お客が損すりゃ業者は儲かる

仕組みの解明と適切な後始末を

FXは金融商品取引法第2条第22項に定められた 合法「のみ行為」 なのですよ   従って、FXとはお金を払って遊ばせてもらうゲーム・娯楽・合法賭博 であって、パチンコのように儲かる時もあるが業者はお客が損した分が売上・利益になるので、所詮、投資・資金運用の対象とはなりません   もしも、皆が儲かれば業者は破綻します    アマチュアエコノミスト TANAKA1942b が経済学の神話に挑戦します     アマチュアエコノミスト TANAKA1942b です 好奇心と遊び心をもって浮世の世事全般を経済学します           If you are not a liberal at age 20, you have no heart. If you are not a conservative at age 40, you have no brain.――Winston Churchill    30才前に社会主義者でない者は、ハートがない。30才過ぎても社会主義者である者は、頭がない。――ウィンストン・チャーチル       日曜画家ならぬ日曜エコノミスト TANAKA1942bが経済学の神話に挑戦します     好奇心と遊び心いっぱいのアマチュアエコノミスト TANAKA1942b が経済学の神話に挑戦します    FXとは金融商品取引法第2条第22項第に定められた合法のみ行為です       アマチュアエコノミスト TANAKA1942b が経済学の神話に挑戦します

2011年11月1日

FXに関する最新ページはこちら
戦後最大の金融事件は進行中
▲http://www7b.biglobe.ne.jp/~tanaka1942b/fx-10.html


投資・資産運用として取引している
1-1 <OKWabeでの興味深い問答> 2009年4月に大腸がんの手術(上行結腸癌ステージ3B)を受けて毎週更新していたホームページも休んでいた。体力は落ちているが好奇心は旺盛。そんな時、 ネットサーフィンをしていて面白いページを見つけた。OK Wabeで「FX業者はどのようにして利益をあげているの?9」と題してhirosi3氏がFXの仕組みを解明している。 そこでhirosi3氏は「FXはパチンコと同じようにお客が損した分が業者の収益になる」と主張している。筋は通っているので、氏の論理を借用しながら「FX、お客が損すりゃ業者は儲かる」を展開していくことにした。最後までのお付き合いのほど、よろしくお願い致します。(引用文の赤字青字はTanakaが指定)
1-2 <FXの一般的な説明> FXとはどういうものか?まず一般的な説明から始めよう。
 FX(Forex(Foreign exchange)「外国為替証拠金取引」)とは外国の通貨(為替)を買売して、利益を出す取引のこと。例えば、「1ドル=100円」のときに100万円で10,000ドル買い、円安で「1ドル=110円」になったら、これを110万円で売り、10万円の利益を得る。あるいは、「1ドル=100円」のときに100万円で10,000ドルを売り(空売り、持ってなくても売れる)、「1ドル=90円」になったら、90万円で買い戻し10万円の利益を得る。
 もっとも「1ドル=100円」のときに100万円で10,000ドル買い、円高ドル安になったので、「1ドル=90円」の時に売って10万円の損をすることもある。
 FX業者と会員登録をして、インターネットで取引をする。25倍のレバレッジがあって実際の4%の資金を保証金にして取引する、上の例で、「1ドル=100円」のときに100万円で10,000ドル買うのに必要なのはその4%の資金、4万円。 2011年8月では約1億5,500万円の取引が行われている。
1-3 <FX業者の説明> FX取引を始めるには業者の会員として登録することになる。そこで、業者がどのように説明しているか、業者の「契約締結前交付書面」から引用しよう。
 外国為替証拠金取引とは、事前に取引金額の一部を証拠金として預託した上で差金決済による外国為替の売買を行う店頭デリバティブ取引( ▲金融商品取引法第2条第22項▲)に該当する取引で、売買の目的となっている通貨の売戻しまたは買戻し等をした時の差金の授受によって決済する事ができる取引)をいいます。(サイバーエージェント)
 外国為替保証金取引とは、事前に取引金額の一部を保証金として預け入れた後に行う店頭金融先物取引(金融商品取引法第2条第22項第1号に該当する取引で、当該売買の目的となっている通貨等の受渡し決済もしくは売戻し又は買戻しをしたときは差金の授受によって決済することができる取引。)で、常に約定日の2営業日後の日を決済日とし、かつ、決済日に反対売買等の決済取引を行わない場合には、自動的に当該決済日が翌営業日に繰り延べられる特約がついたものをいいます。(外為どっとコム)
 本取引は、お客様が所定の証拠金を当社に事前に預け入れることにより、通貨の売買取引を行う店頭外国為替証拠金取引(金融商品取引法第2条第22 項に規定する店頭デリバティブ取引のうち同項第1号に規定する取引)であり、当該売買の目的となっている通貨の新規の売りもしくは買い、これらに対する決済の売りもしくは買いによる差金の授受によって決済する取引です。本取引にはこの決済による売買損益の他にスワップポイントによる損益が発生します。(DMM)

