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Landor Associates 社訪問

ホテルよりバスで15分程の港に面した場所にあるランドーアソシエイツ社訪問。











故ウォルター・ランドー氏によって1941年に創設。デザイナーなら誰でも知ってるデザイン会社の老舗。CIやパッケージデザイン開発では世界一の実力と規模を誇る。常に新しい分野へ積極的に挑戦しており、環境デザインやインタラクティブに至るまでのデザインのトータルサービスを提供している。(フミ・ササダ)

1989年にオフィスと移したというレンガ造りの建物の広大さに驚かされた。かつて港に係留した船をオフィスに使っていたというスライド写真を見せてもらいながら、そこに訪問できなかったことが残念に思えた。ウォルター・ランドー氏は1945年に社を創立した際、他社との差別化のために船を選んだという。仕事場は毎日ゆれていたという言葉がいっそう想像をかきたてる。

社員250名、うちデザイナー115名。ほとんどがグラフィックデザイナーだがWeb用のプログラマーもいて、プロダクトデザインは外部発注するという。 最初に広いオフィスを見せてもらえる機会を得た。吹き抜けの大空間もある天井の高い内部はレンガの壁際にゆったりとしたガラス張りの個室が並び、どの部屋もセンス良く心地よさそうな部屋に仕立てられていた。デザインスタジオはとかく機密の問題がつきまとう。そうした区画にはカーテンが廻されていてスマートこのうえないという雰囲気。フォトスタジオでは6ヶ月前からデジタル撮影に移行しつつあるそうで、今は70%ほどの比率だとか。後行程でのアレンジの自由度が高いため、とても全体の効率に寄与するという。しかしデジタルの描画性能から11×17インチ以上はやはりフィルムになるという。

一行がゆったり入れるプレゼンルームに移り、パッケージデザイン部シニアディレクターのクリンス・レーバン氏より画像品質の高いスライドを使用するという案内で社の活動内容の紹介を受けた。
ランドーアソシエイツ社はサンフランシスコ、ニューヨーク、シアトル、ロンドン、パリ、ハンブルグ、香港、東京、メキシコシティ、そしてシドニーに提携オフィスを持ち、またその他にも主だった都市シカゴ、ドバイ、マドリッド、サンパウロ、ストックホルム、バンコク、ソウル、台北など10ケ所にブランドコンサルティングやマーケティングのオフィスを持ち、ワールドワイドに活躍していいる。

膨大な作品紹介の中からいくつかをとりあげると、 CI、ブランドアイデンティティでは、航空会社の60%のCI、NetScape社、リーバイス社、PEPSI缶のリデザイン、7up、マイクロソフトオフィス2000などなど、世界的に著名な企業名がずっと続く。

作品例:People PCではとてもフレンドリーであることをアッピールした。

作品例:シリコングラフィックス社の場合は、Sgiとリネームにまで及んだことで柔軟性を訴求したという。

作品例:Coleman社のキャンプ用クーラーには、それまでの複雑な表記内容の情報が多すぎることを指摘し、一目で分かるようシンプルなものとし、サッカーボールをアイキャッチャーに使用したり、動的な表現でアウトドアー製品らしさをとりこんだ。
作品例:栄養補助食品senseでは、ぶどうの内容物の色表現をパッケージに連動させることで理解しやすいものとした。

作品例:Coors 社には常にフレッシュさを提供している。 地図のLand Mcnary社に対しては、ナビゲーションの表現を追求した。 GarBar社のベビーフードでは、離乳のステップ表示を分かりやすくして買い間違うことのないようにした。 他にも、DEAN & DELICA社のコーヒー缶では内容物の写真を明確に写真表現することで内容物の状態を知ってもらい用途にあわせて買ってもらうなど。


最後にランドーアソシエイツ社の名言『”Products are made in the factory, but brands are built in the mind.”商品は工場でつくられる。だが、ブランドは心の中でつくられる』という言葉でプレゼンテーションを締めくくった。

ロビーにて一行それぞれにお別れの挨拶をしていた時、フミ・ササダ氏と再会の堅い握手を交わす現社長から『フミ・ササダ氏はかつて我々が船にいた時代に我が社で大活躍した優秀なデザイナーなんですよ!』とにこやかにそして感慨深げに語った姿がとても印象的だった。



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