スウェーデンと鉱業
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17世紀、北欧を牛耳っていたのはスウェーデンでした。 特に、“北方の獅子”と呼ばれたスウェーデン国王グスタフ2世(在位1611−1632)は野心家で、 「三十年戦争」における主要人物の1人です。 当時のスウェーデンは、領土拡大を目的に、周辺の国々と戦争を繰り返していましたが、 その際、戦費の大きな助けとなったのが鉱業でした。 ![]() 学ぶ項目を、ステップを細かく分けて一覧にしました。 「この項目は大丈夫だな。」と思うものは飛ばしてもらって結構です。 自分に必要な項目だけを学べば良いでしょう。 【コバルト・ニッケル】 (01)ヴェストマンランド・・・スウェーデン有数の鉱山があり、様々な鉱物を産出。 (02)イェオリ・ブラント・・・スウェーデンの化学者。 1737年にコバルトを発見しました。 (03)アクセル・クルーンステット・・・スウェーデンの化学者で、イェオリ・ブラントの弟子。 (04)ニッケル・・・クルーンステットにより1751年に発見されました。 (05)紅砒ニッケル鉱・・・主成分は NiAs 。 発見当初は、銅と間違えられていました。 (06)幌満鉱・・・主成分は Fe6Ni3S8 。 鉄とニッケルは最も安定な元素です。 (07)ペントランド鉱・・・主成分は Fe4.5Ni4.5S8 。 幌満鉱とは、鉄とニッケルの比率が異なります。 (08)苣木鉱・・・主成分は Cu(Fe, Ni)8S8 。 ペントランド鉱に似るが、銅が含まれています。 (09)様似鉱・・・主成分は Cu2(Fe, Ni)7S8 。 銅とニッケルは、元素の周期表で隣どうしです。 【ガドリン石】・・・希土類元素発見の起点となる鉱物です。 (10)重い鉱物・・・クルーンステットは、ニッケル鉱石とは別の“重い鉱物”も発見していました。 (11)カール・アレニウス・・・スウェーデンの化学者。 同じ“重い鉱物”を1787年に発見しました。 (12)イッテルビー村・・・アレニウスが“重い鉱物”を発見した、ストックホルム郊外の村です。 (13)ヨハン・ガドリン・・・アレニウスが発見した鉱物を1792年に分析しました。 (14)ガドリン石・・・そして、以降、この“重い鉱物”は「ガドリン石」と呼ばれるようになりました。 (15)ガドリン(Y)・・・イットリウムが多く含まれているガドリン石です。 (16)ガドリン(Ce)・・・セリウムが多く含まれているガドリン石です。 【重希土類元素】・・・原子番号の大きい希土類元素です。 (17)酸化イットリウム・・・1794年にガドリンがガドリン(Y)から発見しました。 (18)フリードリヒ・ヴェーラー・・・1828年に酸化イットリウムを還元し、イットリウムを単離。 (19)カール・モサンダル・・・スウェーデンの化学者。 1843年にガドリン(Y)を追加分析。 (20)酸化テルビウム・・・ガドリン(Y)から発見され、その後、テルビウムが単離されました。 (21)酸化エルビウム・・・ガドリン(Y)から発見され、その後、エルビウムが単離されました。 (22)ジャン・マリニャック・・・スイスの化学者。 1878年に酸化エルビウムを追加分析。 (23)酸化イッテルビウム・・・酸化エルビウムから発見され、イッテルビウムが単離されました。 (24)ラース・ニルソン・・・スウェーデンの化学者。 1879年に酸化イッテルビウムを追加分析。 (25)酸化スカンジウム・・・酸化イッテルビウムから発見され、スカンジウムが単離されました。 (26)ジョルジュ・ユルバン・・・フランスの化学者。 1907年に酸化イッテルビウムを追加分析。 (27)酸化ルテチウム・・・酸化イッテルビウムから発見され、その後、ルテチウムが単離されました。 (28)ペール・クレーベ・・・スウェーデンの化学者。 1879年に酸化エルビウムを追加分析。 (29)酸化ホルミウム・・・酸化エルビウムから発見され、その後、ホルミウムが単離されました。 (30)酸化ツリウム・・・酸化エルビウムから発見され、その後、ツリウムが単離されました。 (31)ポール・ボアボードラン・・・フランスの化学者。 1886年に酸化ホルミウムを追加分析。 (32)酸化ジスプロシウム・・・酸化ホルミウムから発見され、ジスプロシウムが単離されました。 【軽希土類元素】・・・原子番号の小さい希土類元素です。 (33)イェンス・ベルセリウス・・・スウェーデンの化学者。 1803年にガドリン(Ce)を分析。 (34)酸化セリウム・・・ガドリン(Ce)から発見され、その後、セリウムが単離されました。 (35)酸化ランタン・・・モサンダルが1839年に酸化セリウムから発見し、ランタンが単離された。 (36)カール・ヴェルスバッハ・・・オーストリアの化学者。 1885年に酸化ランタンを追加分析。 (37)酸化ネオジム・・・酸化ランタンから発見され、その後、ネオジムが単離されました。 (38)酸化プラセオジム・・・酸化ランタンから発見され、その後、プラセオジムが単離されました。 (39)酸化サマリウム・・・ボアボードランが酸化ランタンから発見し、サマリウムが単離されました。 (40)酸化ガドリニウム・・・マリニャックが酸化ランタンから発見し、ガドリニウムが単離されました。 (41)ウジェーヌ・ドマルセー・・・フランスの化学者。 1896年に酸化ランタンを追加分析。 (42)酸化ユウロピウム・・・酸化ランタンから発見され、その後、ユウロピウムが単離されました。 (※)採掘した「二酸化マンガン」に塩酸を加えて、「塩素」を発見したのもスウェーデンでした。 → こちら 「鉱産資源の探求」に戻る |
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