原っぱ 都営住宅の跡地に広がった

秘密基地にすべりこむような わくわくした気分

 

何にも言わない土だけど 匂いがコツコツ毛穴をたたく

真ん中走る一本道では下駄履きの田舎っ子に戻る

 

私が私であることを感じて

なんとなく血がさわぐ

 

そんなそんな一本道 そばにあるのがいい!

 

すずめたちとの出来事を思い出して笑えてきた

ギラギラ照りつける夏の日に 日傘さして通ったら

両側の柵にいっせいに止まり来て

花道のよう 歩に合わせ列をずらしていった

 

すずめと友達になれたこと楽しくて

なんとなく血がさわぐ

 

そんなそんな一本道 一人と五十羽のミュージカル

 

もうそろそろ霜の季節 朝顔の返り花も消え

すすきとねこじゃらしが晩秋の風にゆれている

 

かたくなな心 やわらめる 天然の風情

スカーフで掬って結んで胸の奥

 

私が私であることを感じて

なんとなく血がさわぐ

 

そんなそんな一本道 死ぬまでここにあって

池田修二氏作曲