秋の気配が 背後から

女の 身体を 抱きしめる

淋しい女は 淋しいままで

終わりにしては いけないと

リリーン リリーン リリーン 虫が鳴く

九月二十四日 秋物語

 

一人原っぱ 帰り道

山の端 下弦の月(ゆうづき) かかってた

悲しい女は 悲しい時は

素直に泣いて いいのだと

涙を 汲みとる お椀の 月影よ

九月二十四日 秋物語

 

すすきゆらめき 波が立つ

女の 心を 撫でていく

一人で女は 生きてく覚悟

花道ここは 明日への

泣いても 笑っても 一度の 人生よ

九月二十四日 秋物語

 

虫の音 下弦の月(ゆうづき) ススキの穂 

役者が揃った花道を 女は進む

秋物語






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