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斑岩14

岩石No.26(931601)-流紋岩に近い斑岩
オープン10× クロス10X
(肉眼観察)暗褐灰色。1−2mmの円形〜四角形の結晶が密集している。結晶の周りは白く縁取られ、風化が進み、亀裂も多い。基質はガラス質のように見える。
(顕微鏡観察)組織は2−3mmの斑晶と中・細粒結晶及び隠微晶質な石基からなる。岩片もかなり含まれているとみられる。というのもオープンでも岩石片といえる明瞭な外形を示さないが、細粒結晶が集合した状態を示しているから。石基は干渉色が低く、ガラスをかなり含んでいるようである。斑晶はほとんど石英からなり、それより小さい結晶は斜長石やカリ長石、石英である。量的には石基4割、結晶6割程度。写真は左上隅が斜長石(変質が進んでいる)、右側が隠微晶質な石基で細粒結晶も散在している。左下隅はオープンではまとまりがあって岩片のようにもみえるが、クロスではもう一つはっきりせず石基と相似している。
岩石は火山灰が堆積したとは考えられず、マグマの固結物質のようである。一応流紋岩に近い斑岩とした。
採取岩石の写真 (推定岩石名)流紋岩に近い斑岩


岩石No.27(931607)-流紋岩に近い斑岩


オープン(上10X、下25×) クロス(上10X、下25×)
(肉眼観察)淡褐灰色。0.1〜1mm程度の中粒の結晶粒が散在している。結晶は丸みを帯びている。基質は均質で珪質。硬質。全体に風化が進んでいる。斑岩に似ている。
(顕微鏡観察)組織は粗粒な斑晶及び中〜細粒結晶及び石基からなる。結晶はそれぞれ独立していて、その間を隠微晶質な石基が埋めている形式だ。
 斑晶は0.3〜3mm程度で、自形もしくは半自形の石英、カリ長石主体で、斜長石も少量混じる。中〜細粒結晶は他形で、ひとかたまりになり、岩片のようにも見える場合があるが、必ずしも岩片とはいいがたい。石基は隠微晶質な他形の結晶からなる。
下の写真は上の写真の左上部の拡大写真。下の写真ではカリ長石の間に細粒の結晶が集まっているのがわかる。オープンで褐色に色づいているところは風化が進んでいる。石英はオープンでも白色(上の写真)。
この岩石名はなんとなずければよいだろうか。斑晶があるので、マグマの中でゆっくり結晶したのだろう。中〜細粒結晶が多く、乱れた感じを抱かせるので、これらは地上付近だろう。そして隠微晶質は急激な結晶を示すのだろうか。これらは火山灰となり地上に凝集した凝灰岩だろうか。いや、これらは地上に火山灰として降り注いだとは考えられない。やはりマグマのまま、地上に噴出することなく地上付近で固結したのではないか。やはり流紋岩に近い斑岩だろう。
採取岩石の写真 (推定岩石名)流紋岩に近い斑岩


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