仙台市近郊の風景
仙台市の近郊には風光明媚な観光地が数多く存在します。    これらの中から季節折々の風景をご紹介して行きたいと思います。

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釜房ダムは宮城県川崎町に位置し、高さ45.5m、長さ177m、総貯水容量4,530万立方mの多目的ダムで、仙台都市圏住民の水がめとなって飲料水はもちろん、農業用水、工業用水、発電、洪水調節など、様々な用途に利用されています。 釜房湖は、昭和45(1970)年に建設された釜房ダムにより碁石川が堰止められてできた面積約390ヘクタールの人造湖です。 釜房湖の北、東、南の三方は、ダムのすぐ南側に位置する標高385mの釜房山を筆頭に、300m程度の丘陵が湖を包み込むように取り囲んでおり、西には蔵王連峰を望む美しい景観を呈しています。 宮城県自然環境保全地域にも指定されています。

仙台市の水瓶・釜房ダム

人造の湖・釜房湖

蔵王連峰は、宮城・山形両県に南保区に連なり、北は雁戸山から南は不忘山までの25Kmの連峰で、国定公園に指定されています。その中には主峰、熊野岳(1841m)を筆頭に屏風岳(1825m)、刈田岳(1758m(1758m)、杉ケ峰(1745m)、地蔵山(1736m)、不忘山(1705m)、鳥帽子岳(1680m)などの山々があるが「蔵王」という名称の山は存在しない。 かつては女人禁制の霊山として信仰を集めたが、今ではエコーラインやロープウェイが開通し、女性・子供でも容易に観光できるようになった。冬は樹氷、夏はコマクサ、御釜といった蔵王の風物が手軽に楽しめる。  青根スパ・リゾートは、蔵王山麓の温泉リゾートとして近年開発された別荘地です。 仙台市と山形市からそれぞれ車で1時間程の距離にあり、四季の自然とともに冬のスキー場へのアプローチの便利さに恵まれています。 この写真は地内を流れる前川の清流を撮ったもので、蔵王山麓の渓流を集めて釜房湖に注ぐ川の一つです。

釜房湖畔より蔵王連峰を望む

蔵王山麓・青根スパ・リゾート周辺

 遠方に小さく見えるのは、蔵王山麓の主要な温泉として知られる青根の温泉街とスキーゲレンデとして有名な宮城蔵王えぼしスキー場です。 この地点から望む冬の夜景はスキーゲレンデの電光照明が浮き出て大変美しいです。  地元の農家の方が趣味で栽培されておられるもので、あまりの見事さに思わずシャッターを押してしまいました。

青根スパ・リゾートより宮城蔵王を望む

青根スパ・リゾート内の見事なシバザクラ

 国営みちのく杜の湖畔公園は、昭和56(1981)年に建設省(現・国土交通省)によって計画に着手され、計画総面積は釜房ダムの湖面を含む647.4ヘクタールに及ぶ広大な計画です。 平成元年(1989)8月に東北地方初の国営公園としてその一部の「文化と水のゾーン」(約62ヘクタール)を開園し、現在に至っています。 東北らしさを強調した「文化」と人間の命を育む「水」をメインテーマに同公園の中心となるもので、「彩りの広場」、「花木園」、「湖畔の広場」、「ふるさと村」などの施設で構成されています。 さらに将来計画として「健康運動と芝生」と「憩いと森」の2つのゾーンが予定されています。  全国初のダム周辺環境整備事業として計画されただけあって「親水性豊かなレクリエーションの場」の提供という観点から、園内にはダム湖の水を利用した人工の流れや滝と噴水などが作られています。 とりわけ蔵王連峰を水源とする川の流れと釜房湖を象った人工池から構成される巨大なパノラマ模型は壮観で、来園者の目を惹き付けます。
国営・みちのく杜の湖畔公園「彩の広場」

みちのく杜の湖畔公園「噴水」

日本三景の一つとして知られる松島は、湾内に大小260余の島々が浮かびそれぞれの島は長い年月の風と波の浸食によって創りだされた芸術品ともいうべき個性的な美しい景観を呈しています。 湾内東端に位置する宮古島の大高森山頂から眺めた奥松島の壮大な景色は絶品で、松島四大景観の一つに数えられています。 奥松島とは、宮古島と陸の野蒜海岸一帯をいい海水浴、潮干狩り、ウインドサーフィン、乗馬などのリクリェーションスポットにもなっています。 福浦橋は、陸の松島海岸と福浦島を結ぶ全長252mの長い朱塗りの橋で、その美しさゆえに松島の観光スポットの一つになっています。 昔は木造の橋でしたが、近年になってコンクリート橋に改装されました。しかし車両通行は不可で徒歩のみで渡ることがことが出来ます。 その先の福浦島は、面積6ヘクタールの小さな島ですが全島が県立自然植物園になっています。 1周を30分程で廻れますが島内には貝塚や弁財天などの歴史的な史跡も残されていて興味が尽きません。

大高森山より奥松島の島々を望む

松島海岸より福浦橋を望む

松島のシンボルで国重要文化財の五大堂は、松島海岸の観光遊覧船港のすぐ近くにあり、松島を訪れる観光客の主要なカメラスポットの一つにもなっています。 周囲の島々と共に四季を通じ美しい景観を見ることができますが、うっすらと雪を冠した冬の光景は絶品といわれています。 五大堂は、大同2(807)年に坂上田村麻呂の創建と伝えられています。後に慈覚大師が五大明王を安置した事から、五大堂と呼ばれています。現在の建物は、慶長9(1604)年に伊達政宗が修復、造営したものです。素木造、方3間、向拝をつけ勾欄付縁をめぐらし、屋根は宝形造、本瓦葺で、軒の出が大きく、総体に落ち着いた比例をなしています。内部に、奇巧をこらした彩色を施した屋形厨子を配し五大明王を安置しています。仙台付近の最古の桃山建築です。

