丸い地球を平面に映し出す技術を“地図投影”といいます。この章では投影のしくみを解説し、最後にPTOLEMYで採用している地図投影法について1つずつ紹介します。たくさんの方法がありますが、基本的な原理さえ理解していれば、名前を見ただけで性質を知ることができます。また地図を作るときは目的に応じて使い分けられるようになるはずです。
地球を縦に回転させてみました。つまり観察者から見たときの中心緯度が変化します。いずれも正軸の正距図法で、中心緯度が極のときは正距方位図法、赤道のときは正距円筒図法、それ以外のときは中心緯度を接線とする正距円錐図法です。正距図法なので緯線の間隔は等しくなります。中心緯度を変化させることにより、全体の形状が大きく変化することを実感してください。
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このサイトで公開している世界地図ソフト(PTOLEMY/MERCATOR)を使うと、図法を選択して実際に地図を描くことができますが、ダウンロードしてセットアップするのが面倒な方にお勧めしたいサイトがあります。Geo
Studio や MAPIO で有名な、Nijix(地図デザイン研究所)の別館「Team Nijix Trial WEB」です。
こちらは Java Applet を使用していますから、ブラウザ上で即座にかつ手軽に体験することができます。試作段階ということですが、地図上をドラッグするだけで地球の姿勢をリアルタイムに操作できるなど、図法の性質をわかりやすく表現することに重点が置かれているようです。図法の数も多いので、当サイトで紹介されていない図法について知りたい方にもお勧めです。このほかに2点間の距離を測定するアプレットなども用意されています。
TeamNijiX. Trial WEB
この章の記述にあたっては以下の文献を参考にしました。
『地図学の基礎』アーサー・H・ロビンソン、ランダル・D・セール、ジョエル・L・モリソン、(訳)永井信夫/地図情報センター
『教程 地図編集と投影』小坂和夫/山海堂
『コンピュータ・マップ』井関正嗣、向井俊文、岩崎美之/二宮書店
『地図の歴史(世界編)』織田武雄/講談社
『地理小辞典』三野与吉、町田貞/三省堂
『地図を作った人びと』ジョン・ノーブル・ウィルフォード/河出書房新社
『地理的情報の分析手法』菅野峰明、安仁家政武、高阪宏行/古今書院
『地図学用語辞典(増補改訂版)』日本国際地図学会/技報堂出版(図法の数式はこちらを参照してください)
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