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『OM-MF519を使った検証機』
設計について
-- 2020.1.25 --
AR-2の設計途上で様々な課題が出てきたため、設計自体が止まっていました。
いきなり設計~製作の流れにするのは、あまりにもリスクが大き過ぎると判断したためです。
その検証用として、シングルユニットによる検証機を作ることにしました。
検証対象の課題としては、以下の2つ。
1.やじろべぇ構造をキャビネットに展開した構造の実現可能性と、その際の課題抽出
2.キャビネットに付設したチューブ構造がローパスフィルタとして十分に機能するのか? またチューブに吸音材を入れる量によりどの程度のスチフネス・コントロールができるのか?
搭載ユニットは、MarkAudio製OM-MF519になります。
音友ムックの「おまけ」なのですが、せっかくなので自作コンテストに応募することにしました。
製作について
設計が完了しないうちにチョコチョコと作り始めないと〆切りに間に合わない状況なので、金属加工から製作をスタートしました。
金工用旋盤もない状況なので、市販している部品をベースに簡易ボール盤や電動ドリルなど手持ちの工具を最大限に利用して追加工することで進めました。
『製作トピックス』
カメラグリップの製作概要
-- 2015.5.3 --
オリンパスOM-D EM5のカメラグリップ製作記概要をPDFにまとめました。
『技術トピックス』
テクニクス SB-C700について
-- 2015.3.1 --
テクニクスブランドの復活。
リニアフェイズの復活ということも含めて記述してみました。
詳しくは、以下のPDFファイルをご覧ください。
市販デジタルスピーカーシステムの問題点
-- 2014.12.5 --
クラリオンから市販されている『01DRIVE』シリーズのHPを閲覧しました。
6層に分かれたボイスコイルを使い、デジタル信号で直接ドライブするとあります。
詳細は記されておらず、『Dnote』という信号処理技術を使うこと、D/Aやアナログアンプを使わず直接駆動することなどの表記しかありません。
Dnoteを調べてみましたが、シャフリングという非常に良いアイデアを採用したデジタル駆動システムの総称です。
発想自体は非常にすばらしいのですが、一つのボイスコイルに6層の独立したボイスコイルを巻く構造に問題があります。
詳細は、以下のPDFをご覧ください。
Audio Gate 3試聴記
-- 2014.03.16 --
AG3を使って色々試聴してみましたので、その傾向などを徒然に書いてみます。
まず、通常のPCMソースの再生ですが、AG2と同じと高を括っていましたが、比べてみると別物でした。
もちろん、AG2とAG3を切り替えての試聴です。
DACおよびドライバーは共通です。
大きく違うのは、空間表現。AG2が中心に寄った表現になるのに対し、AG3は距離感が明確になったイメージです。
映像的には魚眼レンズが標準広角レンズに変わって歪が無くなったと言えば良いでしょうか・・。
私にとっては良い方向に変わっているので、ホッとしました。
色々なCDリッピングソースを聞いているうちに、それが普通になってしまい、もうAG2で聴く気がしません。
AG3のソフトデコード機能ですが、44.1kHzサンプリングのCDリッピングソースをDSD5.6MHzで聞き比べてみました。
ちょい聴きはデコードしてDSDに変換したほうが高域の情報量が増えた分、楽器、特に打楽器や金管楽器の立ち上がりが良くなり、
輪郭が明確になって定位が改善した印象を受けましたが、ずっと聴いているうち、やたら疲れますし、不自然さが気になってきました。
元々DSDで記録されたソースをそのままDSDで再生した場合には、このような疲れや不自然さは感じません。