松島海岸より五大堂を望む

松島のシンボル五大堂

瑞巌寺は、代々伊達家の菩提寺として栄えて来ました。 松島海岸より巨大な杉並木の参道を進むとやがて正面に入母屋造り本瓦葺きの威風堂々たる本堂が見えてきます。中庭には政宗候が朝鮮出兵の際に持ち帰ったといわれる臥龍梅が枝を延ばし、一歩本堂内に足を踏み入れると欄間の彫刻や黄金の障壁画の秀麗さに息を飲みます。 しかし残念ながら国宝ということで中門の奥は撮影禁止になっており、この写真は中門を外側から撮ったものです。 中門は切妻造り、こけら葺きの四脚門で、両側に連なる太鼓塀と共に国重要文化財に指定されています。 本堂に向かう参道の右側にもうひとつの歩道があり、その奥に数多くの苔むした岩穴と仏像群があります。 その昔、瑞巌寺の僧侶がこの場所に籠もり座禅や仏像彫刻をしながら修行したといわれています。

松島瑞巌寺中門

瑞巌寺境内

定義山・西方寺は、今から約八百年前に平重盛が平和祈願のため中国の欣山寺に黄金を寄進し、その際に送献されたのが阿弥陀如来の宝軸でした。平家が壇ノ浦の戦いに敗れた後、その重臣平貞能がこの宝軸を守り、源氏の追討を逃れるため名を定義と改め、この地に隠れ住んだのが定義如来の由縁とのことです。仙台から国道48号線を山形方面へ向かい、熊ヶ根橋を過ぎてすぐ右に折れ、すみきった水面に周りの山々を映す大倉ダムを横にながめながら、さらに山間に進むと遠くに定義山の五重塔が見えてきます。その昔、平家の落ち武者が隠れ住んだと伝えられる一帯です。 本堂は平成11年完成でまだ金色が目に眩しいほどです。貞能堂に似た造りで、屋根は同様に六角形の様式を用いています。

定義山・西方寺参道

平成11年に建立された西方寺本堂

五重塔はすべて青森ヒバで作られ、高さは約29メートル、室町様式で建立されているとのことです。五重塔境内にある庭園は、春の鮮やかな緑が、そして秋には艶やかな紅葉が美しい光景を見せます。  西方寺境内には、貞能堂や天皇塚など歴史的文化財が残されています。 治承2(1178)年、重篤になった平重盛が老臣肥後守貞能を枕辺に呼んで宝軸を授けて天皇はじめ平氏一族と世の人々の後生と自らの死後の菩提を弔うよう伝えたと言われています。 重盛の死後、平氏の勢いは衰え、源氏との一ノ谷、屋島の合戦に敗れ、ついに壇ノ浦の戦いで壊滅状態に陥りましたが、本軍からはぐれた貞能は辛うじてこの地へ落ち延び、壇ノ浦で平氏と共に海に没した安徳天皇をはじめ平氏一族の冥福を祈り続けました。 貞能の死後、従臣達が遺命を守り小堂を建て如来尊を安置したのが定義山の始まりと言われています。

西方寺五重塔

西方寺境内

 標高1841mの熊野岳を主峰とする蔵王火山群は、およそ100万年前頃までに今の山様が出来上がったと言われています。以来、何回も噴火を繰り返してきた複合火山が今の蔵王連峰です。蔵王のシンボルと親しまれるカルデラ湖のお釜は、養和2(1182)年の噴火で火口ができて文政3(1820)年の鳴動で水が貯まりはじめたものと言われています。 気象条件によって日に何度も色を変えることから別名「五色沼」とも呼ばれ、水面周囲1Km、南北300m、東西200m、最大水深25mほどのカルデラ湖が現在の姿です。 最初の頃の水はは強い酸性で、コバルトブルーだったそうですが、それが火山活動の休止により徐々に酸性が弱まり、溶けていた鉄分が酸化して緑色へと変化してきたそうです。よく晴れた日のお釜の水はエメラルドグリーンで周りの溶岩石と岩だらけの山並みに囲まれてより鮮やかに見えます。 蔵王連峰第二位の高峰、苅田岳山頂へは蔵王エコーライン苅田峠から蔵王ハイラインで終点の蔵王山頂駐車場まで車で行きます。 近くの県営レストハウスから赤茶けた火山礫の緩やかな斜面を登って行きますと15分程で苅田岳山頂に到着します。 山頂付近はかなり広く、頂上には石塔が建てられ、その近くに苅田嶺神社と石造りの避難所があり、すぐ近くの眼下にお釜を望むことができます。 蔵王エコーラインの開通以前には、この地に立てたのは一部の登山家に限られたと思いますが、今では老人や幼児でも容易に山頂風景を楽しむことが出来るようになりました。
蔵王のシンボル「お釜」 蔵王・刈田岳の山頂(標高1,758m)
 地獄を連想させる荒い岩肌の絶壁を谷底に向かって流れ落ちる光景はまさに壮観でした。 迂闊にも滝の名前を確認しませんでしたが、後に地図で調べてみたところ、恐らくは「不帰ノ滝」と呼ばれるものではないかと思います。  蔵王エコーラインの大黒天より苅田岳山頂に至る登山道の風景です。 周辺には噴火の際に飛んできたと思われる大小の石と共に蔵王の厳しい風雪に耐えながらけなげに生き続ける榛松の群生が見られます。
刈田岳より流れ落ちる滝 蔵王・大黒天付近から仙台方向を望む

                                                               
    
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