顕微鏡写真集16
1−1位置図 1−2地形地質概要 1−3偏光顕微鏡写真集 1-4《まとめ》.岩石写真とその特徴1 1−5《まとめ》岩石写真とその特徴2 1-6調査結果のまとめと考察 (参考)岩石区分図

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火砕流堆積物16

岩石No.30(940807)火砕流堆積物(熔結凝灰岩)
オープン10× クロス10×
(肉眼観察)暗灰色。0.5−2mm程度の石英や黒っぽい自形の結晶粒がびっしり埋めているが、基質と見られる黒っぽい珪質な部分もある。切断面は緑灰色の5mmほどの岩片や結晶等散在し、暗灰色の基質と明瞭に分かれている。
(顕微鏡観察)組織は粗・中粒な斑晶、及び細粒結晶、隠微晶質な石基、及び岩片が多く混じりあっている。流離構造を示しているような所もある。斑晶は2−3mm程度で石英が多く、次いで変質した斜長石からなる。1mm以下の細粒結晶はその量も多く、またカリ長石が認められる。石基は全体に黒っぽく、干渉色が低い。写真は左側が大きな岩片で、細粒結晶からなる。右側が基質で隠微晶質な結晶からなる。右端の白い結晶は斜長石。
 岩石は隠微晶質な石基や多くの不淘汰な結晶、岩片を含んでおり、結晶の様子などから流離構造とみられる組織を含んでいることから火砕流堆積物(熔結凝灰岩)とした。
採取岩石の写真 (推定岩石名)火砕流堆積物(熔結凝灰岩)


岩石No.31(992714)火砕流堆積物(結晶質凝灰岩)
10×オープン 10×クロス
(肉眼観察)褐灰色。のっぺりした灰色の基質に1mm前後の結晶が数多く見られる。結晶は石英や桃色のカリ長石、斜長石、それと石英斑岩の岩片らしきものが少量見られる。硬質な岩石。
(顕微鏡観察)組織は粗・中粒な斑晶及び細粒及び隠微晶質な石基からなる。斑晶は石英及び斜長石、カリ長石、黒雲母よりなる。石英は融食形を示し、楕円形のものと柱状のものとの2種類がある。また、亀裂が走り小さく分解しているものもある。カリ長石は霜降りではなく、長方形状の斜長石結晶を含んだ形状である。結晶の量は多く、淘汰されていない。岩石片は含まないようである。細粒結晶は石英を多く含んでいる。 写真上は左半分がカリ長石で、その中の白い部分が斜長石と見られるカルバドス双晶を示す。右半分は石基で細粒結晶や隠微晶質からなる。写真下は黒雲母。  
岩石は石基が細粒結晶や隠微晶質、そして多くの結晶片を含むことから、火砕流堆積物と考えた。石英斑岩に近いともいえる。 
採取岩石の写真 (推定岩石名)火砕流堆積物(結晶質凝灰岩)


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