利用規約
更新履歴
コンタクト
フォトギャラリー
TOP
プロフィール
業績
本の紹介
リンク
北欧文学の訳者10選・10へ
北欧語を独学するための本10選・2へ
北欧語を独学するための本10選・1
著者・編者
尾崎義
タイトル
スウェーデン語四週間
出版地・出版社・出版年
大学書林、1955
ISBN
9784475010153
紹介
 20世紀前半以前のスウェーデン文学が読みたい、という人にお勧めの参考書。日本語で書かれた貴重なスウェーデン語学習本で、著者の尾崎義は、「北欧文学10選・1」のラーゲルクヴィスト『バラバ』の訳者であり、「北欧文学の訳者10選・1」で紹介した人でもあります。いつもこの人が最初に来てしまうのは、それだけこの人の果たした役割が大きいのでしょう。尾崎さんご自身に関しては、「訳者10選・1」をご覧ください。
 『スウェーデン語四週間』は、英語と、できればドイツ語と、更にできればフランス語ができる人が、北欧語を独学して、古い時代のスウェーデン語を読むのに適した参考書です。スウェーデン語は、1960年代に、敬称の廃止など大きな変化があったので、現在のスウェーデンに行って、スウェーデン人とスウェーデン語で会話するには、全然適していません(外国人が候文で話しているような感じになってしまう)。逆に、現在のスウェーデンで話すことを目的に作られた参考書で勉強しても、古典文学が読めるようにはなりません。
 わたしがいた研究室では、先生方も学生たちもは全員ドイツ文学者で、留学するまで北欧語は独学でした。卒業論文はドイツ文学を扱い、スウェーデン文学を始めたのは修士課程に進学してから。大学院入試終了後にこの参考書で北欧語の学習を始めて、4か月くらいかかって(『四週間』なのに!)一冊終わらせ、その後は、オンラインで読めるスウェーデン語の文学作品を読んでいました。つまり、この一冊を読めば、とりあえず古典文学作品を読み始めてみられる、そういうレベルの参考書です。
 まず文法全体を概観した後、それぞれの文法項目ごとに詳しい説明があります。割と早い段階で、ラーゲルレーヴとストリンドベルイの対訳が出てきて解説がある、という形式になっています。当然、未習事項も入っていますが、そこは頑張って補ってね、というスタンス。実践的です。
出版社HP
http://www.daigakusyorin.co.jp/book/b11326.html