制作者(webmaster)
野嵜健秀(Takehide Nozaki)
公開
2000-10-19
改訂
2002-07-20

「とほほのWWW入門・HTMLリファレンス リニューアル版」を斬る

HTMLの歴史

HTML2.0 & Tables

Netscape Navigator

Netscape Navigator 1.0〜2.0によって次のようなタグが追加されました。特に FONT の登場により、HTMLは表現力を増し、世界中に広まる事になります。

「Netscape Communications社は、Navigator 1.0〜2.0を次のやうな勝手に作つたタグに對應させました。特にfontの追加により、HTMLは混迷の度合を深め、世界中に腐れたHTML文書もどきが廣まりました」と言つた方が適切ではないでせうか。

fontと云ふ要素がNetscape Navigatorのデフォルトスタイルに強く依存してゐる事は事實です。その爲、Navigator以後のブラウザが全てNavigatorのデフォルトスタイル互換のスタイルを實裝しなければならなくなつた、と云ふのも事實です。結果として、我々ユーザは千篇一律な「ホームページ」を見せられる事となつた、と云ふのも事實です。

table關係のタグも、元々はNetscapeの獨自仕樣だつたと思ひます。

Internet Explorer

marqueeでHTMLは表現力を増した、と云ふ事實はなかつたのでせうか。自分の好き嫌ひに基いてものを言ふのは勝手ですが、少なくとも一貫性だけは保てなくなります。

HTML3.2

Recommendation は日本語に訳すと「推奨」とか「勧告」の意味です。かならずこの仕様に従わなくてはならないという強制力は無いので注意してください。

或文書をマークアップした結果、その文書が仕樣に適合してゐない場合、その文書はHTML文書だと言へませんので、注意して下さい。また、「勸告」「推奬」だから「從つてはならない」と云ふ事ではありません。

また、W3Cは、良い仕樣を作つたから「勸告」或は「推奬」してゐるのであり、無意味に逆らつて惡い文書を公開するのは良くない事です。

そもそも、W3CがHTMLの仕樣をユーザやヴェンダに強制してゐない事、押附けてゐない事は評價されるべきでこそあれ、非難されるべき事ではありません。W3Cは、ユーザに撰擇肢を提示してゐると言へます。ユーザは、進んでより理想的な仕樣に從ふか、便宜主義に基いて仕樣を拒絶するか、と云ふ二つの態度を自由に選擇出來ます。斯る選擇の自由が與へられる事は、キリスト教の文化ならではの事です。

とほほ師はW3Cが強制してゐない事に不滿を感じてゐるのでせうか。とほほ師は、強制的な押附けを行ふのは正しい、或は良い事だ、と信じてゐるのでせうか。どうも、無意識のうちに、とほほ師は「御上からの御達し」を望んでゐるやうです。

とは言へ、我々日本人の殆どは、とほほ師と同じで、自由を望まず、御上からの命令を待望んでゐます。とほほ師の事を誰も笑へません。我々日本人の殆どは、文部省の御達しに從つて、占領表記を使ひ、正字正かなを使ふ自由を認めません。日本人は自由が嫌ひです。閑話休題。


と云ふか、杜甫々さんの言ひ方は、「W3Cに逆らへ」「W3Cの言ふ事なんかきくな」「W3Cに反抗せよ」と言つてゐるも同然です。「良く考へろ」と云ふ言ひ方は、屡々「やめろ」と言つてゐるのに等しいものです。「實は勸告に強制力はないんですよ」「勸告に從はなければならないと云ふ事はないんですよ」とは、「勸告に從ふな」の婉曲表現です。

もちろん、杜甫々さんは「W3Cに從ふなとは言つてゐない、ただ、良く考へろと言つてゐるだけだ」と言拔けをするでせう。その爲にはつきり「從ふな」と杜甫々さんは書かないのです。しかし、この示唆と云ふやり方は、卑怯です。この手の無責任な言ひ方は、まるで煽動です。

杜甫々さんは、自分が良い事を言つてゐるとでも思つてゐるのでせう。しかし、讀者よ、杜甫々さんの言ふ事を疑つてみる必要はありませんか。杜甫々さんは僞善者です。

閑話休題

HTML4.0〜HTML4.01〜Ruby

ここで、アクセサビリティの概念や、意味と見栄えの分離の原則などが強化され、厳格な Strict、過渡期の Transisional のふたつのレベルの仕様が定義されました。

そのほかに、HTMLの繼子であるframesetの仕樣も定義されてゐます。

i-mode

Compact HTMLは結局、Noteのままで終つてゐます。

餘談

HTML 2.0/2.xその他がobsoleteとなつてゐる事實

ついでに申し上げますが、RFC2854で、以下の規格は全てobsoleteとなつてゐます。

XHTML

それから、どう云ふ譯か、XHTMLに關する記述が、すつぽり拔けてゐます。これを默殺と言ひます。

XHTML 1.0に關しては、全く記述がありません。とほほ師は「XHTMLはHTMLではない」とでも認識なさつてゐるのでせうか。2000年12月19日にはXHTML BasicがW3Cから勸告されてゐるのですが、とほほ師は依然としてXHTMLを默殺する積りでせうか。

その後、XHTML 1.1が勸告されましたが、依然、杜甫々氏は默殺してゐます。そもそも、杜甫々さんのHTMLの解説自體、全然更新されてゐません。

ISO/IEC 15445:2000

ISOがHTMLを規格化してゐます(JISにより飜譯・規格化されてゐます)。こちらもとほほ師は當然のやうに默殺してゐます。

關聯

目次

  1. HTMLリファレンス リニューアル版を斬る
  2. 記号や一覧の意味
  3. HTMLのタグと要素
  4. HTMLの属性
  5. 見栄えの分離とアクセサビリティ
  6. 非推奨の(Deprecated)タグや属性
  7. アクセサビリティ
  8. HTMLの歴史