枕草子 第一段 夏
夏は夜
月の頃はさらなり
闇もなほ
蛍の多く飛びちがひたる
まただだひとつふたつなど
仄かに光りてゆくもおかし
雨など降るもおかし
現代語訳例:
夏は夜が良い。 月の出るころはいっそう良い。 闇でも やはり蛍が多く飛び交っているのが良い。 また一つか二つが
仄かに光って行くのも趣がある。 雨など降るのも趣がある。
千年も前の清少納言の抱いた感覚は、 現代の私達と少しも変わりませんね。
平安期にしては、 歌ではなく 散文なのが清少納言の斬新さです。 このようにして 随筆 というものを始めたのですね。
枕草子の原文は残されていないそうです。
簡潔な描写ながら夏の夜の情景がありありと目に見えるようです。 豊かな感受性を持ち、 生き生きした人だったことが偲ばれます。
夏の夜にきっと音しか聞こえない 「あめなどふるもおかし」 と一行添えたのが素晴らしいと思います。
清少納言の見た蛍は ヒメボタル ではないでしょうか?
この陸生の小ぶりな蛍はゲンジボタルと違い、 オレンジ色
に発光し 夏の夜に木立の中を飛びまわります。
現在では山の中しか生息していませんが、 枕草子が書かれた平安期には夏には人家の庭でも普通に
見られたと思われます。
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