鈴木:
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この間はどうもありがとう。かかった経費を計算したら、20万円もいってなかったよ。
ただ今年なんだけどさ、かなりいきそうなんだよ。申告しなきゃだめだよな。
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税理士:
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どうして?
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鈴木:
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この間、俺のお遊びサイトを取引先の人にみせたら、すごく気にいってくれてさ、そこの会社のウェブのデザインをお願いできないかって頼まれてな。
基本設計を俺がやって、更新業務についてはそこの会社の人を指導して、のちのちは、自社でできるようになりたいってことなんだけど。基本設計が50万で、指導料として月々5万円もらえるってことなんだよ。
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税理士:
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おまえそれ税金の問題っていうより、労働契約の問題でやばくないか?
副業で一番気をつけなきゃいけないのは、今の勤務先との関係だよ。 通常は就業規則で副業は禁止されていると思うし、まして、会社の取引先と契約するのはあんまり薦められないな。
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鈴木:
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いやうちの上司結構寛大だからさ、業務に影響させない限りは大丈夫だっていってくれているんだ。
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税理士:
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ふーん。まぁおまえのことだからきちんと筋は通してるんだろうけど。
じゃあ普通に確定申告すれば問題ないよ
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鈴木:
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そんな簡単に言うなって。
具体的には何をすればいいんだ?
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税理士:
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お前、それをタダで教えろって言うのか? 俺は税理士だぞ。
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鈴木:
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まぁそういわず、おれがいつか大金持ちになったら絶対お前に確定申告してもらうからさ。先行投資だと思って。
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税理士:
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しかたねーな。
まず、確定申告は暦年つまり1月1日から12月31日の所得にかかる税金を申告するもので、翌年の2月16日から3月15日までの間にするものだ。 税務署は原則として自宅の住所を管轄している税務署じゃなきゃだめ。まぁ用紙はどこででもくれるけど、申告はあくまで管轄の税務署だって覚えておくこと。
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鈴木:
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それで書き方は?
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税理士:
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税務署にいけば教えてくれる。 税務署って敷居が高い感じがするけど結構親切に教えてくれるみたいだから、それを利用すればいいと思うよ。 ちなみにお前の場合は給与所得と雑所得だけだから、給与所得については会社からもらった源泉徴収票をそのまま転記すればいい。
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鈴木:
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領収書は添付しなきゃ駄目なのか?
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税理士:
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つけなきゃならないのは、源泉徴収票だけ、雑所得についての領収書や計算の明細はつける必要はない。
医療費控除や事業所得の場合は、それぞれ領収書を添付しなければならなかったり、青色決算書とか収支内訳書をつけなければならない。
こまかくはいろいろあるから一概に言えないね。
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鈴木:
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事業所得と雑所得は、どうちがうんだ?
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税理士:
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事業は事業だよ。って説明になってないか? そんなに明確に区分はないんだ。 もちろん、規定もあるし目安もあるけど、それよりもむしろその人がそれで食っているかどうかが重要かな? 本業かどうかなんだ。
それで事業所得と雑所得の差は、事業所得で一定の基準をクリアすれば青色申告ができる。青色申告すれば、例えばお前の奥さんに給料を払えばそれも経費にできたり、青色申告控除っていうのがうけられたりいろいろなメリットがある。
もし、お前が本気で脱サラを狙っているんだったら青色申告の承認をうけたほうがいいかもな。
ちなみに青色申告をうけようとする年の3月15日までに申請書を提出しなきゃならない。
その年の途中で事業を開始したなら、始めてから2月以内でもいいんだけど。
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鈴木:
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そっかー。でもとりあえず今年は雑所得でいくよ。
他になんか気をつけることはある?
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税理士:
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副業のことを会社に話してあるんだったらばれてもいいのかもしれないけど、お前、住民税の特別徴収ってわかるか?
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鈴木:
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なに、特別に徴収されちゃうの?
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税理士:
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いや、給料から住民税を天引きされる場合のことをいうんだけど、確定申告すると、雑所得なり事業所得なりが増えるから、会社にどれくらい副業で収入があるのかばれちゃう可能性があるんだ。確定申告書には、特別徴収か普通徴収か選択する欄があるので、ばれたくない場合はかならず普通徴収に丸をつけること。
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鈴木:
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副業の話はしていても金額は知られたくないからな。 なんだか、まじめな気分になってきた。 おれもそろそろ、真剣に独立を考えようかな?
そのときはよろしく頼みます。
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