火の用心

遠く離れ住む むすめ達(むすめ)の声 声聞きたい

つつがなしやとたった それだけ

耳の遠い亡母(はは) 電話をよこした

「どうしてる 元気か 火の用心」

「火の用心 火の用心」

聞きたいなー もう一度

そばに父さんいた はずだね 母さん

 
 
 

一人くらい そば いてあげれば よかったのに

淋しかったでしょうね 母さん

名前(混乱して)呼ばれたね 5人を一度に

「どうしてる げんきか 火の用心」

「火の用心 火の用心」

聞きたいなー もう一度

じっとしていること なかった 母さん

 
 

母の生きた 年 とっくに過ぎ おばあちゃんだ  

私この頃耳が 遠い

言った 聞いてない 娘と衝突

「どうしてる げんきか 火の用心」

 「火の用心 火の用心」

聞きたいなー もう一度

辛い辛かったね わかるよ 母さん