1-4 <何を期待してFXをやっているか?> 株取引と同じように、資産運用・投資・投機としてFXをやっている。それは掲示板やOK Wabeでの問答を読めば分かる。「ゼロサムゲームなので、損する人もいれば儲ける人もいる。業者は手数料収入なので会員の損得には関係ない。」このように考えていて、市販のFX解説書もそのような趣旨で書かれている。
1-5 <FXのメリット> ●24時間できる。株取引と違って月曜日の朝から土曜日の早朝まで取引ができる。●レバレッジがきいていて資金の25倍の売買ができる(4%の資金で売買できる)。●手数料が安い。非くりっくでは手数料との名目では無料にになっている。
 こうしたことも初心者が参加しやすい要因と言われている。
 このような意見もある。
 「レバレッジによってリスクの大きいFXですが、外貨預金や外貨建てMMFの代替として活用してみるのもよいでしょう。他の外貨運用に比べ手数料の低いため外貨運用に比べ金利の高いものであれば外貨建MMFと比べても有利です。」▲マネックス証券且ミ長・松本大『資産運用はじめてBOOK 2012年度版』
1-6 <金融商品取引法第2条第22項> FXが法的根拠としている金融商品取引法は次の通り。
 「金融商品取引法」第二条22  この法律において「店頭デリバティブ取引」とは、金融商品市場及び外国金融商品市場によらないで行う次に掲げる取引(その内容等を勘案し、公益又は投資者の保護のため支障を生ずることがないと認められるものとして政令で定めるものを除く。)をいう。
一  売買の当事者が将来の一定の時期において金融商品(第二十四項第三号の二及び第五号に掲げるものを除く。第三号及び第六号において同じ。)及びその対価の授受を約する売買であつて、当該売買の目的となつている金融商品の売戻し又は買戻しその他政令で定める行為をしたときは差金の授受によつて決済することができる取引
1-7 <店頭デリバティブ取引> 「店頭取引」とは、東京証券取引所・金融商品取引所のような取引市場によらず、取引当事者同士が取引条件を決めて取引すること。ある瞬間に100円で取引されたり、100円1銭で、100円2銭で取引されることもある。FXでは業者が会員個別に違ったレートを配信することもある。「デリバティブ取引」とは、為替・通貨の取引=現物取引ではなく、そこから派生される取引であり、為替・通貨の受け渡し、その代金の受け渡しも行わず、つまり実際には為替・通貨の売買は行わず、売ったつもり、買ったつもりで、差額を取引取引すること。
 「金融株取引は商品市場及び外国金融商品市場によらないで行う取引」とは、金融商品取引所・インターバンクなどによらない取引。会員が10万ドルの買い注文を出すと、同業他社・カバー銀行・インターバンク・東京、大坂金融商品取引所などに取り次がず、業者自身が取引相手となって取引を行う取引。商品先物取引法で規定されている「のみ行為」です。「差金決済」とは、実際には為替・通貨の売買は行わず、決済取引の後に差額を授受する取引。株取引は仲介取引・受渡決済です。
1-8 <商品先物取引法第212条>「のみ行為」を禁じている商品先物取引法は次の通り。
 (のみ行為の禁止)第二百十二条 商品先物取引業者は、商品市場における取引等の委託又は外国商品市場取引等(外国商品市場取引若しくはその委託の媒介、取次ぎ若しくは代理又は外国商品市場取引のうち商品清算取引に類似する取引の委託の取次ぎ若しくはその委託の媒介、取次ぎ若しくは代理をいう。以下この章において同じ。)の委託を受けたときは、その委託に係る商品市場における取引等をしないで、自己がその相手方となつて取引を成立させてはならない。
 「商品先物取引法」で禁じている「のみ行為」を「金融商品取引法」で合法としている。つまりFXは「合法のみ行為」

契約締結前交付書面
 株取引では業者は手数料収入だが、FXでは会員が損した分が業者の売り上げになる。従って、皆が儲かれば業者は破綻する。くりっく365では取引手数料を取り破綻を防ぐ。非くりっくでは会員全てのポジションを把握している業者のコンピュータが会員には独自のレートを配信し、破綻を防ぎ売り上げを確保する。
 このように説明すると、次のような反論が出る。「FXも株取引と同じように手数料収入だ。会員が損しようが得しようが業者には関係ない。業者は会員同士の仲介をしているだけだ。さらに、レートはどこも同じ。特にくりっくなどは取引所取引なのだから、操作できない。」と。
 そこで、この説明をするために業者の「契約締結前交付書面」を利用して話を進めることにしよう。はじめに「契約締結前交付書面」とはどういうものか、から始めよう。
2-1 店頭デリバティブ取引は、その取引の仕組みやリスクが取引所において行われる取引所金融先物取引や外貨預金等とは異なるため、その取引にあたっては本取引説明書および約款等を十分に読み、それら内容をご理解頂き、かつ承諾頂く必要がございます。(みんなのFX)
2-2 第1条(本約款の趣旨) 本約款は、お客様とヒロセ通商株式会社(以下、「当社」といいます。)との間で行うインターネット店頭外 国為替証拠金取引(以下、「本取引」といいます。)に関する権利義務関係を明確にするために定めた取り決め です。お客様は本取引を行うにあたり、本約款に同意するものとします。(LION FX)
2-3 お客様が、本約款・取引規定、別紙の「店頭外国為替証拠金取引説明書」(以下「取引説明書」という。)を十分理解し、それぞれに規定したルールに従って取引行うことを同意された場合のみ、当社はお客様との取引を行うものとする。 お客様は、当社から説明を受けた、本約款第2条第1項に定義する本取引の特徴、取引の仕組み等取引に関する内容を十分把握し、お客様の判断と責任において本取引を行うものとする。(外為オンライン)
2-4 店頭外国為替証拠金取引は、その取引の仕組みやリスクが外貨預金・外貨建MMF、その他の金融取引や取引所において行われる取引所金融先物取引とは異なっています。従って、取引をされるにあたっては、約款および本取引説明書を十分に読み、それらの内容ならびに下記の事項を十分に理解し、かつ異議なく承諾して頂く必要がございます。(サイバーエージェント)
2-5 私は、貴社より「店頭外国為替証拠金取引説明書」、「店頭外国為替証拠金取引約款」、「取引所外国為替証拠金取引説明書」、「取引所外国為替証拠金取引口座設定約諾書」、「取引所外国為替証拠金取引規程」を受領し、店頭外国為替証拠金取引、取引所外国為替証拠金取引の仕組み、リスク、および貴社の提供する店頭外国為替証拠金取引、取引所外国為替証拠金取引の内容等について理解の上、私の判断と責任において店頭外国為替証拠金取引、取引所外国為替証拠金取引を行います。(GMOクリック証券)
2-6 店頭外国為替証拠金取引約款・規程集のこの約款(以下「本約款」) は、契約者ご本人 (以下「お客様」) が、株式会社外為ジャパン (以下「当社」) との間で行う店頭外国為替証拠金取引 (以下「本取引」) に関する権利義務関係を明確にするための取り決めです。お客様が、店頭外国為替証拠金取引約款・規程集(「本約款」・「オンライン店頭外国為替証拠金取引規程」)及び金融商品取引法第37条の3の規定による契約締結前交付書面にあたる店頭外国為替証拠金取引マニュアル(「店頭外国為替証拠金取引のリスク等重要事項について」「オンライン店頭外国為替証拠金取引ガイド」「店頭外国為替証拠金取引の概要・リスクについて」「外国為替証拠金取引行為に関する禁止行為」「個人情報の取り扱いについて」「株式会社外為ジャパンの概要について」)の書面内容を最後まで十分に読んでいただき、本取引の特徴、仕組み、内容、危険性等を十分に理解した上で、お客様の責任と判断で本取引を行う必要があります。つきましては、当社に本取引口座を設定するに際し、金融商品取引法その他の関連法令及び社団法人金融先物取引業協会の規則等を遵守するとともに、次の各条に掲げる事項を承諾していただくものとします。なお、本約款における用語の意義は、本約款の第1条(定義)において定めるところとします。(外為ジャパン )

