名も知らぬ　野の花

花瓶に挿して　窓辺に置いた

何て美しい　何て可憐　

いっそ　取り込んで　身体の中の

水中花にしてしまおう

ゆらゆら　きれいな　花の骨

いつだって　いっしょ

手足を上げりゃ　一緒に上げる

ふふふ笑うと　ほほほ笑う　

飽かず　眺めては　頬をよせる

好き好き　大好きよ　全部

怪しい　関係　女友達(こいびと)よ

ただならぬ　関係

破局を迎え　お別れをした

やはり野に置け　野辺の美女(はな)

むごい　ことしたね　御免なさい

思えば　人間も　みんな　

宇宙の　お腹の　水中花