※さようなら |
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若い頃のことは 苦い思い出ばかり 親元を離れたら 大阪で羽を伸ばそうと思っていた けれど 仕事に馴染めずに 転職繰り返した 殻に閉じこもり お金もなくて いじけて暮らしていた |
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三畳一間の 暗い路地裏アパート 台所はおろか 風呂 トイレもなくて 壁にかけた お鍋二つ 恋をするなど 全く思ってもみなかった ラジオから 「骨まで愛して」「雨の中のふたり」が流れ身に染みこんでいった |
※繰り返し | ||
「ここを出て行く人 みんな幸せになるねん」 脚悪い大家さん いざって言った はなむけのつもりでしょう 彼に着いてく 東京に行くんだ この部屋とも おさらばだ 子供も生まれ ラジオ聞くどころではなかった |
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※繰り返し |
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大家さんの言うこと 当たっていた 三十三年間 連れ添って 彼は逝った |
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当時の 今頃になって ふっと 口をついて出てくる 苦い味の 青春演歌 忘れやしない 忘れやしない |