2-7 FXは株取引とは違う点が多い。そこで監督官庁は、「契約締結前交付書面」により十分な説明をするように指導している。しかし会員になる人はこれを読んでいない。読まず、理解せずに勝手な思い込みでFXを始めている。その勝手な思い込みで、OK Wabeなどで株取引と同じような、資産運用の手段になるかのように教えている。「契約締結前交付書面」の性質を理解していただいたうえで、話を続けることにしよう。
 ポイントは「相対取引」「差金決済」「レートは業者が決める」の3点だ。
株取引は仲介取引、FXは相対取引
各業者の「契約締結前交付書面」から引用。(2011.11.01)

3-1 相対取引(あいたいとりひき) 金融取引業者がお客様に対する取引の相手方となる取引。店頭取引ともいう。(DMM)
3-2 お客様と弊社が行う取引については、店頭相対取引として行うものであり、弊社が表示する通貨等の売付けの価格と買付けの価格とに差(スプレッド)がある事。(サイバーエージェント)
3-3 株式会社外為オンラインの店頭外国為替証拠金取引は、私と同社との相対取引であり、為替レートが他の情報(テレビやインターネット等)とは必ずしも一致しないことを理解しています。(外為オンライン)
3-4 お客様の取引の相手方は当社(相対取引)となっており、取引所取引とは異なりますので、契約締結前交付書面をよくお読みいただき、内容をご理解の上、ご自身の判断によりお取引ください。(LION FX)
3-5 店頭デリバティブ取引に係るご注意 本取引は、金融商品取引法において不招請勧誘禁止の対象となっている店頭デリバティブ取引であるため、お客様より事前に要請がない限り訪問・電話による勧誘はできない取引です。(フォーランドフォレックス)
3-6 相対取引(あいたいとりひき) 取引所などを介さず、売り手と買い手が直接に取引すること。銀行対銀行、銀行対顧客といった1対1の取引。取引価格も、取引の方法も、当事者同士の交渉によって決まる。OTC(Over The Counter)。(パートナーズFX)
3-7  取引価格 当社が会員ページにおいて表示している店頭外国為替証拠金取引に係る各通貨 の価格は、インターバンク市場に参加している当社のカバー取引先から提供さ れる最新の価格を参照し、当社がお客様向け取引レートとして算出したもので す。(GMOクリック証券)
3-8 本書面における店頭外国為替証拠金取引は、お客様に一定の証拠金(委託証拠金)を当社に担保として差し入れていただき、契約時の約定代金と決済時の約定代金の差額のみを受け払いする差金決済又は当社所定の決済方法による決済が行われる取引で、当社との相対(店頭)取引であり、取引所(市場)取引ではありません。(マネックスFX)
3-9 店頭外国為替証拠金取引の性質と信用リスク 株式会社サイバーエージェント FX(以下「弊社」といいます。)が提供する店頭外国 替証拠金取引は店頭デリバティブ取引です。従って、インターバンク(銀行間)を含む全ての店頭外国為替証拠金取引は相対取引(OTC=Over The Counter 取引)によって行われます。弊社は、店頭外国為替証拠金取引に関してお客様のカウンターパーティ(取引の相手方)として行動する事になり、弊社とお客様との間の取引は、証券取引や取引所先物取引とは異なる独自の規制に基づいて管理されます。そのような性質から OTC 取引においては、契約の締結や取引の実行は、当事者同士の信頼に依存する部分が取引所取引と比べてより高くなります。従って、お客様には店頭外国為替証拠金取引を開始される前に、取引の性質とリスクについてのご理解をお願い致します。(サイバーエージェント)
3-10 「FXブロードネット」は私と貴社との相対取引であり、為替レートが他の情報(テレビやインターネット等)とは必ずしも一致しないことを理解しています。(FXブロードネット)
 相対取引リスク FXブロードネットはお客様と当社との相対取引であり、当社の信用状況によっては損失を被る危険性があります。また、当社が提示する為替レートは他の情報(テレビやインターネット等)とは同一ではなく、不利な価格で成立する可能性もあります。(FXブロードネット) (T注 FX業者が取引の委託を受けたとき、その委託に係る商品市場における取引をしないで、その注文を呑み込んで自己がその相手方(お客様に対する取引の相手方=お客のカウンターパーティ)となって取引を成立させること。即ち「のみ行為」)▲商品先物取引法 ▲ウィキペディア

