狂  歌
 
                                             崎南畝
    ・・このペンネームは、お前、なんぼのものじゃいという、オヤジダジャレです。・・・     


 人
間には、尊敬する人と敬愛する人とがいると言います。尊敬するのは誰だ?と言われると恥ずかしくて言えないものです。敬愛する人と問われれば無数にいますので、これも言えません。しかし、それでは文章にならないので、ひとりだけ上げます。太田蜀山人(南畝)です。私は彼のような人生を送りたかったのですが、末法(今時、こんな言葉が残っとるかの説もある)の極みの現代では、それは許されませんでした。謹厳にして不真面目なサラリーマン生活を送り、ここまで来たのです。しかし、志はあります。蜀山人には及びもないが、「狂歌」をと。だが、狂った今の日本。わざわざ「狂歌」と言わず、「歌」でいいのじゃないかと、何につけてもクレームをつける御仁もいます。でも「歌」では、音楽家や歌手、カラオケだけが生きがいの方々に失礼です。「狂歌」にしました。蜀山人には及びもないので今回は、全て盗作で元歌があります。調査するまでもなく、著作権はきれているようですので訴えられる心配はないようです。(こんなもんを訴えるほどの暇人はいないよ、との声も)前置きが長すぎました。読み返すと、何の意味もなく、世のため、人のためにならぬものです。しかし、それが文化の原点です。我が高邁な思想を理解された方のみ、お読み下さい。ありゃ、誰も読んでない。

 

「そのこ二十 股にはりつく 黒髪の おごるる奥の うつくしきかな」
                                                 よさないであきずに
(はなからこれです。ゴメンなさい。次は高尚に)



「願わくば はなのもとにて 春死なむ その如月の まだ死にたくはなし」
                              西行呆師


「花のいろは うつりにけりな いたずらに 我が身みるたび ああいやだ」
                              ほんの小町


「君がため おしからざりし 命なら ながくいきようと 思いぬるかな」
                              藤原よしたかった


「風さそう 花よりもまた 我はなほ はるのなごりは どうでもいいです」
                              浅野工まれのかみあほのり


「七重八重 花は咲けども やなことに 胃のひとつだに なきぞかなしき」
                              太田胃癌


「あまつ風 雲のかよひ路 吹きとじよ 乙女のすがた 今そんものはおらん」
                              僧正返上


「ももひきや ふるき下着を しのぶにも なをあまりある 在庫なりけり」
                              準特淫

「たはむれに 妻を背負いて そのあまり 重きに泣いて 一歩も歩めず」
                              石川かまぼこ
(高尚すぎて、皆様の期待に応えられないようです。本来の姿に戻ります。)


「契りおきし させるが君の 命にて あわれ今夜も わしはいぬめり」
                              藤原もっとして


「瀬をはやみ 早くとせかるる 高腿の われめにすえに あはんとぞ思う。」
                              吸っとく淫


「ながからむ 心もしらず くろかみの みだれてけさは つかれはてました」
                              待賢門淫掘河
(やっと調子が出てきたねい)


「おほけなく 浮世の民に おもうかな わがたつものに  すみましたあれ」
                              大僧正痔炎


「しのぶれど ものに出にけり 我がこひは ものがでかいと 人の問うまで」
                              平のもりもり


「春の夜の 夢ばかりなる 手枕に かひなく起たん われぞくやしき」
                              しよう内侍


「見せばやな わたしのあれの それだにも ぬれぞにぬれて 色がかわった。」
                              淫婦門院大舗


きりがないですので、今回の大トリを。

「さびしさに 店を立ちいで ながむれば いずこも寒し 新橋のゆうぐれ」
                              新橋「菜根」の女将

   

                  無断禁転載
              (こんなもん転載するヤツがいるか)  はい。
 
 この他に百首ほど在庫がありますが、発表する機会はなく、日本の文化が廃れていく象徴なのです。   合掌

                                                                               



 ほかの作品もお読みください。
     『花は桜木』
     『翁と媼の物語』
     『神田川』
     『蝉しぐれ』
     『SFもどき』
     『ある愛』
     『喪春記』

   烏森同人Top頁に戻ります。