韓国の風 金良洙(Kim Yang Soo)の世界 

チーム「韓国の風」の軌跡4


出会いから10周年記念展
安城市民ギャラリー 2013年5月8〜12日   






日韓二人展が終わり一息ついた頃、安城市民ギャラリーの古参スタッフから「何かやりませんか」との声が掛り、それではと、以前から私が収蔵している金良洙さんの額装絵や掛け軸、屏風絵、金さんが絵付けした陶器、絵皿、団扇絵、扇子絵、図録、金さんの記事が掲載された出版物、金さんの出版本と翻訳書、金さんが出演したTV番組を録画したDVD、カレンダーや写真等、数々の金良洙作品・関連資料を、「出会いから10周年記念展」として公開することにしました。そのことを金良洙さんに伝えたところ、彼に「自分も作品を持って訪日していいか」と聞かれ、私は「これはあなたが日本で行った過去全ての個展や、10年来の付き合いからから入手した作品、資料、記念物であり、活動の集大成を展示することに意味がある」として断った経緯があります。それにしても、あれ以降も私のコレクションは増えるばかり。死蔵するのは勿体ないが、手放すのはもっと惜しい。本当に人間とは欲張りなものです。

第5回個展  禅画展「そうだ! 風のように一緒に行こう」
東京京橋 ギャラリー・モーツァルト  2014年9月1〜6日 


2013年8月、二人展でご一緒した陶芸家、加藤克也さんがソウル仁寺洞の耕仁美術館で韓国での初個展を開催した。これには私を含めチームメンバー3名が運搬・雑用係として訪韓したが、現地では金良洙さんや崔沺さんの大いなる助けがあった。実は同じ時、金良洙さんも北村(プクチョン)地区で個展「幼年同行」を開催中であり、忙しい時間を割いて加藤作品の展示準備やレセプション手配等を行ってくれたのだ。

ところで「幼年同行」展は蛙を擬人化した作品で統一され、私が訪れた時、展示作品はほとんど完売の状態で、ソウルでの彼の人気ぶりにやや驚かされた。蛙は金良洙お気に入りの題材で、出会った頃から彼は、「自分は蛙の生まれ変わりだ」と言い続けている。韓国では特に「金の蛙」は幸運のシンボルらしい。

これらの個展が終わり、帰国した翌日に崔沺さんから電話があり、金良洙さんが次回、東京で個展をしたいと言っている。と打診があった。私はあちこち電話を掛け、相談し、翌年5月に上京してギャラリーを巡り、3か所の候補地をリストアップした。また韓国文化院や在日韓国人連合会等を訪問して協力を求めた。
帰宅後に金良洙さんに調査結果を報告。5月末に本人が来日して会場を直接見た上で最終契約することになった。そして最終的に京橋のギャラリーモーツァルトを会場に決定した。

禅画展「そうだ! 風のように一緒に行こう」は前年8月のソウル個展「幼年同行」の日本編と言える。展示作品のほとんどが擬人化された蛙を主題としており、ただ2点だけが亀である。それは私のリクエストによるもので、日本では「金の亀」が幸運(金運)をもたらし、また亀は長寿のシンボルでもある。という私の注文に彼が応えたものだ。

結果として、残念ながら禅画展は来場者も少なく、東京という激戦区、遠隔地での展覧会の難しさや、宣伝等で自身の力のなさを痛感した。ただそんな中でも面白い出会いはあったし、何より、彼の絵を一週間眺めて楽しめた事が私の喜びである。尚、個展準備に際し、はるばる上京して展示準備をお手伝いして頂いた加藤さんご夫妻や常滑のやきものギャラリー「ほたる子」の小池正さん、通訳をお願いした美術家の木内万宇さん、「ギャラリー杉野」の杉野さんご夫妻、他の関係各位に感謝申し上げる。



      幼年同行

   限りなく清らかな夏の日
   風のように一緒に行こう
   一生涯消えることのない
   輝く幼年の記憶の中に
   世の中で最も懐かしい出来事が
   夢のようにそぞろ歩く

         寂拈山房
        一休 金良洙
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