3-11 <相対取引とは==取引およびそれに関する利害関係は業者と会員の2者で完結する>
(1)個別の会員と業者とで取引が成立し、第3者は関与しない。カバー銀行も、同業他社も、マリーも、DDもNDDも関係ない。DD業者とかNDD業者と言う人もいるが、FXはインターバンク取引は行わないので、関係ない。株は「仲介取引」。
(2)個別の会員と業者とで取引条件を決める取引。個別の会員に違ったレートを配信することもある。買うと下がり、売ると上がる、とか、ある瞬間に買った人向け下に長い髭、売った人向け上に長い髭、様子見待ちの人向け変化なし、すぐに統一等。これら違法ではないし、業者の説明とも矛盾しない。株は「取引所取引」。
(3)個別の会員と業者との利害が、相対する取引。会員の損した分が業者の売り上げ。多くの会員が儲けると破綻の恐れ。なのでカバー取引が必要。儲けは期待できない。株は「仲介取引」手数料収入。
 相対取引であるということは、取引およびそれに関する利害関係は業者と会員の2者で完結するということだ。1万ドルの買い注文が成立しても、業者は銀行とか、他の会員から何かを仕入れたりはしない。会員の損失は業者の売り上げとなり、会員の儲けは業者の損失となる。ゼロサムゲームという言葉を使うならば、株取引は会員同士のゼロサムゲームであり、FXは会員と業者のゼロサムゲーム。会員皆が儲かれば業者は破綻する。そこで、くりっく365の業者は取引手数料を取り、非くりっくはレートを操作して破綻を防ぐ。つまり、業者と会員との利害も「相対する」ということだ。
 株取引のような取引所での取引は、取引所がルールを定め、会員すべてがそのルールで取り引きし、また、取引所が取引の保証をする。これは、江戸時代の大坂堂島米会所での消合場 が原型で現在はクリアリング・ハウスと呼ばれている。相対取引はこれがないので、当事者同士のローカル・ルールが支配する。従って、取引所での取引である株取引や金融先物取引とは違うルールが適用されることを知っておく必要がある。
3-12 <相対取引なので業者は個別にレートを配信する>  外国為替市場では、株式市場のように「特定の場所」での取引は行なわれません。いわゆる取引所を介さずに、金融機関など当事者同士が、売り手と買い手となり、相対(一対一)で交渉し、値段、数量、決済方法などの売買内容を決定する取引方法のことを、相対取引といいます ▲朝日新聞社 kotobank 出典:(株)外為どっとコム
 朝日新聞社・ 外為どっとコムの説明に従えば、FXが相対取引ということは、それぞれの会員が業者と相対(一対一)で交渉し外国為替を売買する。時にはA会員は1ドル77円で買い、B会員は1ドル77円03銭で買い、C会員は1ドル77円05銭で買うような場合もあるかも知れない。その場合は業者が各会員の指値に応じたか、業者がそれぞれの会員に違ったレートを配信していたということだ。業者がわざわざ「相対取引ですよ」と断るのは「言い難いのですが、これは相対取引なので、すべての会員に同じレートを配信するとは限りませんよ。その辺を分かってください」と言っていると理解するのが良いでしょう。もしも常に会員すべてに同じレートを配信していたら、相対取引の要件である「相対(一対一)で交渉する」に外れることになる。
 「買うとすぐ下がり、売るとすぐ上がる」と言う不満には「各会員に違ったレートを配信しています」ではなく「当社のサーバー、通信回路などの状況、あるいは相場の急激な変動により、情報が正しく伝わらない、というリスクがあることを承知してください」という趣旨の、ちょっと違った口実・言い訳を用意している。

3-13  実際の取引とは  業者が「米ドル100円で買いませんか?」とのレート配信にA会員が「1万ドル買います」と応じると、業者はその注文を呑み込んで、他に取り次ぐことなく、その注文を記録するだけ、決済注文で「1ドル101円で売りませんか?」にA会員が応じると、初回取引と決済取引の差額、1万円がA会員の口座に振り込まれる。この間、A会員は1ドルも受け取らないし、業者は1ドルも用意する必要はない。つまり、業者は日本円だけで商売して外国為替は扱わないで商売できる。これが取引の実際。同じ時、米ドル100円で買ったB会員がなかなか上がらないので「1ドル99円で売りませんか?」に応じると、差額がB会員の口座から業者の口座に移る。同じ時に101円で売る人、99円で売る人が出ることもある。業者が個別の会員に違ったレートを配信することがあるからだ。それを「店頭取引」とか「相対取引」と言う。 この取引、違法ではないし、業者の説明とも矛盾しない。

株取引は受渡決済、FXは差金決済
各業者の「契約締結前交付書面」から引用。(2011.11.01)

4-1 決済に伴う金銭の授受 差金決済のみ可能で、外国通貨による受渡はできません。(DMM)
4-2 お客様は反対売買による差金決済を行うことにより、当該お取引を決済することができます。 (フォーランドフォレックス)
4-3 差金決済(さきんけっさい)  現物の受渡を行わずに、反対売買による差金の授受によって決済すること。(DMM)
4-4 当社におけるお客様との決済は差金決済のみ可能で、お客様の取引口座への入出金によって行います。外国通貨による受渡はできません。(みんなのFX)
4-5 受渡決済(うけわたしけっさい)  先物取引やオプション取引の決済期日に、原商品とその対価の授受を行う決済方法をいいます。取引所為替証拠金取引においては、受渡決済は行われません。(サイバーエージェント)
4-6 差金決済 決済は、ポジションの反対売買時に取引の結果生じた差損益金の受払いを行う「差金決済」という方式により完了します。反対売買により発生した売買差損益金は、預託証拠金の残高に反映します。 (外為ジャパン )
4-7 店頭外国為替証拠金取引(「LION FX」)「LION FX」とは、インターネット環境で行う店頭外国為替証拠金取引の名称です。店頭外国為替証拠金取引とは、一定の資金を取引業者に預けることにより少額の資金で大きな取引を行うことができる取引をいい、その決済方法は、約定代金(想定元本)の受渡を伴わず、買った通貨を転売もしくは売った通貨を買戻すことで、売買の差額のみを決済する差金決済となっております。(LION FX)
4-8 (差金決済) 本取引にかかわるお客様のポジションについて、お客様が任意にこれを反対売買することができることとします。この場合、当社はお客様の売付総代金から買付総代金を控除し、お客様の本取引口座において預託証拠金に振替えます。益金がある場合は預託証拠金に加算し、損金がある場合、または、取引手数料が発生した場合は預託証拠金をもって充当します。これによってお客様の預託証拠金の額が増減することを、お客様はあらかじめ了承するものとします。(外為ジャパン )
4-9 「差金決済」による最終決済とは、売買が相殺方向にある同一通貨ペア、同一決済期日、売買同額取引の対価側売買価額の相殺による決済方法で、お客さまから決済すべき取引(複数)のご指定をいただくことにより、その売買損益を当該商品の取引口座に記帳します。 「受渡決済」による最終決済とは、通貨の約定総代金の受払いによる決済方法で、当該取引につきお客さまより受渡決済指定をいただいた上で、お客さまとの通貨の受渡を行います。当社は、お客さま支払通貨価額のお客さま取引口座への入金確認後、その対価をお客さまの取引口座に振込むこととします。お客さまから受渡決済の注文を頂いた場合、お客さま支払通貨価額は、受渡決済の指示に先立ち当社指定の金融機関口座にご入金いただく必要があります。受渡決済の注文は、発注後如何なる場合にも取消すことはできません。(セントラル短資)
4-10 差金決済(さきんけっさい)  先物取引やオプション取引の決済にあたり、原商品の受渡しをせず、算出された損失または利益に応じた差金を授受する決済方法をいいます。(サイバーエージェント)(T注 FX業者が取引の委託を受けたとき、その注文を呑み込んでその委託に係る商品市場における取引をしないで、自己がその相手方となつて取引を成立させ、つまり原商品(為替・外国通貨)の受渡しをせず、決済取引が完了した時点で、算出された損失または利益に応じた差金を授受する決済方法。即ち「のみ行為」)▲商品先物取引法▲ウィキペディア

