清少納言枕草子  流布のいきさつ

跋文 あとがき

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清少納言枕草子の流布のきっかけ。  どのようないきさつで世に流布され始めたのでしょか。
枕草子が世に出るには 源経房  という貴族が重要な役割を果たしています。 枕草子

清少納言

  <枕草子 世に流布するきっかけ >

「 左中将さまがまだ伊勢守と申されていた時 私の家にいらっ しゃいました。
私は部屋の端にあった畳を差し出したところ、 うっかりこの草子がその 上に載って出てしまいました。 
あわてて取り戻そうとしたけれど 左中将さまは草子をそのまま持っていってしまわれ、 ずいぶん経ってから返ってきました。
それ以後、 この草子が世に流布しはじめたようなのです 」
 と元の草子に書かれています。 
   (枕草子 跋文より)

跋文(ばつぶん)とは ・・・  後書きのようなもの。 但し本文の作者でない人が本文を引用しながら書く場合もあります。


清少納言さらに 清少納言は
「 まさか他人の目にふれることもないと思って 心おもむくまま色々と書きすぎてつじつまが合わなくなってしまった 」
とか 
「知った人に対して言い過ぎてしまったことを書いてしまったので こんな草子は隠すつもりだったのに 世間にもれてしまって困ったものだ」 
などと述べています。 

またさらに
  「 思っていたほど良くない  とか 作者の才能の程度が知れる  とか批判される でしょうが、 心に浮かんだことをたわむれに書いただけなのですから 世の立派な書き物と肩を並べるつもりなどありません」 
と つつましく述べています。
もともと世に出すつもりでなかった故に不十分な内容なので、 きっと批判されることもあるだろう  と言っているのです。

扇子 世の中にはやたら批判好きな人もいて 著者本人も予知した通り 枕草子の内容や清少納言についてあれこれ批判されることも時たまあるようです。
しかし もし批判するなら この跋文をよく理解してからにするべきと思われます。
しかし それ以上に 世に出て以来 なぜ多くの人々から愛読されてきたか をまず良く考えるべきではないでしょうか。

枕草子 <*> 枕草子の原本は残されていません。
上記にあるようなきっかけで一部が成立 流布し その後も加筆されて現在みられるような 「枕草子」 が成立していったと考えられています。

<*> 清少納言と紫式部は宮仕えの時期が異なり 顔を合わせたことも無かったとされます。
ただ紫式部は清少納言を批判する文を残しています。    おそらく周囲の人達みなが 枕草子をもてはやし愛読するので つい批判的な言葉を 書いてみたかった といったところではないでしょうか。


<*>
← 定子の肖像。
  清少納言の心の友であった若き中宮(天皇の后)。 

清少納言が文を残し始めたのは 仕えていた中宮(后)の定子から当時は高価だった 料紙 を下賜されたことからとされます。
この定子とはまるで運命的な出会い で定子なくしては枕草子は生まれなかったのです。

さまざまな不幸があって中宮定子は不遇に置かれることになります。   その定子が若くして死去するまで 清少納言は忠勤をつくし孤軍奮闘する のです。

清少納言が勝気な言動をするのは 不遇の中宮を守るためには自分が強く闊達に振舞わざる得なかったためと考えられます。

内実は  ”とても繊細で心に弱い一面を持つ人”   だったことが伺われます。
仕える定子のことや自身のことも  つらいことや悲しいことは一行も書けない  ということからそれが伺われますね。

現代でも日記を書く人の中にそんな人は少なからずいます。   楽しいことばかり書き残し つらいことや悲しいことは一行も書き残せない という 心の弱い人たちです。  表面的な振る舞いはともかく 繊細で心に弱い一面を持つ人でないと 清少納言を本当に 理解できないのかもしれませんね。
つばき

源経房
清少納言の家を訪れ ふと傍らにあった冊子を手に取り目を通すとなかなか面白いので無理矢理に持ち帰り 多くの写本 をとって世に流布させたのが 源経房  という宮廷役人です。
この源経房は枕草子を世に出す大きな役割を果たした人となります。 


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