バッハ作曲トッカータとフーガのパイプオルガンを聴いた時に理由が分かりました。輪郭は明確になりますが、建物の中で音が徐々に消えていくような空気感は情報量が減るのです。
音源に関してはサインペンで縁取りしたようにクッキリしますが、そこから出た音が広がっていく状況は表現がスポイルされるということです。
以前、ソフトデコードと直線補間によるアップサンプリング手法について述べましたが、実感として裏付けられた形です。やはり創作物なのですね・・。
44.1kHzのPCMオリジナルモードで再生すると、エッジが鈍り帯域が狭くなったのが明らかに感じられますが、楽器から出た音が空間に広がっていく感じにホッとしました。
これは個個人の音(音楽)に対して求めるものの違いであり、帯域が延びたことを良しとする方もいらっしゃると思います。
当分、AG3ではオリジナルの再生に限定することにしました。
曲が変わる毎にControl PanelでDSDに設定し直さないとソフトエンコード/デコード(AG3)側だけがソースを検出(曲のエンドフラグを検出してリセット)
してPCMに戻ってしまうので、AG3とDACの不整合が起こり音が出なくなるのも理由のひとつですが・・。(ミュートが効いているので「プチ」というノイズだけです)
オリジナルの再生に関しては、PCM、DSD共にAG3での再生に満足しています。
聴覚の疲労について
久しぶりにネットを検索していたら、スピーカー再生技術研究会の2012年秋のアンプ・ブラインドテストに関する記事を見つけました。
以前、音工房Zの大山さんの記事に関連したものがあったのを思い出し、スピーカー再生技術研究会のHPの被検データを個人的に分析してみました。
許可を得ていないので具体的なデータは出せませんが、n数(母数)は9と小さいのですが単純正答率を累積正答率にすると傾向が明確に現れました。
累積正答率の計算式は、{(n回目の正答率)+(n+1回目の正答率)}÷2
ある時点での影響を次の被検データに反映させる訳です。
このデータから分かるのは、人間の聴覚疲労が短時間で生じるということです。
どんなに周囲の条件を整えても、「測定器である耳」が疲労という因子で変化してしまっているのです。
大脳生理学的に見ると視覚疲労や聴覚疲労は乳酸による筋肉疲労より回復が早いものの「刺激に対する順応」という現象が起こり、時間経過に伴って元の状態には戻らなくなります。
これはシナプスに疲労物質(記憶物質でもある)が蓄積することにより、細胞自体の損傷から自己防衛するものと考えられています。
そのままの感度(精度)を保持すると神経細胞が壊れてしまうと考えても良いと思います。
もちろん、神経細胞に至る前の感覚器である三半規管でも疲労は起きます。
経験上、短時間の試聴と休憩のメリハリをつけることで、ある程度は疲労劣化を防げますが、今度は間隔を開ける事で記憶が薄れてしまうという弊害が起きます。
また、疲労度については予想以上に個人差があるようです。回復速度も同様に個人差が大きいです。
リラックスしている時に聴いて、「あっ、この音いいな!」というファーストインプレッションがあったら、当たっている場合が多いのかもしれません。
失礼しました。
もう一度、スピーカー再生技術研究会のHPを訪問し、2012年秋のアンプ・ブラインドテストのレポート(主宰:鈴木茂氏稿)に目を通させていただきましたが、累積平均を求めて疲労に対する評価もされているようです。
当然、考慮されていたんですね。穴があったら入りたい・・。
ハイレゾ再生エンジンをAudio Gate 3に変更しました
-- 2014.02.23 --
昨年の秋にKORGのUSB-DAC『DS-DAC-10』を導入して以来、プレーヤーをfoober2000からAudio Gate 2(以下AG2)に変更しましたが、昨日、Audio Gate 3(以下AG3)にアップグレードしました。
実際にダウンロードして使ってみると、AG2とは別物!