4-11 差金決済で現物(原商品・為替・外国通貨)の受け渡しを行わない、ということは、会員が1万ドルの買い注文を出しても業者は銀行とか、他の会員から何も買ってこない。仲介取引ではない。会員は1万ドルはおろか1セントも受け取らない。「買った人がいるということは、売った人がいるということ」はFXの仕組みを理解しようとしない人の発想だ。このことからも「会員の損は業者の売り上げ」「皆が儲かれば業者は破綻する」「FX、お客が損すりゃ業者は儲かる」がハッキリする。
為替レートは各業者が独自(勝手)に決める
各業者の「契約締結前交付書面」から引用。(2011.11.01)
5-1 買値や売値は、当社が、当社のカバー取引先となる金融機関等が提示する価格を参考に提示します。(マネックスFX)
5-2 テレビやインターネットなどの情報と当社の価格とは異なる場合がありますことをご了承ください。(FXブロードネット)
5-3 「外国為替レート」とは、インターバンク市場における取引価格を参考として、当社が独自に提示する価格をいいます。(DMM)
5-4 当社は、お客様に提示するアスク価格及びビッド価格をカバー先の提示する価格により通貨ペア及び市場の状況に応じて決定します。(DMM)
5-5 お客様は、当社に対し、外国為替市場の取引レートに基づいて当社が提示する外国為替レート以外の外国為替レートを主張できないことをあらかじめ了承するものとします。(外為ジャパン )
5-6 株式会社外為オンラインの店頭外国為替証拠金取引は、私と同社との相対取引であり、為替レートが他の情報(テレビやインターネット等)とは必ずしも一致しないことを理解しています。(外為オンライン)
5-7 (外国為替レート)お客様は当社に対し、外国為替市場の取引レートに基づいて当社が提示する外国為替レート以外の外国為替レートを主張できないことをあらかじめ了承するものとします。(DMM)
5-8 (外国為替レート)お客様は当社に対し、外国為替市場の取引レートに基づいて当社が提示する外国為替レート以外の外国為替レートを主張できないことをあらかじめ了承するものとします。(FX24インターネット取引)
5-9 「外国為替レート」とは、主要な外国為替市場における主要な外国為替銀行間の外貨の円換算による取引価格及び外貨換算による取引価格を参考として、当社が提示する価格をいいます。(外為ジャパン)
5-10 (外国為替レート及びスワップポイント) お客様が当社との間で行う本取引にかかわる外国為替レート及びスワップポイントについては、外国為替市場の取引レートに基づいて当社が提示する外国為替レート及びスワップポイントが適用されるものとします。(外為ジャパン )
5-11 お客様はカバー先金融機関から提示されるレートの他に、複数のインターバンク市場参加者から配信されるレートを参考に、当社独自の基準に基づいて当社が提示するレートで取引を行います。(外為どっとコム)
5-12 相対取引リスク FXブロードネットはお客様と当社との相対取引であり、当社の信用状況によっては損失を被る危険性があります。また、当社が提示する為替レートは他の情報(テレビやインターネット等)とは同一ではなく、不利な価格で成立する可能性もあります。(FXブロードネット)
5-13 当社は顧客に提示する売付け価格を当社カバー先から供給される価格に応じて、通常0PIPから5PIP下の価格で決定し、買付け価格を同じく0PIPから5PIP上の価格で決定します。(FXブロードネット)
5-14 「FXブロードネット」は私と貴社との相対取引であり、為替レートが他の情報(テレビやインターネット等)とは必ずしも一致しないことを理解しています。(FXブロードネット)
5-15 お客様と当社のお取引には、当社の提示する為替レートを使用いたします。当社の提示する為替レートは、複数のカバー先から提示されたレートをもとに市場の状況等に応じて当社によって決定されます。そのため、新聞やテレビ等のメディアの報道で普段目にする為替レート(以下、「市場レート」)とは必ずしも一致するものではなく、市場レートや他社の提示するレートと大きく乖離することがあります。(外為ジャパン )
5-16 当社は通常、提携カバー先から配信された取引提示価格を参考にして、当社基準にて決定されたオファー価格とビッド価格を取引価格として提示します。オファー価格とビッド価格にはスプレッド差があり、オファー価格はビッド価格よりも高くなっています。ただし、当社提携カバー先にて取引提示価格が提示されない場合など、マーケットの状況によっては、上記の価格決定方法によらず、当社裁量によりオファーとビッドの価格を提示する場合があります。(セントラル短資)
5-17 ひまわりFXにおいて、外国為替証拠金取引は特定の取引所が存在するわけではなく、相対取引で個別に行われるため、お客様がテレビやインターネット等でご覧になる為替レートと当社で配信している為替レートとは異なる場合があります。 またシストレ口座、レギュラー口座、デイトレ口座はそれぞれ取引ルールや提示レート、スワップ金利、取引時間等が異なります。以上のことをご理解いただいていますか。(ひまわり証券)
5-18 提示レートが相場から乖離するリスク 当社の店頭デリバティブ取引サービスは、お客様と当社の相対取引であり、取引所取引ではありません。当社では、複数のカバー先からの配信レートをもとに当社で生成した独自のレートをお客様に提示しております。当社が提示するレートは、カバー先や同業他社が提示しているレートと一致するものではなく、当社独自の判断により、他社の提示するレートと大きく乖離することがあります。このため、同業他社のサービスを利用した取引と比較して損失が拡大したり、ロスカットが発生したりすることがあります。(みんなのFX)
5-19 当社は、SBI リクイディティ・マーケット株式会社がインターバンク市場の実勢外国為替レートを元に提示している為替レート(以下、「カバー取引為替レート」といいます。)に、一定の額を加減した為替レートをお客様に提示しています。なお、取引為替レートは常に買値と売値を同時に提示する「2-Way 方式」を採用しており、買値と売値は同じではなく差があります。また、カバー取引為替レートにおきましても、買値と売値で異なっております。(SBI FXα)
5-20 独自のレートを配信しているということは、会員の売り希望、会希望に基づいたレートではない、ということ。レートの直近に会員はいないかも知れない。買い希望を入れたとき他の会員から買ってくると言う人もいるが、このことからそれが不可能であることが分かる。
 カバー先銀行とも違うレートならば、カバー先銀行との取引も難しくなる。会員の売り希望、買い希望を業者に振るのは難しい。カバー取引も難しい。当然仲介取引はできない。
 カバー先銀行とかインターバンクという言葉を使うことによって、カバー先銀行を通じてインターバンクと取引するかのように思い違いさせる効果がある。
 Bid Ask という言葉を使うことによって会員の売り希望・買い希望に基づくレートであるかにように思い違いさせる効果がある。
 株取引は仲介取引、取引所取引、直物取引で受渡決済。それに対しFXは相対取引、店頭取引、デリバティブ取引で差金決済。そしてレートは業者が勝手に決めている。これをシッカリ理解すれば「FX、お客が損すりゃ業者は儲かる」が理解できるでしょう。

