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 [こころを覗く]について


[1]人間は3つの心の組み合わせ

 人間の心(自我)は誰でも
 「子どもの心」、
 「親の心」、
 「成人の心」
の3つの組み合わせでできていると考えます。この組み合わせを考えることを「自我の構造分析」といいます。ふつう次のような図で示します

     

また3つの心を以下のような記号でも表わします。
「親の心」    →  「P」 (Parent-ペアレント)
「成人の心」   →  「A」 (Adult-アダルト)
「子どもの心」  →  「C」 (Child-チャイルド)  

こうした心は、次のようにして生まれます。

 1,「子ども」の心の生まれ

 人間は生まれ落ちたときから、とても原始的で幼稚なものですが、「心」(自我)が形成されていると考えられています。母親の胎内において学習しているとの説もあります。
 生まれ落ちたときの子は自己愛の固まりですから、周りになんの遠慮もなく振る舞います。眠りたいとき眠り、泣きたいとき泣き、おっぱいが欲しければ親の都合にかまわず欲しがります。そしてこの要求はほとんど100%叶えられます。

 でもこの状態はいつまでも続きません。何ヶ月か経つうちに、周りは自分の思い通りに動いてくれないことに遭遇します。泣いてもすぐに抱き上げてくれません。寝ていることに飽きても放っておかれたりします。こんなことが重なるうち、幼稚な判断ながら、周りに順応しようとする心の働きを見せるようになります。
 このようにして、自由気ままに振る舞う心と、「ま、しゃぁない、相手に合わせよう」と順応する心がミックスした「子ども」の心が創られるわけです。
 こうした「子ども」の心は、大きくなっても陽気に騒いだり、反対におとなしく引っ込み思案になったりする形で現れます。

 2,「親」の心の生まれ

 子供は親の遺伝子を持って生まれてくるとともに、物心がついてくると、親の存在に気づきます。いちばん身近な人なので、当然その影響を強く受けます。
 まず親のマネをします。母親が笑いかけるとその表情をまねようとします。父親が昼寝をしていると、その格好をマネようとします。この頃の子供は親の様子を実によく観察しています。マネするということは、それらを自分の中に取り込もうとする行為です。親のことは無批判に取り込もうとします。

 同時に親は無意識なうちに、子供に様々なことを注ぎこみます。父親は社会の「きまり」を教えようとします。来客があったら静かにすること、信号は青で渡ること、隣の人にはあいさつをすることなどです。母親は生活の「習慣」に従わせようとします。朝起きたら歯を磨くこと、食事のときは箸を使うことなどです。
 このようにして親の影響を子は受けながら、次第に新しい心が形成されます。
 これが「親」の心です。誰でも経験する「ままごと遊び」は、親の生活を見事に再現し学習しているのです。

 「親」の心の内容は、生きていくために必要な「きまり」「習慣」「理非」「善悪」「養育」「いたわり」といったものを備えています。

 3,「成人」の心の生まれ

 子供は1年数ヶ月あたりから、これまでと全く違うとてつもなく大きな世界と出会います。それは言葉に遭遇することです。言葉を得ることから、サナギが蝶に変わるように、子供は全く質の違う人間に変身します。これまでは目に見えるもの、手で触るものだけが世界の全てでしたが、言葉を通してもっもっと広い世界があることに気づいてきます。

 いつも見かける猫に似ているが、それより何十倍も大きいライオンがいることがわかってきます。ふだん暑さ寒さも適度なところに暮らしていますが、一年中暑い夏だったり、一年中寒い冬だったりする世界があることもわかってきます。こうして子供ながらの経験と言葉とをつきまぜて、物事のつながりや成り立ち、事柄のありようなどを理解していきます。


 さらに世の中は目に見えるものだけでなく、形もなく目に見えないものがあることも悟っていきます。このようにして子供は物事を筋道立て論理的に判断していく心や、理非善悪を判断する心が養われていきます。
 これが「成人」の心です。「成人」の心は、幼児期から出発して、その人の一生を貫いて、変化しながら成長していきます。

 4,自我状態ということ

 人間は3つの心をないまぜにしてその人のパーソナリティを創っています。この心の状態を、交流分析では「自我状態」といっています。


[2]心の具体的な現れ方

 人間の3つの心の組み合わせと述べましたが、現実にこの心が姿を現すときは、下図のように5つの形を持って現れます。それぞれの特徴となる面を以下に述べてみます 。
 どの心が自分には強く表れるかを考えると、自分のパーソナリティを知るヒントになります。

  


 1,父親的心の現れ方

[プラス面では]  
規律、規範に従う。正義を好み、悪を憎み物事を批判する心が強い。
ものごとを取り仕切ることを好む。人の面倒を見て育てようとする。意志が強く、信念に従って動く。自尊心が高い、など。

[マイナス面では]  
ガンコ。言い出したら聞かない。人の面倒を見るが裏切られると激しく憎む。ガミガミものをいう、など。


 2,母親的心の現れ方

 [プラス面では]
 人を慈しみ養育する心が強い。親切心が強く、同情心があり、やさしい人だとの印象を与える。物静かに話す。表に立つより陰に回る。誰かを盛りたてる役に喜びを感じる。愛する者のために自分を犠牲にする。自分の功を誇らない、など。
 
[マイナス面では]
 情にほだされて騙されやすい。泣き落としに弱い。ぐずぐずと愚痴る。
 人を責めるより自分を責める。悲しい運命も甘受する、など。


 3,成人の心の現れ方

 [プラス面では]
 物事を理詰めに考える。感情にあまり流されず、激することが少ない。現象より本質を考えようとする。分析能力がある。すぐ反応せず、全体を見て判断する。生活全体を合理的に考える。
公正、平等な評価をする、など。

 [マイナス面では]
 情緒・情感という面が薄い。一見冷たい感じがし、素っ気ない。
 自分は当事者にならず、冷ややかな第三者的立場をとる、など。


 4,自由な子どもの心の現れ方

 [プラス面では]
 天真爛漫で陽気。遊び好き。おしゃべり好き。自分の思うように振る舞う。敵が少ない。迷惑行為をしても相手から憎まれない。言葉遣いにあまり配慮しない。ねだるのが上手。表情が豊か。服装、行為が派手。「すごーい、かわいい」などの言葉をよく使う、など。

 [マイナス面では]
 小さな約束など破っても平気。責任感が薄い。気分にむらがあり、喜怒哀楽が激しい。チャランポラン、など。


 5,従順な子どもの心の現れ方

 [プラス面では]
 素直。規則や規律によく従う。冒険などせず堅実に歩む。相手の意に逆らうことはなく、嫌なことでも頼まれると引き受けてしまう。よくいえば実直でマジメ、悪くいえば陰性・陰気な感じを与える。人を使うより人に使われる方を選ぶ。黙々と働く、など。

 [マイナス面では]
 消極的で遠慮がち。劣等感が強い。依頼心が強く。自分のことでも自分で決断できない。人の言いなりになる。運命に逆らわず流されやすい。急に怒り出したりする、など。

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