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<注>
つとめて ・・・ 早朝
さらでも ・・・ そうでなくても
つきずきし ・・・ 似つかわしい
ぬるくゆるびもてゆけば・・・
寒さがだんだんゆるんでくると
わろし ・・・. よくない
枕草子第一段 冬
「 冬はつとめて
雪の降りたるは
いふべきにもあらず
霜のいと白きも
またさらでもいと寒きに
火など急ぎおこして
炭もてわたるも
いとつきずきし
昼になりてぬるく
ゆるびもてゆけば
火桶の火も白き灰がにちに
なりてわろし 」
現代語訳例 :
冬は早朝が良い。 雪が降っているのはいうまでもない。 霜がとても白いのも またそうでなくても とても寒い朝に炭などを急いでおこして
炭を持って通ってゆくのも とても似つかわしい眺めである。
昼になって寒さがゆるんでゆくと 火鉢の炭火も白い灰が勝って良くない。
−− − −−−
寒い冬の 最も良い時は早朝である とするのは清少納言の活気に満ちた明るい性格そのものです。 冬の早朝の様子が
生き生き きびきびとして描写された非常に優れた文章ですね。
有名な 春はあけぼの のあけぼのよりは少し後が ”つとめて” となります。
”つと” という早いとか早朝とかいう意味の語から来たのではないでしょうか?
平安時代は朝廷などでの勤務の始まる時刻は現在よりかなり早かったようで お日様が出て明るくなった頃には始まっていた
ようです。 現代でいうと朝7時頃からとなります。 その つとめて の頃のあわただしく活気ある情景が伺われます。
これは役所ではなく定子の館の朝の情景でしょうがそれでも朝のあわただしい雰囲気が目に浮かぶようです。
”朝廷” という言葉の語源は 朝早くに勤務が始まったから とも言われています。
平安時代の宮廷役人といえば 歌ずくりや蹴鞠などで遊んでばかりいたと考える人もいるようですが 実際はそうではなく 限られた人員で国全体
を治めなくてはならずとても忙しかったのです。 だから朝は明るくなったらすぐに勤務を始めなくてはいけなかったのでしょうね。
また灯油を節約するため明るい日中を最大限に使う必要もあったのでしょう。 古代のお役人さんたちはなかなかの働き者だったのですね。
”努める 務める 勤める ” という言葉も昔は早朝から始まったので 早朝を意味する つとめて との関連から生まれたと考えられます。
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