5-21  実際の取引とは  業者が「米ドル100円で買いませんか?」とのレート配信にA会員が「1万ドル買います」と応じると、業者はその注文を呑み込んで、他に取り次ぐことなく、その注文を記録するだけ、決済注文で「1ドル101円で売りませんか?」にA会員が応じると、初回取引と決済取引の差額、1万円がA会員の口座に振り込まれる。この間、A会員は1ドルも受け取らないし、業者は1ドルも用意する必要はない。つまり、業者は日本円だけで商売して外国為替は扱わないで商売できる。これが取引の実際。同じ時、米ドル100円で買ったB会員がなかなか上がらないので「1ドル99円で売りませんか?」に応じると、差額がB会員の口 座から業者の口座に移る。同じ時に101円で売る人、99円で売る人が出ることもある。業者が個別の会員に違ったレートを配信することがあるからだ。それを「店頭取引」とか「相対取引」と言う。
どのようにレートを操作しているのか
これに関しては企業秘密でハッキリしないが、それと思われる例を取り上げてみよう。
6-1 レートの長いヒゲ OK Wabeで「下図のような長いヒゲは」との質問があった。
 8月2日、誰もが「ドルは下落するだろう」と考えてドルを売って、下がったところで買い戻そうと考えてドルを売り、ショートポジションをとっていた。下落するしょっぱな、あのようにとてつもなく上がれば、ロスカット、逆指値、「早めの損切を」の教えに従って多額の損失が発生した。 その損失分は業者の収益となった。多くの人が多額の損失を蒙った。これで臆病になり、多額の資金を賭けるのをためらった。少しでも上がるとまた急騰するかも知れないと「早めの損切りを」の教えを忠実に守り、決済処理をしたであろう。結局一段落してみると、ドルは急落したにも関わらず、結局損切りが多く、勝負は負けであったろう。 複数の業者のレートがそうだった、ということはどの業者のコンピュータプログラムはうまくできていた。経営戦術は正しかった、ということだ。
 ドルが下落したので多くの会員が儲かっただろう、というのは浅い見方。業者は十分な作戦でレートを作成している。
 「FXはゼロサムゲームだから、損した人がいるということはどこかに儲けた人がいるはずだ」という主張によると誰もが、「ドルは下落する」と考えていた時に、乱高下を予測し、全保証金をロングポジションにかけ、あの一瞬に売り抜けた人たちがいる、ということになる。考えられません。「会員の損は業者の儲け」との考えの方が自然ですね。
 業者は「為替相場の急激な変動はさまざまな要因が考えられます」と変動要因の説明を用意していて、これで納得する人も多いだろうが、これはFXのレートであり、インターバンク市場のレートではない。非くりっく業者のレートはインターバンク市場のレートやカバー先のレートを参考に独自(勝手)にレートを作成しているので、インターバンク市場の変動要因の説明では不適当だ。
 質問者は理解できないようです。これからも業者に貢ぐことになるのでしょう。
6-2 ドル円 昨夜の一瞬異常な動きの理由 上の質問と同じような質問がある。 「ドル円 昨夜の一瞬異常な動きの理由これも多くの人が「ドルは下落する」と考えていたときに、一気に上昇させた、と考えると理解できる。
 質問者は理解できないようです。これからも業者に貢ぐことになるのでしょう。
 このようにレートを一瞬下げて、すぐ元に戻し、ロスカット・損切りで業者の利益を確保するのを「FX業者のストップ刈り」と言うようだ。FXはインターバンクの動きに直接連動しているのではないからヘッジファンドなどには直接動かされないのですが、直接連動していると思っている人がいるので、業者はやりやすいでしょう。「FX業者のストップ刈り」はこの点を理解しています。
 スワップポイントがあるため、会員はロングポジションを維持する傾向にあり、業者は急激に上げるよりも急激に下げた方が収益確保に効果がある。(ロスカット・逆指し値・あわてて「早めの損切りを」の教えを忠実に守る)このため相場の動きは「下げの方が角度が急だ」と感じている人もいる。たとえば徐々にレートを上げて買いを誘い、すべての会員のポジションを見て、ある時急にレートを下げ、すぐに元に戻す。5分足でも捕らえられない位の短い時間ならば後で検証することもできない。
 「パニック売りはあっても、パニック買いはあまりない」と、結果的に業者を擁護する発言も出る。
6-3 「買えば下がる・売れば上がる・・FX会社に操作されているとしか思えませんこのような質問は多い。 「なぜ為替価格が一般投資家の考えた逆に動くの?
 多くの人が上がると考えてロングポジションをとっているときに、急激に下げて会員の損失を発生させ、業者の利益を確保する手段。しかしこれをやっていると会員の不信感を増大させ客離れを起こす。下手な手段だ。、
どのように思い違いしているか
 FXは株取引とは違って会員が損した分が業者の売り上げになる。従って、会員が儲かると業者は赤字になる。くりっくは赤字を防ぐために取引手数料を取る。非くりっくはレートを操作して会員に損をさせ、赤字を防ぐ。どのように操作しているかは企業秘密になるが、上記「下図のような長いヒゲは」はその典的な例と思われる。
 しかし「買えば下がる・売れば上がる・・FX会社に操作されているとしか思えません」や「なぜ為替価格が一般投資家の考えた逆に動くの?」などは会員に不信感を持たすという意味で下手なやり方と言える。
「9割が勝てないって本当の本当ですか!!!」とか「多数の方がFXで勝てない理由を教えてください。」とか「FXで勝ってる人って本当にいるのですか?」のような質問が出てくる。
 こうした疑問も「FX,皆が儲かれば業者は破綻する」の立場に立てば答えはすぐ出てくる。それが出てこないのは、勝手な思い込みで間違っているからだ。そこでどういう具合に間違えているのか、ネットの掲示板やOK Wabeを見て検討してみよう。
7-1 スプレッドが手数料になる 「スプレッドも取引回数が多ければ結構巨額の利益になる」との答えがある。たとえば「Bid80.00、Ask 80.02の時、80.20で買って、80.00で売ったとすれば、0.02の手数料がかかって、これが業者の利益になる」との説明。この説明は面白い。会員の損失が業者の利益になる、との説明になっている。ところが突っ込んで聞くとおかしくなる。たとえば「Bid80.00、Ask 80.02の時、80.20で買って、Bid80.05、Ask 80.07になった時に売ったすれば、会員は0.03の利益が出る。この利益は誰が負担したのか?」との質問を発すると「Bid80.00、Ask 80.02の時、80.20で買ったということは、業者が誰か他の会員から80.00で買って、 80.02であなたに売った。Bid80.05、Ask 80.07になった時に80.05で、売ったということは業者が他の会員に80.07で売ったのだから、業者は、それぞれの取引で0.02づつの利益を出した、ということ」と説明する。つまり、「会員の損失が業者の利益になる」との説明から「業者は手数料で利益をあげている」に変わる。
 SBI証券SBIFXαは手数料が無料でスプレッドだけを(証券会社の)利益としているので、取引所取引より少しの為替レートの上昇で利益が上がるのです。▲SBIグループ代表北尾吉孝(監修)『一目でわかる あなたの最適資産運用法2012年度版』▲