iTunesとfoober2000の良いとこ取りという感じで、「待ってました!」というのがファーストインプレッションでした。
大きく違うのが、ジャケットです。
AG2がロボット的デザインでサイズも固定だったのに対し、AG3はデフォルトであるブルーのシンプルなものに加えて7種類のバリエーションを選択できて、かつ、サイズもフルスクリーンが可能になりました。
開発者は石井紀義さんという若い方で、シンプルなデザインとレイアウトにセンスを感じます。
以下に示すのは、従来のAG2のジャケットと背景に『waterfall』を選択したAG3のフルスクリーン表示です。
他の背景も選択してみましたが、表示文字の部分が背景のハイトーン部分と重なってしまい、「ちょっと見にくいな~」という感じでした。
まだ、音質評価はしていません。
業務用のDAWアプリ『Clarity』をベースにしているようなので、AG2と大差ないかもしれませんが・・。
ドライバーとの親和性は相変わらずで、PCMのプレイリストの後にDSDのプレイリストを再生しようとすると音が出ないので、慌ててUSB AUDIO DEVICE CONTROL PANEL(KORGより支給)でPCMからDSDに切り替える操作が必要です。
このあたりは、未だリリースされたばかりなのでAG2と同様、これからのアップリリースを期待しましょう。
『ARシステムについて』
AR-2概要
-- 2015.4.22 --
磁気フローティングの見込みが立ったこともあり、いよいよ全体像を考える段階に入りました。
AR-1での課題を考慮しながら、外観の完成度もあげたいという目標を設定して、いざデザイン図を作り始めると、自分のセンスの無さを痛感。
「かっこいい」より「理に適っている」デザインとならざるを得ませんでした。
それでもスケッチを3枚ほど描き、何とか許せる範囲のものがトップページに記載したものです。
デザインだけではなく、内部構造や組み立て工程もある程度は煮詰まってきています。
構想時点の内部構造図を以下に載せておきます。
AR-2の課題について
ユニットの振動がキャビネットに伝わることにより混変調歪が発生することは『歪みとエントロピーについて』で説明しました。
これを検証するためにAR-2の製作に着手します。
構想段階ですが、振動系保持構造とキャビネットについてを記述しました。
『歪みとエントロピーについて』を追加しました
キャビネットに伝わる振動により混変調歪が発生しますが、歪みをエントロピーの観点から説明しました。
元々、熱力学における不可逆性を表すために導入されたエントロピーについても記述しました。
サイレンサー構造追加改造の解説を追加しました
改造の技術的な根拠を等価回路を元に解説しました。
スチフネスの改善と音漏れという二律背反の課題をどうやって解決するか・・試行錯誤の毎日です。
サイレンサー構造追加改造の製作記を追加しました
検討結果により明確になったキャビネット後方からの音響放射の影響を削減するための改造を行いました。
まだ組み上げて十分な調整はなされていませんが、当初の目標は達成できたと思います。
詳細は『製作記』のページに記述してあります。
サブ・キャビネット後方開放の影響を確認しました
どうしても気になっていたサブ・キャビネット後方に開放部を設けている影響を確認しました。
簡易実験なので、いくつかの因子が重なっていて判断が難しいかと思いましたが、後方からの音圧による干渉の影響が大きい事が分かりました。
詳細は『技術情報』のページに記述してあります。
振動系のバランス保持構造のアイデアを新規登録しました
ヤジロベエ方式の振動系保持構造を吊り下げ型にするアイデアです。
次期試作機には取り入れてみようと考えています。
AR-1試作機の『製作記』をアップデートしました
不要振動の打ち消しを開発テーマにしたAR-1試作機の製作工程を公開します。
外観も特徴があると思いますが、音場再現性を追及した試作機ですので、本当は再生した音楽を聴いていただきたいのですが・・・

AR-1の製作過程については、pdfファイル『製作記』を参照いただくとして、今回の試作で苦労した点と今後の改善点を、ポイントを絞って列記しておきます。
1..積層合板の切り抜き
数多くの切り抜きが必要な事と、コストを抑えたかったため、加工性の良い針葉樹系の12mm積層合板を使いましたが、節抜けや割れが多く、却って張り合わせ後の補修に時間が掛かってしまいました。
また、補修した部分が目立ち、外観的にも質が落ちてしまいました。
急がば回れで、耐水ラワン合板を使うべきでした。
2.流線型のボディ部分の表面整形
左右で僅かながら形状の違いが出来てしまいました。
厚紙等で型紙を用意して、ガイドにしながら整形すべきでした。
3.変形ダクトの作成
『製作記』にも載せましたが、プリンの空容器を使って新聞広告をそれに貼り重ねる事で円錐台形状のダクトを製作しました。
貼り重ねた後、乾燥時に縮むので、どうしてもシワが出来てしまいました。
一気に重ねると乾燥に時間がかかるし、シワが出来るため、この部分も急がば回れで、少しずつ貼り重ねるのが大事であることに気付きました。