塁打 13 打点 46 安打 62 打率 .236

    (5番 右翼) 高橋由伸 (24歳) 試合 118 本塁打 34 打点 98 安打 143 打率 .315

    (9番 投手) 上原浩治 (24歳) 試合 25 (勝敗S)20-4-0 (防)2.09




  1. 巨人3連覇以上のシーズン
    '65年 '66年 '67年 '68年 '69年 '70年 '71年 '72年 '73年 (前人未到9連覇 / 川上哲治監督)

    '07年 '08年 '09年 (3連覇 / 原辰徳監督)

    '12年 '13年 '14年 (3連覇 / 原辰徳監督)



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