7-2 仲介取引=買った人がいるということは、売った人がいるということ 7-1で説明に困ると、相対取引から仲介取引に説明が変わる。FXが仲介取引でないということは、取引をしてみれば誰でもわかるはずだ。1万ドルの買い注文が成立して、何を業者からもらうのか?よく考えれば分かるはずだ。
 FXは相対取引であり会員と業者だけで取引が完結すること、差金取引であるので現物(原商品・為替・外国通貨)の受け渡しは行わない。株取引とは違う。
レートは業者が独自に(勝手に)つくるのだから、Bid、Askともに会員の買い希望、売り希望、に基づいた数字ではないので直近に誰もいないかも知れない。
 FX業者を「ブローカー」と呼ぶことがある。しかし業者はブローカー行為(斡旋・仲介)は行っていない。この言葉を使うことによって仲介をやっているかのように思い違いさせる効果がある。
7-3 カバー先から買ってくる 業者が独自に(勝手に)レートを 作っているのだからカバー銀行とレートが違う。会員の1万ドルの買い注文が成立しても保証金口座から資金は移動しない。その段階で業者がカバー銀行に資金を移動させるとは考えられない。
7-4 業者が会員の希望によりインターバンクで取引する 業者は会員からの資金を運用してインターバンクで取引する、との説明。保証金口座の資金は担保なので業者はこれを使わず、市場から米ドルを借りて売却して日本円を買い、買った円は貸し出す、との説明。 会員が知っているレートは業者が独自(勝手)に作ったものだからインターバンクでのレートと違う。
 日本のインターバンクでの取引の最小単位は100万ドル、それ未満の注文は扱わない。決済は日銀ネット(日銀の当座預金口座)で行われる。このためFX業者がインターバンクで取引することはない。数量がまとまったら大手の金融業者を通してインターバンクで取引するとの説明は、時間がずれていればレートが違うので会員の希望による取引ではなくて、自主取引ということになる。
 インターバンクで取引するとの説明は、会員の注文を業者がカバー銀行へ取り次ぎ、カバー銀行がインターバンク市場で取り引きし、銀行間取り引き(インターバンク市場)で機関投資家と取り引きすることになる、との説明だ。個人投資家の少額な注文も業者はまとめて注文するので高額な取引になる、と言う。レートは瞬間的に変わるので、Ask 83.77 が83.78, 83.80, 83.82と変わって、業者は83.82でカバー銀行に取り次ぐことだってあるだろう。そうすると、業者はカバー銀行から83.82で買い、会員に 83.77で売ることだってある。業者は赤字取引ですね。
 会員と業者はレバレッジの利いた差金決済、業者とカバー銀行はRTGSの受け渡し決済、会員の注文を取り次ぐには膨大な資金が必要になる。その資金量は「14-8 カバー取引のために用意すべき資金量は?」を参照して下さい。
7-5 為替に統一された価格がある  株と同じように為替も統一された価格があり、業者が独自のレートを作っているとすればそれは違反だ、との思い違い。FXは相対取引であり、レートは業者が独自に(勝手に)決めるので、正式な、統一されたレートなどはない、ということがわかっていない。
 FXは大きく分けて相対で行われる「店頭取引」、画一化されたルールで行われる「取引所取引」があります。
7-6 くりっくは取引所と取引する  FXは業者との相対取引であり、くりっくは取引所との相対取引であるとの勝手な思い込み。
 FX取引には店頭方式と取引所方式があります。店頭FXは投資家とFX業者が1対1で取引を行うもの、取引所FXは投資家と取引所が1対1で取引を行うもの。どちらも1対1というところは同じなのですが、取引の相手方がFX業者か取引所かの違いがあります。なお、取引所FXは東京金融取引所が扱っており、『くりっく365』というサービス名称で呼ばれています。
 さて、ここで株式取引の経験がある方は疑問に思うかもしれません。株式取引では、投資家同士の注文を証券取引所に集めてマッチングさせます。つまり取引の相手方は特定されないのです。証券会社は単に投資家の注文を取引所につないでいるだけで、取引の当事者にはなりません。しかしFX取引の場合は、FX業者か取引所が取引の相手方になるのです。これを相対取引(あいたいとりひき)と言います。この点もFX取引の大きな特徴と言えます。(FX取引入門 )
 取引所取引とは金融機関を通じて公設取引所と取引することをいいます。▲SBIグループ代表北尾吉孝(監修)『一目でわかる あなたの最適資産運用法2012年度版』
7-8 よく分からないけれど、株取引と同じだろう 多くの人がこういう考えなのだと思う。何か良く分からないけれど多くの人がやっているし、解説書も出ているし、もしかしたら儲かるのではないだろうか?と思ってやっている。「赤信号、みんなで渡れば怖くない」FX、みんなでやれば怖くない。「自己責任」ではなくて「他人任せ」。自分の責任ではなく、他人・社会の責任へ転嫁する。フレデリック・バスティアの言葉が思い出されます。
 「政府とは、他人に金を払わせ、自分だけが得をすると誰もが信じている虚構の制度である=Government is the great fiction through which everybody endeavors to live at the expense of everybody else.」
ベテランが初心者の疑問を潰している
FXをやり始めて初心者が疑問を持つ。それに答えてベテランが間違ったことを教え、初心者の自然な疑問を潰している。OK Wabeからそうした例を引用してみよう。
8-1 業者がレートを操作している
買えば下がる・売れば上がる・・FX会社に操作されているとしか思えません
なぜ為替価格が一般投資家の考えた逆に動くの?
相対のFX業者が提示するレートはユーザー毎に異なるのでしょうか?
FX レートはどのように決まるの??
買いポジションが増えると値が下がるのはなぜ?
証券会社が操作するレートとは?
某FX業者のスプ操作疑惑動画
*FXのチャートを2人でならべたら??
FXの裏を教えてください
サイトによる為替データの違い?
すべてのポジションは管理されている?
8-2 FX業者の利益
FX業者の利益について
FX業者の儲けって
FX業者の儲け・・・・
FXは客が勝つと証券会社が損をするんですか?
FX会社の利益はどこからでているのですか?
FXの手数料を取らない業者はどうやって利益を得ているの?
クリック証券スプレット0手数料0で、何で儲ける?
FX会社の相対取引について
FX取引のしくみが謎です
客が、為替取引で「1億円」の利益を出した場合、
FX取引業者はどうやって儲けてますか?
FX会社はどうやって儲けていますか?
FXでは顧客投資家が損すれば損するほど証券会社が儲かると言うメカニズムについ...
FX業者は客が損をすると儲かるのですか?
FX業者の儲け
FX業者は客が負けないと儲からない?
8-3 実際の売買
FXでの売買は実際の売買なんでしょうか
FXは本当の売買でないと聞いたのですが本当ですか?
FXは現物の現金を実際に動かしてるのですか?
8-4 稼いでいる人
FXX初心者だけど
FX取引で本当に稼いでいる人はいますか?
FXで年間、1億円以上コンスタントに稼いでいる人が
みなさん、毎年100万以上稼いでいるのでしょうか?
FXの実績
FXについて
多数の方がFXで勝てない理由を教えてください。
FXで勝ってる人って本当にいるのですか?
FXに関しまして。
なぜFXは9割が負けるのか?
FXって本当に儲かりますか?
なぜFXが儲かると思うのか(未経験者)?
FXって本当に儲かるの?

8-5 業者の取説である「契約締結前交付書面」を読まずに勝手な思い込みで間違ったことを教えている。無責任なことだ。
業者は「契約締結前交付書面」を読むように、と言っている
9-1 OK Wabeなどの回答(怪答?)<初心者の疑問を潰している>と題してOK Wabeでの問答を取り扱ってきた。誰も「契約締結前交付書面」を読んでいない。どの業者も「読んで、理解し、納得してから会員になるように」と書いている。
9-2 店頭外国為替証拠金取引は、リスクが大きく、大きな損失を被るおそれがあります。弊社で店頭外国為替証拠金取引口座を開設して頂くにあたっては、原則として次の要件を満たして頂く事が必要となります。 @ 店頭外国為替証拠金取引の特徴、仕組み及びリスク、並びに本取引の特徴、取引条件、仕組み及びリスク等について、約款及び本取引説明書を十分に理解し、かつこれらに異議なく承諾して頂く事。(サイバーエージェント)
9-3 店頭外国為替証拠金取引はリスクが大きく、大きな損失を被る可能性があります。当社では店頭外国為替証拠金取引口座を開設して頂く場合には、原則として次の要件を満たして頂くことが必要となります。 1. 店頭外国為替証拠金取引の特徴、仕組み及びリスク、ならびに本取引の特徴、取引条件、仕組 み及びリスク等について約款及び本説明書を熟読し承諾及び同意して頂くこと。(DMM)
9-4 本取引は、説明書にしたがって甲と乙とが相対で行う店頭外国為替証拠金取引である。 第4条(自己責任およびリスクの確認) 甲は、本取引を行うに際し、乙よりあらかじめ受領した説明書および本約款を熟読し、本取引の内容およびリスクを十分に理解したうえ、金融商品取引法その他の関係法令および諸規則を遵守し、自己の判断と責任において本取引を行うものとする。 2 甲は、次の各号に掲げる内容を十分把握し、承諾したうえで本取引を行う。 (1) 本取引は、甲と乙との相対取引であり、甲の乙に対する債権は、乙に対する他の一般債権と同等の立場にあること。(FX24インターネット取引)
9-5 店頭デリバティブ取引はお客様と当社の相対取引であり、取引所取引ではありません。(みんなのFX)
9-6 本取引は金融商品取引業者が金融商品取引法第2条第22項に規定する店頭デリバティブ取引のうち同項第1号に規定する取引に該当する通貨の売買取引である店頭外国為替証拠金取引にあたります。従って、本取引は取引所取引とは異なり、相対取引(お客様の注文を当社が受け手となり、それぞれが売り手と買い手となる取引)となります。相対取引ではお客様と当社の利益が相反することになりますので、当社ではお客様のポジションをカウンターパーティーでカバーします。(外為ジャパン )


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